トピックス

令和5年12月中の主なトピックス

◇雇用保険制度の見直しに向け報告素案を提示、週10時間以上へ適用拡大
厚生労働省は、労働政策審議会雇用保険部会を開催し、雇用保険制度等の見直しに向けた部会報告(素案)を示しました。雇用保険制度の適用拡大については、雇用のセーフティネットを拡げる観点から、週の所定労働時間が10時間以上20時間未満の労働者にも適用すること(2028年度中に施行)、自己都合離職者の給付制限期間(給付開始までの待期期間)については、現行の2カ月を2025年度から1カ月に短縮すること、「専門実践教育訓練給付金」については、受講前後を比べ賃金が一定(5%)以上上昇した場合には費用の10%を追加することにともない、「教育訓練給付金」の給付率を最大で受講費用の80%に引き上げること、育児休業給付金については、両親がともに一定期間以上の育休を取得した場合には28日間を限度に、休業開始前賃金の80%相当額の給付を支給すること、2歳未満の子を養育する時短勤務者には、「育児時短就業給付(仮称)」を創設し、給付率は時短勤務中の賃金額の10%とすること、などが盛り込まれました。
◇「こども未来戦略」案を議論、「共働き・共育て社会」推進の取組強化も盛り込む
政府は、こども未来戦略会議を開催し、「こども未来戦略」案について議論しました。首相は議論を踏まえ、「戦略案では、前例のない規模での政策強化の具体案を盛り込み、子供一人当たりの家族関係支出は、OECDトップのスウェーデンの水準に達し、画期的に前進する」とした上で、経済的支援の強化として「児童手当の抜本拡充」や「高等教育費の支援の拡充」を挙げ、共働き・共育て社会の推進に向けた取組強化としては、「出生後の一定期間、育休給付率を手取り10割に引き上げるほか、テレワークや時短勤務など柔軟な働き方を選べる制度を設け、時短勤務の場合でも給付をもらえるようにする」などと述べました。
◇景気判断「一部に足踏みもみられるが、緩やかに回復」を維持
政府は、12月の「月例経済報告」を公表しました。基調判断は、「景気は、このところ一部に足踏みもみられるが、緩やかに回復している」を維持。先行きについては、「緩やかな回復が続くことが期待される」としつつ、「世界的な金融引締めや中国経済の先行き懸念のリスクに加え、中東地域をめぐる情勢等の影響にも十分注意が必要」との前月の表現を踏襲しました。個別判断では、業況判断は「改善している」に上方修正。消費者物価は「このところ上昇テンポが緩やかになっている。」に変更。雇用情勢は、「改善の動きがみられる」の判断を維持しました。
◇「人手不足相談窓口」を開設
中小企業基盤整備機構は、2024年1月より全国9ヶ所の地域本部およびオンラインで「人手不足相談窓口」を開設すると発表しました。併せて発表した「人手不足に関する中小企業・小規模事業者の意識調査(11月実施)」結果によると、3割強が人手不足の状況を深刻と捉え、6割強が重要または将来的な課題と認識。特に建設業やその他サービス業、飲食・宿泊業で深刻度が高い傾向。人材確保対策への取組は、シニアの活用は進んでいるものの、副業人材・外国人・障害者の活用は進んでいません。業務効率化、職場環境整備等については、「行っていない/予定なし」の回答が30%から50%あり、理由としてコストやノウハウ不足があがっています。これら調査結果や、中小企業からの支援ニーズ(人手不足に関する相談窓口の開設、補助金制度、情報提供等)に対応するよう、同機構は人手不足に関する支援体制を順次強化していくとしています。
◇「70代以降も働きたい人」は14.2%
リクルートマネジメントソリューションズは、「一般社員の会社・職場・仕事に関する意識調査」の70代以降に働くことについての分析結果を発表しました。「70代以降も働きたい人」は14.2%。年代別では、20~24歳の8.2%が最も少なく、55~59歳でも16.7%。70代以降も働きたいと思う人の現状認知の差を40~50代について調べたところ、「今の仕事は自分の成長につながると思う」などと回答した人は70代以降も働きたいと考える傾向がある、としています。調査対象は一般社員、主任・係長クラスの正社員で、有効回答数は3,708名。
◇労災の死亡者数6.0%減、休業4日以上死傷者数2.5%増
厚生労働省は、2023年の労働災害発生状況(12月速報値)を公表しました。死亡災害は、死亡者数が609人で前年同期比6.0%減少。業種別では、建設業27.7%減、林業10.7%減、陸上貨物運送事業28.6%増など。休業4日以上の死傷者数は、11万780人で同2.5%増加。業種別では、第三次産業4.6%増、製造業1.7%増、陸上貨物運送事業1.8%減など。なお、公表された数値は、新型コロナ感染症の罹患による労働災害を除いたものです。
◇2024年の自社業界の倒産「増える」56.7%、「減る」3.7%
東京商工リサーチは、「業績予想」「過剰債務」などに関するアンケート調査結果を発表しました。2024年は自社業界で倒産が「増える」と予想した企業は56.7%、「減る」は3.7%、「変わらない」は39.4%。24年の自社の業績見通しについては、「売上、利益とも横這い」が最多の29.2%、増収増益21.4%、減収減益14.6%と続く。自社債務が「過剰」とした企業は24.8%で、1年前(2022年12月)から5.0ポイント改善しました。自社の債務状況が改善しながら、取引先や同業者への警戒感は逆に高まっていることがわかった、としています。
◇大企業の従業員判断指数、50期連続「不足気味」超
内閣府と財務省は、「法人企業景気予測調査」(2023年10~12月期調査)結果を公表しました。 雇用に関する「従業員数判断」BSIは、大企業は26.3%ポイントで2011年9月末以降、50期連続の「不足気味」超。中堅企業、中小企業いずれも「不足気味」超。「貴社の景況判断」BSIは、大企業は4.8%ポイントで、2023年4~6月期以降、3期連続の「上昇」超。中堅企業は「上昇」超、中小企業は「下降」超となりました。
◇2交替制夜勤職場が48.4%で過去最高に
8時間以上の長時間勤務が前提となる「2交替制夜勤」を行う病棟(2交替病棟)が48.4%で過去最高に――。日本医労連(佐々木悦子委員長、約14万4,000人)が公表した「2023年度夜勤実態調査」で、夜勤に従事する看護職員・看護要員の過酷な労働実態が明らかになりました。集計データからは、長時間夜勤や短い勤務間隔での労働が行われ、月の夜勤回数も依然として深刻な状況であることがうかがえました。医労連は、改善に向けて看護師の増員や夜勤の改善を求めています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和5年11月中の主なトピックス

◇正社員の人手不足は52%、建設・物流では約7割
帝国データバンクが発表した「人手不足に対する企業の動向調査(2023年10月)」によりますと、正社員の人手不足企業の割合は52.1%で、10月としては2018年(52.5%)に次ぐ高水準。業種別では、インバウンド需要が好調な「旅館・ホテル」(75.6%)がトップ、エンジニア人材の不足が目立ち、「情報サービス」も72.9%で続きました。2024年問題が懸念されている建設・物流業でも、それぞれ7割近くに達しました。 非正社員では、30.9%が人手不足を感じており、業種別では「飲食店」が82.0%で最も高くなりました。また、正社員でトップだった「旅館・ホテル」(73.5%)は、非正社員では2番目の高水準となりました。
◇約5割の企業が「人材評価」「賃金報酬」「昇進昇格」制度の変更が必要と感じている
リクルートは、「企業の人材マネジメントに関する調査2023(人材の評価/賃金・報酬/昇進・昇格制度編)」を発表しました。 変更の必要性を感ずる企業は、「人材の評価」で45.6%、「賃金・報酬」で52.3%、「昇進・昇格」で 45.9%。理由は、「従業員にとって、より納得感の高い評価にするため」(58.8%、人材の評価)、「従業員のパフォーマンスを引き出すため」(57.3%、賃金・報酬)、「年功序列の昇進・昇格を是正する」(55.1%、昇進・昇格)が最多です。3制度をすべて見直した企業は、従業員エンゲージメントが高いなどが明らかになったとし、制度を通じた一貫性のある見直しが必要としています。
◇冬のボーナス、2.41カ月
連合は、「2023春季生活闘争 年末一時金(第1回)・企業内最低賃金協定(最終)回答集計」結果を発表しました。 年末一時金は、組合員一人あたり加重平均で2.41月(昨年同時期2.39月)、79万3,542円(同72万6,893円)、いずれも昨年実績を上回りました。 同日発表された企業内最低賃金協定(最終)は、闘争前に協約があり、基幹的労働者の定義を定めている場合では、回答組合の単純平均で、月額17万2,221円/時間額1,068円、基幹的労働者の定義を定めていない場合は、月額17万1,013円/時間額1,025円となりました。
◇育児との両立支援、テレワーク活用や残業免除の小学校就学前までの拡充等を提案
厚生労働省は、労政審雇用環境・均等分科会を開催し、仕事と育児・介護の両立支援対策の見直しについて議論しました。育児の両立支援としては、テレワークを子が3歳になるまでの両立支援として努力義務化するとともに、短時間勤務制度の適用が難しい場合の代替措置に追加するとしました。3歳以降小学校就学前までの支援拡充としては、始業時刻等の変更、テレワーク、短時間勤務制度、新たな休暇等から2つ以上を選択できるようにすることや、所定外労働の制限(残業免除)を挙げました。看護休暇については、病気やケガだけでなく、感染症に伴う学級閉鎖、入・卒園式や入学式への参加でも取得できるようにします。 介護離職防止に向けては、介護保険の第2号被保険者となる40歳のタイミング等の時期に、事業主が労働者に両立支援制度の情報提供を一律に行うことを義務付ける案などを提示しました。分科会では、このほかに、2023年11月2日決定の総合経済対策を受け、「産業雇用安定助成金」「両立支援等助成金」「キャリアアップ助成金」の制度新設・見直しに係る雇用保険法施行規則の一部を改正する省令案を諮問しました。
◇両親ともに育休取得で10割給付、リスキリングにも新たな給付案を提示
厚生労働省は、労政審職業安定分科会雇用保険部会を開催し、育児休業給付等と教育訓練給付等について、これまでの議論の整理と見直しの方向性について提示しました。育児休業給付等については、 出生後一定期間内に両親ともに育児休業を取得することを促進するため、両親がともに14日以上の育児休業を取得した場合、28日間を限度に、給付率を現行の67%(手取りで8割程度)から、8割程度(手取りで10割相当)に引き上げる案が示されました。教育訓練給付等については、在職中に教育訓練を受けるために休業等を行う場合に、基本手当に相当する給付を支給するという新たな給付の創設について方向性の案が示されました。
◇今年を上回る賃上げを要請、労務費の価格転嫁に指針予定
首相は、労働界、経済界の代表を交えた「政労使会議」に出席し、2024年春季労使交渉に向けて意見交換を行いました。 首相は、「デフレ完全脱却を実現するために、経済界においては、足下の物価動向を踏まえ、来年の春闘に向け、今年を上回る水準の賃上げの御協力をお願いしたい」、「労働者の7割が中小企業で働いていることを踏まえ、賃上げ税制を拡充し、価格転嫁対策、特に労務費の転嫁の強化を強く働きかけていく」、「今月下旬には、労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針を発注者側・受注者側に公表する」などと述べました。
◇「75歳以降でも仕事をしたい」は27.2%
厚生労働省は、第18回(2022年)「中高年者縦断調査(中高年者の生活に関する継続調査)」結果を公表しました。同調査は、2005年10月末に50~59歳だった全国の男女を対象に毎年実施。    第18回調査では、第1回調査から協力が得られた1万6,043人について集計。調査対象者の年齢は67~76歳となっています。第1回調査からの17年間の就業状況の変化をみると、「正規の職員・従業員」は38.6%から2.6%へ減少。「自営業主、家族従業員」は15.3%から11.9%へ、「パート・アルバイト」は17.0%から14.1%へと減少しています。 第18回調査時に「仕事あり」の者(37.9%)のうち、「68~69歳になっても仕事をしたい」は、80.3%、「70~74歳になっても仕事をしたい」は 59.1%、「75歳以降も仕事をしたい」は 27.2%でした。
◇年休取得日数10.9日、取得率62.1%、1984年以降過去最高
厚生労働省は、2023年「就労条件総合調査」結果を公表しました。22年の年次有給休暇の平均取得率は62.1%(同58.3%)で1984年以降過去最高。取得日数10.9日(同10.3日)も同じく過去最高。政府は「過労死等の防止のための対策に関する大綱」などで2025年までに年休取得率70%を目標にしています。 退職給付(一時金・年金)制度が「ある」企業は74.9%。同制度がある企業を「100」とした制度の形態別の企業割合は、「退職一時金制度のみ」が69.0%、「退職年金制度のみ」が9.6%、「両制度併用」が21.4%でした。
◇介護離職、発生企業の5割超で「支援制度が利用されなかった」
東京商工リサーチは、「介護離職に関するアンケート」調査結果を発表しました。 2023年8月までの1年間に介護離職が「発生した」と回答した企業は10.1%、このうち正社員が65.3%を占めました。 規模別では、大企業が18.3%、中小企業が9.0%。過去1年間に発生した介護離職者のうち、介護休業・介護休暇のいずれかを利用していた人の割合を尋ねたところ、「(利用した従業員が)いない(0割)」が54.5%と半数以上を占め、休業・休暇を取得した従業員がいる企業では、「1割」15.0%、「10割」14.5%と拮抗し、二極化がみられました。 また、仕事と介護の両立支援について、約4割の企業が「十分とは思わない」と回答。その理由は「代替要員を確保しにくい」が62.4%で最多でした。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和5年9月中の主なトピックス

◇10月から全都道府県で最低賃金を改定
厚生労働省は、都道府県の2023年度地域別最低賃金額及び発効年月日を公表しました。 最低賃金時間額は、全国加重平均1,004円(2022年度961円)。1,000円超は東京(1,113円、最高額)、神奈川(1,112円)、大阪(1,064円)などの8都府県、最低額は893円(岩手県)です。新たな地域別最低賃金額は、10月1日から順次発効します。 厚生労働省と中小企業庁では、最低賃金引き上げに伴う支援を強化しており、関連の助成金や補助金の利用案内をホームページに掲載しています。
◇最低賃金、「2030年代半ばまでに全国加重平均1,500円を目指す」
政府は、第21回「新しい資本主義実現会議」を開催し、賃金や投資を含む成長と分配の好循環の進め方について議論しました。首相は議論を踏まえ、「今年の賃上げ率3.58%、中小企業に限っても3.23%であり、30年ぶりの高水準。最低賃金額は全国加重平均1,004円となり、目標の1,000円超えを達成した」と述べ、最低賃金については、「2030年代半ばまでに全国加重平均1,500円を目指す」と強調しました。また、賃金と最低賃金の安定的な引き上げのためには「中小・小規模企業の労務費の円滑な転嫁が必要」であり、「年内に発注者側のあるべき対応を含め、詳細な指針を策定・公表・周知徹底を行う」と述べました。
◇23年4~6月期GDP実質成長率、年率4.8%
内閣府は、2023年4~6月期の四半期別GDP(国内総生産)2次速報値(季節調整済)を公表しました。物価変動を除いた実質GDP成長率は、前期比1.2%増、年率換算で4.8%の増加。 8月に公表された1次速報値(前期比1.5%増、年率換算6.0%増)から下方修正しました。民間企業設備等の下方改定が主な押し下げ要因。民間主要企業春季賃上げ率3.6%、コロナ禍前を上回りました。
◇2023年度「地域雇用活性化推進事業」の採択地域、10地域を決定
厚生労働省は、2023年度「地域雇用活性化推進事業」の採択地域として、北海道釧路市、埼玉県秩父地域、岡山県津山市など10地域を決定しました。 「地域雇用活性化推進事業」は、雇用機会が不足している地域や過疎化が進む地域が、その特性を生かして「魅力ある雇用」や「それを担う人材」の維持・確保を図るために創意工夫する取組みを支援するものです。
◇実質賃金2.5%減少、マイナス幅が拡大
厚生労働省は、7月の「毎月勤労統計調査」結果(速報、事業所規模5人以上)を公表しました。 現金給与総額は、就業形態計で前年同月比1.3%増の38万3,868円、うち一般労働者が同1.7%増の50万8,283円、パートタイム労働者が同1.7%増の10万7,704円。一方、現金給与総額指数を消費者物価指数で割った実質賃金は、前年同月比2.5%減。前月のマイナス幅(1.6%減)より拡大し、実質賃金の減少は16カ月連続となりました。
◇個人事業者等に対する安全衛生対策のあり方、報告書案を提示
厚生労働省は、「個人事業者等に対する安全衛生対策のあり方に関する検討会」を開催し、報告書案を提示しました。労働者と同じ場所で働く労働者以外の者も安全衛生法令の保護対象とした最高裁判決を受け、23年4月に改正省令を公布しました。 報告書案は、残された課題について、(1)個人事業主等の業務上災害の実態を把握する方策、(2)災害防止のための対策(自身による措置、発注者による措置など)、(3)過重労働・メンタルヘルス・健康確保対策、などの視点で整理。(1)では、労働者と同様に「休業4日以上の死傷災害」が発生した場合を報告の対象とし、被災した個人事業者等自身のほか、注文者で災害発生場所の直近上位者や災害発生場所を管理する事業者を報告者とすること、などを提起しています。
◇2023年中小企業賃上げは平均8,012円(3.0%)
日本経団連は、2023年春季労使交渉・中小企業業種別妥結結果(加重平均)の最終集計を公表しました。従業員数500人未満の17業種754社を対象に実施、集計可能な17業種367社の総平均は8,012円(3.00%)。昨年の5,036円(1.92%)を額で2,976円、率で1.08ポイント上回り、2000年以降の最高値を更新しました。業種別では、製造業8,659円(3.19%)、非製造業6,924円(2.65%)。規模別では、100人未満7,582円(3.01%)、100人以上300人未満7,576円(2.88%)、300人以上500人未満 8,535円(3.11%)。大手企業賃上げの最終集計は、1万3,362円(3.99%)で、アップ率3%台後半は1993年(1万835円、3.86%)以来30年ぶりとなりました。
◇正社員のテレワーク実施率22%、マスク着用率は80%
パーソル総合研究所は、「第8回・テレワークに関する調査/就業時マスク調査」結果を発表しました。正社員のテレワーク実施率は22.2%で、22年同期(25.6%)から微減、2020年4月以降で最も低くなりました。テレワークに関する企業方針は、「特に会社からの指示無し」63.1%、「原則出社の指示」21.5%など。就業時のマスク着用率(着用+たまに着用の計)は79.8%で、プライベートの着用率よりも6.1ポイント多い。マスクの着用理由は、「自己判断」55.7%、「会社からの指示」31.2%、「職場の雰囲気」29.5%となりました。
◇心理的負荷による精神障害の認定基準を改正
厚生労働省は「心理的負荷による精神障害の認定基準」を改正し、都道府県労働局長宛に通知しました。この改正は、近年の社会情勢の変化等に鑑み、同省の専門検討会が23年7月に取りまとめた報告書を受けたものです。 主なポイントは、業務による心理的負荷の具体的出来事に「顧客や取引先、施設利用者等から著しい迷惑行為を受けた」(いわゆるカスタマーハラスメント)、「感染症等の病気や事故の危険性が高い業務に従事した」を類型として追加し、心理的負荷の強度の具体例にパワーハラスメント6類型すべてを明記しました。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和5年8月中の主なトピックス

◇全ての都道府県で最低賃金を引き上げ、全国加重平均額1,004円へ
厚生労働省は、地方最低賃金審議会が答申した2023年度の地域別最低賃金の改定額を取りまとめました。47都道府県で39円~47円の引上げとなり、改定額の全国加重平均額は1,004円(昨年度961円)。全国加重平均額43円の引上げは、1978年度に目安制度が始まって以降で最高額。最高額(1,113円)に対する最低額(893円)の比率は、80.2%(昨年度79.6%)で9年連続の改善。引上げ額は、10月1日から10月中旬までの間に順次発効される予定です。
◇民間主要企業春季賃上げ率3.6%、コロナ禍前を上回る
厚生労働省は、2023年「民間主要企業春季賃上げ要求・妥結状況」を公表しました。平均妥結額は1万1,245円で、前年(6,898円)比4,347円の増、2020年(6,790円)と比べ4,455円の増加。賃上げ率は3.60%で、前年(2.20%)比1.40ポイント増、2020年(2.18%)と比べ1.42ポイントの増。賃上げ額、賃上げ率はともに前年、コロナ禍前の2020年を大きく上回りました。集計対象は資本金10億円以上かつ従業員1,000人以上の労働組合のある企業364社です。
◇実質賃金1.6%減少、15カ月連続のマイナス
厚生労働省は、6月の「毎月勤労統計調査」結果(速報、事業所規模5人以上)を公表しました。消費者物価で調整した実質賃金では、前年同月比1.6%減。減少は15カ月連続、減少幅も前月(0.9%減)を上回りました。物価を考慮しない名目賃金相当の現金給与総額(就業形態計)は、前年同月比2.3%増の46万2,040円、うち一般労働者が同2.7%増の62万5,235円、パートタイム労働者が同1.8%増の11万1,389円。
◇2023年4~6月期のGDP実質成長率1.5%、年率6.0
内閣府は、2023年4~6月期の四半期別GDP(国内総生産)1次速報値を公表しました。GDP成長率(季節調整済前期比)は、実質が1.5%、年率換算で6.0%。需要項目別では、民間最終消費支出が実質マイナス0.5%(1~3月期は0.6%)、うち家計最終消費支出は実質マイナス0.5%(同0.6%)。また、雇用者報酬の伸び率は実質0.6%、名目1.1%となりました。
◇違法な時間外労働で1万4千超の事業場に是正勧告
厚生労働省は、長時間労働が疑われる3万3,218事業場を対象とした2022年度の監督指導結果を公表しました。違法な時間外労働で是正勧告をうけたのは、1万4,147事業場 (42.6%)。このうち、月80時間を超える時間外・休日労働が認められた事業場は、5,247事業場(違法な時間外労働があった事業場の37.1%)。過重労働による健康障害防止措置の未実施も、8,852事業場(26.6%)に上りました。厚生労働省は、11月の「過重労働解消キャンペーン」期間中においても重点的な監督指導を行うとしています。
◇「労働基準関係法令違反に関する公表事案」を公表
厚生労働省は、「労働基準関係法令違反に係る公表事案」を公表しました。2022年7月1日から2023年6月30日の間に、都道府県労働局が労働基準法、労働安全衛生法、最低賃金法、労働安全衛生規則等の労働基準関係法令違反の疑いで送検し公表した内容を都道府県別に集約したものです。
◇6月の完全失業率2.5%、前月比0.1ポイント低下
総務省は、2023年6月の「労働力調査(基本集計)」を公表しました。完全失業率(季節調整値)は2.5%で、前月に比べ0.1ポイント低下。完全失業者数は179万人(前年同月比7万人減)で、2カ月連続の減少。就業者数は6,785万人(同26万人増)で、11カ月連続の増加。雇用者数は6,109万人(同61万人増)で、16カ月連続の増加となりました。
◇男性育児休業取得者の割合、前年度比3.16ポイント上昇
厚生労働省は、2022年度「雇用均等基本調査」結果を公表しました。事業所調査(6,300事業所)では、育児休業取得者の割合は、女性は80.2%(2021年度85.1%)で4.9ポイント低下、男性は17.13%(同13.97%)で3.16ポイント上昇。企業調査(6,000企業)で、女性管理職等を有する企業割合を役職別にみると、部長相当職ありは12.0%(2021年度12.1%)、課長相当職ありは22.3%(同20.1%)、係長相当職あり22.9%(同21.0%)。管理職等に占める女性の割合では、部長相当職8.0%(同7.8%)、課長相当職11.6%(同10.7%)、係長相当職18.7%(同18.8%)。課長相当職以上の女性の割合は12.7%(同12.3%)で0.4ポイント、係長相当職以上は14.7%(同14.5%)で0.2ポイント、それぞれ上昇しました。
◇入職数・離職者数とも、対前年比で増加
厚生労働省は、2022年「雇用動向調査」結果を公表しました。年初の常用労働者数に対する割合である入職率、離職率はそれぞれ15.2%(前年比1.2ポイント上昇)と15.0%(同1.1ポイント上昇)。就業形態別の入職率・離職率は、一般労働者は11.8%・11.9%、パートタイム労働者は24.2%・23.1%で、いずれも上昇。産業別では、「宿泊業,飲食サービス業」が入職率34.6%に対して離職率26.8%、「生活関連サービス業,娯楽業」で入職率23.2%、離職率18.7%と、いずれも入職超過となりました。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和5年7月中の主なトピックス

◇5月の実質賃金、前年同月比0.9%減少
厚生労働省は、5月の「毎月勤労統計調査」結果(確報、事業所規模5人以上)を公表しました。現金給与総額は、就業形態計で28万4,998円(前年同月比2.9%増)、うち一般労働者が37万9円(同3.5%増)、パートタイム労働者が10万2,233円(同3.5%増)。一方、現金給与総額指数を消費者物価指数で割った実質賃金は、同0.9%減で14カ月連続の減少。総実労働時間は133.6時間(同2.0%増)。うち所定内労働時間は123.9時間(同2.1%減)、所定外労働時間は9.7時間(同・増減なし)。
◇最低賃金の改定へ向け、議論スタート
厚生労働省は、中央最低賃金審議会・目安に関する小委員会を開催し、2023年度の最低賃金額改定の目安について議論を開始しました。6月16日に閣議決定された骨太の方針には、最低賃金について、「今年は全国加重平均1,000円を達成することを含めてしっかり議論を行うこと」、「今後とも地域別最低賃金の最高額に対する最低額の比率を引き上げる等、地域間格差の是正を図る」と明記。今回から、都道府県グループを見直し、A~Dの4区分から3区分になります。参考資料として、JILPTが実施した企業調査の速報結果が掲載されています。
◇成果や能力を重視した昇進は7割、成果に基づいた賃金は6割が支持
厚生労働省は「労働者の働き方・ニーズに関する調査(中間報告)」を公表しています。 昇進の決め方については「年齢や勤続年数よりも、成果や能力を重視」とする回答が71.3%、(「そう思う」「ややそう思う」の計)、賃金は「働いた時間より成果に基づいて決める」が63.6%(同)に上り、「一つの企業で働くことをこれまで以上に重視するか」では、「重視する」が57.9%(同)。希望する労働時間制度では、始・終業時刻が決まっている「通常の勤務制度」61.8%(「働きたい」「やや働きたい」の計)、「フレックスタイム制」は53.2%(同)、「変形労働時間制」37.3%(同)など。この中間報告は、6月23日の「新しい時代の働き方に関する研究会」に資料として提出されました。
◇6月の企業物価指数、前年比4.1%の上昇
日本銀行は、企業物価指数(2023年6月速報)を公表しました。国内企業物価指数は119.0で、前月比マイナス0.2%、前年比は4.1%の上昇。製品別の前年比での上昇は、パルプ・紙・同製品(15.7%)、窯業・土石製品(15.6%)、鉱産物(10.9%)など。5月からの縮小幅では「電力・都市ガス・水道」が最大(マイナス5.0%)。輸入物価指数(ドルなどの契約通貨ベース)は、前月比マイナス3.1%で9カ月連続の低下、前年比はマイナス14.3%。円ベースでは前月比マイナス1.2%、前年比マイナス11.3%の低下。
◇働き手の成長に資する投資による円滑な労働移動等への政府の支援を要請
経団連は、長野県で開催した2023年夏季フォーラムの総括文書を公表しました。「サステイナブルな資本主義」の実践を通じた、Society 5.0 for SDGsの実現に向けた取組みを進めるとして、産業競争力強化の推進、働き手の成長に資する投資による円滑な労働移動の実現、社会不安を払拭するヘルスケア提供環境の確立等を課題としました。働き手の成長に資する投資と円滑な労働移動の実現では、「労働移動推進型」のセーフティーネットへの移行、働き手が生涯を通じて自らの働き方を選択するためのリスキリングを含むリカレント教育等の支援をあげ、教育訓練給付の充実、副業・兼業の一層の促進に向けた環境整備、働き方に中立な税・社会保障制度の構築を求めるとしています。
◇景気判断指数は上昇、「年収の壁」と配偶者手当の関係も調査
経済同友会は、経営トップ等を対象に実施した2023年6月の「景気定点観測アンケート調査」結果を発表しました。景気の現状について、前回調査(3月)と比べて、「緩やかに拡大している」が52.1%から75.5%へ増加したことなどから、景気判断指数は18.9から38.3へ上昇しました。雇用判断指数はマイナス49.5で、2000年以降で最低(不足超)。2024年に賃上げを「実施予定」は46.0%、「実施しない予定」2.5%、「まだ決めていない」50.5%。配偶者控除や健康保険・年金に関連する「年収の壁」と配偶者手当の関係では、「制限なし」31.8%、「106万円」30.4%、「130万円」21.2%、「150万円」(6.1%)など。
◇女性の有業者率は53.2%、2.5ポイント上昇
総務省は、「2022年就業構造基本調査」結果を公表しました。2022年10月1日現在の有業者(収入を得る仕事のある人)は6,706万人で前回(5年前・2017年)調査比で85万人増加、有業率は60.9%(同1.2ポイント上昇)。うち女性は3,035万4千人、53.2%(同2.5ポイント上昇)。テレワークをした者は1,265万人(有業者比19.1%)。年間の実施頻度は「20%未満」が最多、次いで「80%以上」。フリーランスの数は209万人(同3.1%)、職業別では「学術研究,専門・技術サービス業」(13.5%)が最も高い。有業者で育児をしている人は821万人、介護をしている人は365万人で、前回調査に比べ、それぞれ5.9ポイント、2.8ポイント上昇。
◇学部卒生の総合職採用で、初任給を引き上げた企業は70%
マイナビは、「2024年卒 企業新卒採用活動調査」結果を発表しました。24年卒採用について、6月時点の採用充足率が「5割以上」は前年比4.8ポイント減の39.5%で、コロナ禍初年度の21年卒の40.9%を下回りました。学部卒生の総合職採用で初任給を引き上げた企業は70.0%、引き上げ額が最も多かったのは5,000円~1万円未満で36.0%。引き上げ理由(複数回答)は「給与制度の見直しで全社員の給与を引き上げたため(53.0%)」が最多で、次いで「求職者へのアピールのため(48.8%)」。就職活動で学生が生成系AIを利用している実感がある企業は4.6%。利用経験がある学生(学生調査、18.4%)との間で、利用実感に差があるとしています。
◇「レジャー白書2023」を公表、仕事より「余暇」重視の傾向
日本生産性本部は、「レジャー白書2023」(速報版)を発表しました。余暇活動実態調査の結果をみると、仕事(勉強や家事を含む)と余暇のどちらを重視するかを尋ねたところ、63.9%が「余暇を重視する」傾向にありました。特に「仕事よりも余暇の中に生きがいを求める」の回答率が2020年以降増加。余暇活動の参加率は「国内観光旅行(避暑、避寒、温泉など)」が、前年(2021年)から10ポイント上昇して42.8%となり、2019 年以来の1位となりました。しかし、コロナ禍前の 2019 年の参加率の水準(54.3%)には戻っていません。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和5年6月中の主なトピックス

◇「新しい資本主義」実行計画2023改訂版の案を提示
政府は、「新しい資本主義」の実行計画2023改訂版案を提示しました。柱の一つである「人への投資・構造的賃上げ・労働市場改革」では、在職者の学び直し(リ・スキリング)支援を企業経由から個人に重点を置くこと(5年以内を目途に過半が個人経由での給付が可能となるよう拡充)、企業の実態に応じた職務給の導入による構造的賃上げを通じ外国企業との賃金格差の縮小を目指すこと、自己都合の離職の失業給付の要件を緩和すること(リ・スキリングの取組み等の条件を満たせば会社都合と同じ扱いとする)、中小企業の賃上げ実現のため労務費の転嫁の在り方について指針をまとめること、退職所得課税を見直し、厚労省「モデル就業規則」の自己都合と会社都合の退職の取扱い例を改訂すること、「106万円の壁」を超えても手取りの逆転を生じさせない制度見直しに取り組むこと、等が盛り込まれています。
◇「骨太の方針2023」決定、三位一体の労働市場改革で構造的賃上げ目指す
政府は、「経済財政運営と改革の基本方針2023」(骨太の方針)および「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画2023改訂版」を決定しました。骨太方針の副題は「加速する新しい資本主義~未来への投資の拡大と構造的賃上げの実現~」。「リ・スキリングによる能力向上支援」「個々の企業の実態に応じた職務給の導入」「成長分野への労働移動の円滑化」という「三位一体の労働市場改革」により客観性、透明性、公平性が確保される雇用システムへの転換を図ることで構造的に賃金が上昇する仕組みを作っていくとしています。
◇4月の実質賃金、前年同月比2.3%減少
厚生労働省は、4月の「毎月勤労統計調査」結果(確報、事業所規模5人以上)を公表しました。現金給与総額は、就業形態計で28万4,595円(前年同月比0.8%増)、うち一般労働者が36万9,615円(同1.3%増)、パートタイム労働者が10万3,278円(2.0%増)。一方、現金給与総額指数を消費者物価指数で割った実質賃金は、同2.3%減で13カ月連続の減少。総実労働時間は140.8時間(同0.5%減)。うち所定内労働時間は130.3時間(同0.4%減)、所定外労働時間は10.5時間(同1.9%減)でした。
◇経済の基調判断「緩やかに回復している」を維持
政府は、6月の「月例経済報告」を公表しました。基調判断は、「景気は、緩やかに回復している」を維持。先行きも「緩やかな回復が続くことが期待される」で変わらず。個別判断では、雇用情勢は、「このところ改善の動きがみられる」に上方修正、国内企業物価は、「横ばい」から「緩やかに下落」へ、企業収益は「改善しているが、そのテンポは緩やか」から「緩やかに改善」へ、修正しました。
◇2023年6月の総人口、前年同月比58万人減
総務省が公表した人口推計によると、2023年6月1日現在の総人口(概算値)は1億2,452万人(前年同月比58万人・0.47%減)。23年1月1日現在の総人口(確定値)は1億2,475万2千人(同55万7千人・0.44%減)。年齢階層別(確定値)では、「65歳以上」が3,617万3千人(同 0.11%減)「15~64歳」が7,414万6千人(同0.31%減)、「15歳未満」が1,443万3千人(同1.94%減)でした。
◇精神障害の労災認定基準、カスタマーハラスメント等を追加
厚生労働省の「精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会」は、報告書案をとりまとめました。業務による心理的負荷を原因とする精神障害については、負荷の大きさに関する評価表に「顧客や取引先、施設利用者等から著しい迷惑行為を受けた」(いわゆるカスタマーハラスメント)、「感染症等の病気や事故の危険性が高い業務に従事した」を類型として追加しました。職場環境の変貌や心身の健康に対する関心の高まりを踏まえ、2011年策定の認定基準を見直すものです。
◇労災の死亡者数10.9%減、休業4日以上死傷者数0.9%増
厚生労働省は、2023年の労働災害発生状況(6月速報値)を公表しました。2023年における死亡災害は、死亡者数が244人で前年同期比10.9%減少。業種別では、建設業71人(同26.0%減)、第三次産業57人(同14.9%減)、製造業51人(同17.7%減)など。事故の型別では、「墜落・転落」60人(同31.8%減)が最多。休業4日以上の死傷者数は4万2,201人で、前年同期比0.9%増加。業種別では、第三次産業の2万842人(同2.1%増)が最多。事故の型別では、「転倒12,255人(同0.5%減)、「墜落・転落」6,616人(同1.7%減)など。なお、今回公表された数値は、新型コロナウイルス感染症のり患による労働災害を除いたものです。
◇夏のボーナス、前年より「増加」が4割弱
帝国データバンクは、「2023年夏季賞与の動向アンケート」結果を発表しました。2023年夏季賞与の支給状況について尋ねたところ、「賞与あり・増加する」が37.4%、「賞与あり・変わらない」が36.4%、「賞与あり・減少する」が9.3%で、「賞与あり」が計83.1%でした。従業員1人当たり平均支給額の前年からの変化は、平均2.4%増加。大企業で3.5%増、中小企業で2.2%増、小規模企業で2.4%増となりました。
◇令和5年版「高齢社会白書」を公表
内閣府は、令和5年版「高齢社会白書」を公表しました。2022年時点の65歳以上人口が占める割合は29.0%と増加し、高齢者の就業率も「65~69歳」50.8%、「70~74歳」33.5%とそれぞれ上昇しています。健康寿命は男性72.68年、女性75.38年と延伸し、平均寿命と比較しても延びが大きいと指摘。特集に「高齢者の健康をめぐる動向」を取り上げ、若い時から健康に心がけ始め た人や、「スポーツ・健康活動」「社会活動」に参加した人のほうが「健康状態が良い」割合が高いことなど、調査の分析結果を紹介しています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和5年5月中の主なトピックス

◇実質賃金2.9%減少、12カ月連続のマイナス
厚生労働省は、3月の「毎月勤労統計調査」結果(速報、事業所規模5人以上)を公表しました。現金給与総額は、就業形態計で前年同月比0.8%増の29万1,081円、うち一般労働者が同1.3%増の38万82円、パートタイム労働者が同2.1%増の10万1,038円。一方、現金給与総額指数を消費者物価指数で割った実質賃金では、前年同月比2.9%減。実質賃金の減少は12か月連続となりました。
◇記者発表「副業者の就労に関する調査」結果
JILPTは、「副業者の就労に関する調査」結果を記者発表しました。厚生労働省では副業・兼業について、2018 年1月に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を策定、20年9月に同ガイドラインを改定しています。それから一定期間を経過し、副業を行う労働者の就労状況に関するアンケート調査を実施しました。副業をしている人は6.0%で男性(5.1%)よりも女性(7.4%)が多く、副業をする理由(複数回答)は「収入を増やしたいから」が54.5%、「1つの仕事だけでは収入が少なくて、生活自体ができないから」が 38.2%、などがわかりました。
◇企業の正社員不足感は全体で58.2%、求職者の3割超が年収交渉
マイナビは、「中途採用・転職活動の定点調査(2023年3月)」を発表しました。23年3月に中途採用活動を実施した企業は全体で43.5%と前年同月比1.4ポイントの微増。正社員について、不足していると感じている企業は58.2%と半数を超えました。業界別では「運輸・交通・物流・倉庫」が70.9%で最多。直近3カ月以内の中途入社者で、企業と年収交渉を行った人の割合は33.1%、うち交渉して企業の当初提示金額よりも年収が上がったと答えた人は90.3%。「年収を上げる余地がある」とした企業は過半数(54.8%)の一方、「選考通過が難しくなる」「やや難しくなる」とした企業はあわせて約7割(68.8%)となりました。
◇母親の有職割合、9年前より7ポイント上昇
厚生労働省は、「21世紀出生児縦断調査(2010年出生児)」の第12回(2022年)の結果を公表しました。2010年出生児を毎年追跡調査するもので、今回対象は12歳(小学6年)。母の有職割合は81.0%と、2001年出生児調査(2013年実施)の73.7%に比べて7.3ポイント上昇。母の就業状況は、「勤め(常勤)」の割合が、第4回調査(2010年出生児が3歳6カ月時)の23.8%から今回調査の30.0%までゆるやかな上昇傾向にあります。「勤め(パート・アルバイト)」の割合は、出産半年後の第1回調査の5.7%から年々上昇し、今回は43.9%となっています。
◇パートナーへの育休満足度、男性は平均83.3点、女性は69.8点
マイナビは、小学生未満の子供を持つ正社員800名を対象に「育休に対する男女の意識差と実態調査」の結果を発表しました。パートナーの育休の取得日数について、女性回答ではパートナーは育休を「利用したことがない」は65.0%、取得した人は「5日以内」が最も多い結果に。男性が育休を取らなかった理由では「収入減少」「人手不足」「前例がない」が女性を上回りました。パートナーの育休への満足度を100点満点で表すと、男性は平均83.3点、女性は平均69.8点となりました。
◇大手企業の賃上げ1万3,110円、3.91%アップ
経団連は、「2023年春季労使交渉・大手企業業種別回答状況」(第1回集計)を発表しました。調査対象である従業員500人以上の主要21業種大手241社のうち、回答が示されたのは15業種128社。うち平均金額が不明等の36社を除く92社の賃上げ妥結水準は、加重平均で1万3,110円(前年同期7,794円)、3.91%(同2.35%)のアップとなりました。
◇異業種へ転職希望するミドル人材、7割が「増えている」と回答
エン・ジャパンは、「ミドル世代の異業種転職に関する調査レポート」を発表しました。同調査は、転職コンサルタントを対象にアンケートを行い、178名から回答を得たもの。異業種へ転職希望するミドル人材の増減について72%が「増えていると感じる」と回答。異業種転職を実現した人はどのような職種が多いか尋ねたところ、「営業・マーケティング系」(59%)、「経営・経営企画、事業企画係」(50%)、「コンサルタント系」(40%)が上位を占めました。
◇2023年1~3月期のGDP実質成長率0.4%、年率1.6%
内閣府は、2023年1~3月期の四半期別GDP(国内総生産)1次速報値を公表しました。GDP成長率(季節調整済前期比)は、実質が0.4%、年率換算で1.6%。需要項目別では、民間最終消費支出が実質0.6%(10~12月期は0.2%)、うち家計最終消費支出は実質0.6%(同0.2%)。また、雇用者報酬の伸び率は実質マイナス1.3%、名目0.1%となりました。
◇基調判断「足踏みがみられる」で据え置き
内閣府は、機械受注統計調査報告(2023年3月実績)を公表しました。機械受注総額は、前月比2.8%減の2兆4,375億円(季節調整値)。民間設備投資の先行指標である「船舶・電力を除く民需」は、同3.9%減の8,529億円。このうち、製造業は同2.4%減、非製造業(船舶・電力を除く) は同4.5%減。基調判断は前月と同じ「足踏みがみられる」で据え置きとなりました。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和5年4月中の主なトピックス

◇景気の現状判断DIは53.3、前月差1.3ポイントの上昇
内閣府は、全国の商店主やタクシー運転手などに街角の景況感をたずねた2023年3月の「景気ウォッチャー調査」の結果を公表しました。現状判断DI(季節調整済)は、前月差1.3ポイント上昇の53.3となり、2ヵ月連続で上昇しました。家計動向関連、企業動向関連、雇用関連DIは、いずれも上昇しました。先行き判断DI(同)は、同3.3ポイント上昇の54.1。調査結果について、「景気は、持ち直している」とし、先行きについては、「価格上昇の影響等を懸念しつつも、持ち直しが続くとみている」としています。
◇2月の実質賃金、前年同月比2.9%減少
厚生労働省は、2月の「毎月勤労統計調査」結果(確報、事業所規模5人以上)を公表しました。現金給与総額は、就業形態計で前年同月比0.8%増の27万1,143円、うち一般労働者が同1.2%増の35万2,823円、パートタイム労働者が同4.0%増の9万9,137円。一方、現金給与総額指数を消費者物価指数で割った実質賃金では、前年同月比2.9%減。実質賃金の減少は11か月連続。総実労働時間は同2.4%増の133.3時間。うち、所定内労働時間は同2.3%増の123.3時間、所定外労働時間は同2.1%増の10.0時間となりました。
◇企業の66%が正社員不足、人手不足が顕在化
東京商工リサーチは、全国の企業対象の「人手不足」に関するアンケート調査結果を発表しました。企業全体では66.5%が「正社員不足」と回答し、大企業では73.2%に達しました。業種別では、道路旅客や貨物・物流などの運送業が「正社員不足」の上位を占めます。非正規社員については、全企業では約6割が「充足」としていますが、飲食、宿泊、サービス、道路旅客輸送など行動制限解除以降に採用意向が高まった業種では、不足との回答が7割以上となっています。
◇仕事において「新たなスキルの習得」が必要だと感じる20代が9割近く
人材関連サービスの学情は、同社転職サイト等を通じて在職中の20代を対象とした「仕事における成長」に関するアンケート調査結果を発表しました。仕事において「新たなスキルの習得」が「必要」「どちらかと言えば必要」と感じるという回答は86.3%。また、成長している実感を「得られている」「どちらかと言えば得られている」としたのは30.9%だった一方、「実感を得られていない」「どちらかと言えば得られていない」は43.3%でした。
◇「定年まで働きたい」社会人1年生は22.0%
ソニー生命保険は、2023年春から働き始める社会人1年生と就職後1年経過した社会人2年生の金銭事情、仕事観などに関する「社会人1年目と2年目の意識調査」結果を発表しました。最初に就職した会社で働きたい期間について、「定年まで働きたい」社会人1年生は22.0%、「4~5年くらい」が19.8%。前年同調査と比較し、「定年まで働きたい」割合は3.0ポイント低下。社会人2年生では「すでに辞めたい」(18.0%)、「2~3年くらい」(17.6%)。前年と比較し、「すでに辞めたい」は3.4ポイント低下、など。
◇技能実習制度の廃止と新制度の創設を提起
法務省出入国在留管理庁は、「技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議」を開催し、技能実習制度の廃止などを内容とする「中間報告書(たたき台)」を検討しました。「たたき台」は技能実習制度について、国際貢献等の制度目的と運用実態が乖離していることなどから廃止し、人材確保と育成を目的とする新制度を創設すること、新制度の職種は、特定技能制度の分野にそろえること、転籍制限は技能実習制度における人権侵害等も踏まえ、限定的なものにすること、監理団体は要件を厳格化して支援能力の向上を図ること、悪質な送り出し機関の排除のため二国間協定などの取組を強化すること、などを提起しています。
◇23年度の見通し、売上拡大の一方でコストアップが収益圧迫
帝国データバンクは、「2023年度の業績見通しに関する企業の意識調査」結果を発表しました。23年度の業績見通し(売上高および経常利益)について尋ねたところ、「増収増益」と回答した企業は26.4%となり、前回調査(2022年3月)の22年度見通しから2.3ポイント増加。「減収減益」は同3.6ポイント減の20.3%と3年連続で減少しました。業績の上振れ材料は「個人消費の回復」(38.8%)が3年ぶりにトップ、下振れ材料は「原油・素材価格の動向」(45.2%)が2年連続トップ。売り上げ拡大が続く一方、コストアップなどから利益面は伸び悩みがみられると同時に、「増益」「減益」の二極化傾向がみられた、などとしています。
◇企業の4割が価格転嫁できず
東京商工リサーチは、コスト上昇・価格転嫁に関するアンケート調査結果を発表しました。原油・原材料価格の高騰による調達コスト増加について、「影響を受けている」は87.7%。そのうち「価格転嫁できていない」が42.2%で、「全額転嫁できている」は5.4%でした。全部又は一部価格転嫁できても、粗利率が低下した企業は51.2%。利幅が縮小するなか、賃上げ機運の高まりに対応できず、採用が困難になったり、人材流出の恐れも出てくるとしています。
◇相談受付件数、「パワハラ・嫌がらせ」が最多
連合は、「なんでも労働相談ダイヤル」2023年2月及び3月分集計結果を発表しました。受付件数は、2月は1,658件で前年同月比101件増、3月は1,354件で前年同月比173件減。相談の内容は、2、3月とも「パワハラ・嫌がらせ」(2月15.9%、3月16.1%)が最多、次いで「雇用契約・就業規則」(2月10.0%、3月10.3%)、「解雇・退職強要・契約打切」(2月8.8%、3月10.3%)など。業種別では「医療・福祉」(2月22.4%、3月22.7%)が最多、次いで「サービス業(他に分類されないもの)」(2月16.7%、3月19.9%)「製造業」(2月13.3%、3月12.2%)などとなりました。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和5年3月中の主なトピックス

◇正社員、パートタイム労働者とも不足超過が続く
厚生労働省は、「労働経済動向調査(2023年2月)」結果を公表しました。労働者の過不足判断D.I.(不足-過剰、2月1日現在・産業計)は、正社員等労働者プラス46ポイント、パートタイム労働者プラス31ポイントで、それぞれ47期、54期連続の不足超過。23年新規学卒者の「採用計画・採用予定がある」事業所割合を学歴別にみると、高校卒44%(前年40%)、大学卒(文科系)43%(同38%)、大学卒(理科系)43%(同39%)、大学院卒26%(同23%)などとなり、各学歴で前年同期を上回りました。
◇男女間賃金格差は75.7
厚生労働省は、2022年「賃金構造基本統計調査」結果を公表しました。一般労働者(短時間労働者以外の労働者)の月額賃金は、男女計31万1,800円(前年比1.4%増)、男性34万2,000円(同1.4%増)、女性25万8,900円(同2.1%増)。男女間賃金格差(男性=100)は75.7(前年差0.5ポイントの上昇)。短時間労働者の賃金は、時間当たり男女計1,367円(同1.2%減)、男性1,624円(同0.4%減)、女性1,270円(同1.6%減)となりました。
◇首都圏企業の転出超過、過去20年で最多
帝国データバンクは、「首都圏・本社移転動向調査(2022年)」結果を発表しました。2022年(1~12月間)における首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)から地方へ本社または本社機能を移転した企業は335社判明し、コロナ禍直前の19年からは1.4倍に増加、過去2番目の多さとなりました。この結果、首都圏の本社移転動向は、転出が転入を77社上回る「転出超過」となり、転出超過の規模は過去20年で最大。首都圏からの移転先は、「茨城県」(34社)が最多、次いで「大阪府」(30社)、「愛知県」(24社)など。企業属性別では、ソフトウェア開発が過去最多となるなど、比較的移転の容易な業種で多くみられたとしています。
◇賃上げ率の加重平均は3.76%
連合は、2023年春季生活闘争第2回回答集計結果を発表しました。平均賃金方式で回答を引き出した1,290組合の定期昇給相当分込みの賃上げ額の加重平均は1万1,554円、率で3.76%(前年同期比5,102円増・1.63ポイント増)。組合員300人未満の中小706組合では、定期昇給相当分込みの賃上げ額は8,763円、率で3.39%(同3,735円増・1.43ポイント増)。全体、中小組合ともに、比較可能な2013年闘争以降、賃上げ額・率とも最高となりました。
◇アルバイト・パートの2月平均時給は1,177円、前月比・前年同月比ともに増加
マイナビは、「2023年2月度アルバイト・パート平均時給レポート」を発表しました。2月の全国平均時給は1,177円(前月比2円増、前年同月比49円増)で、22年12月の過去最高額と並びました。職種(大分類)別では、「医療・介護・保育」が1,422円(前月比、前年同月比ともに43円増)で、2020年1月の調査開始以降の過去最高額。求人件数は、前年同月比1.4倍に増加し、企業の採用意欲の高さがうかがえるとしています。
◇上限を超えて超過勤務を命ぜられた国家公務員職員の割合等を公表
人事院は、国家公務員を対象とした「上限を超えて超過勤務を命ぜられた職員の割合等」を公表しました。2021年度に上限超の超過勤務を命じられた職員の割合は、他律部署(他律的業務の比重が高い部署)では15.6%(前年度比2.0ポイント増)で、業務内容は「国会対応業務」(18.7%)、「予算・会計関係業務」(12.6%)、新型コロナウイルス感染症対策関連業務(11.2%)など。自律部署(他律部署以外の部署)では6.8%(同0.2ポイント減)、業務内容は「予算・会計関係業」(15.8%)、「大規模災害への対処」(13.6%)などとなりました。
◇就職先企業を選ぶ際に初任給引き上げを「意識する」学生は76%
ディスコは、2024年3月に卒業予定の大学3年生を対象とした「就職活動調査」(3月1日時点)結果を発表しました。志望業界は「情報・インターネットサービス」(18.3%)が最多、次いで「情報処理・ソフトウエア」(16.9%)が続き、IT業界が根強い人気だとしています。文理別に見ると、文系は「銀行」の順位が高く、理系はメーカーとITが上位を占める。就職先企業を選ぶ際に初任給引き上げを「意識する」人は76.7%。
◇2022年の正社員の転職率は7.6%、16年以降の最高水準
マイナビは、「転職動向調査2023年版」を発表しました。2022年の転職率(20~50代の正社員)は7.6%で、前年比0.6ポイントの上昇、2016年以降で最も高い水準となっています。入社を決めた理由は、「給与が良い」(15.4%)が最多、次いで「休日や残業時間が適正範囲内で生活にゆとりができる」(9.8%)、「希望の勤務地である」(9.2%)などとなりました。
◇小中学生の将来就きたい職業、男子は「サッカー選手」、女子は「パティシエ」が1位
アデコは、全国の小中学生を対象とした「将来就きたい職業」に関する調査結果を発表しました。将来就きたい職業は、男子が「サッカー選手」(6.2%)、女子が「パティシエ(お菓子職人)」(10.7%)が最多。中学生に限った場合、男子が「会社員(サラリーマン・OL)」(9.3%)、女子が「先生(大学・高校・中学校・小学校・幼稚園など)」(8.7%)が最多となりました。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和5年1月中の主なトピックス

◇労災の死亡者数5.5%減、休業4日以上死傷者数70%増
厚生労働省は、2022年の労働災害発生状況(12月速報値)を公表しました。2022年における死亡災害は、死亡者数が658人で前年同期比5.5%減少。業種別では建設業242人(同0.4%減)、第三次産業160人(同8.6%減)、製造業125人(同7.8%増)など。事故の類型別では「墜落・転落」196人(同9.5%増)が最多。一方、休業4日以上の死傷者数は20万9,999人で前年同期比70.5%増加しました。業種別では、第三次産業の14万8,606人(同126.6%増)が最多。事故の類型別では、「その他」(主に感染症による労働災害)10万3,711人(同482.0%増)、「転倒」2万8,421人(同4.1%増)など。
◇12月の国内企業物価指数、前年比10%上昇
日本銀行は、企業物価指数(2022年12月速報)を公表しました。国内企業物価指数は、前月比0.5%、前年比10.2%の上昇。前年比の上昇率は12か月連続の9%超、2022年9月(10.3%)に次ぐ10%超となりました。製品別では、電力・都市ガス・水道(52.3%)が最高、次いで鉱産物(33.9%)、鉄鋼(20.9%)など。輸入物価指数は、前年比ではドルなどの契約通貨ベースでプラス8.1%、円ベースでプラス22.8%の上昇と高水準ながら、前月比は契約通貨ベースでマイナス0.1%、円ベースでマイナス4.1%と、いずれも3か月連続で低下となりました。
◇実質賃金3.8%減、過去1年で最大の下げ幅
厚生労働省は、11月の「毎月勤労統計調査」結果(速報、事業所規模5人以上)を公表しました。現金給与総額は、就業形態計で前年同月比0.5%増の28万3,895円、うち一般労働者が同0.2%増の36万8,358円、パートタイム労働者が同2.2%増の10万1,888円。一方、現金給与総額指数を消費者物価指数で割った実質賃金では、前年同月比3.8%減。実質賃金の減少は8か月連続、減少率はこの1年間で最大となりました。
◇海外現地法人の売上高9.5%増
経済産業省は、2022年7~9月の「海外現地法人四半期調査」の結果を公表しました。売上高(全地域合計)は、前年同期比9.5%増で2期ぶりの増加。地域別に見ると、アジアはSEAN10や中国の輸送機械などの増加により同9.8%増で2期ぶりの増加。北米は輸送機械などの増加により、同13.9%増で5期ぶりの増加、欧州は同2.4%減で4期連続の減少。日本企業の海外現地法人の従業者数は、前年同期比0.7%増で2期ぶりの増加。輸送機械、はん用等機械などが増加となりました。
◇生活に「ゆとりがなくなった」が5割超
日本銀行は、「生活意識に関するアンケート調査」(第92回、2022年12月調査)結果を発表しました。現在の暮らし向きは、「ゆとりがなくなってきた」が53.0%(前回9月調査50.7%)、「ゆとりが出てきた」が3.7%(同4.0%)など。現在の物価に対する実感は、1年前と比べて「かなり上がった」が52.7%(同46.4%)、「少し上がった」が41.6%(同45.4%)など。「1年後を見た勤め先での雇用・処遇についての不安」は、「かなり感じる」が31.4%(同27.6%)となったことなどから、雇用環境D.I.はマイナス6.5(同マイナス2.7)と悪化しました。
◇アルバイト先での労働条件、ハラスメント等のトラブル、3割以上が「ある」
連合は、「学生を対象とした労働に関する調査」結果を発表しました。アルバイト経験がある学生に、アルバイト先で労働時間や賃金などの労働条件、ハラスメント、人間関係等のトラブルにあったことがあるか尋ねたところ、「ある」は32.6%。内訳は、「労働時間関係(長時間労働、シフト等)」(43.3%)、「人間関係(いじめ、ハラスメント等)」(42.4%)など。「働くときに必要な法律や知識(ワークルール)について学習する機会があった」学生は62.1%、学習した場所は、「学校」(57.5%)、「自分で調べた」(41.1%)、「アルバイト先」(21.1%)などでした。
◇2022年の「円安」関連倒産は前年の3.8倍
東京商工リサーチは、「円安」関連倒産状況を発表しました。2022年12月の「円安」関連倒産は5件(前年同月1件)、円安進行に伴い7月から6か月連続で発生し、2022年の「円安」関連倒産は前年(6件)の3.8倍増の23件に達しました。20件を超えるのは、2017年(23件)以来、5年ぶり。養鶏業、卸売業、小売業、飲食店経営と幅広い産業で発生しました。
◇大手企業の冬のボーナス、前年比8.92%減
経団連は、大手企業の2022年年末賞与・一時金(冬のボーナス)の妥結結果(162社)を発表しました。平均額(加重平均)は、前年比8.92%増の89万4,179円。業種別では、「鉄鋼」87.23%増、「商業」27.18%増、「鉄道」25.98%増、「印刷」17.51%増、「造船」12.23%増などです。
◇12月の労働相談、前年同月比278件増の1,635件
連合は、「なんでも労働相談ダイヤル」2022年12月分集計結果を発表しました。受付件数は1,635件で、前年同月比278件増。相談の内容は、「パワハラ・嫌がらせ」(14.8%)が最多、次いで「雇用契約・就業規則」(7.8%)、「解雇・退職強要・契約打切」(7.6%)など。上位4位の順位は前年同期と同じ。業種別では「医療・福祉」(22.3%)、「サービス業(他に分類されないもの)」(20.4%)、「製造業」(13.0%)など。業種別上位5位の順位も前年同期と同様となりました。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和4年12月中の主なトピックス

◇11月の国内企業物価指数、前年比約9%上昇
日本銀行は、企業物価指数(2022年11月速報)を公表しました。国内企業物価指数は、前月比0.6%、前年比9.3%上昇し、11か月連続で9%超となりました。前年比での上昇率は、電力・都市ガス・水道の49.7%が最高で、鉱産物(32.9%)、鉄鋼(20.9%)などが続いています。輸入物価指数は、ドルなどの契約通貨ベースで前月比2.5%の低下、前年比8.6%の上昇。円ベースで前月比5.1%の低下、前年比28.2%の上昇となっています。
◇正社員、パートタイム労働者とも不足超過が続く
厚生労働省は、労働経済動向調査(2022年11月)の概況を公表しました。労働者の過不足判断D.I.(不足-過剰、11月1日現在・産業計)は、正社員等労働者プラス44ポイント、パートタイム労働者プラス30ポイントで、それぞれ46期、53期連続の不足超過。正社員等労働者では、「建設業」、「医療・福祉」、「情報通信業」、「運輸業・郵便業」で人手不足感が高くなっています。生産・売上額等判断D.I.(10~12月実績見込)は、産業計マイナス3ポイントで前期から2ポイント上昇、「宿泊業・飲食サービス業」(プラス23ポイント)などでプラスとなる一方、「サービス業(他に分類されないもの」(マイナス17ポイント)、「医療,福祉」(マイナス11)などでマイナスとなりました。
◇日本の時間当たり労働生産性、OECD38か国中27位
日本生産性本部は、「労働生産性の国際比較2022」を発表しました。OECDデータに基づく2021年の日本の時間当たり労働生産性(就業1時間当たり付加価値)は、49.9ドル(5,006円)で、OECD加盟38か国中27位。経済成長率が上向いたことで、労働生産性も前年より実質ベースで1.5%上昇しましたが、順位は1970年以降最低となりました。コロナ対応で短くなっていた労働時間が増加に転じて生産性を下押しする要因になったため、経済成長率ほど労働生産性は上昇していないとしています。
◇年末一時金、2.33月
連合は、「2022春季生活闘争年末一時金(第3回・最終)、有期・短時間・契約等年末一時金回答集計結果」(7日正午締切)結果を発表しました。年末一時金は、組合員一人あたり加重平均で、月数で2.33月(昨年同時期2.21月)、額で69万1,912円(同64万8,925円)となり、いずれも昨年同時期実績を上回りました。
◇経常利益18.3%増、「運輸業・郵便業」が増益も「電気業」は減益
財務省は、2022年7~9月期の「法人企業統計調査」結果を公表しました。全産業(金融業、保険業を除く)の企業動向を前年同期比でみると、売上高は8.3%増、経常利益は18.3%増、設備投資は9.8%増。プラス寄与の大きい業種は、売上高では「石油・石炭」(65.8%)、「電気業」(68.9%)、経常利益では「運輸業・郵便業」(739.2%)、「輸送用機械」(168.9%)など。マイナス寄与は、経常利益の「電気業」(マイナス332.7%)などとなりました。
◇2023年の景気、「悪化」を見込む企業は25%
帝国データバンクは、「2023年の景気見通しに対する企業の意識調査」結果を発表しました。2023年の景気について、「悪化」局面を見込む企業は25.3%で、21年11月調査の22年見通しと比べて12.7ポイント増加、「回復」局面を見込む企業は11.5%(同10.8ポイント減)、「踊り場」局面を見込む企業は39.1%(同1.8ポイント減)。景気への懸念材料は、「原油・素材価格(の上昇)」 (72.7%)が最多、次いで「為替(円安)」(43.5%)、「物価上昇(インフレ)」(33.3%)などとなっています。
◇雇用保険料率、原則の1.55%への引き上げについて審議
厚生労働省は、第179回「労働政策審議会雇用保険部会」を開催し、雇用保険料率の原則である1.55%(労働者0.6%、使用者0.95%)への引き上げについて審議しました。雇用保険料率は、今年9月までの0.95%(労0.3%、使0.65%)を10月から2023年3月までの間について1.35%(労0.5%、使0.85%)に引き上げています。雇用保険は労使折半で負担する失業等給付と育児休業給付、使用者が負担する雇用保険二事業に分かれていますが、2023年4月以降については、低く抑えてきた失業等給付分を原則の0.8%に戻すことが検討されました。
◇入職率9.3%、離職率8.7%で入職超過
厚生労働省は、2022年上半期「雇用動向調査」結果を公表しました。入職率は9.3%(前年同期比0.7ポイント上昇)、離職率は8.7%(同0.6ポイント上昇)。入職超過率(入職率-離職率)は0.6ポイントで入職超過。産業別では、宿泊業・飲食サービス業は入職率20.3%(同8.3ポイント上昇)、離職率15.0%(同0.6ポイント低下)で入職超過、生活関連サービス業・娯楽業は入職率14.2%(同7.1ポイント低下)、離職率10.0%(同1.0ポイント低下)で入職超過となりました。
◇労組組織率16.5%、前年比0.4ポイント低下
厚生労働省は、2022年「労働組合基礎調査」結果を公表しました。2022年6月30日現在の推定組織率は16.5%で、前年比0.4ポイント低下しました。労働組合員数は999万2,000人で、同8万6,000人(0.8%)減少。パートタイム労働者については、140万4,000人で、同4万1,000人(3.0%)増加、組織率は8.5%で同0.1ポイント上昇。女性の労働組合員数は347万1,000人で、同2,000人(0.0%)増加、組織率は12.5%で同0.3ポイント低下となりました。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和4年11月中の主なトピックス

◇感染症や供給制約の影響が和らぎ回復へ
日本銀行は、「経済・物価情勢の展望(2022年10月)」を発表しました。日本経済の先行きについて、2024年度までの見通し期間の中盤にかけては、資源高や海外経済減速による下押し圧力を受けるものの、新型コロナウイルス感染症や供給制約の影響が和らぐもとで、回復していく」、雇用者所得については「緩やかな増加を続けると予想される」とし、「正規雇用の増加が続くほか、対面型サービス部門の回復に伴って、非正規雇用の増加も明確化していくとみられています。加えて、労働需給の改善を反映して賃金上昇率も高まる」としています。「政策委員の大勢見通し」では、2022年度の消費者物価指数を2.9%とし、前回の7月(2.3%)から引き上げました。実質GDPは2.0%(同2.4%)としています。
◇2022年賃金引上げ実施企業割合は85%、改定額・率ともに前年を上回る
厚生労働省は、2022年「賃金引上げ等の実態に関する調査」の結果を公表しました。所定内賃金の1人当たり平均額で賃金を引き上げた・引き上げる予定の企業割合は、85.7%(前年80.7%)、改定額は5,534円(同4,694円)、改定率は1.9%(同1.6%)といずれも前年を上回りました。定期昇給とベースアップの実施割合は、管理職で64.5%(同63.1%)と24.6%(同15.1%)、一般職で74.1%(同74.6%)と29.9%(同17.7%)となりました。
◇2005年に「65歳以降仕事をしたい」と回答し、現在「仕事をしている」割合、「75歳」男性は4割以上、女性は3割以上
厚生労働省は、第17回(2021年)「中高年者縦断調査(中高年者の生活に関する継続調査)」結果を公表しました。同調査は、2005年10月末に50~59歳であった全国の中高年者世代の男女を対象に毎年実施しています。第17回調査では、第1回から協力が得られた1万6,579人について集計、調査対象者の年齢は、66~75歳となっています。第1回調査時に「65歳以降仕事をしたい」と答えた者で、第17回調査時に「仕事をしている」割合は、男性の「66~69歳」で66.6%、「70~74歳」で51.7%、「75歳」で43.9%、女性の「66~69歳」で53.8%、「70~74 歳」で39.6%、「75 歳」で34.0%。
◇9月の現金給与総額2.2%増、実質賃金は1.2%減
厚生労働省は、9月の「毎月勤労統計調査」結果(確報、事業所規模5人以上)を公表しました。現金給与総額は、就業形態計で前年同月比2.2%増の27万6,113円、実質賃金は同1.2%減。うち一般労働者が同2.5%増の35万7,495円、パートタイム労働者が同3.7%増の10万261円。一方、実質賃金は、消費者物価の上昇等の影響により同1.2%減と6か月連続のマイナスとなりました。総実労働時間は同1.6%増の137.2時間。うち、所定内労働時間は同1.1%増の127.0時間、所定外労働時間は同8.3%増の10.2時間。
◇ハラスメントによる年間の離職者、推計87万人
パーソル総合研究所は、「職場のハラスメントに関する調査」結果を発表しました。2021年の年間におけるハラスメントを理由とした離職者数は推計約86万5,000人。うち57万3,000人が退職理由としてハラスメントがあったことを会社に伝えられておらず、会社が把握できていないとしています。業種別では、「宿泊業・飲食サービス業」(17.9%)、「医療・福祉」(14.4%)、「卸売業・小売業」(12.6%)など。
◇12月以降の雇調金の特例措置、休業支援金等の特例措置を公表
厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症に係る雇用調整助成金・休業支援金等の特例措置について、12月から2023年3月までの助成内容を公表しました。雇用調整助成金等は、助成額上限を8,355円とする通常制度とし、地域特例・業況特例は11月で終了します。なお、特に業況が厳しい事業主に対しては、2023年1月まで日額上限を9,000円とする経過措置を設けます。休業支援金等は、助成額8,800円とする地域特例を11月で終了するとしています。
◇2022年度の労働生産性上昇率、前年度比プラス1.2%
日本生産性本部は、「日本の労働生産性の動向2022」を発表しました。2021年度の日本の時間当たり名目労働生産性(就業1時間当たり付加価値額)は4,950円。経済活動の回復を背景に、コロナ前の水準をわずかながら上回り、1995年度以降で最も高くなっています。物価上昇(マイナス1.0%)を織り込んだ時間当たり実質労働生産性上昇率は前年度比プラス1.2%。一人当たり名目労働生産性(就業者一人当たり付加価値額)は808万円で、3年連続で低下していた状況から回復に転じました。
◇社員研修・教育訓練の予算、半数弱が「予算を増やしたい」
東京商工会議所は、「研修・教育訓練、人材育成に関するアンケート」結果を発表しました。社員に対する研修・教育訓練を「とても重要」と回答した企業は58.0%、「まあまあ重要」は41.2%で、ほぼ全ての企業が重要と認識しています。一方で、今後2~3年程度を見据えて対象者1人当たりの予算を「増やしたい」と考えている企業は約半数(48.2%)。今後2~3年程度を見据えて強化していきたい内容・テーマは、「リーダー社員研修」(40.9%)、「中堅社員研修」(39.8%)、「管理職向け研修」(39.2%)などとなりました。
◇年末一時金、2.39月
連合は、「2022春季生活闘争 年末一時金 第1回回答集計」(2日正午時点)結果を発表しました。年末一時金は、組合員一人あたり加重平均で2.39月(昨年同時期2.31月)、72万6,893円(同67万4,221円)、いずれも昨年実績を上回りました。同日発表された企業内最低賃金協定(最終)は、闘争前に協約があり、基幹的労働者の定義を定めている場合では、回答組合の単純平均で、月額16万6,004円/時間額1,029円、基幹的労働者の定義を定めていない場合は、月額16万6,515円/時間額976円となりました。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和4年10月中の主なトピックス

◇業況DIは、円安急伸でコスト負担が増加し悪化
日本商工会議所は、「商工会議所LOBO(早期景気観測)調査」結果を発表しました。9月の業況DI(全産業合計)はマイナス23.3で、前月比2.3ポイントの低下。高騰が続く資源・原材料価格、電気代のさらなる値上がり、円安の急伸による輸入品の価格上昇など、企業のコスト負担は増加し続けており、全業種で業況が悪化しました。感染状況が落ち着き、人流も回復基調にあるものの、増加し続けるコスト負担が企業経営の重荷となり、中小企業の景況感は2か月連続の悪化となっています。
◇賃金・最低賃金の引上げに伴う転嫁対策・中小企業対策の強化等について議論
政府は、第10回「新しい資本主義実現会議」を開催し、賃金・最低賃金の引上げに伴う転嫁対策・中小企業対策の強化等について議論しました。総理は議論を踏まえ、「短期的な賃金引上げに向けては、来春の賃金交渉において、物価上昇をカバーする賃上げを目標にして、個々の企業の実情に応じて労使で御議論いただきたい」とし、「公正取引委員会には、中小企業の賃上げが可能となる環境を整備するため、転嫁拒否の悪質事例は、公表し、改善を強く促すなど踏み込んだ対応をお願いする」などと述べました。また、「中長期の構造的な賃金引上げのためには、来年6月までに、労働移動円滑化のための指針を策定する」とし、「リスキリング、すなわち成長分野に移動するための学び直しやセーフティネットの整備、年功賃金から日本に合った職務給への移行等を含め、この会議で議論を加速する」などと述べました。
◇現金給与総額、前年同月比1.7%増、実質賃金は1.7%減
厚生労働省は、8月の「毎月勤労統計調査」結果(速報、事業所規模5人以上)を公表しました。現金給与総額は、就業形態計で前年同月比1.7%増の27万9,388円、うち一般労働者が同1.6%増の36万1,969円、パートタイム労働者が同3.9%増の10万169円。一方、現金給与総額指数を消費者物価指数で割った実質賃金では、前年同月比1.7%減。消費者物価の上昇の寄与がマイナス3%超となったことによります。実質賃金の減少は5か月連続となりました。
◇首都圏企業、2年連続の「転出超過」
帝国データバンクは、「首都圏・本社移転動向調査」結果を発表しました。2022年1~6月に判明した首都圏から地方へ本社を移転した企業数は168社で、昨年に続き2年連続の150社超え、地方から首都圏への転入企業は124社で、過去10年で最少。この結果、同時期における本社移転動向は、転出企業が転入企業を44社上回る「転出超過」となりました。地方へ移転した企業の転出先は、「茨城県」(18社)が最多、次いで「大阪府」(17社)、「愛知県」(13社)などです。
◇業歴100年超の老舗企業、初の4万社突破
帝国データバンクは、全国「老舗企業」分析調査結果を発表しました。8月時点で業歴100年を超える老舗企業は4万409社。毎年およそ1,000~2,000社が業歴100周年を迎えるなか、初めて4万社を突破しました。老舗出現率は「京都府」(5.15%)が最多。業種別の老舗出現率は、「清酒製造」(78.3%)が最多。新規参入が困難な「醸造」分野が上位となっています。
◇2021年10月妊娠届出数、前年同月比約14%減
厚生労働省は、2021年8月から10月までの妊娠届出数の状況(速報値)を公表しました。8月は6万7,158件(前年同月比1.7%減)、9月は6万6,350件(同7.4%減)、10月は6万4,551件(同13.7%減)。2021年1~10月の累計妊娠届出数は70万5,134件(同2.9%減)。同届出数は、新型コロナウイルス感染症の流行が妊娠活動等に及ぼす影響を把握することを目的に2020年10月以降、月別の妊娠届出数の状況を速報値として取りまとめたもので、目的を一定程度達成できたと考えられることから今回をもって終了するとしています。
◇男性国家公務員の育児休業取得率、初めて6割超え
人事院は、一般職の国家公務員を対象とした「2021年度 仕事と家庭の両立支援関係制度の利用状況調査」結果を公表しました。男性の育児休業取得率は62.9%で過去最高、女性は105.2%。男性の育児休業期間は「2週間以上1月以下」(50.0%)が最多、次いで「1月超3月以下」(17.9%)などとなりました。
◇サイバー攻撃、4社に1社が「1年以内に被害」
帝国データバンクは、「サイバー攻撃に関する実態アンケート」結果を発表しました。サイバー攻撃を「1か月以内に受けた」企業は8.6%、「1か月超から1年以内に受けた」企業(15.6%)と合計すると、「1年以内に受けた」企業は24.2%。2022年3月調査と比較すると、サイバー攻撃を「1か月以内に受けた」企業は19.8ポイント減少しており、3月調査時点では、2月24日から始まったロシアのウクライナ侵攻の直後においてサイバー攻撃が特に多発していたとみられるとしています。
◇死傷者数は前年同期比で57%増加
厚生労働省は、2022年の労働災害発生状況(10月速報値)を公表しました。休業4日以上の死傷者数は15万3,585人(前年同期比56.9%増)。業種別では第三次産業の10万4,921人(同100.0%増)が最多。事故の類型別では、「その他」(主に感染症による労働災害)6万9,467人(同379.8%増)が最多、次いで「転倒」2万2,894人(同3.9%増)など。死亡者数は520人(同3.9%減)。業種別では建設業192人(同4.9%増)、第三次産業133人(同3.1%増)、製造業102人(同3.0%増)など、事故の類型別では「墜落・転落」151人(同7.9%増)が最多となりました。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和4年9月中の主なトピックス

◇経済の基調判断「緩やかに持ち直している」で据え置き
政府は、8月の「月例経済報告」を公表しました。基調判断は、「緩やかに持ち直している」で据え置き。先行きについては、「世界的な金融引締め等を背景とした海外景気の下振れが我が国の景気を下押しするリスクとなっている」、「物価上昇による家計や企業への影響や供給面での制約等に十分注意する必要がある」としています。個別判断では、雇用情勢は「持ち直している」で据え置き。生産は「持ち直しの動きに足踏みがみられる」から「持ち直しの動きがみられる」へ、公共投資は「底堅い動きとなっている」から「底堅さが増している」に上方修正しました。
◇10月から全都道府県で最低賃金を改定
厚生労働省は、都道府県の2022年度地域別最低賃金額及び発効年月日を公表しています。最低賃金時間額は、全国加重平均961円(2021年度930円)。1,000円超は東京(1,072円、最高額)、神奈川(1,071円)、大阪(1,023円)の3都府県、最低額は853円で、青森、秋田、愛媛、高知、佐賀、長崎、熊本、宮崎、鹿児島、沖縄の10県。新たな地域別最低賃金額は、10月1日から順次発効します。
◇2022年度の「賃上げ」、コロナ前に並ぶ82%の企業が実施
東京商工リサーチは、2022年度「賃上げに関するアンケート」調査結果を発表しました。2022年度に賃上げを実施した企業(予定含む)は82.5%で、コロナ禍で落ち込んだ21年度の70.4%から12.1ポイント上昇。集計を開始した16年度以降、17年度の82.7%に次ぐ2番目の高水準。コロナ前の19年度の賃上げ実施率(80.9%)を上回る水準に戻したとしています。
◇値上げ実施済・予定の企業は7割
帝国データバンクは、企業の仕入れコストは引き続き上昇傾向にある中で、企業の今後1年の値上げに関する動向アンケート結果を発表しました。自社の主な商品・サービスについて、2022年8月以降約1年以内に「値上げした・する予定」の企業は31.4%となりました。「2022年4~6月の間にすでに値上げした」および「2022年7月にすでに値上げした」企業と合わせると、「値上げ実施済・予定」企業は69.6%と約7割となりました。今後値上げする予定の企業を業種別でみると、特に化学品メーカーや食品関連で高くなりました。
◇高齢就業者数は909万人で過去最多、65~69歳の就業率は初めて50%超に
総務省は、「敬老の日」(9月19日)を迎えるに当たって、統計からみた我が国の65歳以上の高齢者の現況を公表しました。2021年の高齢就業者数は、18年連続で増加し、909万人と過去最多。高齢者の就業率は、65~69歳が10年連続で上昇し、50.3%と初めて50%を超えました。70歳以上は5年連続で上昇し18.1%。高齢者人口は3,627万人、総人口に占める割合は29.1%で、いずれも過去最高。日本の高齢者人口の割合は、世界(200の国・地域中)で最高となりました。
◇2021年度の監督指導による賃金不払残業の是正結果を公表
厚生労働省は、2021年度に労働基準監督署が監督指導した賃金不払残業の是正結果を公表しました。1,069企業に対して、合計65億781万円の割増賃金の支払いを指導し、対象労働者数は6万4,968人。支払われた割増賃金の平均額は、1企業当たり609万円、労働者1人当たり10万円。不払割増賃金の支払額が1企業合計100万円以上となった事案についてまとめています。
◇従業員の副業、4割以上が「許可」
アイデムは、人事・採用に携わる正社員・会社経営層を対象とした「2022年副業・兼業に関する調査(企業編)」結果を発表しました。従業員の副業を「許可している」は18.8%、「条件付きで許可している」は24.8%となり、合わせて4割以上の企業で副業を許可しています。副業人材の受け入れは、「受け入れている」(17.2%)、「条件付きで受け入れている」(21.2%)、一方「受け入れはしておらず、検討する予定もない」(44.0%)。自社従業員への副業許可の割合に比べると、受け入れに対して消極的な傾向にあるとしています。
◇7月の新規求人、「宿泊業・飲食サービス業」は前年同月比48%増
厚生労働省は、「一般職業紹介状況」を公表しました。2022年7月の有効求人倍率(季節調整値)は1.29倍で、前月比0.02ポイント上昇。新規求人倍率(同)は2.40倍で、同0.16ポイント上昇。新規求人(原数値)は、前年同月比で12.8%増。産業別では、宿泊業・飲食サービス業(47.7%増)、サービス業(他に分類されないもの)(16.7%増)、運輸業・郵便業(14.7%増)、製造業(14.5%増)などで増加となりました。
◇転職時に重視する条件、「テレワーク制度の導入」が35%
NTTデータ経営研究所は、「新型コロナウイルス感染症と働き方改革」調査結果を発表しました。転職時に重視する条件を尋ねたところ、「テレワークが導入されている、または許可される頻度が高いこと」は35.4%となり、最も重視される条件の「給与水準が高い」(38.5%)の次に高く、「自身の目指すキャリアと業務内容が合致している」(31.5%)を上回りました。テレワーク制度の導入有無が転職を決める際の重要な要因となっているとしています。働き方改革の取り組みでは、「テレワーク制度」(58.9%)と「休暇取得の推進」(53.8%)が、継続してほしい施策として最も多く挙がっています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和4年8月中の主なトピックス

◇7月の業況DI、改善するもコスト増により力強さを欠く
日本商工会議所は、「商工会議所LOBO(早期景気観測)調査」結果を発表しました。7月の業況DI(全産業合計)はマイナス17.8で、前月比2.5ポイントの上昇。人流の回復とともに、百貨店などの小売業で業況が改善し、民間の設備投資が堅調に推移した製造業や、小売業・製造業に牽引された卸売業で業況が改善した一方で、感染者数の増加を受け、飲食・宿泊業で予約キャンセルが出始めたサービス業などで業況は横ばいに留まりました。原材料価格の高騰、円安、深刻な人手不足に伴う人件費増などのコスト増に歯止めがかからず、企業収益の足かせとなっており、コスト上昇分の価格転嫁も十分に行えない中、中小企業の業況は、改善傾向が続くも力強さを欠くとしています。
◇地域別最賃の改定目安を答申 改定額31円(加重平均)は過去最高
中央最低賃金審議会は、2022年度の地域別最低賃金額改定の目安を答申しました。引上げ目安は、東京、愛知、大阪など「Aランク」と、兵庫など「Bランク」が31円、北海道など「Cランク」と、福島、沖縄など「Dランク」が30円。全国加重平均は31円(昨年度は28円)で、1978年度に目安制度が始まって以降の最高額となります。連合は事務局長談話で「誰もが1,000円の実現に向けて継続的な引き上げが必要」などとしました。日本商工会議所は会頭コメントで、物価高騰を価格転嫁できない企業にとって「非常に厳しい結果」とし、価格転嫁対策や生産性向上のための支援策の推進を政府に求めました。
◇外国人技能実習生の実習実施者に対する監督指導、送検等の状況を公表
厚生労働省は、全国の労働局や労働基準監督署が、2021年に外国人技能実習生の実習実施者に対して行った監督指導や送検等の状況を公表しました。労働基準関係法令違反が認められた実習実施者は、監督指導を実施した9,036事業場のうち6,556事業場(72.6%)。主な違反事項は、使用する機械等の安全基準(24.4%)、割増賃金の支払(16.0%)、労働時間(14.9%)など。重大・悪質な労働基準関係法令違反により送検されたのは25件。
◇自動車運転者を使用する事業場に対する監督指導、送検等の状況を公表
厚生労働省は、全国の労働局や労働基準監督署が、2021年にトラック、バス、タクシーなどの自動車運転者を使用する事業場に対して行った監督指導や送検等の状況を公表しました。労働基準関係法令違反が認められた事業場は、監督指導を実施した3,770事業場のうち3,054事業場(81.0%)。改善基準告示違反は2,010事業場(53.3%)。主な違反事項は、労基法関係は労働時間(45.1%)、割増賃金の支払(21.2%)など、改善基準告示関係は、最大拘束時間(39.1%)、総拘束時間(29.7%)、休息期間(27.5%)。重大・悪質な労働基準関係法令違反による送検件数は42件。
◇自動車運送事業者を対象とした「働きやすい職場認証制度」の二つ星を新たに導入
国土交通省は、自動車運送事業者の「働きやすい職場認証制度」の、二つ星を新たに導入すると公表しました。同制度は、バス、タクシー、トラック事業者による職場環境の改善努力を「見える化」したもので、認証を取得した事業者のより高い水準への移行を促すため、これまでの「一つ星」に加えて、新たに「二つ星」を導入しました。12月16日より申請受付開始。
◇労働相談の受付数、前年同月比257件増の2,083件
連合は、「なんでも労働相談ダイヤル」2022年6月分集計結果を発表しました。受付件数は2,083件で、前年同月比257件増。相談の内容は、「パワハラ・嫌がらせ」(20.5%)が最多、次いで「雇用契約・就業規則」(8.5%)、「解雇・退職強要・契約打切」(8.1%)、「退職手続」(6.7%)、「年次有給休暇」(5.5%)など。業種別では「医療・福祉」(24.5%)が最多、次いで「製造業」(14.8%)、「サービス業(他に分類されないもの)」(14.8%)など。
◇1万986事業場で違法な時間外労働を確認、是正・改善指導
厚生労働省は、長時間労働が疑われる事業場に対して労働基準監督署が2021年度に実施した監督指導の結果を公表しました。対象となった3万2,025事業場のうち、違法な時間外労働があったのは1万986事業場(34.3%)で、月80間を超える時間外・休日労働が認められたのは4,158事業場(違法な時間外労働があった事業場の37.8%)。是正・改善指導を受けたその他の違反内容は、過重労働による健康障害防止措置の未実施が6,020事業場(18.8%)、賃金不払残業が2,652事業場(8.3%)。
◇「ゾンビ企業」は約16万社、全企業の1割強が該当
帝国データバンクは、2020年度の「ゾンビ企業」(利払いの負担を事業利益で賄えない企業)は約16万5,000社(推計)、全企業の11.3%が該当と発表しました。最近10年で最高だった2011年度の約27万3,000社からは4割近く減少したが、19年度の約14万6,000社からは1割以上増えており、再び「ゾンビ企業」の増加が危惧されるとしています。業種別では、「建設」(構成比34.3%)、「製造」(同20.0%)で半数超となりました。従業員別では、20人以下の企業が全体の約7割を占めました。
◇改正職業安定法(10月1日施行)のリーフレットを公表
厚生労働省は、今年10月1日施行の改正職業安定法に関するリーフレットを公表しています。求人情報の的確な表示のため、企業に対しては、募集の内容変更を速やかに反映することなどにより、求人情報の正確性等を保つことを義務付け、求人情報誌や求人サイトを運営する事業者等に対しては、情報の正確性等を保つ措置や苦情に対する適切・迅速な対応を義務付けるとともに、虚偽の表示を禁止しています。求職者の情報を収集する事業者には、届出制を導入することとしています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和4年7月中の主なトピックス

◇労働生産性に対する危機感、経営層の約4割が「かなり危機感がある」
日本生産性本部は、「生産性課題に関するビジネスパーソンの意識調査」結果を発表しました。日本の労働生産性に対する危機感は、経営層で「かなり危機感がある」が41%と最多。一方、管理職・非管理職では「やや危機感がある」が最も多いが「わからない」も目立ち、役職によって温度差がありました。また、コロナ禍収束を見据えた生産性の高い組織のあり方については、「働く場所に制約がない働き方」「出社とテレワークを柔軟に組み合わせる」とする回答が全役職で約3割程度を占め、「コロナ前の組織体制に戻す」は全役職で5%前後となりました。
◇初任給を引き上げた企業は約4割、理由は「人材を確保」が過半数
産労総合研究所は、「2022年度決定初任給調査」結果を発表しました。2022年4月入社の初任給を「引き上げた」企業は41.0%(21年度調査29.8%)、「据え置いた」企業は55.4%(同65.7%)。引き上げた理由は「人材を確保するため」(63.2%)が最多、据え置いた理由は「現在の水準でも十分採用できる」(54.4%)が最多。学歴別の初任給額は、大学卒で21万854円、高校卒で17万3,032円となりました。
◇アルバイトの給与、5割が直近半年間で「上げた」
マイナビは、「非正規雇用の給与・待遇に関する企業調査」結果を発表しました。直近半年間でアルバイトの給与を「上げた」企業の割合は50.8%で、前年比10.8ポイントの増加。増加率が高い業種は、「ホテル・旅館」(64.0%、同28.2ポイント増)、「飲食・フード」(58.8%、同17.6ポイント増)など。給与を上げた理由は「人材確保が難しくなったため」(42.1%)が最多、次いで、「社員のモチベーションアップのため」(36.5%)などとなりました。
◇正規雇用者の男女賃金格差は正規で約200万円、非正規で約74万円
マイナビは、「ライフキャリア実態調査2022年版(働き方・キャリア編)」結果を発表しました。就業者の主な仕事での収入は、男性平均560万7,000円、女性平均364万円で、男女の賃金格差は約200万円。非正規雇用で男性226万7,000円、女性152万9,000円で約73万8,000円の差。企業規模別に賃金差をみると、従業員301名以上の企業が220万7,000円、100名以下が156万3,000円、101~300名が137万5,000円。副業・兼業は、「実施している」が25.3%で前年比7.2ポイントの増加。同調査は、全国15歳以上の男女1万4,000人を対象に、就業・非就業や雇用形態に関わらず実施したインターネット調査です。
◇民事上の個別労働紛争相談内容、「いじめ・嫌がらせ」が引き続き最多
厚生労働省は、2021年度「個別労働紛争解決制度の施行状況」を公表しました。総合労働相談件数は124万2,579件(前年度比3.7%減)で、14年連続の100万件超。うち、民事上の個別労働紛争相談件数は28万4,139件(同1.9%増)、相談内容は「いじめ・嫌がらせ」が8万6,034件(同8.6%増)で、2012年度から連続して最多、次いで、「自己都合退職」4万501件(同2.5%増)、「解雇」3万3,189件(同12.3%減)などとなりました。
◇企業研究の有益な情報源、約6割が「個別企業のホームページ」
ディスコは、2023年卒の学生を対象とした「採用ホームページ好感度ランキング」を発表しました。志望企業について調べる上で有益だった情報源を尋ねたところ、「個別企業のホームページ」(59.0%)が最多、次いで「個別企業の説明会」(51.3%)。ホームページで閲覧したコンテンツを採用フェーズ別にみると、インターンシップから面接等までは、「事業内容・実績」が65.4%から71.8%と一貫して高く、面接時では「企業理念・トップメッセージ」が最多(75.7%)、内定承諾時では「待遇・福利厚生・ワークライフバランス」が最多(70.1%)となりました。
◇死傷者数は前年同期比で35%増加
厚生労働省は、2022年の労働災害発生状況(7月速報値)を公表しました。休業4日以上の死傷者数は8万1,685人(前年同期比35.0%増)。業種別では第三次産業の5万2,107人(同59.8%増)が最多。事故の類型別では、「その他」(主に感染症による労働災害)2万9,767人(同225.6%増)が最多、次いで「転倒」1万5,013人(同5.3%増)、「墜落・転落」8,498人(同1.8%減)など。死亡者数は323人(同横ばい)。業種別では建設業108人(同4.4%減)、第三次産業83人(同13.7%増)、製造業74人(同34.5%増)など、事故の類型別では「墜落・転落」100人(同12.4%増)が最多となりました。
◇メンタルヘルス不調による休業・退職者がいた事業所は10%
厚生労働省は、2021年「労働安全衛生調査(実態調査)結果の概況」を公表しました。2021年10月31日までの1年間にメンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した労働者又は退職した労働者がいた事業所の割合は10.1%(20年調査9.2%)。メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は59.2%(同61.4%)、取組内容は「ストレスチェックの実施」が65.2%(同62.7%)で最多、「職場環境等の評価及び改善(ストレスチェック結果の集団(部、課など)ごとの分析を含む)」が54.7%(同55.5%)となりました。
◇単純平均5,960円、2.06%
全労連や中立組合などでつくる国民春闘共闘委員会(代表幹事:小畑雅子全労連議長)は、2022春闘の最後となる第8回賃上げ集計を公表しました。7日までに1,351組合が回答を引き出し、有額回答のあった885組合の単純平均額は5,960円で、率は2.06%。加重平均では5,655円、2.02%となりました。(JILPT調査部)
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和4年6月中の主なトピックス

◇物価対策、賃金引上げ等ついて議論
政府は、「物価・賃金・生活総合対策本部」を開催しました。総理は、議論を踏まえ、「エネルギー価格の抑制策などを着実かつ迅速に実行し、物価高騰等の影響から国民生活や事業を守る」と述べるとともに、賃金に関しては、「継続的な賃上げを目指す」、「春闘の結果、過去20年間で2番目の高い引き上げ率となる2.09パーセントの賃上げ、そして夏のボーナスの増加が実現する見込み」としたうえで、「今年度の最低賃金について、早期に全国平均1,000円以上とすることを目指し、物価が上昇する中で、官民が連携して、しっかりとした引上げが行われるよう、議論を進める」と述べました。
◇2022年6月の総人口、前年同月比80万人減
総務省は、人口推計の2022年6月概算値及び1月確定値を公表しました。22年6月1日現在の総人口(概算値)は1億2,493万人で、前年同月比80万人(0.63%)の減少。1月1日現在の総人口(確定値)は1億2,530万9千人で、同75万9千人(0.60%)の減少。年齢階層別(確定値)では、65歳以上人口は3,621万5千人で、同16万4千人(0.45%)の増加、15~64歳人口は7,437万5千人で、同65万8千人(0.88%)の減少、15歳未満人口は1,471万8千人で、同26万5千人(1.77%)の減少。
◇労働力人口、2015年比146万人増
総務省は、2020年「国勢調査就業状態等基本集計」結果を公表しました。労働力人口は6,812万1千人(15歳以上人口の62.9%)、2015年比146万1千人の増加。非労働力人口は4,013万7千人(同37.1%)、295万6千人の減少。労働力率は男性が72.4%、女性が54.2%で、15年に比べともに上昇、女性の労働力率は全ての年齢階級で上昇しました。
◇人材不足を実感する企業は82%
エン・ジャパンは、2022年「企業の人材不足」実態調査結果を発表しました。人材不足を実感する企業は82%で、コロナ前(2019年)の調査に比べて7ポイント減少、従業員数の多い企業ほど採用意欲が高い傾向でした。人材不足の原因は「退職による欠員」(60%)、「中途採用で人員確保できない」(43%)など。解決策は「人材採用の強化」(76%)が最多、次いで「既存業務の効率化」(30%)、「既存社員の教育、能力向上」(27%)などでした。
◇出生率1.30に低下、出生数は過去最少
厚生労働省は、2021年「人口動態統計月報年計(概数)」結果を公表しました。合計特殊出生率は1.30(対前年比0.03ポイント低下)、2016年以降低下が続いています。出生数は81万1,604人(同2万9,231人減少)で過去最少。死亡数は143万9,809人(同6万7,054人減少)で戦後最多。自然増減数(出生数と死亡数の差)はマイナス62万8,205人で過去最大の減少となりました。
◇相談受付件数、「パワハラ・嫌がらせ」が最多
連合は、「なんでも労働相談ダイヤル」2022年5月分集計結果を発表しました。受付件数は1,193件で、前年同月80件増。相談の内容は、「パワハラ・嫌がらせ」(18.1%)が最多、次いで「雇用契約・就業規則」(8.9%)、「退職手続」(7.9%)、など。業種別では「医療・福祉」(21.5%)が最多、次いで「サービス業(他に分類されないもの)」(15.7%)、「製造業」(13.8%)など。
◇夏季賞与・一時金の妥結状況を発表
経団連は、2022年夏季賞与・一時金の大手企業業種別妥結状況(加重平均)の第1回集計結果を発表しました。妥結額平均は92万9,259円で、前年比13.81%増。業種別平均は、製造業93475円(同15.11%増)、非製造業92万2,512円(同6.99%増)。従業員500人以上、主要21業種大手253社を対象とし、平均額が分かる105社について集計しています。
◇労使関係が「安定的」と認識している労働組合は9割超
厚生労働省は、2021年「労働組合活動等に関する実態調査」結果を公表しました。労使関係が「安定的」と認識している労働組合は92.9%(2020年調査89.9%)。組織拡大を重点課題として取り組んでいるか尋ねたところ、「取り組んでいる」は26.7%(2018年調査29.6%)、「取り組んでいない」は73.3%(同70.1%)。取り組まない理由(複数回答)は、「ほぼ十分な組織化が行われているため」が54.7%(同50.4%)、「組織が拡大する見込みが少ないため」が27.3%(同20.7%)。
◇基本方針(案)を取りまとめ
政府は、第8回「デジタル田園都市国家構想実現会議」を開催し、基本方針(案)を取りまとめました。同基本方針(案)では、全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会」を目指して、デジタルインフラを急速に整備し、官民双方で地方におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)を積極的に推進するとしています。具体的な取組方針として、人口減少・少子高齢化などの解決すべき地方の社会課題に対して、中小・中堅企業DX等により「地方に仕事をつくる」こと、「転職なき移住」の推進等により「人の流れをつくる」ことなどを推進し、これらを通じて2024年度末までにデジタルの実装に取り組む地方公共団体1,000団体の達成を目指すとしています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和4年5月中の主なトピックス

◇2022年1~3月期のGDP実質成長率、年率マイナス1.0%
内閣府は、2022年1~3月期の四半期別GDP(国内総生産)1次速報値を公表しました。GDP成長率(季節調整済前期比)は、実質がマイナス0.2%、年率換算でマイナス1.0%。需要項目別では民間最終消費支出が実質マイナス0.0%(10~12月期は2.5%)、うち家計最終消費支出は実質マイナス0.1%(同2.5%)。また、雇用者報酬の伸び率は実質マイナス0.4%、名目0.7%となりました。
◇物価上昇の認識が大幅に増加、暮らし向きの認識も悪化
連合総研は、第43回「勤労者の仕事と暮らしに関するアンケート(勤労者短観)」調査結果を発表しました。物価認識D.I.値はプラス52.2で、前回調査(1年前)比24.1ポイントの上昇、1年後のD.I.値は54.1で、同16.4ポイントの上昇、物価の上昇が続くとの認識が強まっています。暮らし向きの認識D.I.値はマイナス17.3で、同0.3ポイント低下して3年ぶりに低下、1年後のD.I.値はマイナス15.6で、同5.9ポイントの低下、1年後の暮らし向きが悪化するとの認識が強まっています。
◇正規職員・従業員、前年同期比10万人減、10期ぶりの減少
総務省は、「労働力調査(詳細集計)」結果を公表しました。2022年1~3月期平均の役員を除く雇用者は5,640万人。うち、正規の職員・従業員は、前年同期比10万人減の3,568万人で10期ぶりの減少。非正規の職員・従業員は、同8万人増の2,073万人で3期ぶりの増。失業者は前年同期比14万人減の202万人、失業期間別にみると、失業期間「3カ月未満」の者は68万人で8万人の減少、また「1年以上」の者は68万人で3万人の増加となりました。
◇入社時の書面での労働条件明示は6割を切る
連合は、「入社前後のトラブルに関する調査2022」の調査結果を発表しました。労働基準法が義務付けている書面での労働条件の明示等があったのは59.9%で、前回(2016年)調査から6.1ポイント減少。従業員規模50人以下では49.4%にとどまりました。新卒入社した会社を「離職した」は33.2%、辞めた理由の1位は「仕事が自分に合わない」(40.1%)、労働条件を書面で渡されていない人では、「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」(35.8%)が離職理由1位となりました。
◇約7割の企業がリモート採用を導入
マンパワーグループは、企業の人事担当者を対象とした「リモート採用の導入・実施状況」調査結果を発表しました。「リモート採用を取り入れている」と回答した割合は66.8%。リモートで行っているものは、「説明会」と「最終面接以外の面接」が同率(84.3%)で最多、次いで「内定者フォロー」(63.3%)など。一方、「最終面接」(37.1%)、「契約書のやりとり」(22.1%)は少なく、採用における最終的な判断や手続き、意思確認は、リモートより対面で実施する企業が多いとしています。
◇地元就職を希望する割合は6割超、2年連続の増加
マイナビは、「2023年卒 大学生Uターン・地元就職に関する調査」結果を発表しました。23年3月卒業予定の全国の大学生、大学院生が地元(Uターン含む)就職を希望する割合は62.6%(前年比4.8ポイント増)で、2年連続の増加。働く場所が自由になった場合の勤務先と居住地域の理想を聞いたところ、最も多く選ばれたのは「地方企業に勤め、地方に住みたい」が29.2%で、前年比7.2ポイントの減。一方で「東京の企業に勤めたい」は31.5%で、同11.8ポイントの増となりました。
◇困った辞め方、「退職日が急すぎる」が最多
エン・ジャパンは、「退職を伝えるタイミング」実態調査結果を発表しました。上司・同僚・部下が退職する際に、「この進め方はよくない」「困った」と感じた人は34%。どのようなところで感じたか尋ねたところ(複数回答)、「退職日が急すぎる」(50%)、「引き継ぎの進め方がよくない」(40%)、 「退職の伝え方がよくない」(28%)などとなりました。
◇2022年5月の総人口、前年同月比73万人減
総務省は、人口推計の2022年5月概算値及び2021年12月確定値を公表しました。22年5月1日現在の総人口(概算値)は1億2,505万人で、前年同月比73万人(0.58%)の減少。21年12月1日現在の総人口(確定値)は1億2,538万人で、同70万9千人(0.56%)の減少。年齢階層別(確定値)では、65歳以上人口は3,622万7千人で、同17万3千人(0.48%)の増加、15~64歳人口は7,441万1千人で、同62万4千人(0.83%)の減少、15歳未満人口は1,474万2千人で、同25万8千人(1.72%)の減少となりました。
◇BCP策定率は32%
東京商工会議所は、「会員企業の防災対策に関するアンケート」2022年調査結果を発表しました。「BCP(事業継続計画)を策定済」の企業は32.2%(前回31.8%)。BCPで想定している災害等は、地震(90.9%)、感染症(50.9%)、水害(47.4%)など。従業員向けに3日分以上の飲料水を備蓄している企業は47.6%、食料は36.7%。一方で、外部の帰宅困難者向けに3日分以上の飲料水を備蓄している企業は37.3%、食料は16.7%となりました。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和4年4月中の主なトピックス

◇業況判断DI、大企業製造業で12月調査比3ポイント低下
日本銀行は、3月の「全国企業短期経済観測調査」(短観)結果を公表しました。業況判断DI(「良い」-「悪い」)は、大企業製造業でプラス14(12月調査比3ポイント低下)、非製造業でプラス9(同1ポイント低下)。全産業・規模計で0(同2ポイント低下)。雇用人員判断DI(「過剰」-「不足」)は、全産業・規模計でマイナス24(同2ポイント低下)となりました。
◇無期転換権発生時の通知の義務化等を提起
厚生労働省は、「多様化する労働契約のルールに関する検討会」の報告書を公表しました。無期転換ルールについて、「根幹から見直さなければならない問題が生じている状況ではない」としつつ、労働者が無期転換ルールを理解した上で申込みを判断できるよう、転換権の発生時に申込機会と転換後の労働条件についての通知を使用者に義務付けること、無期転換をめぐる紛争防止のため、更新上限の有無や内容を労働契約で明示することなどを提起しています。
◇解雇無効時の金銭救済制度のあり方についての報告書を公表
厚生労働省は、第17回「解雇無効時の金銭救済制度に係る法技術的論点に関する検討会」を開催し、検討会報告書を取りまとめました。同報告書は、解雇無効時の金銭救済制度について、仮に制度を導入するとした場合に法技術的に取り得る仕組みや検討の方向性に係る選択肢等を示したものです。「権利の法的性質」「労働契約解消金の性質」「労働契約解消金の算定方法」「有期労働契約の場合の契約期間中の解雇・雇止め」などに関する法技術的論点をまとめています。
◇初職の雇用形態、「非正規雇用」が約46%
連合は、「非正規雇用で働く女性に関する調査」結果を発表しました。初職(学校卒業後に初めて就いた仕事)の雇用形態は、「正規雇用」(52.7%)、「非正規雇用」(46.1%)。非正規雇用を選んだ理由は、「ある程度労働時間・労働日を選べるから」(39.0%)が最多。「女性の活躍」について尋ねたところ、女性だけに仕事と家事・育児の両立を求める風潮に疑問」が49.9%で、前回調査(2017年調査)と比較すると5.8ポイント上昇となりました。
◇「新型コロナウイルス感染症に係るメンタルヘルスとその影響に関する調査」結果を公表
厚生労働省は、「新型コロナウイルス感染症に係るメンタルヘルスとその影響に関する調査」結果を発表しました。コロナ禍の感染拡大及び行動制限等の対策により、感染不安や行動変容に伴うストレスなど、国民の心理面に影響が生じている可能性があるとして、その影響把握を目的に実施したものです。報告書では「メンタルヘルスの状況」のほか、「在宅勤務または自宅待機の状況」「外出の頻度」「食事の量や睡眠時間などの変化」「会話量の変化」「ストレスの解消度」等についても調査しています。
◇最低賃金の大幅な引上げにより、賃金を引上げた企業は約4割
日本商工会議所・東京商工会議所は、「最低賃金引上げの影響および中小企業の賃上げに関する調査」結果を発表しました。昨年10月の最低賃金引上げ(全国加重平均28円)を受け、最低賃金を下回ったため賃金を引上げた企業割合は40.3%、引上げが1円にとどまった後に実施した2021年調査と比べて21.4ポイント増加しました。現在の最低賃金額の負担感については、「負担になっている」と回答した企業割合は65.4%、業種別では、コロナ禍で大きな影響を受けている「宿泊・飲食業」(90.9%)が最多となりました。
◇夫が育休未取得のワーキングマザーのうち、6割強が出産直後に夫に育休取得を要望
マイナビは、「ワーキングマザーの働きやすさに関する意識調査」結果を発表しました。夫が育休を取ったことがあると回答した人は33.1%、夫が育休を取ったことがないと回答した人で、出産直後(8週間以内)に夫に育休を取って欲しかった人は63.6%。夫の育休取得に対する不安は「収入減少」(72.1%)が最多、次いで「夫のキャリアへの影響」(49.8%)、「夫の職場での人間関係悪化」(36.1%)などとなりました。
◇値上げ実施済・予定企業は約65%
帝国データバンクは、企業の今後1年の値上げに関する動向アンケート結果を発表しました。原材料価格や原油価格の高騰が続くなかで、主要製商品・商材、サービスの値上げ動向について尋ねたところ、すでに値上げを行った企業および今後1年以内で値上げする予定の企業割合は64.7%。一方で、「値上げしたいが、できない」企業は16.4%で、約6社に1社にのぼりました。
◇現在の社会で満足していない点、「経済的なゆとりと見通しが持てない」が半数以上
内閣府は、「社会意識に関する世論調査」結果を発表しました。現在の社会において満足している点を尋ねたところ(複数回答)、「良質な生活環境が整っている」(47.2%)が最多、次いで「心と身体の健康が保たれる」(19.8%)など。満足していない点は(同)、「経済的なゆとりと見通しが持てない」(55.5%)が最多、次いで「若者が社会での自立を目指しにくい」(30.1%)、「働きやすい環境が整っていない」(28.6%)、「女性が社会での活躍を目指しにくい」(27.9%)などとなりました。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和4年3月中の主なトピックス

◇景気判断指数はプラス24.2からプラス8.8へ低下
経済同友会は、経営トップ等を対象に実施した2022年3月の「景気定点観測アンケート調査」結果を発表しました。前回調査(12月)と比べて、景気の現状は、「拡大している」と「緩やかに拡大している」の減少、「緩やかに後退している」と「後退している」の増加により、同友会景気判断指数も24.2から8.8に低下しました。2022年度の賃上げについて、「実施する予定」(76.2%)が多数を占め、賃上げの内容は「定期昇給」(78.7%)が最多、次いで「一時金支給・増額」(33.9%)、「ベースアップ」(23.6%)などとなっています。
◇1月の完全失業率2.8%、前月比0.1ポイント上昇
総務省は、2022年1月の「労働力調査(基本集計)」を公表しました。完全失業率(季節調整値)は2.8%で、前月に比べ0.1ポイントの上昇。完全失業者数は185万人(前年同月比14万人減)で、7カ月連続の減少。就業者数は6,646万人(同32万人減)で、4カ月連続の減少、雇用者数は 5,977万人(同35万人減)で、2カ月ぶりの減少となりました。
◇震災関連倒産、11年累計で2,000件超
帝国データバンクは、東日本大震災から11年を迎えるにあたり、「東日本大震災関連倒産」動向調査結果を発表しました。同震災が発生した2011年3月から2022年2月までの11年のうち、震災関連倒産は累計2,085件、負債総額は累計1兆7,189億円。震災発生時点で「被害甚大地域」に本社を置いていた5,004社について、22年2月時点で「事業継続」している企業は3,244社(構成比64.8%)となっています。
◇単純平均5,567円、2.08%
全労連や中立組合などでつくる国民春闘共闘委員会(代表幹事:小畑雅子全労連議長)は、2022春闘の第2回目の賃上げ集計を公表しました。それによりますと、17日までに454組合が回答を引き出し、有額回答のあった285組合の単純平均は5,567円、率で2.08%。加重平均では5,165円、1.91%となりました。
◇日立など4労組で賃金水準引き上げの満額回答も
電機連合(神保政史委員長)の中闘組合に対する賃上げ回答では、日立製作所、東芝、NEC、村田製作所の4労組で、開発・設計職基幹労働者の個別ポイントで3,000円引き上げるとする満額回答が示されました。4労組以外でも、シャープなどの労組が、産別が設定した歯止め基準を上回る額を獲得しました。
◇管理職への登用を自ら希望した女性は約1割
アデコ株式会社は、女性管理職を対象とした「昇進の動機や管理職としてのキャリアに関する意識調査」結果を発表しました。管理職に昇進したきっかけは、「上司からの働きかけ」(84.2%)、「自身の希望」(11.9%)。昇進・昇格に挑戦したい理由は、「給与アップ」(47.9%)、「女性活躍に貢献したい」(36.5%)、「仕事の裁量を広げたい」(31.9%)など。一方で、挑戦したくない理由は、「ストレスが増えるから」(56.5%)、「現在の職務で満足しているから」(41.5%)、「自分には向いていない」(40.0%)などとなっております。
◇死傷者数は前年同期比で約21%増加
厚生労働省は、2022年の労働災害発生状況(3月速報値)を公表しました。休業4日以上の死傷者数は1万6,500人(前年同期比21.1%増)。業種別では第三次産業の9,036人(同29.6%増)が最多。事故の類型別では転倒の4,472人(同9.6%増)が最多、次いで「その他」(主に感染症による労働災害)3,961人(同262.1%増)、「墜落・転落」2,051人(同0.2%減)など。死亡者数は128人(同42.2%増)、業種別では建設業34人(同5.6%減)、製造業33人(同94.1%増)、第三次産業32人(同68.4%増)など、事故の類型別では墜落・転落41人(同57.7%増)が最多となっています。
◇退職金は、総合職・大学卒(勤続年数38年)で2,243.3万円など
経団連は、「2021年9月度 退職金・年金に関する実態調査結果」を発表しました。職種別・学歴別のすべての区分で、勤続年数の上昇に伴って退職金額は増加しています。「管理・事務・技術労働者(総合職)」の60歳では、大学卒(勤続年数38年)が2,243.3万円、高校卒(同42年)が1,953.0万円。「退職年金制度」のある企業で、その種類をみますと(複数回答)、「確定拠出年金(企業型)」が7割を上回り(71.2%)、2002年調査以降で最高となりました。
◇2022年3月の総人口、前年同月比65万人減
総務省は、人口推計の2022年3月概算値及び2021年10月確定値を公表しました。22年3月1日現在の総人口(概算値)は1億2,526万人で、前年同月比65万人(0.52%)の減少。21年10月1日現在の総人口(確定値)は1億2,550万2,000人で同64万4,000人(0.51%)の減少。年齢階層別では、65歳以上人口は3,621万4,000人で同18万8,000人(0.52%)の増加、15~64歳人口は7,450万4,000人で同58万4,000人(0.78%)の減少、15歳未満人口は1,478万4,000人で同24万7,000人(1.65%)の減少となっています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和4年2月中の主なトピックス

◇2021年10~12月期のGDP実質成長率、年率5.4%
内閣府は、2021年10~12月期の四半期別GDP(国内総生産)1次速報値を公表しました。GDP成長率(季節調整済前期比)は、実質が1.3%、年率換算で5.4%。需要項目別では、民間最終消費支出が実質2.7%(7~9月期はマイナス0.9%)、うち家計最終消費支出は実質2.8%(同マイナス1.0%)。また、雇用者報酬の伸び率は実質0.3%、名目マイナス0.3%となっています。
◇12月の新規求人、「製造業」は前年同月比35%増
厚生労働省は、「一般職業紹介状況」を公表しました。2021年12月の有効求人倍率(季節調整値)は1.16倍で、前月比0.01ポイント上昇。新規求人倍率(同)は2.30倍で、同0.17ポイント上昇。新規求人(原数値)は、前年同月比で12.2%増。産業別では、製造業(34.6%増)、情報通信業(20.4%増)、運輸業・郵便業(16.2%増)などで増加。同日には2021年平均の結果も公表され、2021年平均の有効求人倍率は1.13倍で、前年比0.05ポイント低下しました。
◇外国人労働者約173万人、過去最高を更新するも対前年で横ばい
厚生労働省は、外国人雇用についての事業主からの届出状況を公表しました。2021年10月末現在の外国人労働者数は172万7,221人で、前年比2,893人(0.2%)の増加、外国人を雇用する事業所数は28万5,080カ所で、同1万7,837カ所の増加。いずれも過去最高を更新しましたが、増加率は前年比でそれぞれ3.8ポイントと3.5ポイントの減少。国籍別では、ベトナムの45万3,344人(外国人労働者数全体の26.2%)が最多、次いで、中国39万7,084人(同23.0%)、フィリピン19万1,083人(同11.1%)の順。在留資格別の労働者数は、「身分に基づく在留資格」の58万328人(同33.6%)が最多で、「専門的・技術的分野の在留資格」39万4,509人(同22.8%)、「技能実習」35万1,788人(同20.4%)と続きます。対前年増加率では「特定活動」の44.7%が最高となりました。
◇1月のコロナ関連破たん、12カ月連続の100件超え
東京商工リサーチは、「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円以上)が全国で累計2,696件(倒産2,577件、弁護士一任・準備中119件)になったと発表しました。2021年の年間件数は1,718件に達し、20年の843件に比べて約2倍に増加しました。2022年1月は113件で、5カ月ぶりに前月を下回りましたが、12カ月連続となる100件超えとなりました。
◇家事・育児を行うメリット、男性育休取得者の半数以上が「仕事の効率化」と回答
21世紀職業財団は、「子どものいるミレニアル世代夫婦のキャリア意識に関する調査研究」結果を発表しました。育児休業を取得した男性が、家事・育児を行ってよかったとしたのは、「効率的に仕事を行うようになった」(55.7%)、「視野が広がりこれまでと違った発想ができるようになった」(32.9%)など。配偶者(夫)が保育園や幼稚園への「お迎え」を週1回以上行うと、女性自身がキャリアアップできていると思う割合が高い傾向にあるとしています。
◇87%が「転職先での人間関係に不安を感じる」
エン・ジャパンは、「職場の人間関係」調査結果を発表しました。転職にあたっての転職先での人間関係について、87%が「不安がある」と回答、年代を問わず8割以上が人間関係への不安を抱いていることが分かりました。転職前に転職先の人間関係を確認する割合は45%、確認方法の上位は、「クチコミから読みとる」(64%)が最多、次いで「面接時の職場見学」(53%)、「求人情報から読みとる」(42%)などとなっています。
◇コロナで企業の「脱首都圏」急増、過去最多の351社
帝国データバンクは、「首都圏・本社移転動向調査」結果を発表しました。2021年に本社を首都圏から地方へ移転した企業の数は351社。これまで最多だった1994年の328社を大幅に上回り、過去最多を更新しました。首都圏からの移転先で最も多いのは「大阪府」(46社)で、「北海道」(33社)はコロナ前の19年(7社)から約5倍に急増しました。転出企業を売上高規模別にみると、最多は「1億円未満」(176社)で、中でも設立間もない企業の割合がコロナ前を大きく上回りました。
◇テレワーク、導入企業の経営者・管理職の5割強が不満
帝国データバンクは、「企業がテレワークで感じたメリット・デメリットに関するアンケート」結果を発表しました。テレワークを実施している企業は31.5%、「メリットの方が多い」と回答した企業は15.1%、一方でテレワークを実施しているが「デメリットの方が多い」とした企業は16.4%となり、テレワークを実施している企業のうち52.1%の企業がデメリットの方が多いと回答しました。デメリットの理由として、社内でのコミュニケーションの減少による影響、仕事の進捗を把握しにくい点などがあるとしています。
◇2022年度、企業の約55%で賃金改善を見込む
帝国データバンクは、「2022年度の賃金動向に関する企業の意識調査」結果を発表しました。2022年度に賃金改善があると見込む企業は54.6%(2021年度見込み比12.6ポイント増)となり、2年ぶりに5割を上回りました。賃金改善の具体的な内容は、「ベースアップ」は46.4%(前年比10.5ポイント増)、「賞与(一時金)」は27.7%(同7.4ポイント増)で、それぞれ前年から増加しています。「ベースアップ」は19年度の45.6%を上回り、過去最高の水準となりました。賃金改善の理由では「労働力の定着・確保」が76.6%で最多です。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和4年1月中の主なトピックス

◇雇用保険料引き上げなどに関する法律案要綱について答申
労働政策審議会は、雇用保険率引き上げなどを内容とする改正雇用保険法等の法律案要綱についておおむね妥当と答申しました。2022年4月1日から9月30日までの保険率は、一般の事業1000分の9.5、農林水産・清酒製造業1000分の11.5、建設業1000分の12.5。10月1日から2023年3月31日については、一般の事業1000分の13.5、農林水産・清酒製造業1000分の15.5、建設業1000分の16.5。また、基本手当の受給資格者が起業した場合、手当を受けることのできる期間を原則の1年から最長4年まで延長する特例の新設などの改正も行っています。改正法案は、2022年通常国会に提出の予定です。
◇現金給与総額、前年同月と同水準の約28万円
厚生労働省は、11月の「毎月勤労統計調査」結果(速報、事業所規模5人以上)を公表しました。現金給与総額は28万398円で前年同月と同水準、うち一般労働者が同0.2%増の36万4,726円、パートタイム労働者が同0.5%増の9万9,281円。総実労働時間は同0.9%増の139.3時間。うち、所定内労働時間は同0.6%増の129.2時間、所定外労働時間は同4.1%増の10.1時間。
◇アステラス製薬社員の自殺、労災認定 業務で心理的負荷、うつ病に
アステラス製薬の男性社員=当時(33)=が2019年に自殺し、中央労働基準監督署(文京区)がうつ病が原因と労災認定したことが分かりました。遺族らが記者会見して明らかにしました。代理人弁護士によると、09年に入社した男性は、医薬情報担当者(MR)を経て、15年から医師向けの講演会などを運営する担当へ異動しました。16年4月にうつ病と診断された後、19年12月、都内の自宅で自殺しました。
◇死傷者数は前年同期比で18%増加
厚生労働省は、労働災害発生状況(1月速報値)を公表しました。休業4日以上の死傷者数は13万5,358人(前年同期比18.0%増)。業種別では第三次産業の7万1,772人(同27.5%増)が最多。事故の類型別では転倒の3万115人(同9.5%増)が最多、次いで「墜落・転落」1万9,381人(同1.3%増)、その他(主に感染症による労働災害)の1万9,002人(同428.0%増)など。死亡者数は779人(同8.5%増)、業種別では建設業の274人(同14.2%増)、事故の類型別では墜落・転落の204人(同16.5%増)がそれぞれ最多となりました。
◇業績にマイナスの影響を見込む企業は約67%
帝国データバンクは、「新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査」結果を発表しました。新型コロナウイルス感染症による自社の業績への影響について、「マイナスの影響がある」と見込む企業は67.4%(前月比0.8ポイント増)で、4カ月ぶりに増加に転じました。先行きに対する警戒感がやや高まっているとしています。
◇6,000円を基準に「人への投資」を要求
金属、機械関連の中小労組を多く抱える産別労組のJAM(安河内賢弘会長、約36万6,000人)は18日、リモート方式を併用して中央委員会を開催し、2022年春季生活闘争方針を決定しました。これまでどおり、賃金の格差是正などに向け、賃金水準にこだわった要求を追求しながら、ベア・賃金改善について6,000円を基準として「人への投資」を要求するなどとしました。
◇2021年1~6月の月例賃金引上げ額、5,887円
経団連は、会員企業等を対象にした「2021年1~6月実施分 昇給・ベースアップ実施状況調査結果」を発表しました。「昇給・ベアともに実施」した企業は30.9%と前年比8.3ポイントの減少ですが、「昇給のみ実施」の企業は8.3%ポイント増加の69.1%。すべての回答企業が賃金の増額改定を実施したとしています。月例賃金引上げ額・率は5,887円・1.93%で、額・率ともに前年を下回り、2013年以来8年ぶりに6,000円・2%を下回りました。
◇「70歳までの就業機会確保」は6割以上の企業が対応
マイナビは、「企業人材ニーズ調査2021年版」を発表しました。2021年4月施行の改正高年齢者雇用安定法が努力義務とした「70歳までの就業機会確保」についての対応を聞いたところ、「70歳までの継続雇用制度の導入」(24.2%、自社19.8%と他の事業主等4.4%の計)、「70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入」(17.3%)、「70歳までの定年引上げ」(11.9%)、「定年廃止」(5.6%)、「社会貢献事業に従事できる制度の導入」(4.1%)で、あわせて61.3%の企業が何らかの対応をしています。一方、「いずれの対応も行わない」は36.8%でした。
◇長時間労働・過重労働に関する相談が最多
厚生労働省は、「過重労働解消キャンペーン」(昨年11月実施)の一環として実施した特別労働相談受付日における相談結果を公表しました。相談件数は合計480件、主な相談内容は「長時間労働・過重労働」56件(11.7%)、「パワハラ」48件(10.0%)、「解雇・雇止め」47件(9.8%)、「賃金不払残業」46件(9.6%)など。主な相談者の属性は「労働者」369件(76.9%)、「労働者の家族」54件(11.3%)など。また、労働条件に関する常設の相談窓口等も紹介しています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和3年12月中の主なトピックス

◇10~12月期の景況判断、大企業と中堅企業は「上昇」超、中小企業は「下降」超
内閣府と財務省は、「法人企業景気予測調査」(2021年10~12月期調査)結果を公表しました。「貴社の景況判断」BSIは、大企業は9.6%ポイントで、2期連続の「上昇」超。生産用機械器具製造業、情報通信機械器具製造業、サービス業、卸売業の影響が大きくあらわれました。中堅企業は「上昇」超、中小企業は「下降」超となりました。雇用に関する「従業員数判断」BSIは、大企業、中堅企業、中小企業いずれも「不足気味」超となりました。
◇2022年の景気、企業の8割強が「原油・素材価格の上昇」を懸念
帝国データバンクは、「2022年の景気見通しに対する企業の意識調査」結果を発表しました。景気が「回復」局面になると見込む企業は、2021年の景気見通し(2020年11月実施)から8.5ポイント増の22.3%。「飲食店」、「旅館・ホテル」、「娯楽サービス」などの個人向けサービス業の見通しが大幅に上向きました。2022年景気の懸念材料は「原油・素材価格の上昇」が82.5%(前年比75.2ポイント増)で最多となっています。
◇国家公務員に「出生サポート休暇」を新設
人事院は、国家公務員に「出生サポート休暇」を新設したと公表しました。同休暇は、常勤職員・非常勤職員を対象とした不妊治療に係る通院等のために認められる有給休暇で、休暇の期間は年5日まで、休暇の単位は1日又は1時間。また、非常勤職員に対しては、男性職員には配偶者出産休暇・育児参加のための休暇を新設するとともに、女性職員には産前休暇・産後休暇を有給化します。これらの措置は、2022年1月1日から施行予定です。
◇精神障害の労災認定の基準などについて議論
厚生労働省は、第1回「精神障害の労災認定の基準に関する専門検討会」を開催しました。精神障害の労災認定の現状・課題と論点(案)は、2011年の現行認定基準の策定後も、業務による心理的負荷が関係する労災請求が増加していることを踏まえ、最新の医学的知見、裁判例、支給決定事例等にもとづいて、認定基準全般にわたって検証を行い、迅速かつ適切な心理的負荷の評価等を行う必要があるとし、「精神障害の成因、認定要件とその考え方」、「業務による心理的負荷の評価」などについて検討するとしています。
◇景気の先行きは悪化の見通しが強いが、生活満足度は高水準
野村総合研究所は、「生活者1万人アンケート調査」結果を発表しました。同調査は1997年以降、3年に1回調査を実施しており、今回は9回目。「今年から来年にかけての景気の見通し」について「悪くなる」と考える人は46%で調査開始以来の最高(2012年40%、15年22%、18年19%)。一方、生活者の生活満足度も78%(2012年73%、15年76%、18年76%)で、調査開始以来最も高い結果となりました。テレワーク業務を実施出来た人は22%、管理職・事務職・専門職で高く、正社員や従業員規模の大きい会社ほど高い傾向にあります。
◇「後継者難倒産」累計350件、倒産全体の6.3%
東京商工リサーチは、2021年1~11月の「後継者難」倒産が350件(前年同期比2.9%増)と発表しました。負債1,000万円以上の倒産(5,526件)は、コロナ禍の資金繰り支援策の下支えにより歴史的な低水準で推移しているが、「後継者難」倒産は全体の6.3%で、前年同期より1.6ポイント上昇しました。産業別では、「サービス業他」(77件)が最多で「後継者難」倒産の約2割を占めています。次いで、「建設業」(68件)、「製造業」(61件)などが続きました。
◇働き方改革に「取り組んでいる」事業所割合は約8割
厚生労働省は、「労働経済動向調査」(2021年11月)結果を公表しました。長時間労働の是正や多様で柔軟な働き方の実現に「取り組んでいる」事業所割合は調査産業計で79%。取組内容(複数回答)は、「業務の効率化を進める」(65%)が最多、次いで「時間外労働の事前申告制」(59%)、「長時間労働抑制に関する数値目標の設定」(49%)など。労働者過不足判断DI(11月1日現在)は、正社員等労働者がプラス33ポイント、パートタイム労働者がプラス24ポイントで、いずれも不足超過となりました。
◇マネジャーに必要なスキル、「IT活用」や「タイムマネジメント」が増加
産業能力大学は、第6回「上場企業の課長に関する実態調査」結果を発表しました。コロナ禍を経た新しい日常において、マネジャーに必要なスキルの重要性の変化を尋ねたところ、重要性が増したスキルは「IT活用」(55.6%)、「タイムマネジメント」(37.4%)、「メンタルタフネス」(36.4%)など。現在の仕事において、プレイヤーとしての役割が全くないのは0.5%で、99.5%の課長がプレイヤーとマネジャーを兼務していることが分かりました。
◇パワハラの相談件数、5年前と比較して「増えた」は4割超
経団連は、「職場のハラスメント防止に関するアンケート結果」を発表しました。ハラスメント防止に関する労働施策総合推進法の施行から1年が経過したことを踏まえ、企業の取組み等を聞いています。5年前と比較したパワーハラスメントに関する相談件数は、「増えた」(44.0%)が最多で、次いで「変わらない」(30.8%)。ハラスメント防止・対応の課題は、「コミュニケーション不足」(63.8%)が最多、次いで「世代間ギャップ、価値観の違い」(55.8%)、「ハラスメントへの理解不足(管理職)45.3%)などとなっています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和3年11月中の主なトピックス

◇2022年度の賃上げ、税制優遇がなくとも約5割の企業が賃上げ実施予定
帝国データバンクは、「2022年度の賃上げに関する企業の意識アンケート」調査結果を発表しました。企業の48.6%は支援策(税制優遇の強化)の程度に関わらず、賃上げを実施する予定。税制優遇が大きければ79.4%の企業が賃上げに前向きと回答。「税制優遇幅に関わらず賃上げを行う」と回答した企業を規模別にみると、大企業では53.6%、中小企業では47.9%でした。
◇新卒初任給を引き上げた企業は約30%、前年比12.7ポイント減
経団連と東京経営者協会は、2021年3月卒の「新規学卒者決定初任給調査結果」の概要を発表しました。「前年の初任給から引き上げた」企業の割合は29.9%(前年比12.7ポイント減)で、3年連続で低下。「前年の初任給を据え置いた」企業の割合は69.6%(同12.2ポイント増)。初任給決定の考慮要素は、「世間相場」(27.9%)、「在籍者とのバランスや新卒者の職務価値」(22.9%)など。一方で、「企業業績を勘案」(8.9%)が2019年(4.3%)から倍増しています。
◇正規職員・従業員、前年同期比38万人増、8期連続の増加
総務省は、「労働力調査(詳細集計)」結果を公表しました。2021年7~9月期平均の役員を除く雇用者は5,635万人。うち、正規の職員・従業員は、前年同期比38万人増の3,575万人で8期連続の増加。非正規の職員・従業員は、同4万人減の2,060万人で2期ぶりの減少。失業者は前年同期比13万人減の211万人、失業期間別にみると、失業期間「3カ月未満」の者は72万人で22万人の減少、また「1年以上」の者は68万人で18万人増加しました。
◇年次有給休暇の平均取得率56.6%で過去最高
厚生労働省は、2021年「就労条件総合調査」結果を公表しました。20年1年間の年次有給休暇の平均取得率は56.6%(前年56.3%)で過去最高。平均取得日数は10.1日(同10.1日)。取得率を産業別にみると、「電気・ガス・熱供給・水道業」が 73.3%と最も高く、「宿泊業、飲食サービス業」が45.0%と最も低くなっています。計画的付与制度がある企業割合は46.2%(同43.2%)。計画的付与日数階級別にみると「5~6日」が69.1%(同 66.6%)と最も高い結果となりました。
◇来年3月高校新卒者の就職内定率は62%
厚生労働省は、「2022年3月高校・中学新卒者のハローワーク求人における求人・求職・就職内定状況」(2021年9月末現在)を公表しました。2022年3月高校新卒者の求人数は約36万9,000人で、前年10月比0.3%の減、就職内定率は62.0%で、同2.2ポイントの低下。求人倍率は2.66倍で、同0.23ポイントの上昇。集計の対象は、学校やハローワークから職業紹介を希望した生徒です。
◇2021年7~9月期のGDP実質成長率、年率マイナス3.0%
内閣府は、2021年7~9月期の四半期別GDP(国内総生産)1次速報値を公表しました。GDP成長率(季節調整済前期比)は、実質がマイナス0.8%、年率換算でマイナス3.0%。需要項目別では、民間最終消費支出が実質マイナス1.1%(4~6月期は0.9%)、うち家計最終消費支出は実質マイナス1.2%(同0.9%)。また、雇用者報酬の伸び率は実質0.1%、名目0.5%でした。
◇現在、行っている部下の指導方法は、「部下に役割を与える」がトップ
マンパワーグループは、20代~50代の部下を持つ男女を対象とした「部下の指導方法」についての調査結果を発表しました。現在、行っている部下の指導方法は「部下に役割を与える」(37.5%)が最多。今後取り組みたい指導方法は「部下に問題意識を持たせる」(32.5%)、「部下の特徴を理解して指導を変える」(28.8%)、「答えは出さずにヒントを与える」(26.0%)が上位でした。
◇コミュニケーションが取れることで感じる効果は「働きやすさ」がトップ
エン・ジャパンは、「職場でのコミュニケーション」調査結果を発表しました。64%が「職場でのコミュニケーションが取れている」と回答。理由は「コミュニケーションに積極的な風土があるから」(42%)、「コミュニケーションを取る時間を意図的に持っているから」(39%)など。コミュニケーションが取れることで感じる効果は、「働きやすさ」(69%)、「チームワーク」(63%)、「仕事の効率」(57%)など。一方、コミュニケーションが取れないことで影響を受けるのは「ストレス」(64%)、「働きやすさ」(61%)、「チームワーク」(56%)などとなっています。
◇年末一時金2.31月、674,221円
連合は、「2021春季生活闘争 年末一時金(第1回)・企業内最低賃金協定(最終)回答集計結果」を発表しました。年末一時金は、組合員一人あたり加重平均で、月数で2.31月(昨年同時期2.26月)、額で674,221円(同642,609円)となり、いずれも昨年同時期実績を上回りました。企業内最低賃金協定は、闘争前に協約があり、基幹的労働者の定義を定めている場合では163,906円/時間額1,013円、同定義を定めていない場合では月額164,459円/時間額944円でした。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和3年10月中の主なトピックス

◇経済の基調判断、「依然として厳しい状況にあるなか、持ち直しの動きが続いているものの、そのテンポが弱まっている」で据え置き
政府は、10月の「月例経済報告」を公表しました。基調判断は「依然として厳しい状況にあるなか、持ち直しの動きが続いているものの、そのテンポが弱まっている」とし、「テンポが弱まっている」との判断を維持しました。雇用情勢は、「感染症の影響により、弱い動きとなっているなかで、求人等の動きに底堅さもみられる」で変わらず。公共投資は「高水準にあるものの、このところ弱含んでいる」へ、輸出は「増勢が鈍化している」へ、貿易・サービス収支は「赤字となっている」へ下方修正しました。先行きは「ワクチン接種を促進するなかで、各種政策の効果や海外経済の改善もあって、景気が持ち直していくことが期待されるが、サプライチェーンを通じた影響による下振れリスクに十分注意する必要がある」などとしています。
◇雇用調整助成金の特例措置等の期限を延長
厚生労働省は、雇用調整助成金・緊急雇用安定助成金、休業支援金・給付金の特例措置の期限について、11月末から来年3月まで延長すると公表しました。現在の助成内容を本年12月末まで継続し、来年1月以降の特例措置の具体的内容については、11月中に示すとしています。
◇「やりがいを感じる」人ほど、上司や先輩社員とのコミュニケーションが多い
マイナビは、「新入社員のエンゲージメントと職場環境に関する調査」結果を発表しました。新入社員に対して仕事の「やりがい」を聞いたところ、2020年度入社は70.8%が「感じている」と回答、新型コロナウイルス感染拡大前の2019年度入社(76.4%)より5.6ポイント減少。企業側の新入社員の受け入れ態勢が十分に整っていなかったことが、仕事へのやりがいに影響したと考えられるとしています。また、コミュニケーション頻度と仕事のやりがいの影響度・好感度をみると、「やりがいを感じる」人ほど、上司や先輩社員とのコミュニケーションが「あった」と回答した割合が高くなりました。
◇2021年4~6月期のGDP実質成長率、年率1.9%増
内閣府は、2021年4~6月期の四半期別GDP(国内総生産)2次速報値(季節調整済)を公表しました。物価変動を除いた実質GDP成長率は前期比0.5%増、年率換算で1.9%増。1次速報値(前期比0.3%増、年率換算1.3%増)から上方修正。2020年度は前年度比4.4%減で1次速報値より0.1ポイント上昇しました。
◇後継者難倒産の要因、代表者の「死亡」と「体調不良」で8割以上
東京商工リサーチは、21年1~8月の「後継者難」倒産は累計236件と発表しました。前年同期の244件より8件減少(3.2%減)し、倒産全体(3,986件)に占める構成比は5.9%。前年同期の4.4%を1.5ポイント上回り、調査を開始した2013年以降で最高を記録しました。要因別では「死亡」が128件(構成比54.2%)、次いで「体調不良」が67件(同28.3%)で、この2要因で「後継者難」倒産の8割(構成比82.6%)に達しました。多くの中小企業では、代表者が経営全般を担っており、代表者の不測の事態に直面した企業は難しい状況に陥るとしています。
◇在宅勤務に対する経費を「負担している」企業割合は約35%
人事院は、「2020年民間企業の勤務条件制度等調査結果」を公表しました。20年度は、テレワークの経費の負担、正社員以外の休暇制度等について調べています。テレワークでは、正社員が在宅勤務を「行っている」企業の割合は33.3%、在宅勤務に対する経費を「負担している」企業の割合は34.7%、そのうち経費を「給与として支給」している企業は42.9%、「福利厚生費として支給」は7.9%となっています。
◇新型コロナでも、2割以上の企業は業績にマイナスの影響なし
帝国データバンクは、「新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査」結果を発表しました。新型コロナウイルス感染症による自社の業績への影響について、「プラスの影響がある」と見込む企業は5.0%(前月比0.9ポイント増)、「影響はない」は17.8%(同1.1ポイント増)、合わせて22.8%がマイナスの影響なしと回答した。一方で、「マイナスの影響がある」は72.1%(同1.6ポイント減)。業種別にみると、「プラスの影響がある」は、「放送」(25.0%)が最多、「マイナスの影響がある」は、「旅館・ホテル」(95.8%)が最多となっています。
◇ホテル・旅館の休廃業、過去10年で最多
帝国データバンクは、全国企業「休廃業・解散」動向調査結果を発表しました。2021年1~9月に全国で休廃業・解散を行った企業は4万1,761件で、前年同期比3.7%の減。業種別では、運輸・通信業など3業種で増加。前年同期と比較すると、観光関連の休廃業・解散が大幅に増加しており、「ホテル・旅館」(143件)は前年を上回っているほか、2015年以前と比較しても過去10年では最多となっています。
◇キャリア自律が高いと学習意欲は1.28倍、仕事の充実感は1.26倍
パーソル総合研究所は、「キャリア自律に関する調査」結果を発表しました。調査結果では、キャリア自律の度合いの強弱を数値化した「キャリア自律度」を算出して分析。キャリア自律度が高い層は低い層に比べて、「個人パフォーマンス(自己評価)」で1.20倍、仕事への貢献意欲である「ワーク・エンゲイジメント」で1.27倍、「学習意欲」で1.28倍高く、キャリア自律の向上が組織にメリットをもたらしているとしています。年齢別にみると、キャリア自律度は20代をピークとし、40代にかけて低下し、その後横ばい。職種別にみるとサービス職や商品開発・研究職、間接部門職、営業・販売職、専門・技術職で高い傾向があるとしています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和3年9月中の主なトピックス

◇10月から全都道府県で最低賃金を改定
厚生労働省は、地方最低賃金審議会が答申した地域別最低賃金の全国一覧を公表しました。中央最低賃金審議会が示した目安額28円を上回る改定は、島根県(32円)など7県で他の40都道府県は目安どおりの引き上げ。新たな地域別最低賃金額は、10月1日から順次発効となります。
◇労働相談、業種別では「医療・福祉」と「サービス業」が多数
連合は、「なんでも労働相談ダイヤル」2021年7月分集計結果を発表しました。受付件数は1,109件で、前年同月比390件減。業種別では、「医療・福祉」(162件・20.1%)、「サービス業(他に分類されないもの)」(152件・18.9%)が多数。主な相談内容は、「パワハラ・嫌がらせ」(181件・16.3%)が最多、次いで「雇用契約・就業規則」(118件・10.6%)、「解雇・退職強要・契約打切」(104件・9.4%)などとなっています。
◇夏季一時金平均妥結額は77万3,632円、昨年比6.59%減
厚生労働省は、2021年民間主要企業夏季一時金妥結状況を公表しました。平均妥結額は77万3,632円で、前年比5万4,539円(6.59%)の減。平均要求額は80万8,836円で、同11万1,002円の増。集計対象は、資本金10億円以上かつ従業員1,000人以上の労働組合のある349社です。
◇後継者難倒産の要因、代表者の「死亡」と「体調不良」で8割以上
東京商工リサーチは、21年1~8月の「後継者難」倒産は累計236件と発表しました。前年同期の244件より8件減少(3.2%減)し、倒産全体(3,986件)に占める構成比は5.9%。前年同期の4.4%を1.5ポイント上回り、調査を開始した2013年以降で最高を記録しました。要因では「死亡」が128件(構成比54.2%)、次いで「体調不良」が67件(同28.3%)で、この2要因で「後継者難」倒産の8割(構成比82.6%)に達しました。多くの中小企業では、代表者が経営全般を担っており、代表者の不測の事態に直面した企業は難しい状況に陥るとしています。
◇景況判断「持ち直しの動きがみられる」で据え置き、北陸は「持ち直している」に上方変更
内閣府は、8月の「地域経済動向」を公表しました。景況判断(景気の変化方向)は、全12地域について「新型コロナウイルス感染症の影響により、依然として厳しい状況」とした上で、北陸は「一部に弱さがみられるものの、持ち直している」、沖縄は「弱い動きとなっている」、他の10地域は「持ち直しの動きが続いているものの、一部で弱さが増している」としました。6月結果と比較すると、北陸は上方修正、他の11地域は据え置きになっています。雇用情勢は、東北、北関東、北陸、中国など8地域は「感染症の影響により、弱い動きとなっているなかで、求人数等の動きに底堅さが増している」と判断を上方に変更し、北海道、南関東など4地域は「求人数等の動きに底堅さもみられる」で据え置きとなっています。
◇外国人技能実習生の実習実施者に対する監督指導、送検等の状況を公表
厚生労働省は、全国の労働局や労働基準監督署が、2020年に外国人技能実習生の実習実施者に対して行った監督指導や送検等の状況を公表しました。労働基準関係法令違反が認められた実習実施者は、監督指導を実施した8,124事業場のうち5,752事業場(70.8%)。主な違反事項は、使用する機械等の安全基準(24.3%)、労働時間(15.7%)、割増賃金の支払(15.5%)など。重大・悪質な労働基準関係法令違反により送検されたのは32件となっています。
◇生活保護の申請件数、前年同月比13.3%増
厚生労働省は、生活保護法に基づく「被保護者調査」(2021年6月分概数)結果を公表しました。保護の申請件数は1万9,478件で、前年同月比2,288件(13.3%)増。保護開始世帯数は1万7,012世帯で、同1,870世帯(12.3%)増。被保護世帯は163万9,469世帯で、同2,873世帯(0.2%)増。被保護実人員は203万9,038人で、同1万6,493人(0.8%)減となっています。
◇コロナ破たん企業の従業員数、2万人超え
東京商工リサーチは、8月27日の16時時点で「新型コロナ」関連の経営破たん(負債1,000万円以上)が全国で累計1,874件になったと発表しました。月別では、2月(122件)、3月(139件)、4月(154件)が、3カ月連続で最多件数を更新し、8月(104件)まで7カ月連続で100件超となっています。またコロナ破たん企業の従業員数(正社員)は同日時点で2万人を突破しました。
◇出生数は84万835人、調査開始以来最少
厚生労働省は、2020年の「人口動態統計(確定数)」の概況を公表しました。出生数は84万835人(前年比2万4,404人の減)で、1899年の人口動態調査開始以来最少となりました。死亡数は137万2,755人(同8,338人の減)で、11年ぶりの減少。出生数と死亡数の差である自然増減数はマイナス53万1,920人(同1万6,066人の減)で、14年連続で減少・低下しました。婚姻件数は52万5,507組(同7万3,500組の減)。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和3年8月中の主なトピックス

◇管理職に占める女性の割合、課長以上、係長以上ともに上昇
厚生労働省は、2020年度「雇用均等基本調査」結果を公表しました。課長相当職以上に占める女性の割合は12.4%で、2019年度(11.9%)より0.5ポイント上昇、係長相当職以上は14.6%(同13.7%)で0.9ポイント上昇しています。役職別にみた女性の割合は、役員20.3%(同20.1%)部長相当職8.4%(同6.9%)、課長相当職10.8%(同10.9%)、係長相当職18.7%(同17.1%)でした。また、育児休業取得者の割合は、女性は81.6%(同83.0%)、男性は12.65%(同7.48%)となっています。
◇2020年の労働争議303件、前年より35件増
厚生労働省は、2020年「労働争議統計調査」の結果を公表しました。労働争議件数、争議行為を伴う争議件数とも、2019年より微増(前者は268件から303件、後者は49件から57件)となりました。一方、参加人数は10万5,340人から5万7,426人へと減少しています。主な要求事項(複数回答)は、「賃金」に関するものが154件(前年127件)、総争議件数の50.8%で最多となりました。次いで「組合保障及び労働協約」に関するもの126件(同97件)、「経営・雇用・人事」に関するもの74件(同86件)などが占めています。
◇消費者マインドの基調判断、「持ち直しの動きが続いている」で据え置き
内閣府は、2021年7月の「消費動向調査」結果を公表しました。「消費者態度指数(二人以上の世帯、季節調整値)」は、前月から0.1ポイント上昇し37.5、指数を構成する各消費者意識指標は、「雇用環境」が同0.1ポイント上昇し35.1、「暮らし向き」が同0.4ポイント上昇し39.0、「収入の増え方」が0.3ポイント上昇し37.9となっています。一方、「耐久消費財の買い時判断」は0.6ポイント低下し37.8で、消費者マインドの基調判断は、「依然として厳しいものの、 持ち直しの動きが続いている」で据え置きとしています。
◇大手企業の賃上げ妥結結果最終集計を公表
経団連は、2021年春季労使交渉における大手企業の業種別妥結結果の最終集計(130社、加重平均)を発表しました。賃上げ水準(加重平均)は、金額で6,124円(前年比972円の減少)、率では1.84%(同0.28ポイントの減少)となっています。
◇約3割がコロナ禍によって「今後の仕事や働くことについての考え方が変わった」
アデコ株式会社は、「コロナ禍による人生観・仕事観への影響に関する調査」結果を発表しました。新型コロナの影響で「今後の仕事や働くことについての考え方が変わった」と回答した人は29.3%にのぼりました。考え方が変わったことは、「働き方(時間・場所など)」(64.5%)が最多、次いで「仕事へのモチベーション」(53.0%)、「仕事の進め方」(45.7%)などとなっています。
◇全ての都道府県で最低賃金を引き上げ、答申での全国加重平均額は930円
厚生労働省は、地方最低賃金審議会が答申した2021年度の地域別最低賃金の改定額を取りまとめました。全ての都道府県で最低賃金の引上げを行い、引上げ額が28円は40都道府県、29円は4県、30円は2県、32円は1県となりました。改定後の全国加重平均額は930円(昨年度902円)、全国加重平均額28円の引上げは、1978年度に最低賃金額改定の目安制度が始まって以降で最高額です。最高額(1,041円)に対する最低額(820円)の比率は、78.8%。引上げ額は、10月1日から10月上旬までの間に順次発効される予定となっています。
◇不妊治療と仕事の両立、6割以上が「両立はできると思うが、かなり難しい」
人事院は、一般職の国家公務員を対象とした「不妊治療と仕事の両立に関するアンケート調査」結果を公表しました。不妊治療の経験がある、不妊治療を検討している又は検討したことがある者は15.6%。不妊治療と仕事の両立について、「両立はできると思うが、かなり難しい」(62.5%)、「両立することは無理」(11.3%)との結果となりました。仕事との両立が難しい・無理な原因は、「通院回数が多い」(46.1%)が最多で、続いて「経済面の負担が大きい」(44.6%)、「仕事の日程調整が難しい」(41.0%)などがあがっています。
◇非正規職員・従業員、前年同期比22万人増、6期ぶりの増加
総務省は、「労働力調査(詳細集計)」速報結果を公表しました。2021年4~6月期平均の役員を除く雇用者は5,615万人。うち、正規の職員・従業員は、前年同期比14万人増の3,557万人で7期連続の増加。非正規の職員・従業員は、同22万人増の2,058万人で6期ぶりの増加。失業者は前年同期比19万人増の233万人、失業期間別にみると、失業期間「3カ月未満」の者は95万人で2万人の増加、また「1年以上」の者は74万人で19万人の増加。
◇2021年4~6月期のGDP実質成長率、年率1.3%
内閣府は、2021年4~6月期の四半期別GDP(国内総生産)1次速報値を公表しました。GDP成長率(季節調整済前期比)は、実質が0.3%、年率換算で1.3%。需要項目別では、民間最終消費支出が実質0.8%(1~3月期はマイナス1.0%)、うち家計最終消費支出は実質0.9%(同マイナス1.1%)。また、雇用者報酬の伸び率は実質マイナス1.4%、名目マイナス1.7%となりました。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和3年7月中の主なトピックス

◇ハローワークを通じた障害者の就職件数、コロナの影響もあり大幅に減少
厚生労働省は日、2020年度「障害者の職業紹介状況等」を公表しました。ハローワークを通じた障害者の就職件数は8万9,840件で、前年度比12.9%の減少と、2008年度以来、12年ぶりの減少となりました。新型コロナウイルス感染症の影響もあり、「製造業」、「宿泊業・飲食サービス業」、「卸売業・小売業」などの障害者が比較的応募しやすい業種の求人数が減少するとともに、求職者の就職活動が抑制されたことが、就職件数の減少につながったとしています。
◇5月の完全失業率3.0%、前月比0.2ポイント上昇
総務省は、2021年5月の「労働力調査(基本集計)」(速報)を公表しました。完全失業率(季節調整値)は3.0%で、前月に比べ0.2ポイントの上昇。完全失業者数は211万人(前年同月比13万人増)で、16カ月連続の増加。就業者数は6,667万人(同11万人増)、雇用者数は5,950万人(同30万人増)で、ともに2カ月連続の増加となりました。
◇5月の新規求人、「製造業」は前年同月比約30%増
厚生労働省は、「一般職業紹介状況」を公表しました。2021年5月の有効求人倍率(季節調整値)は1.09倍で、前月と同水準となりました。新規求人倍率(同)は2.09倍で、前月比0.27ポイントの上昇、新規求人(原数値)は、前年同月比で7.7%増加しました。産業別では、製造業(30.3%増)、生活関連サービス業・娯楽業(21.7%増)、サービス業(他に分類されないもの)(15.8%増)などで増加、卸売業・小売業(5.3%減)で減少しました。
◇日本の人口、5年で86万8千人減少
総務省は、2020年国勢調査の人口速報集計結果を公表しました。2020年10月1日現在の 我が国の人口は1億2,622万7千人で、2015年の前回調査から86万8千人(0.7%)減少しました。38道府県で人口が減少し、人口増加は、東京都、神奈川県、埼玉県など9都府県。東京圏(東京都と神奈川、埼玉、千葉の3県)で人口の約3割(29.3%)を占めています。1世帯当たり人員は2.27人と減少傾向が続いています。
◇相談受付件数、「パワハラ・嫌がらせ」が最多
連合は、「なんでも労働相談ダイヤル」2021年5月分集計結果を発表しました。受付件数は1,113件で、前年同月比356件減。業種別では「サービス業(他に分類されないもの)」(158件、20.3%)が最多。主な相談内容は、「パワハラ・嫌がらせ」(194件、17.4%)が最多、次いで「解雇・退職強要・契約打切」(129件、11.6%)、「雇用契約・就業規則」(124件、11.2%)などとなっています。
◇「雇用調整助成金」、上場企業全体の2割超が申請
東京商工リサーチは、第7回上場企業「雇用調整助成金」調査結果を発表しました。上場企業のうち、5月末までに開示された決算資料で同助成金を計上・申請が判明したのは770社で、上場企業全体(3,797社)の20.2%。前回調査(4月末)から54社増え、2020年11月に調査を開始以来、前月比で最も高い伸び率となりました。
◇民事上の個別労働紛争相談内容、「いじめ・嫌がらせ」が最多
厚生労働省は、2020年度「個別労働紛争解決制度の施行状況」を公表しました。総合労働相談件数は129万782件(前年度比8.6%増)で、13年連続の100万件超となりました。うち、民事上の個別労働紛争相談件数は27万8,778件(同0.2%減)、相談内容は「いじめ・嫌がらせ」が7万9,190件(同9.6%減)で相談内容別では最多。なお、大企業における「いじめ・嫌がらせ」の相談等(1万8,000件超)は、昨年6月施行の労働施策総合推進法で対応することになったため、民事上の個別労働相談件数には含まれていません。
◇2020年度「能力開発基本調査」の結果を公表
厚生労働省は、2020年度「能力開発基本調査」の結果を公表しました。教育訓練費用(OFF-JT費用や自己啓発支援費用)を支出した企業は49.7%(前回57.5%)となりました。教育訓練休暇制度を導入している企業は8.8%(同8.5%)、自己啓発を実施した労働者は32.2%(同29.8%)で、雇用形態別では、「正社員」(41.4%)が「正社員以外」(16.2%)より高く、性別では、「男性」(40.0%)が「女性」(23.6%)よりも高い結果となっています。
◇就職活動は「厳しかった」「やや厳しかった」の割合が増加
東京商工会議所は、「2021年度 新入社員意識調査」結果を発表しました。就職活動について、「厳しかった」「やや厳しかった」を合わせた回答割合は50.0%(2019年調査比9.8ポイントの増)となりました。魅力に感じる企業の制度は、働き方改革にも関係する「年次有給休暇取得の推進」(53.7%)、「時差出勤・フレックスタイム制勤務」(44.2%)が上位となり、「資格(検定)等の取得支援」(42.0%)、「人材育成体系(研修計画)の充実」(40.7%)など、入社してからの成長環境に関する制度も上位となっています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和3年6月中の主なトピックス

◇消費者マインドの基調判断、「持ち直しのテンポが緩やかになっている」に下方修正
内閣府は、2021年5月の「消費動向調査」結果を公表しました。「消費者態度指数(二人以上の世帯、季節調整値)」は、前月から0.6ポイント低下して34.1。指数を構成する各消費者意識指標は、「雇用環境」「収入の増え方」「暮らし向き」は前月から低下し、「耐久消費財の買い時判断」は前月と変わらずとの結果となりました。消費者マインドの基調判断は、「依然として厳しいものの、持ち直しの動きが続いている」から「持ち直しのテンポが緩やかになっている」に下方修正されています。
◇大手企業の賃上げ6,040円、1.82%アップ
経団連は、「2021年春季労使交渉・大手企業業種別回答状況」(第1回集計)を発表しました。調査対象である従業員500人以上の主要21業種大手249社のうち、回答が示されたのは19業種136社。うち平均金額が不明等の47社を除く89社の賃上げ妥結水準は、加重平均で6,040円(前年同期6,745円)、1.82%(同2.03%)のアップとなりました。
◇企業の約37%が正社員不足
帝国データバンクは、「人手不足に対する企業の動向調査」結果を発表しました。正社員が不足している企業は37.2%(前年同月比6.2ポイント増、2年前比13.1ポイント減)。1回目の緊急事態宣言の最中であった1年前と比較すると人手不足割合は増加しているものの、感染の影響を受けていない2年前からは10ポイント以上も下回っています。業種別では、「メンテナンス・警備・検査」、「教育サービス」がともに55.6%で最高となりました。
◇上場企業の約18%で雇用調整助成金を活用
東京商工リサーチは、上場企業を対象とした第6回「雇用調整助成金」調査結果を発表しました。4月末までに決算資料で雇用調整助成金を計上または申請が判明した上場企業は716社で、上場企業全体の18.6%にあたります。業種別では、製造が278社で最多、次いで、観光を含むサービス141社、小売136社などとなっています。需要回復が厳しい業種を中心に、今後も雇用調整助成金の申請、計上額はさらに増えるとみられるとしています。
◇コロナ禍でも企業の中途採用意欲は変わらず
リクルートは、「中途採用に関する人事担当者向け調査(2021)」結果を発表しました。2021年度の中途採用を増やす企業は23.0%、昨年度と同等の企業は49.9%で、コロナ禍においても企業が積極的な中途採用計画を維持していることがうかがわれます。中途採用に向けた人事施策では、新しい取り組みを検討していると回答した企業は56.7%で、施策の内容は「兼業・副業容認などの人事制度改革」(18.6%)、「新しい採用ブランディング施策の実施」(17.0%)、「地域限定社員の導入」(15.8%)などとなっています。
◇全社員にワクチン接種のための特別有給休暇を付与
株式会社モスフードサービスは、新型コロナウイルス感染症の早期収束のため、全社員にワクチン接種のための特別有給休暇を付与すると発表しました。社員または介助が必要な家族がワクチンを接種する場合、「ワクチン休暇」を1日、特別有給休暇として付与します。グループ直営店舗キャスト(パート・アルバイト)がワクチンを接種する場合は、就業したとみなす手当を1日につき3,000円支給するとのことです。対象期間は5月31日から2022年2月末までを予定しています。
◇2020年の労働災害発生状況を公表
厚生労働省は、2020年「労働災害動向調査」結果を公表しました。調査は100人以上規模の事業所と総合工事業が対象です。100人以上の事業所では、度数率(労働災害発生の頻度)は1.95(前年1.80)、強度率(労働災害の重さの程度)は0.09(同0.09)で、死傷者1人平均労働損失日数は44.5日(同52.3日)となりました。
◇パートタイム労働者、有期契約労働者の組合加入資格がある労働組合の割合が上昇
厚生労働省は、2020年「労使間の交渉等に関する実態調査」結果を公表しました。労働者の種類別に「組合加入資格がある」をみると、「パートタイム労働者」38.2%(2018年調査35.6%)、「有期契約労働者」41.4%(同39.9%)となっています。2年前に比べて、正社員以外でも組合加入資格がある労働組合の割合が上昇しています。
◇定年後再雇用で年収は平均44%減
パーソル総合研究所は、「シニア従業員とその同僚の就労意識に関する定量調査」結果を発表しました。定年後再雇用による年収の変化について聞いたところ、約9割にあたる労働者の年収が減ったと回答、全体平均では年収が44.3%減ったとの結果となりました。また、50代以上のシニア人材の処遇に対しては、若い年代の社員ほど不公平感が強く、20代ではシニア人材が得ている給料や評価に対して、約3割が不公平感を抱いている結果となっています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和3年5月中の主なトピックス

◇「孤立感」を感じている人は全体で3割、テレワーク実施者では4割弱
連合総研は、第41回勤労者短観「勤労者の仕事と暮らしについてのアンケート」調査結果(速報)を発表しました。新型コロナにおける生活の中で、「孤立感」を感じているか尋ねたところ、全体では28.0%、テレワーク実施者(3月下旬)では36.4%が「孤立感」を感じていると回答。そのほか、新型コロナの「雇用や収入への影響」の広がりや、「貯蓄」における格差拡大の兆候など、分析結果をまとめています。
◇コロナに感染する不安、「かなり不安」が約10ポイント減少
日本生産性本部は、第5回「働く人の意識調査」結果を発表しました。自身が新型コロナウイルスに感染する不安について、「かなり不安を感じている」は25.5%で、1月調査の35.2%から10ポイント程度減少。一方で、「あまり不安を感じていない」は17.4%で、前回の13.0%から4ポイント程度増加しました。全体として感染への不安の程度はやや薄らいでいることが分かるとしています。
◇休廃業・解散、宿泊業で急増
帝国データバンクは、全国企業「休廃業・解散」動向調査結果を発表しました。2021年1~3月に全国で休廃業・解散を行った企業は1万3,512件で、前年同期比9.5%の減となっています。業種別では、「小売業」が911件で同19.7%減、他方で「運輸・通信業」が188件で同14.6%増、「サービス業」が1,759件で同0.1%増となり、2業種は前年同期から増加しています。業種細分類では、「旅館・ホテル」(46件)が35.3%増で前年同期から大幅に増加しました。
◇英国最高裁、ウーバーのドライバーを労働者と認める判決
英国の最高裁判所は、労働者としての法的権利をめぐってウーバー社とそのドライバーが争っていた事案で、ドライバーは労働者であるとの判断を示しました。ウーバー社はこれを受けて、国内のドライバーを労働者とみなして最低賃金や企業年金などを適用するとの方針を示しています。
◇「第4回新型コロナウイルス感染拡大の仕事や生活への影響に関する調査」結果(労働政策研究・研修機構)
労働政策研究・研修機構は、「第4回新型コロナウイルス感染拡大の仕事や生活への影響に関する調査」の一次集計結果を記者発表しました。本調査は、個人を対象とした昨年からの連続パネル調査で、 今回(3月調査)が4回目の実施となります。調査結果によると、直近の月収額について、通常月の月収と「ほぼ同じ」との回答が3分の2程度(68.8%)である一方、「減少した」との割合も引き続き4分の1超(27.2%)となっており、過去の調査と単純に比較すると、実労働時間の長さが戻り切らないこと等を反映して、一定程度の「減少」が常態となりつつあることなどが分かりました。
◇「第3回新型コロナウイルス感染症が企業経営に及ぼす影響に関する調査」結果(労働政策研究・研修機構)
労働政策研究・研修機構は、「第3回新型コロナウイルス感染症が企業経営に及ぼす影響に関する調査」の一次集計結果を記者発表しました。本調査は、企業を対象とした昨年6月からの連続パネル調査で、今回(2月調査)が3回目の実施となります。テレワークの実施経験企業は約4割、現在(1月末)も実施している企業は約3割で、一定の効果はみられた一方、コミュニケーション、業務の進捗把握、業務の切り出し等、実施上の課題も浮き彫りになっていることなどが分かりました。
◇「過重労働解消キャンペーン」の重点監督の実施結果を公表
厚生労働省は、2020年11月に実施した「過重労働解消キャンペーン」における重点監督の実施結果を公表しました。重点監督を実施した9,120事業場のうち、法令違反があり是正勧告書を交付した事業場を違反内容別に見ると、「違法な時間外労働」2,807事業場(全体の30.8%)、「過重労働による健康障害防止措置が未実施」1,829事業場(同20.1%)、「賃金不払残業」478事業所(同5.2%)などとなっています。
◇「職場のハラスメントに関する実態調査」の報告書を公表
厚生労働省は、「職場のハラスメントに関する実態調査」報告書を公表しました。勤務先でのハラスメントの経験等では、パワハラが31.4%、顧客等からの迷惑行為が15.0%、セクハラが10.2%で、妊娠・出産・育児休業等ハラスメントを受けたと回答した女性は26.3%などとなっています。調査は2016年度に続くもので、昨年10月に実施。企業の取組みや労働者の状況の変化等を明らかにしています。
◇54%が労働組合は「必要」
連合は、「多様な社会運動と労働組合に関する意識調査」結果を発表しました。労働組合が「必要」と回答した人は54.0%、「不要」は11.5%で、雇用形態別では、正社員・正職員(53.0%)、契約・嘱託・派遣社員(60.5%)、パート・アルバイト(54.7%)となりました。連合の主な活動で期待することは、「賃金・労働条件の改善」(51.7%)、「パート・有期・派遣契約で働く人の処遇改善」(32.3%)、「社会保障の改革」(25.2%)などが挙がっています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和3年4月中の主なトピックス

◇男女間賃金格差は74.4
厚生労働省は、2020年「賃金構造基本統計調査」結果を公表しました。一般労働者(短時間労働者以外の労働者)の月額賃金は、男女計30万7,700円(前年比0.6%増)、男性33万8,800円(同0.8%増)、女性25万1,900円(同0.8%増)。男女間賃金格差(男性は100)は74.4(前年差0.1ポイントの上昇)でした。短時間労働者の賃金は、時間当たり男女計1,414円(同8.4%増)です。
◇今後3年間に雇用者を増やす見通しの企業は、上場企業、中堅・中小企業ともに前年度より減少
内閣府経済社会総合研究所は、2020年度「企業行動に関するアンケート調査」結果を公表しました。「今後3年間」(2021~23年度平均)に雇用者を増やす見通しの企業の割合は、上場企業で59.7%(前年度調査65.3%)、中堅・中小企業では53.6%(同57.6%)となり、いずれも前年度に比べて減少しています。
◇3月の業況DI、持ち直しの兆しがみられるものの、依然厳しい状況
日本商工会議所は、「商工会議所LOBO(早期景気観測)調査」結果を発表しました。3月の業況DI(全産業合計)はマイナス35.3で、前月比11.5ポイントの上昇。デジタル投資の増加を背景に需要が伸びている半導体関連や堅調な自動車関連の製造業のほか、巣ごもり消費に下支えされた小売業で業況感が改善しました。しかし、原油価格の上昇による燃料費の増大等のコスト負担増や年度末の資金繰りを不安視する声も多く、中小企業の景況感は持ち直しの兆しがみられるものの、依然厳しい状況が続くとしています。
◇1~3月の上場企業「早期・希望退職」募集社数、前年同期の約2倍
東京商工リサーチは、上場企業を対象とした「早期・希望退職」実施状況を発表しました。2021年1~3月に早期・希望退職者を募集した上場企業は41社で、前年同期(23社)の約2倍。募集人数は9,505人(前年同期4,447人)でした。リーマン・ショック直後の2009年(1万60人)に次ぐ、12年ぶりの高水準です。新型コロナウイルスを実施理由の一つとしてあげた上場企業は27社で、全体の65.8%を占めています。
◇現金給与総額、前年同月比0.2%減
厚生労働省は、2月の「毎月勤労統計調査」結果(速報、事業所規模5人以上)を公表しました。現金給与総額は、前年同月比0.2%減の26万5,972円。うち一般労働者が同0.5%減の34万4,096円、パートタイム労働者が同2.5%減の9万3,919円。総実労働時間は同3.4%減の131.0時間。うち、所定内労働時間は同2.9%減の121.7時間、所定外労働時間は同9.7%減の9.3時間。なお、同日には1月の同調査結果確報も公表されています。
◇生活保護の申請件数、前年同月比7.2%増
厚生労働省は、生活保護法に基づく「被保護者調査」(2021年1月分概数)結果を公表しました。保護の申請件数は2万61件で、前年同月比1,341件(7.2%)増。保護開始世帯数は1万6,072世帯で、同1,213世帯(8.2%)増。被保護世帯は163万8,184世帯で、同2,522世帯(0.2%)増。被保護実人員は204万9,630人で、同1万9,008人(0.9%)減。
◇二人以上世帯の消費支出、前年同月比実質6.6%減
総務省は、2月の「家計調査報告」(速報)を公表しました。二人以上世帯の1世帯当たりの消費支出は、実質で前年同月比6.6%減、前月比(季節調整値)2.4%増の25万2,451円。支出項目別での実質増減へのマイナス寄与は、交通・通信(マイナス2.03%)、教養娯楽(マイナス1.61%)などとなりました。勤労者世帯の実収入は、1世帯当たり同0.1%増の53万5,392円です。
◇中小が大手を上回る賃金改善分を獲得する流れが継続
金属労協(JCM、高倉明議長)がまとめた3月末現在の回答集計によると、賃金改善分を獲得した組合数は昨年に比べ減少したものの、平均獲得額は1,254円と昨年をやや上回る水準となっています。中小労組の改善分の獲得額が大手を上回る傾向は今年も維持されており、中小単組が多いJAMでは、300人未満の平均獲得額が6年連続で300人以上を上回りました。
◇4年連続の最賃引上げで、中小企業の5割以上が「負担になっている」と回答
日本商工会議所は、中小企業を対象とした「最低賃金引上げの影響に関する調査」結果を発表しました。最低賃金は、2016年から19年まで4年連続で3%台の大幅な引上げが行われましたが、これに対して、現在の最低賃金額の負担感について聞いたところ、「負担になっている」と回答した企業は55.0%となりました。業種別では、「宿泊・飲食業」(82.0%)、「介護・看護業」(67.3%)、「運輸業」(62.6%)などでした。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和3年3月中の主なトピックス

◇障害者の法定雇用率、3月より引き上げ
厚労省は3月1日より、障害者の法定雇用率を引き上げます。すべての事業主には、法定雇用率以上の割合で障害者を雇用する義務があります。民間企業は2.2%から2.3%へ、国、地方公共団体等は2.5%から2.6%へ、それぞれ引き上げることとなっています。またこれにより、法定雇用率の対象となる事業主の範囲が、同日より従業員45.5人以上から43.5人以上に変更されます。
◇2020年12月の現金給与総額、前年同月比3.0%減
厚生労働省は、2020年12月の「毎月勤労統計調査」結果の確報値(事業所規模5人以上)を公表しました。現金給与総額は、就業形態計で前年同月比3.0%減の54万7,612円。就業形態別では、一般労働者が同3.5%減の74万8,068円、パートタイム労働者が同0.9%増の11万1,269円。就業形態計の所定外労働時間は同7.6%減の9.8時間となりました。また、同時に公表された同調査の2020年分結果確報によると、20年の平均現金給与総額は前年比1.2%減の31万8,387円、就業形態計の所定外労働時間は同13.2%減の9.2時間でした。
◇死傷者数は前年同期比35%増加
厚生労働省は、2021年の労働災害発生状況(2月速報)を公表しました。死亡者数(1月1日~1月31日)は37人で、前年同期比1人(2.6%)減。休業4日以上の死傷者数は4,733人で、同1,249人(35.4%)増となりました。
◇2021年2月の総人口、前年同月比39万人減
総務省は、人口推計の2021年2月概算値及び2020年9月確定値を公表しました。2021年2月1日現在の総人口(概算値)は1億2,562万人で、前年同月比39万人(0.31%)減少しました。2000年9月1日現在の総人口(確定値)は1億2,575万4,000人で、同37万8,000人(0.30%)の減少で、年齢階層別では、65歳以上人口が3,616万5,000人で、同30万8,000人(0.86%)増加し、他の階層は減少しています。
◇「旅館・ホテル」の人手不足割合は5.3%で過去最低
帝国データバンクは、「人手不足に対する企業の動向調査」結果を発表しました。正社員が不足している企業は35.9%で、前年同月比13.6ポイント減となりました。業種別では、「放送」(56.3%)が最多、次いで「建設」(54.6%)、「情報サービス」(53.3%)などとなっています。一方、「旅館・ホテル」の正社員不足割合は5.3%で、2006年5月の調査開始以来、過去最低となりました。
◇社員の心身の健康や自宅の労働環境整備として5万円分のPayPayマネーライトを付与
ヤフー株式会社は、社員の心身の健康維持や自宅の労働環境整備を目的に、全社員を対象に「働く環境応援資金」として、3月中旬から下旬に5万円分のPayPayマネーライトを付与すると発表しました。また、リモートワークにより、自宅のインターネット回線を利用するようになり、オンライン会議の機会も増えたため、これまで毎月3,000円補助していた通信費を、4月より5,000円に増額するとしています。
◇業績への影響、「旅館・ホテル」では9割超がマイナスの影響
帝国データバンクは、「新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査」結果を発表しました。感染症による自社の業績への影響について、「マイナスの影響がある」と見込む企業は76.3%(前月比2.5ポイント減)。「マイナスの影響がある」企業を業種別にみると、「旅館・ホテル」(97.1%)が最多で、次いで「医薬品・日用雑貨品小売」(95.2%)などとなりました。「プラスの影響がある」では、スーパーマーケットなどを含む「各種商品小売」(39.1%)が最多。次いで「飲食料品小売」(21.5%)などが占めています。
◇母子家庭等就業・自立支援センターにおける就業相談の件数、対前年度比大幅増
厚生労働省は、母子家庭の母と父子家庭の父に対する就業支援などの自立支援に関する施策の2019年度実施状況を公表しました。母子家庭等就業・自立支援センターにおける就業相談の件数は8万7,241件(前年度7万5,918件)、就職件数は3,891件(同4,227件)。ひとり親の能力開発を支援する給付金の支給は2,459件(同2,591件)、資格取得を容易にする給付金の支給は7,348件(同7,990件)という結果となりました。
◇生活保護の申請件数、前年同月比6.5%増
厚生労働省は、生活保護法に基づく「被保護者調査」(2020年12月分概数)結果を公表しました。保護の申請件数は1万7,308件で、前年同月比1,055件(6.5%)増加しました。保護開始世帯数は1万7,272世帯で、同662世帯(4.0%)増。これで、被保護世帯は163万8,124世帯で、同1,109世帯(0.1%)増。被保護実人員は205万391人で、同2万866人(1.0%)減となりました。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和3年2月中の主なトピックス

◇育児休業給付制度等の見直しについての報告書を公表
厚生労働省は、「労働政策審議会職業安定分科会雇用保険部会」を開催し、男性の育児休業取得促進等に係る育児休業給付制度等の見直しについての報告書(雇用保険部会報告書)を取りまとめました。同報告書によると、現行制度より柔軟で取得しやすい新制度を創設し、育児休業給付金とは別に、出生後8週間以内に2回に分けて計4週間までの期間を定めて取得する休業に対して支給する新給付金を創設するとし、現行の育児休業給付金と同等の給付率(67%)が適用されるとしています。
◇外国人労働者約172万人、過去最高を更新するも、増加率は大幅に低下
厚生労働省は、外国人雇用についての事業主からの届出状況を公表しました。2020年10月末現在の外国人労働者数は172万4,328人で、前年同期比6万5,524人(4.0%)の増加。07年に届出が義務化されて以降、過去最高を更新しましたが、増加率は前年比9.6ポイント減少。国籍別では、ベトナムが中国を抜いて最も多くなり、44万3,998人(外国人労働者数全体の25.7%)。次いで中国41万9,431人(同24.3%)、フィリピン18万4,750人(同10.7%)の順となっています。在留資格別では、「専門的・技術的分野の在留資格」の労働者数が35万9,520人で、前年比3万486人(9.3%)の増加です。
◇消費者マインドの基調判断、「弱含んでいる」に下方修正
内閣府は、2021年1月の「消費動向調査」結果を公表しました。「消費者態度指数(二人以上の世帯、季節調整値)」は、前月から2.2ポイント低下して29.6。2カ月連続で前月を下回りました。指数を構成する4項目全てが前月から低下しています。消費者マインドの基調判断は、「足踏みがみられる」から「弱含んでいる」に下方修正されました。
◇要介護(要支援)認定者数は約680万人
厚生労働省は、「介護保険事業状況報告」(2020年11月暫定版)を公表しました。2020年11月末現在、要介護(要支援)認定者数は679.8万人で、うち男性215.5万人、女性464.2万人。第1号被保険者(3,572万人)に対する65歳以上の認定者数の割合は約18.7%となっています。
◇テレワークの推進等により、約87万人の出勤者を削減
経団連は、「緊急事態宣言下におけるテレワーク等の実施状況調査」結果を発表しました。緊急事態宣言下の11都府県でテレワークの推進等により、約87万人の出勤者を削減、削減率は約65%(エッセンシャルワーカー等を除く)です。また、約9割の企業が前回の緊急事態宣言以後、IT環境整備、業務内容・プロセスの改善等、テレワーク推進に向けた環境・制度整備を進めたとしています。
◇中小企業製造業の従業員判断、残業時間DI、いずれも上昇
日本政策金融公庫は、中小企業景況調査(2021年1月)結果を発表しました。製造業の従業員判断DI(不足-過剰)は、マイナス15.8(前月比0.8ポイント上昇)、残業時間DI(「増やしている」-「短縮化」企業割合)は、マイナス26.8(同3.0ポイント上昇)。売上げDI(増加-減少)は、マイナス15.3(同0.5ポイント上昇)との結果となっています。
◇「巣ごもり」需要により、2020年の小売業倒産件数は前年比14%減
東京商工リサーチは、「小売業の倒産動向」調査結果を発表しました。2020年(1~12月)の小売業倒産(負債1,000万円以上)は1,054件(前年比14.3%減)、1991年以降の30年間で最少となりました。業種別では、「飲食料品小売業」(244件、同22.7%減)が大幅に減少、次いで「織物・衣服・身の回り品小売業」(197件、同16.5%減)。「新しい生活様式」と三密回避が広がり、外出自粛や企業の在宅勤務で「巣ごもり」需要が生まれたことによるとしています。
◇入職率、離職率いずれも8.5%、前年同期比それぞれ低下
厚生労働省は、2020年上半期「雇用動向調査」結果を公表しました。入職率は8.5%で前年同期比1.2ポイントの低下、離職率は8.5%で同0.6ポイントの低下。入職超過率(入職率-離職率)は0.0ポイントと不変。就業形態別では、一般労働者は入職率7.1%、離職率6.3%で入職超過、パートタイム労働者は入職率12.2%、離職率13.9%で離職超過となっています。
◇生活保護の申請件数、前年同月比2.7%増
厚生労働省は、生活保護法に基づく「被保護者調査」(2020年11月分概数)結果を公表しました。保護の申請件数は1万9,072件で、前年同月比500件(2.7%)の増。保護開始世帯数は1万6,905世帯で、同425世帯(2.6%)増。被保護世帯は163万6,411世帯で、同541世帯(0.0%)減。被保護実人員は204万8,675人で、同2万3,072人(1.1%)減となりました。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和3年1月中の主なトピックス

◇「新型コロナウイルス感染拡大の仕事や生活への影響に関する調査(8月調査)」一次集計結果
労働政策研究・研修機構、「新型コロナウイルス感染拡大の仕事や生活への影響に関する調査(8月調査)」の一次集計結果を記者発表しました。本調査は4月からの連続パネル個人調査で、5月調査に続き、6~7月の変化を中心に8月に3回目の調査として実施したものです。感染症に関連した影響の推移をみると、4~5月にかけて「勤務日数や労働時間の減少(休業を含む)」を挙げる割合が急増したものの、7月末現在ではやや低下し、他方、引き続き増加した「収入の減少」がこれを上回りました。影響の中心が「収入の減少」へシフトしつつあることなどが分かりました。
◇『新型コロナウイルス感染症のひとり親家庭への影響に関する緊急調査』結果
労働政策研究・研修機構、「新型コロナウイルス感染症のひとり親家庭への影響に関する緊急調査」結果を発表しました。年末に向けての暮らし向きを尋ねると、「苦しい」との回答が「ひとり親」では60.8%となったのに対して、「ひとり親以外」では47.6%となりました。また、直近1カ月間に、お金が足りなくて(世帯が)必要とする食料を買えないことが「あった」との回答が、「ひとり親」では35.6%となったのに対して、「ひとり親以外」では26.4%となったことなどが分かりました。
◇「パートタイム・有期契約労働者の雇用状況等に関する調査」結果を発表
労働政策研究・研修機構は、「パートタイム・有期契約労働者の雇用状況等に関する調査」結果を 発表しました。パート・有期社員を雇用している企業を対象に、同一労働同一賃金ルールへの対応(雇用管理の見直し)状況を尋ねたところ、「必要な見直しを行った・行っている、または検討中」が45.8%、「従来通りで見直しの必要なし(対応完了)」が34.1%、「対応方針は未定・わからない」が19.4%、となったことなどが分かりました。
◇36協定届等の押印廃止に関する省令を公布
厚生労働省は、時間外労働・休日労働に関する協定届(36協定届)等の押印廃止を定めた改正労働基準法施行規則に関する省令を公布しました。改正施行規則の施行は2021年4月1日。36協定届は、押印または署名が不要となり、協定当事者が過半数労働組合または過半数代表者であること、過半数代表者については挙手等により選出された者であることを、それぞれチェックボックスで確認する方式になります。ただし、36協定書自体には相変わらず記名押印をしなければなりません。
◇生活保護の申請件数、前年同月比1.8%増
厚生労働省は、生活保護法に基づく「被保護者調査」(2020年10月分概数)結果を公表しました。保護の申請件数は1万8,621件で、前年同月比335件(1.8%)増。保護開始世帯数は1万6,928世帯で、同595世帯(3.4%)減。被保護世帯は163万6,723世帯で、同914世帯(0.1%)減。被保護実人員は204万9,746人で、同2万4,403人(1.2%)減となりました。
◇企業の3割以上が新型コロナの影響で賞与が減少
帝国データバンクは、「2020年冬季賞与の動向調査」結果を発表しました。冬季賞与の従業員1人当たりの平均支給額について、コロナの影響で2019年冬季賞与と比較して変化があったか尋ねたところ、「賞与はあるが減少する(した)」企業は32.5%、「賞与はあり、増加する(した)」が15.0%、「賞与はあり、変わらない」が36.4%との結果となりました。業界別では、賞与が「増加」とする企業では「小売」がトップに、「減少」では「製造」が最も多くなっています。
◇66歳以上働ける制度のある企業割合、33.4%
厚生労働省は、2020年の「高年齢者の雇用状況」集計結果(6月1日現在)を公表しました。66歳以上が働ける制度のある企業は5万4,802社で全体の33.4%(対前年比2.6ポイント増)でした。うち、中小企業は4万9,985社と9割超を占めています。70歳以上で働ける制度のある企業は5万1,633社、31.5%(同2.6ポイント増)、中小企業は4万7,172社で同じく9割超を占める結果となっています。集計対象は、従業員31人以上の企業16万4,151社です。
◇12月の国内景気は7カ月ぶりに悪化
帝国データバンクは、TDB景気動向調査(2020年12月調査)結果を発表しました。景気DIは前月比0.4ポイント減の35.0で、7カ月ぶりに悪化しました。国内景気は、「新型コロナウイルスの感染再拡大などで持ち直し傾向がストップした」とし、今後については、「一時的に後退すると見込まれるものの、感染状況次第ながら春頃に底打ちしたのち、緩やかな上向き傾向で推移するとみられる」としています。
◇就職氷河期世代、就職できない理由として「年齢が壁」が最多
ディップ総合研究所は、35~54歳の有期雇用就業者(学生を除く)または無職の求職者を対象とした「就職氷河期世代の就業意向調査」結果を発表しました。正社員として働けない理由は、「転職をするうえで年齢が壁」(35.9%)が最多となり、国が推進する「就職氷河期世代活躍支援」に対しては、「どのような支援があるのかわかりやすく知りたい」との要望が多く寄せられました。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和2年12月中の主なトピックス

◇ 2021年度の労災保険率等、2020年度から変更せず
厚生労働省は、2021年度の労災保険率について2020年度からの変更はないことを公表しました。労災保険率は、事業の種類ごとの過去3年間の災害率等に基づいて、3年ごとに見直しを行うこととしています。2021年度は見直しの時期にあたりますが、前3年(2018年度~2020年度)の保険率からの変更は行わないこととなりました。
◇1人平均賃金の改定額4,940円、前年を下回る
厚生労働省は、2020年「賃金引上げ等の実態に関する調査」結果を公表しました。20年中に1人平均賃金の引き上げを実施・予定する企業は81.5%で、前年(90.2%)を下回りました。改定額(予定を含む)は4,940円(前年5,592円)、改定率は1.7%(同2.0%)です。調査は7月から8月に実施、常用労働者100人以上を雇用する企業1,670社について集計したものです。
◇仕事をしたいが求職活動をしていない理由、「病気・けがのため」が最多
厚生労働省は、第15回(2019年)「中高年者縦断調査(中高年者の生活に関する継続調査)」結果を公表しました。同調査は、2005年10月末に50~59歳であった全国の中高年者世代の男女を対象に毎年実施しているものです。第15回調査では、第1回から協力が得られた1万7,538人について集計、調査対象者の年齢は、64~73歳となっています。第15回調査で「仕事をしたい」が求職活動を「何もしていない」割合は12.2%。その理由は、「病気・けがのため」(19.3%)が最多、次いで「希望する仕事がありそうにない」(17.4%)、「高齢のため」(15.4%)などとなっています。
◇年末年始休暇、8割以上が「分散せず」
東京商工リサーチは、第10回「新型コロナウイルスに関するアンケート」調査結果を発表しました。政府が呼びかける年末年始休暇の分散については、「例年通り(特に変更しない)」とする企業が83.5%で、「分散取得を推進する」は7.4%にとどまっています。在宅勤務等を「実施している」企業は30.7%で、「取りやめた」企業も25.4%にのぼり、感染防止に向けた取り組みの再点検が必要としています。
◇消費者マインドの基調判断、「依然として厳しいものの、持ち直しの動きが続いている」で据え置き
内閣府は、2020年11月の「消費動向調査」結果を公表しました。「消費者態度指数(二人以上の世帯、季節調整値)」は、前月から0.1ポイント上昇して33.7。3カ月連続で前月を上回りました。指数を構成する4項目のうち、「暮らし向き」と「収入の増え方」は前月から上昇、「雇用環境」は前月から低下、「耐久消費財の買い時判断」は前月と変わらずで、消費者マインドの基調判断は、「依然として厳しいものの、持ち直しの動きが続いている」で据え置いています。
◇後継者不在率は全国で65%、3年連続の低下
帝国データバンクは、全国企業「後継者不在率」動向調査結果を発表しました。2020年の全国・全業種における後継者不在状況は全体の約65.1%で、3年連続の低下。業種別では、「建設業」(70.5%)が最高で、「製造業」(57.9%)が最少となりました。先代経営者との関係性(就任経緯別)では、「同族承継」が34.2%で最高となりましたが、2018年以降は承継割合が急減傾向となっています。一方で、血縁関係によらない役員などを登用した「内部昇格」は34.1%で、「同族承継」に迫っています。
◇非就業で仕事を探していた人の割合は、コロナ禍以前と比べて約2倍に増加
マイナビは、「コロナ禍における就業状態の変化に関するレポート」を発表しました。今年8月時点で「非就業で仕事を探していた」人の割合は13.9%で、コロナ禍以前の1月(7.1%)と比較して約2倍に増加。うち3人に1人は1~7月の間には何らかの仕事に就いており、コロナの影響を受け、仕事に就いていた状態から仕事を探している状態に変化した可能性があるとしています。
◇約9割が「コミュニケーションの円滑さが仕事にも影響する」
エン・ジャパンは、派遣情報サイトのユーザーを対象とした「職場でのコミュニケーション」意識調査結果を発表しました。約9割が「コミュニケーションの円滑さが仕事にも影響する」と回答。どのような影響があるかについては、「人間関係のストレスが軽減する」(78%)、「ミスやトラブルが減らせる/無くなる」(71%)、「仕事の効率が上がる」(69%)などとなっています。職場で気をつけていることは、「感じの良い挨拶をする」(68%)、「明るい笑顔で接する」(62%)、「適切な距離感を保つ」(57%)などが上位を占めています。
◇相談内容は「長時間労働・過重労働」が最多
厚生労働省は、11月1日に実施した無料電話相談「過重労働解消相談ダイヤル」の相談結果を公表しました。合計で162件の相談があり、相談内容は「長時間労働・過重労働」30件(18.5%)、「賃金不払残業」26件(16.0%)など。主な業種は、「製造業」21件(12.9%)、「その他の事業」19件(11.7%)、「商業」16件(9.8%)などとなっています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和2年11月中の主なトピックス

◇ 9月の完全失業率3.0%、前月と同率
総務省は、2020年9月の「労働力調査(基本集計)」(速報)を公表しました。完全失業率(季節調整値)は3.0%で、前月と同率。完全失業者数は210万人(前年同月比42万人増)で、8カ月連続の増加。就業者数は6,689万人(同79万人減)、雇用者数は5,961万人(同56万人減)で、ともに6カ月連続の減少となりました。
◇9月の有効求人倍率1.03倍、前月比0.01ポイント低下
厚生労働省は、「一般職業紹介状況」を公表した。2020年9月の有効求人倍率(季節調整値)は1.03倍で、前月比0.01ポイント低下。新規求人倍率(同)は2.01倍で、同0.20ポイント上昇。新規求人(原数値)は、前年同月比で17.3%減。産業別では、建設業(5.9%増)で増加となり、生活関連サービス業・娯楽業(32.9%減)、宿泊業・飲食サービス業(32.2%減)、卸売業・小売業(28.3%減)、製造業(26.7%減)、運輸業・郵便業(25.1%減)などで減少しました。
◇直近の月収、3割が「減収」、飲食店、宿泊業では5割
連合総研は、労働政策研究・研修機構との共同研究の一環として実施した「第40回勤労者短観新型コロナウイルス感染症関連一次集計結果」を発表しました。通常月と比較した直近の月収について、「減少」した人は全体の29%。就業形態別では、「アルバイト」(48.1%)が最多、勤務先の業種別では、「飲食店、宿泊業」(50.6%)が最多。勤め先から「自宅待機、休業」を命じられたことがある人のうち、休業手当については、正社員では「休業日(休業時間数)の半分以上が支払われた」(69.7%)が最多であったのに対して、アルバイト、パートタイマーでは「まったく支払われていない」の割合が48.5%、37.8%と最も多い結果となりました。
◇「ふるさとワーク制度」、「勤務日数短縮制度」などを新たに導入
JTBは、「ふるさとワーク制度」、「勤務日数短縮制度」など、働く場所や時間の柔軟性を高める新たな制度を導入したと発表しました。「ふるさとワーク制度」は、転居転勤を要する事業所への異動であっても、居住地でテレワークをベースに業務に従事する働き方で、すでに10月から実施しています。「勤務日数短縮制度」は、社員の希望に応じて年間の勤務日数を選択できる制度で、設定された5つの年間勤務日数のパターンから選択可能。給与は勤務日数に応じた支給としています。来年4月実施予定です。
◇新規高卒就職者の約4割、新規大卒就職者の約3割が、就職後3年以内に離職
厚生労働省は、2017年3月卒業の新規学卒者の離職状況を公表しました。卒業後3年以内の離職率は、大学32.8%(前年比0.8ポイント増)、高校39.5%(同0.3ポイント増)、短大など43.0%(同1.0ポイント増)、中学59.8%(同2.6ポイント減)。同省では、傾向としてここ数年は大きな変動が見られないとしています。
◇2019年の年休取得日数は10.1日、取得率56.3%、いずれも1984年以降過去最多
厚生労働省は、2020年「就労条件総合調査」結果を公表しました。19年1年間の年次有給休暇の平均取得日数は10.1日(前年9.4日)で、平均取得率は56.3%(同52,4%)。平均取得日数、平均取得率ともに、1984年以降過去最多。勤務間インターバル制度の導入状況は、「導入している」企業4.2%(同3.7%)、「導入を予定又は検討している」企業15.9%(同15.3%)との結果となりました。
◇これからのテレワークでの働き方について議論
厚生労働省は、第3回「これからのテレワークでの働き方に関する検討会」を開催しました。議題は、「テレワークの実施に際しての労務管理上の課題(人材育成、人事評価、費用負担等)」など。「主な論点」として、「人事評価」では個々人の業務遂行状況を把握しにくいこと等、「費用負担」では在宅就労に係る光熱費・通信費の負担等、「人材育成」ではリモートでの新入社員等の研修・教育のあり方等の課題を示しつつ、良質なテレワークの導入・実施を進めていくことができるよう、適切な労務管理を含め、必要な環境整備に向けた検討を進めるとしています。
◇休業中正社員の半数近くが「休業手当よりも、実際に仕事をして賃金を受け取りたい」
野村総合研究所は、「コロナによる休業者の実態と今後の意向に関する調査」結果を発表しました。休業中の正社員に対して、休業や仕事に関する今後の意向を聞いたところ、「休業手当を受け取れるならば、現在のように休業を続けられる方がよい」と回答した割合が55.9%と多いものの、「実際に仕事をして賃金を受け取れる方がよい」と回答した割合も44.1%と半数近くとなりました。
◇テレワーク「一時期実施していたが、現在は取りやめた」企業は22%
東京商工会議所は、「テレワークの実施状況に関するアンケート」調査結果を発表しました。テレワークの実施率は53.1%で、前回調査時(5~6月)に比べて、14.2ポイント減少。テレワークを「一時期実施していたが、現在は取りやめた」企業は22.1%。テレワークを継続的に実施している目的は、「社員の出勤人数を抑制(三密回避)」(82.9%)、「感染症流行時等における事業継続性の確保」(75.7%)などとなっています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和2年10月中の主なトピックス

◇ 勤務間インターバル制度が「あり」とした企業の割合は7.6%
人事院は、「2019年民間企業の勤務条件制度等調査結果の概要」を公表しました。勤務間インターバル制度が「あり」とした企業の割合は7.6%。インターバル時間数は、「8時間以上9時間未満」が23.5%で最多、平均時間数は9.7時間。また、定年制が「ある」企業の割合は99.3%で、そのうち定年年齢が「60歳」である企業は84.2%、61歳以上65歳未満2.8%、65歳以上12.9%との結果となりました。
◇雇用調整助成金等の特例措置の延長を公表
厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症に係る雇用調整助成金及び緊急雇用安定助成金の特例措置の延長について、リーフレット、改正支給要領等を公表しました。特例措置の期間は、2020年12月31日まで延長されます。2021年1月以降については、雇用情勢等を総合的に考慮して判断するとしています。
◇8月の完全失業率3.0%、前月比0.1ポイント上昇
総務省は、2020年8月の「労働力調査(基本集計)」(速報)を公表しました。完全失業率(季節調整値)は3.0%で、前月比0.1ポイントの上昇。完全失業者数は206万人(前年同月比49万人増)で、7カ月連続の増加。就業者数は6,676万人(同75万人減)、雇用者数は5,946万人(同79万人減)で、ともに5カ月連続の減少となりました。
◇8月の有効求人倍率1.04倍、前月比0.04ポイント低下
厚生労働省は、「一般職業紹介状況」を公表しました。2020年8月の有効求人倍率(季節調整値)は1.04倍で、前月比0.04ポイント低下。新規求人倍率(同)は1.82倍で、同0.10ポイント上昇。新規求人(原数値)は、前年同月比で27.8%減。産業別では、宿泊業・飲食サービス業(49.1%減)、生活関連サービス業・娯楽業(41.0%減)、製造業(38.3%減)、情報通信業(34.6%減)、卸売業・小売業(34.0%減)などで減少しています。
◇入職率16.7%、離職率15.6%、7年連続入職超過
厚生労働省は、2019年「雇用動向調査」結果を公表しました。入職率は16.7%で前年比1.3ポイントの上昇、離職率は15.6%で同1.0ポイントの上昇。入職超過率は1.1ポイントとなり、7年連続の入職超過となっています。
◇2019年の年間平均給与436万円、前年比1.0%減
国税庁は、2019年分「民間給与実態統計調査」結果を公表しました。1年を通じて勤務した給与所得者の平均給与は436万円で、前年比1.0%の減。男女別では、男性は540万円(前年比1.0%減)、女性は296万円(同0.8%増)、正規・非正規別では、正規は503万円(同0.0%減)、非正規175万円(同2.5%減)です。
◇建設労働需給、7月は0.4%、8月は0.6%の不足
国土交通省は、「建設労働需給調査」(2020年8月調査)結果を公表しました。左官、配管工など8職種の全国過不足率は、7月は0.4%の不足、8月は0.6%の不足。職種別では、全職種で不足となっており、型わく工(土木)及び配管工の不足率1.3%が最も大きくなっています。東北地域は、7月は1.2%の不足、8月は1.4%の不足となりました。8職種の今後の労働者の確保に関する見通しは、全国及び東北地域とも「普通」としています。
◇会社への愛着心が最も強いのは「ハイブリッドワーク」の社員
パーソルプロセス&テクノロジーは、「テレワークに関する意識・実態調査」結果を発表しました。「会社に対して愛着・信頼を感じている」と答えた人の約7割がハイブリッドワーク(テレワークと出社を組み合わせたはたらき方)をしており、「ほぼ出社」の人と比較して10%以上も高い結果となりました。また、ハイブリッドワークの約7割が「社内の同僚や後輩、上司と円滑なコミュニケーションが取れている」と回答しています。
◇55~64歳の約6割が「定年後も働きたい」
ディップ総合研究所は、「定年後の就業意向・就業実態調査」結果を発表しました。55~64歳の約6割が「定年後も働きたい」と回答、すでに定年した60~79歳の当時の就業意向と比較すると6.1ポイント高い結果となりました。働きたい理由は、「生計維持」「家計の補助」など収入関連、その他「健康維持」や「働くことが好き」などとなっています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和2年9月中の主なトピックス

◇ 7月の完全失業率2.9%、前月比0.1ポイント上昇
総務省は、2020年7月の「労働力調査(基本集計)」(速報)を公表しました。完全失業率(季節調整値)は2.9%で、前月比0.1ポイントの上昇。完全失業者数は197万人(前年同月比41万人増)で、6カ月連続の増加。就業者数は6,655万人(同76万人減)、雇用者数は5,942万人(同92万人減)で、ともに4カ月連続の減少となりました。
◇7月の有効求人倍率1.08倍、前月比0.03ポイント低下
厚生労働省は、「一般職業紹介状況」を公表しました。2020年7月の有効求人倍率(季節調整値)は1.08倍で、前月比0.03ポイント低下。新規求人倍率(同)は1.72倍で前月と同水準。新規求人(原数値)は、前年同月比で28.6%減。産業別では、宿泊業・飲食サービス業(44.0%減)、製造業(40.9%減)、生活関連サービス業・娯楽業(34.5%減)、情報通信業(34.1%減)、卸売業・小売業(33.4%減)などで減少しています。
◇基調判断「生産は持ち直しの動きがみられる」に上方修正
経済産業省は、2020年7月の鉱工業生産・出荷・在庫指数(速報)を公表しました。生産指数(季節調整値)は86.6で、前月比8.0%の上昇。業種別では、自動車工業、その他工業、鉄鋼・非鉄金属工業等が上昇しました。出荷は同6.0%の上昇、在庫は同1.6%の低下、在庫率は同8.8%の低下となりました。基調判断は「生産は持ち直しの動きがみられる」に上方修正されています。
◇コロナ禍以前よりも「企業の柔軟な働き方への理解や対応」に強い関心
エン・ジャパンは、35歳以上を対象とした「ミドル世代の転職理由実態調査」結果を発表しました。コロナ禍前後で転職理由に「変化がある」との回答は16%。コロナ以前よりも「企業の柔軟な働き方への理解や対応」や「企業の経営状態」への関心が高まったとしています。転職を考え始めたタイミングは、「コロナ以後」(18%)、「コロナ禍以前」(82%)です。
◇派遣社員の実稼働者総数、前年同期比98.1%増
日本人材派遣協会は、「労働者派遣事業統計調査(2020年第2四半期)」結果を発表しました。派遣社員の第2四半期(4~6月期)平均の実稼動者総数(各月末の最終営業日でカウント)は、前年同期比6,876人減の35万4,829人(前年同期比98.1%)。前年同期比が100%を下回ったのは、2013年第2四半期(4~6月期)以来。業務別の実稼動者数(四半期平均)は、「財務」「貿易」「一般事務」「軽作業」が前年同期比プラス、一方で「情報処理システム開発」「機器操作」「営業」「販売」「製造」は同マイナスとの結果となっています。
◇パソナ、本社機能を淡路島に 災害に備え拠点分散
パソナグループは、東京本社の主要な機能を兵庫県・淡路島に移す計画を明らかにしました。本部機能を担う約1,800人の7割相当、約1,200人が対象で、9月から2024年春ごろまでに段階的に移管します。災害などに備えて東京一極集中を避け、事業を継続しやすい体制を整えるとのことです。
◇「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を改定
厚生労働省は、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を改定しました。ガイドラインは、副業・兼業について、企業や働く者が現行の法令のもとでどういう事項に留意すべきかをまとめたもので、これにより、副業・兼業の場合における労働時間管理及び健康管理についてのルールが明確化されるとしています。
◇生活保護の申請件数、前年同月比4.4%減
厚生労働省は、生活保護法に基づく「被保護者調査」(2020年6月分概数)結果を公表しました。被保護実人員は205万5,531人で、前年同月比1万9,751人(1.0%)減少。被保護世帯は163万6,596世帯で、同2,293世帯(0.1%)増加。保護の申請件数は1万7,190件で、前年同月比786件(4.4%)減少しました。
◇就職先企業に決めた理由は「社会貢献度が高い」がトップ
ディスコは、2021年3月卒業予定の大学4年生を対象とした「就活生の企業選びとSDGsに関する調査」結果を発表しました。就職先企業に決めた理由は、「社会貢献度が高い」(30.0%)が最多。SDGs(持続可能な開発目標)について、「詳しく知っている」は19.3%で、「ある程度知っている」(57.1%)と合わせると7割を超えました。前年同期調査(計52.9%)と比較すると20ポイント以上高く、この1年で認知度が大きく上昇しました。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和2年8月中の主なトピックス

◇ 新たに36万人余が「技能士」に 2019年度「技能検定」
厚生労働省は、2019年度の「技能検定」実施状況を公表しました。受検申請者数の合計は87万1,451人で、前年度比6万4,145人(7.9%)の増加。合格者数の合計は36万3,733人で、同3万9,660人(12.2%)の増加。制度創設当初からの合格者数の累計は、733万7,788人。技能検定制度は、働く上で身につけるべき、または必要とされる技能の程度を国が証明するもので、「ファイナンシャル・プランニング」、「機械保全」、「機械加工」、「機械検査」、「プラスチック成形」など130職種で実施しています。
◇2020年度「輝くテレワーク賞」の募集を開始
厚生労働省は、2020年度「輝くテレワーク賞」の募集を開始すると公表しました。「輝くテレワーク賞」とは、テレワークの活用によって、労働者のワークライフバランスの実現に顕著な成果を上げた企業や団体、個人を厚生労働大臣が表彰するものです。募集期間は8月3日から9月4日まで。審査結果は10月末頃にホームページなどで発表し、11月30日に開催予定の「テレワーク・シンポジウム」で表彰式を行う予定です。
◇管理職に占める女性の割合、部長、課長、係長いずれも上昇
厚生労働省は、2019年度「雇用均等基本調査」結果を公表しました。管理職に占める女性の割合は、部長相当職では6.9%(前年度6.7%)、課長相当職では10.9%(同9.3%)、係長相当職では17.1%(同16.7%)。また、育児休業取得者の割合は、女性は83.0%(同82.2%)、男性は7.48%(同6.16%)で、2012年(1.89%)から一貫して増加しており、今回も過去最高を更新しました。
◇帝国データバンクは、「女性登用に対する企業の意識調査」結果を発表しました。
女性管理職の割合は平均7.8%(前年比0.1ポイント上昇)。政府目標である「女性管理職30%以上」を超えている企業は7.5%(同0.4ポイント上昇)と微増したものの、依然として低水準にとどまっているとしています。女性活躍促進のために重要なことでは、「妊娠・出産・子育て支援の充実」(64.7%)、「仕事と子育ての両立支援」(56.2%)、「保育サービスの充実」(52.7%)などとなりました。
◇7月総括判断、「極めて厳しい状況にあるが、足下では下げ止まりの動きがみられる」
財務省は、「全国財務局管内経済情勢報告概要」を公表しました。2020年4月判断と比べた7月判断の地域経済の動向は、「新型コロナウイルス感染症の影響により、「極めて厳しい」又は「厳しい」状況にあるものの、足下では、「持ち直し」や「下げ止まり」の動きがみられるとして、全地域で「上方修正」。全局総括判断は、「新型コロナウイルス感染症の影響により、厳しい状況にあるものの、足下では下げ止まり、一部で持ち直しの動きがみられる」。雇用情勢は「新型コロナウイルス感染症の影響により、弱い動きとなっている」などとし、東海を除く10地域で「下方修正」しました。
◇平均寿命、男性81.41歳、女性87.45歳でともに過去最高
厚生労働省は、2019年「簡易生命表」を公表しました。日本人の平均寿命(0歳の平均余命)は男性81.41歳(前年81.25歳)、女性87.45歳(同87.32歳)で、ともに過去最高を更新しました。
◇大手企業の賃上げ妥結結果最終集計を発表
経団連は、2020年春季労使交渉における大手企業の業種別妥結結果の最終集計(130社、加重平均)を発表しました。賃上げ水準(加重平均)は、金額で7,096円(前年比1,104円の減少)、率では2.12%(同0.31ポイントの減少)となりました。
◇感染症により「マイナスの影響がある」と見込む企業は8割超
帝国データバンクは3日、「新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査」結果を発表しました。感染症による自社の業績への影響について、「マイナスの影響がある」と見込む企業は82.7%で、前回(6月)調査と比較すると1.8ポイント減少しました。一方、7月の売り上げ見込みについて、減少を見込む企業は3社に2社となりましたが、前年同月比50%を下回ると見込む企業は7.2%。他方、増加を見込む企業は1割程度、横ばいを見込む企業は17.4%となっています。
◇コロナ終息が長引くと「廃業を検討する可能性がある」中小企業は7.7%
東京商工リサーチは、「廃業に関するアンケート」調査結果を発表しました。「新型コロナ」終息が長引くと「廃業を検討する可能性がある」と回答した企業は、大企業の0.8%に対して中小企業は7.7%で、9倍以上の開きがありました。廃業検討の可能性を示した中小企業のうち、廃業時期を「1年以内」とした回答は45.1%でした。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和2年7月中の主なトピックス

◇ 民事上の個別労働紛争相談内容、「いじめ・嫌がらせ」が8年連続トップ
厚生労働省は、2019年度「個別労働紛争解決制度の施行状況」を公表しました。総合労働相談件数は118万8,340件(前年度比6.3%増)で、12年連続の100万件超となりました。そのうち、民事上の個別労働紛争相談件数は27万9,210件(同4.8%増)、相談内容は「いじめ・嫌がらせ」が8万7,570件(同5.8%増)で相談内容別では8年連続トップです。
◇4~6月期の中小企業の業況、「急激に悪化した」
中小企業庁は6月30日、独立行政法人中小企業基盤整備機構が全国の中小企業を対象に、四半期ごとに実施している「中小企業景況調査」の2020年4~6月期結果を公表しました。全産業の業況判断DIは、マイナス64.1(前期差39.7ポイント減)で6期連続の低下。うち製造業はマイナス65.9(同38.5ポイント減)で8期連続の低下、非製造業はマイナス63.5(前期差40.0ポイント減)で6期連続の低下。中小企業の業況は、「急激に悪化した」となりました。
◇消費者マインドの基調判断、「依然として厳しいものの、このところ持ち直しの動きがみられる」に上方修正
内閣府は、2020年6月の「消費動向調査」結果を公表しました。「消費者態度指数(二人以上の世帯、季節調整値)」は、前月から4.4ポイント上昇して28.4。2カ月連続で前月を上回りました。指数を構成する4項目全てが前月から上昇しています。消費者マインドの基調判断は、「依然として極めて厳しいものの、下げ止まりの動きがみられる」から「依然として厳しいものの、このところ持ち直しの動きがみられる」に上方修正されています。
◇海外現地法人の従業者数、4期連続の減少
経済産業省は、2010年1~3月の「海外現地法人四半期調査」の結果を公表しました。3月末の日本企業の海外現地法人の従業者数は482万2,000万人で、前年同期比2.4%減、4期連続の減少となりました。売上高(全地域合計)は2,594億ドル。中国の輸送機械が大きく減少し、前年同期比11.5%減、5期連続の減少となっています。
◇保護の申請件数、前年同月比24.8%増
厚生労働省は、生活保護法に基づく「被保護者調査」(2020年4月分概数)結果を公表しました。被保護実人員は205万9,536人で、前年同月比2万1,803人減少。被保護世帯は163万4,584世帯で、同231世帯増加。保護の申請件数は2万1,486件で、前年同月比24.8%増(4,273件増)となりました。
◇オフィス勤務者のモバイルワークを標準化
カルビー株式会社は、コロナの影響を踏まえてオフィス勤務者を対象にニューノーマルの働き方「Calbee New Workstyle」を7月1日より開始すると発表しました。オフィス勤務者は、モバイルワークを原則とし、フレックス勤務のコアタイムを廃止します。また、モバイルワークを基本とすることで業務の支障がない旨を所属部門が認めた場合は、単身赴任を解除するなどとしています。
◇休業手当を受けられない労働者への支援金の申請手続き等を公表
厚生労働省は、感染症対応休業支援金について、申請書やQ&Aなどを公開しました。同休業支援金は、感染症等の影響により休業させられた中小企業の労働者のうち、休業中に賃金(休業手当)を受けることができなかった者に対して、当該労働者の申請により、新型コロナウイルス感染症対応休業支援金・給付金を支給するものです。問い合わせ対応のコールセンターも開設するようです。
◇「家賃支援給付金」の申請要領を公表
経済産業省は、「家賃支援給付金」の申請要領を公表しました。同給付金は、5月の緊急事態宣言の延長等により、売上の減少に直面する事業者の事業継続を下支えするため、地代・家賃(賃料)の負担を軽減するために支給するものです。支給対象は、資本金10億円未満の中堅企業、中小企業、個人事業者等で、5月~12月の売上高が1カ月で前年同月比50%以上減少し、または3カ月連続で同30%以上減少し、自らの事業のために占有する土地・建物の賃料を支払っている場合としています。給付額は法人が最大600万円、個人事業者が同300万円。申請受付は7月14日開始予定です。
◇コロナ感染で労災認定 都内病院の看護師
新型コロナウイルスの院内感染が起きた病院で働き、感染した女性看護師について、新宿労働基準監督署が労災認定したことが分かりました。看護師の代理人弁護士が明らかにしたものです。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和2年6月中の主なトピックス

◇ 感染症に起因する解雇等見込み労働者数、約1万6,000人に
厚生労働省は、「新型コロナウイルス感染症に起因する雇用への影響に関する情報」(5月29日現在)を公表しました。感染症に起因する雇用調整の可能性がある事業所数は3万214事業所(対前週比8,155事業所増)、解雇等見込み労働者数は1万6,723人(同4,811人増)。業種別にみると、雇用調整の可能性がある事業所数は「製造業」、解雇等見込み労働者数は「宿泊業」がそれぞれ最多となっています。
◇パワハラ防止措置の義務化を踏まえ、精神障害の労災認定基準を改正
厚生労働省は、「心理的負荷による精神障害の認定基準」を改正しました。6月からパワーハラスメント防止対策が法制化されたことなどを踏まえ、同認定基準を改正したものです。改正のポイントは、労災認定基準の別表1「業務による心理的負荷評価表」の「出来事の類型」に「パワーハラスメント」を追加、「上司等から身体的攻撃、精神的攻撃等のパワーハラスメントを受けた」を「具体的出来事」に追加したことなど。評価表をより明確化、具体化することで、請求の容易化・審査の迅速化を図るとしています。
◇消費者マインドの基調判断、「依然として極めて厳しいものの、下げ止まりの動きがみられる」に上方修正
内閣府は、2020年5月の「消費動向調査」結果を公表しました。「消費者態度指数(二人以上の世帯、季節調整値)」は、前月から2.4ポイント上昇して24.0。5カ月ぶりに前月を上回りました。指数を構成する4項目全てが前月から上昇しています。消費者マインドの基調判断は、「急速に悪化している」から「依然として極めて厳しいものの、下げ止まりの動きがみられる」に上方修正されました。
◇業績へ既にマイナスの影響がある企業、初めて6割台に上昇
帝国データバンクは、「新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査」結果を発表しました。感染症による業績への影響について、「既にマイナスの影響がある」(62.8%)、「今後マイナスの影響がある」(23.3%)など。一方、「影響はない」とする企業は6.5%、「プラスの影響がある」とみる企業は2.8%に止まっています。
◇テレワーク中の課題、1位「コミュニケーション不足」、2位「職種間不平等」
株式会社ラーニングエージェンシーは、企業の人事・教育担当者を対象とした「新型コロナウイルスの感染拡大が企業の組織運営や人材育成に与える影響についての調査」結果を発表しました。テレワークの実施状況については、「新型コロナウイルス対策として導入」(72.1%)、「以前より導入」(18%)などとなっています。テレワーク導入済企業に対して、働き方の多様化が社員に与える影響について聞いたところ、「コミュニケーションの不足」、「テレワークに不向きな職種・業務による不平等の発生」などの課題があることが分かったとしています。
◇在宅勤務活用を標準とした働き方を推進
日立製作所は、新型コロナウイルス感染拡大を受けた政府による緊急事態宣言の全面解除後の新常態を見据え、幅広い職務で在宅勤務活用を標準とした働き方を推進すると発表しました。在宅勤務感染対策補助手当(出社する場合の感染予防対策に必要な費用)の支給、在宅勤務のための備品購入費用(Wi-Fiルーター、作業机など)の補助などの支援策を設けるとともに、在宅勤務活用を標準とした働き方の正式適用に向けたロードマップを明らかにしています。
◇最低賃金などについて議論
政府は、「第8回全世代型社会保障検討会議」を開催しました。議題は「最低賃金について」、「少子化社会対策大綱について」。最低賃金については日本商工会議所の三村会頭から「引上げ凍結」の要望が示され、連合神津会長は「改善にむけた歩みは止めるべきではない」としたうえで、「感染症が企業に与えた影響は見据えておかなければならない」としました。議論を受けて首相は、全国加重平均1,000円を目指す方針は堅持するとしつつ、「新型コロナウイルス感染症による雇用・経済への影響は厳しい状況にあり、今は、官民を挙げて雇用を守ることが最優先課題」と述べました。
◇記者発表「新型コロナウイルス感染拡大の仕事や生活への影響に関する調査」(一次集計)結果
労働政策研究・研修機構は、「新型コロナウイルス感染拡大の仕事や生活への影響に関する調査」(一次集計、JILPT・連合総研共同研究)結果を記者発表しました。民間企業の雇用者に対する調査結果では、感染拡大により4割超が雇用や収入に「影響があった」と回答。具体的な内容では、「勤務日数や労働時間の減少」(26.6%)や「収入の減少」(24.4%)の割合が高いことが分かりました。一方、フリーランスで働く者に対する調査結果では、6割超が「影響があった」と回答。内容は「業績への影響」(52.8%)、「新規受注や顧客の減少、消失」(25.3%)、「既に受注していた仕事の中止や延期」(21.9%)の割合が高いことなどが分かりました。
◇コロナ感染で労災認定 都内病院の看護師
新型コロナウイルスの院内感染が起きた病院で働き、感染した女性看護師について、新宿労働基準監督署が労災認定したことが分かりました。看護師の代理人弁護士が明らかにしたものです。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和2年5月中の主なトピックス

◇ 妊娠中の女性労働者の感染症に関する母性健康管理措置を適用
厚生労働省は、男女雇用機会均等法に基づく指針(告示)を改正し、妊娠中の女性労働者の母性健康管理上の措置に新型コロナウイルス感染症に関する措置を設けたと公表しました。妊娠中の女性労働者が、健康診査等に基づき、感染のおそれに関する心理的なストレスが母体又は胎児の健康保持に影響があるとして、主治医等から感染のおそれが低い作業への転換や出勤の制限(在宅勤務・休業)などの指導を受けた場合、事業主は、指導に基づいて必要な措置を講じなければならないとしています。5月7日から来年1月31日まで適用されます。
◇労働保険の年度更新期間を8月31日まで延長
厚生労働省は、今年度の労働保険の年度更新期間について、新型コロナウイルスの感染症の影響を踏まえ、6月1日から7月10日までの40日の期間を6月1日から8月31日までに延長すると公表しました。
◇「過重労働解消キャンペーン」の重点監督の実施結果を公表
厚生労働省は、2019年11月に実施した「過重労働解消キャンペーン」における重点監督の実施結果を公表しました。重点監督を実施した8,904事業場のうち法令違反があり、是正勧告書を交付した事業場を違反内容別に見ると、「違法な時間外労働」3,602事業場(全体の40.5%)、「過重労働による健康障害防止措置が未実施」1,832事業場(全体の20.6%)、「賃金不払残業」654事業所(7.3%)などとなっています。
◇コロナで受難、外国人労働者 介護・農業への就職支援
新型コロナウイルスの感染拡大が外国人の就労に影を落としています。経済活動の停滞で失業者が出る一方、技能実習や今年4月に制度開始1年を迎えた「特定技能」の在留資格を得た外国人が入国制限で来日できず、介護や農業などでは人手不足が深刻化。出入国在留管理庁は職を失った外国人らに対し、介護分野などへの就労を促す方策を打ち出しましたが、効果は見通せていません。
◇3月の完全失業率2.5%、前月比0.1ポイント上昇
総務省は、2020年3月の「労働力調査(基本集計)」(速報)を公表しました。完全失業率(季節調整値)は2.5%で、前月比0.1ポイントの上昇。完全失業者数は176万人(前年同月比2万人増)で、2か月連続の増加。就業者数は6,700万人(同13万人増)、雇用者数は6,009万人(同61万人増)で、ともに87カ月連続の増加。また、同日には2010年1~3月期平均と2019年度平均結果も公表しました。
◇消費者マインドの基調判断、「急速に悪化している」に下方修正
内閣府は、2020年4月の「消費動向調査」結果を公表しました。「消費者態度指数(二人以上の世帯、季節調整値)」は、前月から9.3ポイント低下して21.6。4カ月連続で前月を下回りました。指数を構成する4項目全てが前月から低下しています。消費者マインドの基調判断は、「悪化している」から「急速に悪化している」に下方修正となりました。
◇「経済・物価情勢の展望(2020年4月)」を発表
日本銀行は、政策委員会・金融政策決定会合で決定した「経済・物価情勢の展望(2020年4月)」を発表しました。「経済は、当面、内外における新型コロナウイルス感染症の拡大の影響から厳しい状態が続くとみられる。また、物価についても、消費者物価(除く生鮮食品)の前年比は、当面、感染症の拡大や原油価格の下落などの影響を受けて弱含むとみられる」が、「感染症拡大の影響が、世界的にみて、本年後半にかけて和らいでいくことを想定している」としつつ、先行きについて「不透明感がきわめて強い」などとしています。
◇二人以上世帯の消費支出、前年同月比実質6.0%減
総務省は、2020年3月の「家計調査報告」(速報)を公表しました。二人以上世帯の1世帯当たりの消費支出は、前年同月比実質6.0%減の29万2,214円。うち被服及び履物は同26.1%減、教養娯楽は同20.6%減でマイナスに寄与。勤労者世帯の実収入は、1世帯当たり同1.5%増の49万589円となりました。なお、同日には2020年1~3月期平均結果も公表しています。
◇男性社員の自殺、労災認定 「疲れたよ」の音声残す
工作機械大手「DMG森精機」(名古屋市)の男性社員(当時24歳)が2018年に奈良市内で自殺し、奈良労働基準監督署が労災認定していたことが分かりました。遺族が、名古屋市で記者会見して明らかにしたものです。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和2年4月中の主なトピックス

◇ 経済の基調判断、新型コロナウイルス感染症の影響で「極めて厳しい状況にある」に下方修正
政府は3,4月の「月例経済報告」を公表しました。基調判断は、「新型コロナウイルス感染症の影響により、急速に悪化しており、極めて厳しい状況にある」と下方修正しました。個別の判断では、「感染症の影響」として、雇用情勢は「足下では弱い動きがみられる」、輸出は「このところ減少している」、生産は「減少している」、企業収益と個人消費は「急速に減少している」など、下方修正が相次いでいます。
◇「G20臨時労働雇用大臣会合」を開催
加藤厚生労働大臣が出席し、G20臨時労働雇用大臣会合(ビデオ会議)が開催されました。会合では、COVID-19感染症が労働市場に与える影響とその効果的な対応をテーマとして、各国内の取組や国際協力について意見交換が行われ、「新型コロナウイルス(COVID-19)に関するG20労働雇用大臣声明」が採択されました。同声明の主なポイントは、「失業、収入減少のリスクからの労働者、特に脆弱な層への最大限の保護」、「必要なすべての労働者への強固で柔軟な社会保障の提供」、「中小零細企業を含む事業者の支援による雇用の維持」、「労使対話及び政労使の協力による対処」などとなっています。
◇テレワークや在宅勤務者の割合、「8割以上」が最多
経団連は、「緊急事態宣言の発令に伴う新型コロナウイルス感染症拡大防止策 各社の対応に関するフォローアップ調査」結果を発表しました。感染症対応として、テレワークや在宅勤務を「導入している」企業は97.8%。テレワークや在宅勤務者の割合は、「8割以上」(36.1%)、「5割未満」(27.3%)、「7割未満~5割以上」(20.3%)、「8割未満~7割以上」(16.3%)との結果となっています。
◇緊急事態宣言(7都府県)後のテレワーク実施率、1カ月で2倍以上
パーソル総合研究所は、「新型コロナウイルス対策によるテレワークへの影響に関する緊急調査」結果を発表しました。緊急事態宣言(7都府県)後のテレワーク実施率は27.9%、3月半ば時点(13.2%)と比較すると、1カ月で2倍以上となっています。テレワークを行っている人の「課題」は、「運動不足」(73.6%)、次いで「テレワークでできない仕事がある」(60.2%)、「必要機器がない(プリンターなど)」(47.8%)などでした。
◇「副業が認められている」企業は、全体の約3割
マンパワーグループは、「副業」についての調査結果を発表しました。勤務先で副業が認められているかを聞いたところ、約3割が認められていると回答。副業をしている人に対して副業の種類を聞いたところ、「アンケートモニター」(23.3%)が最多、次いで「商品モニター」(4.3%)、「アフィリエイト」「事務作業(データ入力、テープ起こしなど)」(2.5%)などとなっています。
◇派遣社員の新型コロナウイルスによる失業は16%
ディップは、アルバイト・パート・派遣社員を対象とした「新型コロナウイルスによる仕事への影響調査」結果を発表しました。新型コロナウイルスにより失業した経験があると回答した人は16%。「就業に影響が出ている」は61.8%、「休業」または「シフト減」は4割弱、「シフト減」の人の8割弱で給与が減ったと回答。テレワーク・在宅ワークを利用している人は9.0%、一方、正社員は17.9%で、約10ポイント差があるとしています。
◇感染症予防の対策、「在宅勤務」「イベント自粛」は2割弱にとどまる
連合総研は、第39回勤労者短観「新型コロナウイルス感染症関連 緊急報告」を発表しました。雇用や収入に関わる影響があった人は37.4%。職場での感染症予防の対策は、「マスク・アルコール消毒用品の使用・配備」(55.0%)、「咳や発熱などの症状がある人への適切な対応」(37.3%)、「イベントや集会、会議、懇談会などの中止・自粛」(33.6%)など。一方で「在宅勤務・テレワーク」は18.3%、「時差出勤」は18.1%にとどまったとしています。
◇コロナウイルスに起因する壊滅的な規模の労働時間、雇用の消失が発生
ILOは、資料「コロナウイルスと仕事の世界ILOモニタリング第2版」を発表しました。資料では、コロナウイルス危機を「第二次世界大戦後最悪の地球規模の危機」ととらえ、2020年第2四半期に、フルタイム労働者換算で1億9,500万人分に相当する世界の労働時間合計の6.7%が吹き飛ぶとの予想を示しています。
◇失業保険申請660万件 新型コロナで高水準続く
米労働省が発表した新規の失業保険申請件数(季節調整済み)は、4日までの1週間で660万6,000件となり、過去最多だった前週(686万7,000件、改定)に次ぐ高水準を記録しました。新型コロナウイルスの感染拡大で雇用情勢が急激に悪化しています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和2年3月中の主なトピックス

◇ 職場における感染症の拡大防止に向けた取り組みを要請
厚生労働省は、経済4団体(日本経済団体連合会、日本商工会議所、全国商工会連合会、全国中小企業団体中央会)に対して、職場における新型コロナウイルス感染症の拡大防止に向けた取り組みを要請しました。要請は、労務管理上の留意事項として企業等に周知を図っていることについての趣旨を改めて伝え、傘下団体・企業などの協力を求めることを目的として実施されました。要請内容のポイントは次のとおりです。
(1)パート労働者、派遣労働者、有期契約労働者にも法令上求められる休業手当の支払いや年次有給休暇が必要
(2)年休は労働者の請求する時季に与えるのが原則
(3)厚生労働省では休業手当等の助成や小学校休業等対応の助成を行っている。
◇企業の6割が、同一労働同一賃金への対応進める
帝国データバンクは、「同一労働同一賃金に対する企業の対応状況調査」結果を発表しました。自社における同一労働同一賃金への対応状況について、「対応あり」(「既に対応済み」「現在対応中」「これから対応する予定」の合計)とする企業は59.2%、「対応していない(できない)」とする企業は13.9%となりました。「対応あり」とする企業を規模別にみると、「大企業」が63.3%、「中小企業」が58.1%、「小規模企業」が48.3%。業界別では、「運輸・倉庫」が72.3%で最多、次いで、「サービス」(67.5%)、「製造」(61.2%)などとなっています。一方で、「農・林・水産」、「不動産」は4割台となり、同一労働同一賃金への対応に業界間での違いが顕著に表れたとしています。
◇上場企業の9割が、暖冬により「マイナスの影響がある」
東京商工リサーチは、上場企業を対象とした「暖冬」の影響・対応調査結果を発表しました。「暖冬」関連による影響や対応について情報開示した上場企業は159社で、うち暖冬により「マイナスの影響がある」と回答したのは144社(構成比90.5%)でした。159社のうち、30社(同18.8%)が業績予想を修正(見込みを含む)し、28社が下方修正、2社が上方修正(同)としています。
◇コロナウイルスの伝播により、世界経済は金融危機以来最も深刻な脅威に直面している
OECDは、「エコノミック・アウトルック」の中間報告書を発表しました。報告書では、世界経済はコロナウイルスのために金融危機以来最も深刻な危機に直面しているとしています。また、コロナウイルスが総じて抑え込まれるという最良シナリオの場合でも、世界経済成長は2020年上半期は大幅に鈍化すると予測。一方で、広くアジア太平洋地域と先進諸国全体で、中国で起きているような感染拡大が見られると、2020年の世界経済の成長率は1.5%まで下落する可能性があるとしています。報告書では、「雇用を保護するために柔軟な働き方を採用すべきだ」と述べています。
◇「転職者の状況」を公表
総務省は、労働力調査の詳細集計の結果を基に「転職者の状況」を公表しました。2019年の転職者数は351万人で過去最多。男性は165万人、女性は186万人で02年以降、女性の転職者数が男性をおおむね上回る水準で推移。離職理由は、「より良い条件の仕事を探すため」が13年以降増加傾向にあり、19年は127万人で02年以降で過去最多。雇用形態間の移動では、「非正規雇用から正規雇用に転換した者」が「正規雇用から非正規雇用に転換した者」を8年連続で超過しました。
◇新型コロナウイルスの影響により、国内景気は大幅に悪化
帝国データバンクは、「TDB景気動向調査(全国)」(2月調査)結果を発表しました。2月の景気DIは前月比3.2ポイント減の38.7で、5カ月連続の悪化。国内景気は、後退局面が続くなか新型コロナウイルスの影響も加わり、大幅に悪化しました。今後の国内景気は、新型コロナウイルスなどリスク要因も多く、緩やかな後退が続くとみられるとしています。業界別では、10業界すべてが悪化しています。新型コロナウイルスの影響がさまざまな業界に波及、川下の消費関連企業から川上の素材関連企業までサプライチェーン全体に広がったとしています。
◇大学生の広報活動開始前のインターンシップ応募率は約9割
マイナビは、2021年卒業予定の大学生・大学院生を対象とした「大学生広報活動開始前の活動調査」結果を発表しました。広報活動が開始される3月以前の行動を調査したものです。インターンシップの応募率は92.4%(前年比3.7ポイント増)、参加率は85.3%(同5.4ポイント増)で、いずれも過去最高を記録しました。インターンシップの参加目的は、「特定の企業のことをよく知るため」(58.4%)、「特定の企業が自分に合うかを確かめるため」(46.1%)、「視野を広げるため」(43.1%)などとなっています。
◇2月の街角景況感、前月差14.5ポイント低下
内閣府は、コンビニ店長やタクシー運転手らに街角の景況感をたずねた2月の「景気ウォッチャー調査」の結果を公表しました。現状判断DI(季節調整値)は、前月差14.5ポイント低下の27.4。家計動向関連DI、企業動向関連DI、雇用関連DI、いずれも低下しています。先行き判断DI(同)は、同17.2ポイント低下の24.6。回の結果について、「新型コロナウイルス感染症の影響により、急速に厳しい状況となっている。先行きについては、一段と厳しい状況になるとみている」としています。
◇約7割の企業が、新型コロナウイルス感染症対応として、テレワークや在宅勤務を推奨
経団連は、会員企業に対する「新型コロナウイルス感染症拡大防止対策各社の対応に関するフォローアップ調査」結果を発表しました。感染症への対応としてテレワークや在宅勤務については、「実施している・実施予定」(68.6%)、「検討中」(19.3%)、「実施する予定はない」(12.1%)。時差出勤は、「実施している・実施予定」(93.5%)、子供の学校閉鎖等、従業員が家族への対応として休みを取りやすい環境の整備は、「実施している・実施予定」(86.7%)がそれぞれ最多の結果となっています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和2年2月中の主なトピックス

◇ シニアの仕事満足度、「働き方満足度」は7割、「賃金満足度」は4割
連合は、「高齢者雇用に関する調査2020」結果を発表しました。60歳以上の人に仕事満足度を聞いたところ、「働き方満足度」は70.3%、「賃金満足度」は44.0%。自分らしく働くことができていると感じているものの、賃金には納得していないことがうかがえるとしています。政府による70歳までの就労機会確保に向けた施策については「賛成」71.4%、「反対」28.6%で、65歳以降も働く場合に心配なことは、「自身の体力」、「自身の健康維持」、「十分な所得」などとなっています。
◇約7割が「アルバイト人材の不足を感じている」
マイナビは、「アルバイト採用活動に関する企業調査」を発表しました。企業のアルバイト人材不足感は70.2%(昨年比1.5ポイント増)、業種別では「ホテル・旅館」「コンビニ・スーパー」での接客・販売が8割超。人材確保のために今後実施したい施策は、「給与の増額」(30.0%)、「主婦(主夫)層の積極採用」(20.4%)、「シニア層(65歳以上)の積極採用」(18.9%)などでした。
◇「ベビーシッター利用補助制度」を導入
ZOZOテクノロジーズは、同日より「ベビーシッター利用補助制度」を導入すると発表しました。この制度は、同社社員がベビーシッターのサービスを利用した場合に、2,200円の割引券が発行され、支払う利用料金の一部または全額の助成を受けることができるものです。乳幼児または小学3年生までの児童がいる子育て中の全社員が利用可能で、子供が病気の時の病児保育や送り迎え、業務での外出時などでの利用を想定しています。
◇若手世代より、上司世代のほうが「ストレスを感じている」
マンパワーグループは、入社2年目の22~27歳の正社員(若手)と、入社2年目の社員を部下に持つ30歳~59歳の中間管理職を対象とした「職場におけるストレスやコミュニケーションについての調査」結果を発表しました。勤務先でストレスを感じているのは、若手が61.5%、中間管理職が82.5%ということで、ストレスの原因は、若手が「仕事内容」(43.9%)、「上司との関係」(43.1%)、中間管理職が「上司との関係」(47.0%)、「仕事量が多い」(36.4%)などとなっています。若手も中間管理職もストレスを受ける原因は「上司との関係」で、世代にかかわらず、大きなストレスとなっているとしています。
◇第二新卒の6割は、退職の原因は「自分側にある」
株式会社UZUZは、第二新卒として転職活動中の20代を対象とした「転職活動に関するアンケート調査」結果を発表しました。前職の退職理由は、「仕事が合わない」「社風が合わない」「労働時間が長かった」「ワークライフバランスが取れなかった」などとなっています。退職原因は、「自分側にある」(63%)、「会社側にあった」(37%)。再就職する会社に求めるものは、「休日の多さ」「ワークライフバランス」「良好な人間関係」「給料」などでした。
◇1月の街角景況感、前月差2.2ポイント上昇
内閣府は、コンビニ店長やタクシー運転手らに街角の景況感をたずねた1月の「景気ウォッチャー調査」の結果を公表しました。現状判断DI(季節調整値)は、前月差2.2ポイント上昇の41.9で、3カ月連続の上昇。雇用関連DIは低下したものの、家計動向関連、企業動向関連DIが上昇しました。先行き判断DI(同)は、同3.7ポイント低下の41.8です。今回の結果について、「このところ回復に弱い動きがみられる」、「先行きについては、新型コロナウイルス感染症の拡大等に対する懸念がみられる」などとしています。
◇2020年度3,000円、2021年度3,000円以上を基本
鉄鋼、造船重機、非鉄、建設などの労働組合で構成する基幹労連(神田健一委員長、27万3,000人)は都内で中央委員会を開き、向こう2年間の賃金改善要求について、「2020年度3,000円、2021年度3,000円以上を基本」とする方針を決めました。減益見通しの企業の組合も多く、前の2カ年度の方針から500円要求額を引き下げました。65歳現役社会の実現の取り組みでは、2020年度の60歳到達者への65歳定年制の導入に向け、会社側との詰めの協議を急ぎます。
◇正規職員・従業員17万人増加
総務省は、「労働力調査(詳細集計)」速報結果を公表しました。2019年10~12月期平均の役員を除く雇用者は5,701万人。うち、正規の職員・従業員は、前年同期比17万人増の3,514万人。非正規の職員・従業員は、同35万人増の2,187万人。非正規の職員・従業員について、男女別に現職の雇用形態についた主な理由をみると、男女共に「自分の都合のよい時間に働きたいから」が最も多くなっています。失業者は、同10万人減の171万人です。なお、同日には同調査の2019年平均も公表しています。
◇2020年の業績見通しは二極化の様相
産業能率大学総合研究所は、従業員6名以上の企業の経営者を対象とした経営環境認識や経営方針・施策についてのアンケート調査結果を発表しました。2020年の業績見通しについて、昨年に比べて「大幅に上回る」が8.3%と過去最高になる一方で、「下回る」(「大幅に下回る見込み」「やや下回る見込み」)の回答も20.4%と過去最高となり、二極化の様相を呈しているとしています。20年に影響を与えると想定される要因については、「人材の不足」(53.5%)が最多となっています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和2年1月中の主なトピックス

◇ 賃金等請求権の消滅時効の在り方についての報告書を取りまとめ
厚生労働省は、「第158回労働政策審議会労働条件分科会」を開催し、「賃金等請求権の消滅時効の在り方についての報告書」を取りまとめました。賃金請求権の消滅時効期間は、「民法一部改正法による使用人の給料を含めた短期消滅時効廃止後の契約上の債権の消滅時効期間とのバランスも踏まえ、5年」とする一方、「当分の間」は労基法の記録の保存期間に合わせて「3年間の消滅時効期間」としています。退職手当は現行の5年を維持。これ以外の消滅時効期間については、「現行の消滅時効期間(2年)を維持」しました。施行は2020年4月1日、「施行から5年経過後の施行状況を勘案しつつ検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて必要な措置を講じる」としています。
◇2019年の「人手不足」関連倒産、過去最多の426件
東京商工リサーチは、2019年(1~12月)の「人手不足」関連倒産を発表しました。倒産件数は426件(前年比10.0%増)で、13年に調査を開始以来、過去最多を更新。内訳は、代表者死亡や病気入院などによる「後継者難」型が270件(同2.8%減)、「求人難」型が78件(同32.2%増)、「従業員退職」型が44件(同83.3%増)、「人件費高騰」が34件(同30.7%増)となっています。
◇「就業時間内禁煙宣言」を実施
オタフクソース株式会社は、「就業時間内禁煙宣言」を1月1日より実施したと発表しました。2019年より行っている「建屋内の全面禁煙」を継続するとともに、休憩時間を除く就業時間内の禁煙に取り組みます。禁煙にかかる費用のサポートや社内報・掲示板での周知により、喫煙習慣のある社員の禁煙へのきっかけづくりと、周囲の人々の受動喫煙の防止を図るものです。また、8月1日からは、就業時間内外にかかわらず敷地内での全面禁煙に取り組む「敷地内禁煙宣言」を行うとしています。
◇雇用保険法・労災保険法・労働基準法等の改正法律案要綱を答申
労働政策審議会は「雇用保険法等の一部を改正する法律案要綱」、「労働基準法の一部を改正する法律案要綱」を、厚生労働大臣に答申しました。雇用保険法等の改正法律案では、複数事業場に就業する65歳以上の者について高年齢被保険者要件の緩和、高年齢雇用継続基本給付金等の給付率上限の引き下げ、65歳以降70歳までの就業確保措置の新設、副業労働者の労災保険給付について非災害事業場の賃金も含めた給付額とすることなどが盛り込まれています。労働基準法の改正法律案は、賃金債権の消滅時効期間を5年(当面3年)とするなどの内容となっています。
◇景気の基調判断、「悪化を示している」で据え置き
内閣府は、2019年11月の「景気動向指数(速報)」を公表しました。景気の現状を示す「一致指数」は95.1で、前月比0.2ポイント下降し、2カ月連続の下降。「投資財出荷指数」、「生産指数(鉱工業)」、「有効求人倍率(除学卒)」などがマイナスに寄与。一致指数の基調判断は、「悪化を示している」で据え置きました。
◇中小企業の黒字割合は56.2%、過去5年間で最低
東京商工会議所は、「中小企業の経営課題に関するアンケート調査」結果を発表しました。経営状況・事業の見通しについて、黒字企業の割合は56.2%(前年比6.1ポイント減)、過去5年間で最低。業種別では製造業・小売業の低下が顕著。働き方改革への対応状況では、「年次有給休暇の取得義務化」「時間外労働の上限規制」について、「対応済・対応の目途が付いている」と回答した企業はいずれも7割未満としています。
◇大学1、2年生が将来不安に思うものは「就職活動」よりも、将来の「お金」や「結婚」
マイナビは大学1、2年生を対象とした「大学生低学年のキャリア意識調査」結果を発表しました。将来について最も不安だと思うものは、「お金」(27.4%)、「結婚」(16.8%)、「就職活動」(15.2%)。将来の子育てについて、「育児休業を取って積極的に子育てしたい」と回答した人は38.7%、うち女子は48.7%、男子は32.3%となりました。
◇所得により生活習慣に差
厚生労働省は、2018年「国民健康・栄養調査」結果を発表しました。今調査では、所得等社会経済状況と生活習慣等に関する状況を重点項目としました。生活習慣等に関する状況を所得別に比較すると、世帯の所得が600万円以上の世帯員に比較して、200万円未満の世帯員では、喫煙者の割合、健診未受診者の割合が高くなっています。また、就業時間が週に1~39時間の者は、他の就業時間(週に40~48時間等)で働く者と比較して、健診未受診者の割合が高いことなどが分かったとしています。
◇統一要求は月額2万5,000円以上、時間額150円以上
全労連や中立労組などでつくる国民春闘共闘委員会(代表幹事:小田川義和全労連議長)は、都内で第1回単産・地方代表者会議を開き、2020年国民春闘方針を確認しました。賃上げの統一要求として、月額2万5,000円以上、時間額150円以上の引き上げを求めます。産業内・企業内最低賃金は、時間額1,500円以上を目指すこととし、具体的な水準は時間額・日額・月額の各区分の設定も含め、各産別・単組の決定に委ねます。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和1年12月中の主なトピックス

◇ 小企業の従業員不足感は10年連続で上昇
日本政策金融公庫は、「全国中小企業動向調査(小企業編)」(2019年7~9月期特別調査)結果を発表しました。現在の従業員数が最近の営業状況と比べて「不足」と回答した企業は39.6%、前回調査(2018年7~9月期)比1.9ポイントの上昇。上昇は10年連続。業種別にみると、製造業を除く全ての業種で従業員の不足感が上昇しています。
◇上司を信頼する理由、トップは「部下の話を真剣に聞く」
マンパワーグループは、入社2年目までの22~27歳の正社員を対象とした「上司との信頼関係」についての調査結果を発表しました。若手社員の8割超は「仕事上で上司を信頼している」と回答。信頼する理由(複数回答可)は、「部下の話を真剣に聞く」(29.4%)、「頭の回転が速い」(21.6%)、「良いところをほめてくれる」(21.3%)などで、信頼できない理由(同)は、「高圧的な言動」(38.8%)、「人によって対応が変わる」(45.8%)などとなっています。
◇「長時間・過重労働」に関する相談、90件で最多
厚生労働省は、10月27日に実施した「過重労働解消相談ダイヤル」の相談結果を公表しました。相談件数は合計269件。主な相談内容は、「長時間労働・過重労働」が90件(33.4%)で最多、次いで「賃金不払残業」69件(25.6%)、「休日・休暇」31件(11.5%)、「パワハラ」29件(10.7%)となっています。主な業種は、「商業」32件(11.8%)、「保健衛生業」32件(11.8%)、「製造業」28件(10.4%)です。
◇男女計の初任給、全ての学歴で前年増
厚生労働省は、2019年「賃金構造基本統計調査(初任給)」の結果を公表しました。大卒者の初任給は21万200円(前年比1.7%増)で、男女別では男性21万2,800円(同1.3%増)、女性20万6,900円(同2.1%増)。男女計の初任給は、全ての学歴で前年を上回りました。
◇複数就業者への労災保険給付の在り方について論点整理
厚生労働省は、「第82回労働政策審議会労働条件分科会労災保険部会」を開催しました。議題は「複数就業者への労災保険給付の在り方について」。論点整理として、複数就業者が被災した場合の給付額については、「非災害発生事業場の賃金額も加味して給付額を決定することが適当」、脳・心臓疾患の発症については、「複数就業先での業務上の負荷を総合・合算して評価することにより疾病等との間に因果関係が認められる場合、新たに労災保険給付を行うことが適当」などの考え方が示されました。
◇11月の街角景況感、前月差2.7ポイント上昇
内閣府は、コンビニ店長やタクシー運転手らに街角の景況感をたずねた2019年11月の「景気ウォッチャー調査」の結果を公表しました。現状判断DI(季節調整値)は、前月差2.7ポイント上昇の39.4で、2カ月ぶりの上昇。家計動向関連DIは上昇した一方で、企業動向関連、雇用関連DIは低下しました。先行き判断DI(同)は、同2.0ポイント上昇の45.7。今回の結果について、「このところ回復に弱い動きがみられる」、「先行きについては、海外情勢等に対する懸念もある一方、持ち直しへの期待がみられる」などとしています。
◇早期・希望退職者の募集上場企業、社数も人数も前年比3倍増
東京商工リサーチは、上場企業「早期・希望退職」実施状況を発表しました。2019年1~11月に早期・希望退職者を募集した上場企業は延べ36社、対象人数は1万1,351人。過去20年間で社数、人数ともに最少を記録した2018年(1~12月)と比較すると、社数が12社から3倍増、人数も4,126人から約3倍増と大幅に増えました。業種別では、電気機器が12社(延べ)、製薬が4社、卸売、機械、食料品、繊維製品が各3社を占めています。
◇ホテル・旅館業などで外国人労働者の雇用に前向き
日本政策金融公庫は、ホテル・旅館業、飲食業などの生活衛生関係営業の企業を対象とした「外国人労働者の雇用に関するアンケート調査」結果を発表しました。外国人労働者の雇用について、「関心がある」企業は31.7%、業種別では、ホテル・旅館業が61.3%で最多。現在、外国人労働者を「雇用している」企業は11.3%、業種別では、ホテル・旅館業が32.0%で最多となっています。
◇障がい者の育成支援制度の整備、進んでいるのは一部の企業
野村総合研究所とNRIみらいは、上場企業と特例子会社を対象とした「障害者雇用に関する実態調査」、「障害者雇用及び特例子会社の経営に関する実態調査」結果を発表しました。障がい者を雇用する上場企業や特例子会社の90%以上が、採用時に「会社を離職することなく安定的に働いてもらう」ことを想定。一方、障がい者が業務面で成長していくための支援制度を整備している企業は、上場企業で18.4%、特例子会社で54.1%に止まっています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和1年11月中の主なトピックス

◇ 2018年の年休取得日数は9.4日、取得率52.4%
厚生労働省は、2019年「就労条件総合調査」結果を公表しました。18年1年間の年次有給休暇の平均取得日数は9.4日(前年9.3日)で、平均取得率は52.4%(同51.1%)。勤務間インターバル制度の導入状況は、「導入している」企業3.7%(同1.8%)、「導入を予定又は検討している」企業15.3%(同9.1%)でした。
◇新卒初任給を引き上げた企業57.2%
経団連と東京経営者協会は、2019年3月卒の「新規学卒者決定初任給調査結果」の概要を発表しました。「前年の初任給から引き上げた」企業の割合は57.2%(前年59.0%)、「前年の初任給を据え置いた」企業の割合は42.4%(同40.8%)。学歴別の初任給の引上げ額は、高専卒・技術系が2,078円で最も高く、次いで、短大卒・事務系(1,954円)、短大卒・技術系(1,930円)などとなっています。初任給決定の考慮要素では、「人材を確保する観点」が2012年(7.7%)から増加し続け、初めて20%を超えたことについて、人手不足の深刻化が影響しているとしています。
◇中間管理職の仕事のやりがい、トップは「成果を認められること」
マンパワーグループは、入社2年目の部下がいる30歳~59歳の中間管理職を対象とした、現在感じている仕事のやりがいや働く環境についての調査結果を発表しました。7割以上が仕事にやりがいを感じていると回答、具体的な仕事のやりがい(複数回答可)は、「成果を認められること」(45.4%)、「責任ある仕事を任されること」(38.4%)、「仕事をやり遂げること」(38.0%)などとなっています。
◇現在の経営課題は「収益性向上」「人材強化」
日本能率協会は、企業経営者を対象とした「第40回 当面する企業経営課題に関する調査」結果を発表しました。「現在」の経営課題は、「収益性向上」(44.4%)、「人材の強化」(41.0%)などでした。また、SDGs(持続可能な開発目標)の認知や取組みは広がっているとしているが、自社でのSDGs活動の各階層への認識状況については、経営層や部門長クラスにはある程度以上は認識されている一方で、一般社員については、「あまり認識されていない」(48.0%)、「まったく認識されていない」(14.8%)となっています。経営層がイニシアティブをとり、現場の社員を巻き込みんでいくことが重要だとしています。
◇職場の悩みが増加、なかでも人間関係やパワハラの相談が増加
日本産業カウンセラー協会は、第13回「働く人の電話相談室」の結果を発表しました。職場、キャリアに関する悩みの割合が増加しているなかで、「職場の人間関係」、「パワハラ」、「労働条件」などが顕著に増加しており、なかでも「パワハラ」は、職場で解決すべき問題として企業側も取り組みを急ぐべき課題だとしています。
◇大学4年生の10月時点の内定率は90.5%
ディスコは、2010年3月卒業予定の大学4年生を対象とした就職活動に関する調査結果を発表しました。10月1日現在の内定率は90.5%、8月調査から2カ月間で2.3ポイント上昇。就職活動の費用は平均13万6,867円で、最安だった前年に次ぐ低い金額でした。費用の出どころは、「親に出してもらった(返済しない)」(48.3%)、「全額自分で工面した」(41.9%)、「親に借りた」(9.8%)となっています。
◇第38回勤労者短観「1年前と比べた景気認識が3期連続で悪化」
連合総研は、第38回勤労者短観「勤労者の仕事と暮らしについてのアンケート調査」(10月実施)結果を発表しました。景気、物価に対する意識として、1年前と比べた景気認識DI値はマイナス22.0で、前回調査(2019年4月)のマイナス15.7からさらに悪化して、3期連続の悪化となりました。1年後の景気見通しDI値はマイナス30.8で、2012年10月調査(マイナス33.1)以来の水準となっています。
◇アルバイト探しで就職を意識した高校生は6割強
マイナビは、15~18歳の高校生を対象とした「高校生のアルバイト調査」結果を発表しました。アルバイトの目的は「貯金をするため」(66.7%)が最多、次いで「趣味のため」(48.5%)、「社会経験を積むため」(30.3%)などとなっています。アルバイト探しで就職を意識した高校生は64.1%、特にスキル面では「挨拶や接客ができるようになる」(30.4%)、「正しい言葉遣いができるようになる」(26.9%)などの対人スキルの向上を目的とする傾向が強いとしている。
◇正規職員・従業員8万人減少/労働力調査・詳細集計7~9月期平均
総務省は、「労働力調査(詳細集計)」速報結果を公表しました。2019年7~9月期平均の役員を除く雇用者は5,681万人。うち、正規の職員・従業員は、前年同期比8万人減の3,492万人。非正規の職員・従業員は、同71万人増の2,189万人。非正規の職員・従業員について、男女別に現職の雇用形態についた主な理由をみると、男女共に「自分の都合のよい時間に働きたいから」が最も多い結果となりました。失業者は、同7万人減の179万人です。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和1年10月中の主なトピックス

◇ 若手社員の約半数が転職を検討・活動中
日本能率協会は、「入社半年・2年目若手社員意識調査」結果を発表しました。「転職に対する考え方」を聞いたところ、現在および将来の転職を検討または活動中の人は48.8%。今の会社に定年まで勤めるつもりと答えた社員でも60.9%が転職サイトに登録しています。副業・兼業については、28%がすでに行っていると回答、副業・兼業に興味がある、またはすでに行っている理由は、「収入を上げるため」が58.7%で最多となっています。
◇8月の完全失業率2.2%、前月と同率
総務省は、2019年8月の「労働力調査(基本集計)」(速報)を公表しました。完全失業率(季節調整値)は2.2%で、前月と同率。完全失業者数は157万人(前年同月比13万人減)で、3カ月連続の減少。就業者数は6,751万人(同69万人増)、雇用者数は6,025万人(同72万人増)で、ともに80カ月連続の増加となっています。
◇ICTの利活用によって離職・休職せずに働き続けられる人は370万人
情報通信総合研究所は、ホワイトカラーを対象とした「ICTを活用した働き方に関するアンケート」調査結果を発表しました。ICT(テレワーク等)を活用することにより、どの程度、育児、介護、病気などを理由とする離職や休職をせずに働くことが可能かを推計したものです。現状(2018年)は73万人ですが、潜在性は370万人となることが分かりました。ICTの活用により職場外で働けるようになり、人手不足の緩和に貢献するとしています。
◇仕事のやりがい要因、トップは「成果を認められること」
マンパワーグループは、入社2年目までの22~27歳の正社員男女を対象とした「勤務先に求めること」についての調査結果を発表しました。約7割が「現在の仕事にやりがいを感じている」と回答。やりがいの要因は、「成果を認められること」が最多、続いて「やり遂げること」、「自分の成長を感じること」など。若手が求める働き方の制度のトップ3は「フレックス制度」、「在宅勤務」、「モバイルワーク」ということです。
◇退職のきっかけは「やりがいや達成感の欠如」
エン・ジャパンは、「退職のきっかけ」実態調査結果を発表しました。退職のきっかけ(複数回答)は、「やりがい・達成感を感じない」(41%)、「給与が低かった」(41%)、「企業の将来性に不安を感じた」(36%)などでした。退職の報告相手は「上司」(65%)、退職までの期間は「1カ月~2カ月以内」(41%)がそれぞれ最多となっています。
◇「働き方改革は成功している」と考える人は3割
BIGLOBEは、「働き方に関する意識調査2019」調査結果を発表しました。働き方改革が成功しているか尋ねたところ、「成功している」(31%)、「成功していない」(69%)。働き方改革で効果があったもの(複数回答)は、「休暇取得の増加」(33.1%)、「労働時間の削減」(18.3%)など。「今後、働き方改革として進めて欲しいもの」では「休暇取得の増加」(29.9%)、「週休三日制の推進」(23.0)、「夏季休暇等の長期化」(19.5%)、「労働時間の削減」(18.0%)が上位となっています。
◇要介護(要支援)認定者数662.6万人
厚生労働省は、「介護保険事業状況報告」(2019年6月暫定版)を公表しました。2019年6月末現在、要介護(要支援)認定者数は662.6万人で、うち男性208.6万人、女性453.9万人。第1号被保険者(3,530万人)に対する65歳以上の認定者数の割合は約18.4%となっています。
◇働き方改革で業務量が増す中間管理職
パーソル総合研究所は、「中間管理職の就業負担に関する定量調査」結果を発表しました。働き方改革が進んでいる企業群では、中間管理職自らの業務量が増加したとの回答割合が62.1%である一方、進んでいない企業群では48.2%(全企業の平均52,5%)という結果となっています。また、働き方改革による労働時間の削減により、中間管理職に負担が増加するとしています。
◇悪質クレーム対策の啓発動画を公開
販売や介護・看護などの職場で、顧客や利用者からの暴言や暴力などの行き過ぎたクレームが問題となり、対策を求める声が上がっています。こうしたなか、流通・サービスなどの組合でつくるUAゼンセン(松浦昭彦会長)はこのほど、悪質クレーム対策の啓発動画「僕にも家族があり、人生があります。」を制作し、YouTubeで公開しました。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和1年9月中の主なトピックス

◇ 「国民生活に関する世論調査」を公表
内閣府は、「国民生活に関する世論調査」結果を公表しました。「働く目的は何か」との問いについては、「お金を得るため」56.4%、「生きがいをみつけるため」17.0%、「社会の一員として務めを果たすため」14.5%、「自分の才能や能力を発揮するため」7.9%、などとなっています。
◇新たに32万人余が「技能士」に 2018年度「技能検定」
厚生労働省は、2018年度の「技能検定」実施状況を公表しました。受検申請者数の合計は80万7,287人で、前年度比2万3,239人(3.0%)の増加。合格者数の合計は32万4,074人で、同4,704人(1.4%)の減少。制度創設当初からの合格者数の累計は、697万4,056人。技能検定制度は、働く上で身につけるべき、または必要とされる技能の程度を国が証明するもので、「ファイナンシャル・プランニング」、「機械保全」、「機械加工」、「知的財産管理」、「機械検査」など130職種で実施しています。
◇シニア世代の就業は65歳を境に大きく転換
野村総合研究所は、全国の55~79歳を対象として、シニア世代の就業意識に関する調査結果を発表しました。60歳未満の正社員に将来希望する働き方を尋ねると、約7割は、60歳代前半までは正社員のままで働くことを希望していますが、65歳を超えると非正規就業をはじめ、多様な働き方に意識がシフトするようです。70歳以降は、シルバー人材センターなどの組織に所属した臨時・短期の仕事や、インターネット上で受注する仕事への関心が高まるなど、一人ひとりの目的に適った働き方を求めるようになるとしています。
◇4割が「第4次産業革命により職を失う不安がある」
エン・ジャパンは、35歳以上を対象とした「第4次産業革命」意識調査結果を発表しました。第4次産業革命とは、IoT及びビッグデータ、AIなどコアとなる技術革新のことで、同革命によって、職を失うことへの不安を感じるか尋ねたところ、40%が「ある」と回答。不安の理由は、「年齢的に未経験業種・職種への転職が難しいと思うから」(53%)、「ロボットに代替えできる可能性が高い職種だから」(32%)、「自動化できる可能性が高い職種だから」(31%)などとなっています。
◇日本の景況感DIは世界最下位に
太陽グラントソントンは、非上場企業を中心とする中堅企業経営者を対象とした「景況感」意識調査(2019年上半期)結果を発表しました。世界的に景況感が悪化する中で、日本の景況感DIは、前回調査(18年下半期)比14ポイント減のマイナス40となり、調査対象全33カ国中、前回のワースト2位から、世界最下位となりました。日本の中堅企業による景気の先行きへの不安感が拡大している結果だとしています。
◇本店行員の服装、通年で自由化 全国支店でも試行へ
三井住友銀行は今月から、働き方改革の一環として、東京・大阪の本店勤務で窓口対応がない行員を対象に通年での服装自由化に踏み切りました。試行した8月末以降も継続を求める行員が9割に上り、通年化を決定。初の営業日を迎えた2日朝、東京の本店ではポロシャツやTシャツ姿の行員が多く見られました。
◇高年齢者の就業機会を強化するために、政府はさらなる対策を講じなければならない
OECDは、「生涯を通じたより良い働き方に向けて(Working Better with Age)」を発表しました。報告書によると、現在の退職パターンが続いた場合、100人の働き手が支えなければならない高年齢者(50歳以上)の数は、2018年の42人から2050年には58人へと約40%増加すると予測しています。しかし、引退の平均年齢を遅らせるとともに、若い年齢層における就業率の男女差を縮小させることにより、平均増加率をわずか9%に低下させられる可能性があるようです。政府は、人の高齢化が急速に進展する中で、生活水準と公共財政の持続可能性を守るために、高年齢者の就業機会の拡大と改善を図らねばならないとしています。
◇「無期転換ルールへの対応状況等に関する調査」結果を記者発表
JILPT(労働政策研究・研修機構)は、「無期転換ルールへの対応状況等に関する調査」結果を記者発表しました。2013年4月の改正労働契約法の全面施行により、有期労働契約が更新されて通算5年を超えた場合には、有期契約労働者自身の申込みにより、「無期労働契約(期間の定めのない契約)」へ転換できる、「無期転換ルール」が導入されています。同ルールの具体的な内容の認知度は、有期契約労働者を雇用している企業等で77.9%、有期契約労働者で35.5%となっています。
◇2018年度新卒者、35人が内定取消し
厚生労働省は、2019年3月に大学・高校等を卒業し4月に就職予定だった新卒者の内定取消し状況を公表しました。2018年度に内定を取り消された人は35人(前年度73人)、取り消した事業所は23事業所(同22事業所)。うち1社については「事業活動縮小を余儀なくされているとは明らかに認められない」などの場合に当たるとして事業所名を公表したものです。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和1年8月中の主なトピックス

◇地域別最賃の改定目安を答申 改定額27円(加重平均)は過去最高
厚生労働省中央最低賃金審議会は、2019年度の地域別最低賃金額改定の目安を答申しました。引上げ目安は、東京、愛知、大阪など「Aランク」が28円、福島、島根、高知、沖縄など「Dランク」が26円。引上げ額の全国加重平均は27円(昨年度は26円)で、1978年度に目安制度が始まって以降の最高額となりました。(東京都1,013円、神奈川県1,011円)連合は「Aランクが初めて1,000円超に到達し、Dランクは過去最高の引き上げ」「全国最低800円の確保に向けてさらに前進」とする事務局長談話を公表。一方、日本商工会議所は会頭コメントで「4年連続3%台となる3.1%の大幅な引上げ」について、根拠が必ずしも明確ではなく、中小企業の経営に及ぼす影響を懸念するなどとしています。
◇管理職に占める女性の割合、部長、係長でやや上昇、課長は同率
厚生労働省は、2018年度「雇用均等基本調査(確報版)」の結果を公表しました。管理職に占める女性の割合は、部長相当職では6.7%(前年度6.6%)、課長相当職では9.3%(同9.3%)、係長相当職では16.7%(同15.2%)。また、育児休業の取得期間は、女性は「10カ月~12カ月未満」が31.3%(15年度31.1%)で最多、男性は「5日未満」が36.3%で最多となっています。
◇平均寿命、男性81.25歳、女性87.32歳でともに過去最高
厚生労働省は、2018年「簡易生命表」を公表しました。日本人の平均寿命(0歳の平均余命)は男性81.25歳(前年81.09歳)、女性87.32歳(同87.26歳)で、ともに過去最高を更新しています。
◇上場企業の平均年齢、9年連続で上昇
東京商工リサーチは、2019年3月期決算の上場企業を対象とした「従業員平均年齢」調査結果を発表しました。上場企業1,841社の平均年齢(中央値)は41.4歳で、前年同期(41.2歳)より0.2歳上昇し、調査開始時(10年3月期)以降、9年連続で上昇しました。業種別では、最高が建設業の43.4歳、最低がサービス業の39.0歳。早期・希望退職の募集を実施した上場企業は前年実績を上回るペースで推移し、対象年齢は、50歳以上から次第に45歳~35歳まで下がっており、業績不振だけでなく、業績好調でも新規事業に向けた施策もあるとしています。
◇同性婚および事実婚にも結婚休暇制度および結婚祝金の支給を適用
日産自動車は、8月1日から結婚事由により取得する休暇制度および結婚祝金の支給を、同性婚および事実婚にも適用することを発表しました。同社では、従業員の多様性や価値観を尊重するダイバーシティ&インクルージョン(多様性と多様性の受容)のさらなる促進にむけて、LGBTへの理解を深めるためとしています。
◇「過去最高の女性就業率:その裏を読む」
女性の就業率は空前の高さです。総務省「労働力調査」によると、2018年は15~64歳女性の就業率が69.6%に達し、その2年前(2016年)から米国やフランス(ともに67%)を上回っています。景気回復が始まった2012年からの6年間で9ポイントも上がり、世界的にみてもとても早いペースの上昇となりました。30代を中心に出産や育児によって働く人が減る「M字カーブ現象」が解消されつつあるようにも見えます。
◇「副業・兼業の場合の労働時間管理の在り方に関する検討会」報告書を公表
厚生労働省は、「副業・兼業の場合の労働時間管理の在り方に関する検討会」の報告書を公表しました。「健康管理」「上限規制」「割増賃金」の今後の方向性について、考えられる選択肢を例示しています。「上限規制」については、「労働者の自己申告を前提に、通算して管理することが容易な方法を設けること」などとし、「割増賃金」については、「労働者の自己申告を前提に、通算して割増賃金を支払いやすく、かつ時間外労働の抑制効果も期待できる方法を設けること」などとしています。
◇2018年度の監督指導による賃金不払残業是正結果を公表
厚生労働省は、時間外労働などに対する割増賃金が支払われていないとして2018年度に労働基準法違反で是正指導した結果を公表しました(支払額が1企業で計100万円以上となった事案)。1,768企業に対し、合計125億6,381万円の支払いを指導。対象労働者数は11万8,837人。支払総額は前年度比320億7,814万円減、対象労働者数は同8万9,398人減と、いずれも大幅な減少となりました。
◇2018年の労働争議320件、9年連続の減少
厚生労働省は、2018年「労働争議統計調査」の結果を公表しました。労働争議の総件数は、前年より38件減の320件で9年連続の減少。比較可能な1957年以降、最も少ない結果となりました。争議の主な要求事項(複数回答)は、「賃金」に関するものが162件(前年181件)と最も多く、次いで「経営・雇用・人事」に関するもの117件(同122件)、「組合保障及び労働協約」に関するもの88件(同117件)などとなっています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和1年7月中の主なトピックス

◇賃金等請求権の消滅時効について検討
厚生労働省は「第153回労働政策審議会労働条件分科会」資料をHPで公表しました。議題は、「賃金等請求権の消滅時効について」などで、「賃金等請求権の消滅時効のあり方に関する検討会」の「論点整理」等が資料として示されました。「論点整理」は、賃金等請求権の消滅時効期間については、「将来にわたり2年のまま維持する合理性は乏しく、労働者の権利を拡充する方向で一定の見直しが必要」とする一方、年次有給休暇については、「繰越期間を長くした場合、年次有給休暇の取得率の向上という政策の方向性に逆行するおそれがあることから、必ずしも賃金請求権と同様の取扱いを行う必要性がないとの考え方でおおむね意見の一致がみられる」などとしています。
◇児童のいる世帯 母の「仕事あり」の割合は72.2%
厚生労働省は、2018年「国民生活基礎調査」結果を公表しました。高齢者世帯は1,406万3,000世帯(前年調査1,322万3,000世帯)、全世帯の27.6%(同26.2%)となり、世帯数、割合とも過去最高。児童のいる世帯における母の「仕事あり」の割合は72.2% (同70.8%)。1世帯当たり平均所得金額は、551万6,000円(同560万2,000円)と減少、生活意識が「苦しい」とした世帯は57.7%(同55.8%)に上っています。
◇消費者マインドの基調判断、「弱まっている」で据え置き
内閣府は、2019年6月の「消費動向調査」結果を公表しました。「消費者態度指数(二人以上の世帯、季節調整値)」は、前月から0.7ポイント低下して38.7。9カ月連続で前月を下回りました。指数を構成する4項目のうち、「耐久消費財の買い時判断」、「暮らし向き」及び「雇用環境」が前月から低下、「収入の増え方」は前月と変わらずとなっています。消費者マインドの基調判断は、「弱まっている」で据え置いています。
◇外国人採用企業の7割が「良い人材が採用できている」
ディップは、「日本企業の外国人採用への意向度調査」結果を発表しました。外国人の採用方針について、「採用を行っている」(44.9%)、「採用を行っていなかったが今後は行いたい」(9.5%)、「採用を行っていないし今後も行う予定もない」(45.6%)との結果となりました。外国人採用企業のうち、69.5%が「良い人材が採用できている」と回答。外国人採用をしていない理由は、「社内の受け入れ体制」、「外国人の採用実績がない」、「在留資格などの手続きが面倒」など企業側の体制や課題が上位を占めています。
◇中途入社者の「離職意向度の低減」に寄与する上司とのコミュニケーションは「雑談」
リクルートキャリアは、中途入社後5年未満を対象とした「中途入社後活躍調査」結果を発表しました。「上司とのコミュニケーション」について、その量・内容・頻度・手段について比較したところ、短時間でも、雑談と会社や組織の方針の意義、自分の役割・目標の意義に関する会話をしているなど、コミュニケーションを行っている人の方が離職意向の低い人が多く、かつパフォーマンスを発揮している人が多い傾向が見られるとしています。
◇女性の管理職意向は子どもの年齢とともに回復
パーソル総合研究所は、ワーキングマザー調査結果(活躍編)を発表しました。管理職として働きたいワーキングマザーは、出産前で19.6%。3歳未満の子どもがいるときで7.7%と低下しますが、子どもが成長した将来について尋ねると、5年後(子供が中学生~高校生)で20.0%、10年後(子どもが高校生~大学生)で23.7%へと上昇します。管理職の意向は、出産で一時的に下がるが、子どもの年齢とともに回復することが明らかになったとしています。
◇ライト工社員が過労死 残業月100時間超、労基署認定
土木・建築工事のライト工業の男性社員(当時30歳)が2017年に自殺したのは、月100時間超の残業による精神疾患が原因だったとして、向島労働基準監督署(墨田区)が労災認定していたことが、分かりました。代理人の川人博弁護士らが同日、都内で記者会見して明らかにしたものです。
◇8割の企業が賃上げ
東京商工リサーチは2019年度「賃上げに関するアンケート調査」結果を発表しました。2019年の賃上げ実施企業は80.9%(前年度82.2%)。中小企業では、賃上げ理由として「従業員引き留め」の回答が半数近く(46.0%)になりました。人手不足を背景に賃上げ圧力が強まっている企業が多いとしている。賃上げ内容の最多は「定期昇給」(78.8%)。以下、「ベースアップ」(42.0%)、「賞与(一時金)の増額」(32.9%)などとなっています。
◇働き方改革に取り組んでいる企業、対前年比1割増
NTTデータ経営研究所は、「働き方に関する調査」結果を発表しました。働き方改革に取り組む企業は49.3%(対前年比10.4ポイント増)。働き方改革に取り組む企業の従業員は、取り組んでいない企業と比べて、働きやすさを感じている割合が3割弱高い結果となりました。一方で、働き方改革に取り組んでいる企業の従業員が感じるプラスの変化として、「休暇の取りやすさ」は5.3ポイント増加(32%→37.3%)しているものの、「労働時間の減少」をはじめとしてプラスの変化を挙げる割合が昨年度比で減少しています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和1年6月中の主なトピックス

◇SNS相談事業の実施結果を公表、「メンタル不調」がトップ
厚生労働省は、2018年10月~2019年3月に行われたSNS相談事業の実施結果(18年度下半期分)の概要を公表しました。同省では、若者が日常的なコミュニケーション手段として利用するSNSを活用した相談事業を行っています。相談延べ件数は1万3,177件。年齢別では、19歳以下及び20歳代を合わせて約8割を、また、男女別では、女性が9割を占めています。相談内容別では、「メンタル不調」(4,493件)が最も多く、次いで「家族」(2,475件)、「学校」(1,670件)となっています。
◇男性管理職のメンタル不調は深刻化
日本産業カウンセラー協会は、同協会・相談室への対面による相談と電話相談「働く人の悩みホットライン」の利用状況等について統計結果を発表しました。男女とも40代を頂点に30代~50代の相談が7割を占め、昇進や転職など、人生の岐路に立つ世代の相談が多いとみているようです。「メンタル不調・病気」の相談は、男性が女性に比べて2倍以上多く、年齢別では40代男性の比率が他の年代に比べて多いことから、中間管理職世代で「メンタル不調・病気」の悩みを抱える人が多いとしています。
◇入社企業への納得度、企業のWeb情報や社会人の話も影響
リクルートキャリアは、「入社企業への納得度調査」結果を発表しました。どのような情報収集行動によって入社先の納得度に差が生まれるのかを分析したものです。インターンシップの参加有無は影響が大きくなっているものの、企業等のホームページ、OB・OGなど社会人の先輩から得られる情報など、就活では当たり前な活動が明暗を分けるとしています。
◇今年の新入社員は「社会人としてのルール」よりも「仕事のスキル」を身につけることを重視
リクルートマネジメントソリューションズは、「2019年新入社員意識調査」結果を発表しました。同調査は新入社員に対して、期待や不安などに関する5つの質問を行い、結果を経年比較したものです。「働いていてく上で大切にしたいこと」は、昨年まで1位だった「社会人としてのルール・マナーを身につける」ことに代わり、「仕事に必要なスキルや知識を身につけること」がトップに。また、職場では「鍛えあう」ことよりも「個性を尊重しながらの助けあい」をより強く求めるようになったとしています。
◇新卒入社の会社で「定年まで働き続ける」と考えている新入社員は約2割
マイナビは、「2019年新入社員1カ月後の意識調査」結果を発表しました。新卒で入社した会社で「定年まで働き続ける」と考えている新入社員は21.8%、働く予定が「5年以内」37.1%、「6~10年ぐらい」9.8%、「10年以上」7.6%などとなりました。今の会社で長く働き続けたいと思わない理由は、「ライフステージに合わせて働き方を変えたいから(結婚・出産など)」が44.4%で最多。次いで「転職でキャリアアップしていきたいから」29.7%、「色々な会社で経験を積んでいきたいから」28.9%などとなっています。
◇要介護(要支援)認定者数658.2万人
厚生労働省は3日、「介護保険事業状況報告」(2019年3月暫定版)を公表しました。2019年3月末現在、要介護(要支援)認定者数は658.2万人で、うち男性296.9万人、女性451.4万人。第1号被保険者(3,525万人)に対する65歳以上の認定者数の割合は約18.3%でした。
◇男性の育児休業取得者の割合、6年連続で上昇
厚生労働省は、2018年度の「雇用均等基本調査(速報版)」を公表しました。育児休業取得者の割合は、女性82.2%(対前年度比1.0ポイント低下)、男性6.16%(同1.02ポイント上昇)で、男性の取得者の割合は6年連続で上昇しています。
◇日本は父親の育児休業制度は1位だが、取得率は低い
ユニセフ(国連児童基金)は、報告書「先進国における家族にやさしい政策」を発表しました。経済協力開発機構(OECD)または欧州連合(EU)に加盟する国を、「家族にやさしい政策」を基準に順位付けしたもので、日本については比較可能なデータが足りないため総合順位はありませんが、母親の育児休業制度は16位、父親の育児休業制度は1位(いずれも41カ国中)のようです。なお、後者については、父親に6カ月以上の有給育児休業期間を設けた制度を整備している唯一の国ですが、2017年に取得した父親は20人に1人にとどまり、取得率は低いとしています。
◇「時間外労働の上限規制」、認知度は96%
エン・ジャパンは、「時間外労働の上限規制」実態調査結果を発表しました。大企業は本年4月、中小企業は来年4月から施行される「時間外労働の上限規制」法について、96%が「知っている」と回答。施行1年前の昨年と比較すると「知っている」と回答した企業は20ポイント増加し、認知の拡大が伺えるとしています。「時間外労働の上限規制」法に対して、「よいと思う」は66%、「良くないと思う」は31%です。
 
出所:労働政策研究・研修機構

令和1年5月中の主なトピックス

◇消費者マインドの基調判断、「弱まっている」で据え置き
内閣府は、2019年4月の「消費動向調査」結果を公表しました。「消費者態度指数(二人以上の世帯、季節調整値)」は、前月から0.1ポイント低下して40.4。7カ月連続で前月を下回りました。指数を構成する4項目のうち、「雇用環境」及び「暮らし向き」が前月から上昇、「耐久消費財の買い時判断」及び「収入の増え方」が前月から低下しました。消費者マインドの基調判断は、「弱まっている」で据え置かれています。
◇「有給休暇の取得義務化」、4社に1社が義務化に否定的
エン・ジャパンは、「有給休暇の取得義務化」実態調査結果を発表しました。本年4月1日から、10日以上の有給が付与される全ての労働者に対して、毎年5日間、時季を指定して有給を取得させることが企業に義務化されましたが、取得義務化についての印象をたずねたところ、「良いと思う」(73%)、「良くないと思う」(26%)で、4社に1社が義務化に否定的。有給休暇の取得義務化への課題は、「人員不足」(65%)、「業務量が人に偏っている」(60%)などとなっています。
◇2020年3月卒業予定の大学4年生の内定率は51.1%
ディスコは、2020年3月卒業予定の大学4年生等を対象に行った「キャリタス就活2020学生モニター調査結果速報(5月1日時点)」を発表しました。内定率は51.1%で、前年同期実績を8.9ポイント上回っています。内定を得た企業の従業員規模は1,000人以上の大手企業からの内定が60.9%を占め、内定保持者の今後の活動方針は「内定企業よりも大きい企業を中心に活動」(52.0%)、「内定企業と同規模」(42.2%)などとなっています。
◇介護離職ゼロに向けた一段の両立支援策について検討
内閣府は、「第44回規制改革推進会議」を開催しました。議題は、「介護離職ゼロに向けた一段の両立支援策に関する意見について」「働き方の多様化に資するルール整備について」などとなっており、介護離職ゼロに向けた一段の両立支援策として、「介護休暇の取得単位について、時間単位の取得が可能になるよう、必要な法令改正を行う。」などの措置を講ずるべきだとしています。「働き方の多様化」に関しては、副業・兼業推進との関連における労働時間の把握・通算のあり方などが論点とされました。
◇裁量労働制の女性、適応障害に 長時間残業で労災認定
東京都内の建築設計事務所で専門業務型の裁量労働制を適用された20代女性が、長時間残業が原因で適応障害になり、中央労働基準監督署(東京)が3月18日付で労災認定していたことが分かりました。女性を支援する労働組合が同日、都内で記者会見して明らかにしたものです。
◇景気の基調判断を「悪化を示している」に下方修正
内閣府は、2019年3月の「景気動向指数(速報)」を公表しました。景気の現状を示す「一致指数」は99.6で、前月比0.9ポイント下降し、2カ月ぶりの下降で、「生産指数(鉱工業)」、「有効求人倍率(除学卒)」などがマイナスに寄与しました。一致指数の基調判断は、「下方への局面変化を示している」から「悪化を示している」に下方修正されました。
◇正規職員・従業員34万人増加
総務省は、「労働力調査(詳細集計)」速報結果を公表しました。2019年1~3月期平均の役員を除く雇用者は5,620万人。うち、正規の職員・従業員は、前年同期比34万人増の3,457万人。非正規の職員・従業員は、同45万人増の2,162万人。非正規の職員・従業員について、男女別に現職の雇用形態についた主な理由をみると、男女共に「自分の都合のよい時間に働きたいから」が最も多い結果となっています。
◇自社の事業所所在地における災害リスクの認知度は47.6%
東京商工会議所は、「会員企業の防災対策に関するアンケート」2019年調査結果を発表しました。自社の事業所所在地における災害リスクの認知度は47.6%。BCP(事業継続計画)策定率は29.1%。BCP策定企業では、7割以上が「教育・訓練」や「点検・見直し」等をしていると回答、一方で、BCP未策定企業では、策定に必要な事項として5割以上が「ノウハウ・スキルを習得する研修、専門家への相談制度」を挙げています。
◇70歳までの就業機会確保のための法整備を提起
政府は、「第27回未来投資会議」を開催しました。議題は「全世代型社会保障における高齢者雇用促進及び中途採用・経験者採用促進」と「成長戦略総論の論点」。70歳までの就業機会確保のため、定年廃止、70歳までの定年延長、個人の起業支援など法制度上で許容する選択肢を提示した上で、70歳までの雇用確保を努力義務化するとしています。2010年の通常国会への法案提出を目指すということです。
 
出所:労働政策研究・研修機構

31年4月中の主なトピックス

◇今年の新入社員は失敗を恐れる傾向
日本能率協会は、「2019年度 新入社員意識調査」結果を発表しました。仕事をしていく上で不安に感じていること(3つまで選択可)は、「仕事での失敗やミス」と「上司・同僚など職場の人とうまくやっていけるか」が43.0%で同率トップ。転職を考えるシチュエーションは、「パワハラやセクハラにあったとき」(76.8%)、「職場の人間関係が悪いとき」(73.5%)などとなっています。
◇今後3年間に雇用者を増やす見通しの上場企業69.3%、調査開始以降の最高水準
内閣府経済社会総合研究所は、2018年度「企業行動に関するアンケート調査」結果を公表しました。「今後3年間」(2019~21年度平均)に雇用者を増やす見通しの企業の割合は、上場企業は69.3%と前年度調査(69.0%)に比べ増加し、1992年度の調査開始以降で最高水準。一方、中堅・中小企業では58.7%と前年度調査(59.4%)に比べ減少しました。
◇電子メール等での労働条件の明示に関するリーフレットを公表
改正労働基準法により、労働契約を締結する際の労働条件の明示の方法について、書面交付の他に、4月1日から、労働者が希望した場合は、FAXや電子メール、SNS等でも明示できるようになったことを受けて、電子メール等を利用する場合の留意点について、具体例をあげて説明しています。
◇コンプライアンス違反倒産は3年ぶりに増加
帝国データバンクは、「コンプライアンス違反企業の倒産動向調査」結果を発表しました。2018年度のコンプライアンス違反倒産は233件判明(前年度比0.9%増)し、3年ぶりに増加。違反類型別では「粉飾」が73件で最多、詐欺や横領などの「資金使途不正」が59件と過去2番目の高水準となっています。
◇3年連続で中小の賃上げ額が大手を上回る
金属労協(JCM、高倉明議長)は、都内にある本部で記者会見を開き、3月29日までの賃上げ交渉の回答状況を公表しました。ベースアップや賃金改善などの賃上げ額の平均は1,383円で、昨年の同時期に比べ69円のマイナスとなったものの、3年連続で299人以下の組合が1,000人以上の組合を上回りました。
◇独立・開業、4割が「興味がある」と回答
マイナビは、「2019年版 独立・開業に対する意識調査」結果を発表しました。全体の41.3%が「独立・開業に興味がある」と回答。独立・開業について、興味を持ったきっかけは「収入を増やしたい」(27.9%)、もっとも重視するポイントは「自分のペースで働ける・自分の時間を持てること」(18.0%)がそれぞれ最多となりました。
◇男性の育休取得率向上へ、相談窓口を社内に設置
ノバレーゼは、男性の育児休暇の取得をサポートする社内窓口を3月から設置すると発表しました。窓口では、1週間の育休取得を勧める社内プロジェクト(「ファミリーウイーク」:出勤日5日間と公休2日間を組み合わせて1週間の育児のための休暇をとること)の普及につとめます。同時に、育休休暇の手続きや休暇中の収入、適切な取得時期といった取得者の疑問や悩みの相談に応じるとしています。
◇企業の98.4%が事業所内保育所を未設置
東京商工リサーチは、「事業所内保育所」設置に関するアンケート調査結果を発表しました。事業所内に保育所を「設置していない」企業は全体の98.4%となっています。施設の設置・運営を検討する上で障壁となる要素(複数回答)は、「保育士(スタッフ)の人材確保」(構成比64.5%)が最多、次いで、「施設のランニングコスト」(同61.3%)などとなっています。
◇「中途入社者の定着率が低い」と感じている企業は4割
エン・ジャパンは、直近3年間で中途入社者(正社員)がいる企業を対象とした「中途入社者の定着」実態調査結果を発表しました。中途入社者の定着率について、37%が「定着率が低い」と回答。業種別では「流通・小売関連」が51%、企業規模別では「1,000名以上」が48%で、それぞれ最多。定着率向上のための取り組みは「定期で行なう人事や上司との面談」(53%)がトップで、「定着率の寄与度」も高いとの評価になっています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

31年3月中の主なトピックス

◇賃上げ企業割合は2年連続で上昇
日本政策金融公庫は、「中小企業の雇用・賃金に関する調査」結果を発表しました。2018年12月時点で、正社員の給与水準を前年から「上昇」させた企業は57.4%で、上昇の背景は「自社の業績が改善」(36.2%)、「採用が困難」(25.4%)、「同業他社の賃金動向」(12.4%)などとなっています。また、正社員が「不足」と回答した企業は60.8%、「適正」は34.5%、「過剰」は4.7%。業種別では、運送業(83.5%)、建設業(74.7%)、情報通信業(72.7%)などで「不足」と回答した割合が高くなっています。
◇社内失業者がいる企業は、予備軍を含めて23%
エン・ジャパンは、「社内失業」実態調査結果を発表しました。社内失業とは、労働者が正社員として企業に在籍しながら、仕事を失っている状態のことです。7割が「社内失業の概念を知らない」と回答。社内失業者がいる企業は、予備軍を含めて23%で、業種別では「メーカー」(28%)、「流通・小売関連」(25%)などで、企業規模別では「1,000名以上」(41%)、「300~999名」(37%)となっています。
◇負債1,000万円未満の企業倒産3年連続で前年を上回る
東京商工リサーチは、2018年「負債1,000万円未満の倒産」調査結果を発表しました。企業倒産は521件(前年比6.5%増)、3年連続で前年を上回りました。一方、「負債1,000万円以上」の企業倒産は8,235件(前年比2.0%減)で、10年連続で前年を下回っています。
◇「テレワーク勤務」「柔軟な短時間勤務」を導入
サンデンホールディングスとグループ子会社は、より柔軟な働き方が可能になる制度として「テレワーク勤務」と「柔軟な短時間勤務」を2月末より導入すると発表しました。テレワーク勤務の日数は週2日以内、柔軟な短時間勤務の勤務時間は実働4時間20分から30分単位で選択可としています。
◇長時間労働に繋がる商慣行の実態を調査
中小企業庁は、「長時間労働に繋がる商慣行に関するWEB調査」結果を公表しました。同調査は、長時間労働に繋がる商慣行として「繁忙期対応」と「短納期対応」が挙げられていることから、その背景にある実態の把握を目的としたものです。「繁忙期」は約7割の企業で発生し、建設業、食料品製造業、紙・紙加工品産業、印刷産業、トラック運送業・倉庫業では8割超になっています。「短納期受注」は6割の企業で発生。繁忙期対応によって8割、短納期受注によって6割の企業が、従業員の平均残業時間が「増加する」としています。
◇教職員団体全体への加入率33.3%、43年連続の低下
文部科学省は、公立学校教職員の2018年度の「教職員団体への加入状況」に関する調査結果を公表しました(2018年10月1日現在)。教職員団体全体への加入率は33.3%(前年度34.1%)で、1976年以降43年連続の低下となっています。
◇中小の賃上げ要求額が大手を上回る
金属労協(JCM、議長=高倉明・自動車総連会長)は、本部で記者会見を開き、賃上げ要求状況を公表しました。1,606組合が賃上げ要求しており、賃金構造維持分に上乗せする賃上げ分の平均要求額は4,022円。組合規模別にみると、299人以下が4,182円に対し、1,000人以上が3,440円と、中小の要求額が大手を上回る状況となっています。
◇希望する障がい配慮、第1位は「通院への配慮有り」
スタートラインは、「障がい者の就職・転職に関する意識調査」結果を発表しました。希望する障がい配慮は、「通院への配慮有り」(19.3%)、「就業時間や日数、休憩時間などの配慮有り」(18.9%)などで、就職・転職を考えるにあたり重視するポイントは、「仕事内容」(13.4%)、「障がい配慮が有る」(13.3%)などとなっています。
◇半数が「仕事の達成感」を感じることができず転職を意識
リクルートキャリアは、課長以上を対象とした「管理職の転職意向」調査結果を発表しました。転職活動のきっかけは、「仕事の達成感が感じられない」(49.8%)、「自分の仕事が評価されていない」(44.9%)、「上司のマネジメントへの不満」(44.9%)、「会社の将来性への不安」(44.0%)などで、転職先を選ぶ際に重視する項目は、「自分の専門性を活かすことができる」(69.5%)、「仕事の成果や業績が正当に評価される」(60.7%)などでした。
 
出所:労働政策研究・研修機構

31年2月中の主なトピックス

◇「人材不足の部門がある」企業は9割定
エン・ジャパンは、2019年「企業の人材不足」実態調査結果を発表しました。「人材が不足している部門がある」と回答した企業は89%で、16年調査に比べて5ポイント上昇。業種別では、「IT・情報処理・インターネット関連」、「不動産・建設関連」、「メーカー」がいずれも91%でトップ。不足している職種は、「営業職(営業、MR、人材コーディネーター他)」が35%で最多となっています。
◇転職者の3割が「前職と比べて賃金が1割以上増加した」
リクルートキャリアは、2018年10~12月期「転職時の賃金変動状況」を発表しました。前職と比べて賃金が明確に(1割以上)増加した転職決定者数の割合を算出したもので、10~12月期は29.8%となっています。13年度以降、上昇基調が続いていましたが、今期は前年同期比0.5ポイント低下しました。
◇社長の平均年齢59.7歳、過去最高を更新
帝国データバンクは、「全国社長年齢分析(2019年)」結果を発表しました。社長の平均年齢は59.7歳(前年比プラス0.2歳)で過去最高を更新。業種別に見ると、「不動産業」(61.7歳)が最高となっており、「製造業」(61.1歳)、「卸売業」(60.7歳)が続いています。最低は「サービス業」の58.2歳でした。
◇副業制度、8割の企業が導入していない
産業能率大学は、従業員数6人以上300人以下の企業の経営者を対象とした「2019年中小企業の経営施策」結果を発表しました。人員の過不足状況について「不足している」と回答した企業は50.0%でしたが、一方で「適正である」は前回調査(18年調査)から4.0ポイント増加、人材不足は改善の兆しがあるとしています。副業制度については、約8割の企業が未導入で、制度を導入していても利用率は「50%以下」が9割以上を占めています。19年4月から義務付けられる年5日の有給休暇取得についても、53.6%が「まだ対応できていない」としています。
◇働き方改革で管理者の負担増加、部下の認識とすれ違い
日本能率協会マネジメントセンターは、管理者(部長・課長)と部下を対象とした「職場における管理者のマネジメントの実態に関するアンケート調査」結果を発表しました。仕事量について聞いたところ、管理者の61.3%が「部下の残業削減のために、自分の仕事量が増えた」と回答したのに対し、「しわ寄せが上司にいっている」と感じる部下は31.8%に留まっています。部下の多くは自身の労働時間は増えていなくても、その分を上司が負担している実感はあまり無いとしています。
◇入社の決め手は「年収」や「企業規模」よりも「自らの成長期待」
リクルートキャリアは、民間企業への就職が確定している大学生に対して、「就職先を確定する際に決め手になった項目」について尋ねた結果を発表しました。決め手になった項目(複数選択)は、「自らの成長が期待できる」(47.1%)、「福利厚生や手当が充実している」(37.8%)、「希望する地域で働ける」(37.0%)などで、「年収が高い」は18.4%、「会社・団体の規模が大きい」は14.3%に止まりました。
◇中途採用業務、「採用業務に従事できる人員」が最も不足
マイナビは、「中途採用業務の実績調査」結果を発表しました。中途採用活動に関して不足しているのは、「採用業務に従事できる人員」(66.2%)、「採用費用」(57.9%)、「採用業務にあたれる時間」(53.9%)。多様な働き方に関する施策について、「60歳以上の高齢社員の雇用」はすでに52.3%の企業がおこなっており、今後実施したい企業も含めれば64.4%。また、中途採用で外国人を採用したいと考える企業は54.3%、300名以上の企業では7割以上(71.7%)となりました。
◇老舗企業の倒産構成比32.7%、最高記録を更新
東京商工リサーチは、2018年「業歴30年以上の“老舗”企業倒産」調査結果を発表しました。18年に倒産した企業の平均寿命は23.9年(前年比プラス0.4年)、業歴30年以上の老舗企業の構成比は32.7%(同1.5ポイント上昇)で、過去15年間で最高を記録しました。老舗企業の構成比を産業別にみると、製造業は57.1%、卸売業38.6%、農・林・漁・鉱業37.9%などとなっています。
◇「時差勤務」「在宅勤務の拡充」などにより、柔軟な働き方を支援
テルモは、働き方改革の一環として、4月に「時差勤務の導入」「在宅勤務の拡充」など4つの制度を導入・拡充すると発表しました。全社員を対象に、プラスマイナス2時間の範囲で時差勤務を可能とし、現在は育児・介護事由に限定している在宅勤務を、利用事由の制限なく、全社員が利用可能な制度にします。個人のライフスタイルを尊重し、個々人が能力を最大限に発揮できるよう働き方改革を推進するとしています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

31年1月中の主なトピックス

◇「労働施策基本方針」を閣議決定
厚生労働省は、閣議決定された「労働施策基本方針」を公表しました。「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」(旧雇用対策法)で、労働者がその有する能力を有効に発揮することができるようにするために必要な労働に関する施策の総合的な推進に関する基本的な方針を定めるとされたことに基づきまとめたものです。働き方改革実行計画に規定されている施策を中心とし、労働施策に関する基本的な事項などを盛り込んでいます。
◇新しい働き方「いきいきイオン」をスタート
イオンは、障がい者が能力を活かし「いきいき」と働き続けられることを目指し、新しい取組み「いきいきイオン」を同日よりイオンモール幕張新都心(千葉市)でスタートすると発表しました。同取組みは、イオングループ各社で行っていた障がい者の受入れ、働きやすい環境づくり、入社後に行う教育などを共同で行うもの。合同の会社説明会、職場見学会、実習などを通して、一つのチームとなって共通の教育・サポートを受けながら、各社の店舗業務を行っていくとしています。
◇非正規、正社員と同一賃金 働き方改革で待遇改善
物流大手の日本通運は、契約社員など非正規社員の賃金を4月から正社員と同水準に引き上げる方針を明らかにしました。全国に約1万3,000人いる非正規のうち、運転手、営業職などとしてフルタイムで働く数千人を対象とします。同社の社員は約4万人で、正社員は全国転勤のある総合職と、都道府県ごとに採用される地域社員がいます。地域社員と同じ仕事内容の非正規については、賃金や福利厚生の待遇を地域社員と同じ水準に引き上げるとしています。
◇働き方改革関連法への準備状況、「対応済・対応の目途が付いている」半数未満
日本商工会議所は、全国の中小企業を対象とした「働き方改革関連法への準備状況等に関する調査」結果を発表しました。働き方改革関連法の内容について「知らない」と回答した企業は、「時間外労働の上限規制」が39.3%、「年次有給休暇の取得義務化」が24.3%、「同一労働同一賃金」が47.8%。準備状況について、「時間外労働の上限規制」「年次有給休暇の取得義務化」「同一労働同一賃金」ともに「対応済・対応の目途が付いている」企業の割合は半数に満たない状況です。
◇上場企業の希望・早期退職者募集、調査開始以来最少の12社
東京商工リサーチは、2018年「主な上場企業の希望・早期退職者募集状況」調査結果を発表しました。希望・早期退職者を募った上場企業は、2000年に調査を開始以来、最少の12社で、前年の25社から半減。リーマン・ショック翌年の2009年の191社に比べ、9年間で93.7%減と大幅に減少しました。電気機器、医薬品、小売業での大手や有名企業の実施が目立つとしています。
◇インターンシップにより入社志望度が上昇、離職率は低下
パーソル総合研究所は、「企業インターンシップの効果検証調査」結果を発表しました。インターン参加後、その企業への入社志望度が上がった参加者は60.9%、志望度に最も影響する要因は、参加した企業の「社員の優秀さ」への認知。入社後の3年離職率はインターン非参加者が34.1%に対して、参加者は16.5%。インターンを経験することで、入社志望度が上がり人材獲得しやすくなるだけではなく、入社後の定着・活躍の観点からも効果があることが明らかになったとしています。
◇派遣社員の約4割強、4年目以降は「正社員雇用を希望」
日本人材派遣協会は、「2018年度派遣社員WEBアンケート調査」結果を発表しました。4年目以降の働き方として「正社員雇用を希望」は46.7%。正社員打診時に「受け入れられない」とする労働条件は「転居を伴う異動があること」(51.5%)が最も多く、次いで「通勤時間が長くなること」(30.9%)、「休日出勤があること」(22.9%)などとなっています。
◇2019年「社長が注目する会社」1位はソフトバンクグループ
産業能率大学は、従業員数6人以上の企業経営者を対象に実施した2019年「社長が注目する会社」調査結果を発表しました。トップは「ソフトバンクグループ」。5位「ZOZO」、6位「アマゾン・ドット・コム」、8位「メルカリ」となりました。10位の「小野薬品工業」は初のトップ10入りです。
◇「人事制度」における対象家族の範囲を、事実婚や同性パートナーにも適用拡大
オリエントコーポレーションは、人事制度を見直し2019年1月より、配偶者およびその家族に関わる制度を、事実上婚姻関係と同様の事情にある者(事実婚)や同性パートナー(同性婚)にも適用すると発表しました。ダイバーシティ基本方針に基づき、全社員がLGBTへの理解を深め、正しい知識を持ち、差別や偏見なく振る舞える人材となることをめざすとしています。信販業界における当該取組みは初めてです。
 
出所:労働政策研究・研修機構

30年12月中の主なトピックス

◇ミドルの約4割が「65歳以上になっても働きたい」
マンパワーグループは、直近3年以内に転職した35~55歳の正社員男女を対象とした、今後の働き方への意識についての調査結果を発表しました。働きたいと思う年齢の上限は、「60~64歳」(39.0%)、「65~69歳」(32.5%)などとなりました。「70歳以上」(9.3%)を合わせると、「65歳以上になっても働きたい」という人が約4割を占めています。勤務している会社が導入している継続雇用制度については、「再雇用」(48.8%)、「定年延長」(21.3%)、「勤務延長」(18.8%)、「定年制廃止」(11.3%)などです。
◇年末一時金、2.42カ月/連合・第2回回答集計
連合は、「2018春季生活闘争・年末一時金第2回回答集計」(11月29日正午締切)結果を発表しました。年末一時金は、2.42カ月、71万711円。「春の交渉で多くの組合が妥結しているが、現時点でも粘り強く交渉を継続している組合がある」としています。
◇約8割の企業で、障がい者の業務にITを活用
野村総合研究所とNRIみらいは、第4回「障害者雇用に関する実態調査」結果を発表しました。障がい者を雇用する上場企業や特例子会社の約8割が、障がい者の業務にITを導入しており、活用方法は、「データ入力や入力内容のチェック」、「メール、社内イントラネット等による連絡」という回答が多くなっています。
◇開業者に占める女性割合、過去最高
日本政策金融公庫総合研究所は、日本政策金融公庫が2017年4月から同年9月にかけて融資した企業のうち、融資時点で開業後1年以内の企業を対象としたアンケート調査結果を発表しました。開業者に占める女性の割合は19.9%で、1991年度の調査開始以来最高となりました。
◇トヨタ、「常務」廃止発表 意思決定を迅速化
トヨタ自動車は、執行役員のうち常務役員と技術系で役員待遇の常務理事のポストを来年1月に廃止すると正式発表しました。同時に常務や部長級、室長級を統合した資格として「幹部職」を新設。組織の階層を減らし、意思決定の迅速化を図るとしています。
◇世界の賃金上昇率は2008年以降で最低
ILOは、「Global wage report 2018/19」を刊行しました。世界136カ国のデータをもとにした17年の世界の賃金上昇率は1.8%(16年2.4%)となりました。この数字は、08年以降最も低く、物価上昇率を調整した実質ベースで、世界金融危機前の水準を遙かに下回ったものです。また、主要20カ国・地域の中でも、日本など先進国の伸びは16年の0.9%が17年には0.4%に低下したとしています。
◇10月の二人以上世帯の消費支出、前年同月比実質0.3%減
総務省は、2018年10月の「家計調査報告」(速報)を公表しました。二人以上世帯の1世帯当たりの消費支出は、前年同月比実質0.3%減の29万396円。勤労者世帯の実収入は、1世帯当たり同2.9%減の51万5,729円。いずれも調査方法の変更の影響による変動を調整した推計値です。
◇海外大学に在籍する学生の7割超が「出世に関心あり」
ディスコは、海外大学に在籍する学生を対象に行った「就職希望企業ランキング調査」結果を発表しました。理想の働き方については、「出世や名をあげることに興味がある」(71.1%)と考える学生は「出世には興味がない」(34.2%)を大きく上回っています。
◇3割の企業は、選考合格者数が計画を下回る
リクルートキャリアは、中途採用を実施している人事担当者を対象に行った「中途採用の課題」について調査結果を発表しました。「選考合格者数」の状況について、計画を「下回っている」企業は35.7%で、「上回っている」企業の15.9%より多い結果となりました。また、計画を「上回っている」と回答した企業の方が、採用業務に経営者、部門責任者が関与している割合が高い結果となっています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

30年11月中の主なトピックス

◇賃上げ要求は2%程度基準、「賃金水準」に重点
連合(神津里季生会長)は、都内で2019春季生活闘争に向けた中央討論集会を開き、闘争方針の基本構想を議論しました。本部からの構想提起のなかで要求の具体的な考え方が示され、賃上げ要求については、前年と同様に「2%程度を基準(定昇相当含め4%程度)」としました。ただし、「これまで以上に“賃金水準”に重きをおいた取り組みとする」(神津会長)ため、中小労組や非正規労働者の格差是正を重視。社会横断的な水準の確保に向けた具体的な指標を示しています。このなかで、同一労働同一賃金の実現に向けて、高卒初任給から割り戻した時給の参考値として1,050円を提示しています。
◇ミドルの52%が転職後に年収アップ
エン・ジャパンは、35歳以上の転職経験者を対象にした「転職後の年収」調査結果を発表しました。転職後の年収の変化を聞いたところ、「上がった」(52%)、「下がった」(32%)、「変化なし」(16%)との結果が得られました。「年収が上がった」とする回答者が年収を上げるために意識したことは(複数回答可)、「経験が活かせるポジションであること」(60%)、「将来性がある企業・業界であること」(37%)、「スカウトオファーから選ぶ」(23%)などとなっています。
◇住友商事、テレワーク導入 11月、上限は週14時間半
住友商事は国内で勤務する全社員を対象に、自宅のほか、本来の勤務場所から離れている「サテライトオフィス」で働くことを認めるテレワーク制度を、11月に導入すると発表しました。1週間の上限は2日分の勤務時間に相当する14時間半で、3日以上に割り振ることも可能。時間や場所にとらわれない働き方を取り入れ、生産性を高めるのが狙いです。
◇女性国家公務員の登用状況、男性国家公務員の育児休業取得率、ともに過去最高
内閣官房内閣人事局は、女性国家公務員の登用状況及び国家公務員の育児休業等の取得状況を公表しました。2018年7月時点の女性国家公務員の登用状況は、いずれの役職段階でも、調査開始以来過去最高。また、2017年度に新たに育児休業を取得した男性職員の割合(取得率)は10.0%、「男の産休」の5日以上使用率は51.9%で、いずれも調査開始以来過去最高となっています。
◇正規職員・従業員65万人増加
総務省は、「労働力調査(詳細集計)」速報結果を公表しました。2018年7~9月期平均の役員を除く雇用者は5,618万人。うち、正規の職員・従業員は、前年同期比65万人増の3,500万人。非正規の職員・従業員は、同68万人増の2,118万人。非正規の職員・従業員について、男女別に現職の雇用形態についた主な理由をみると、男女共に「自分の都合のよい時間に働きたいから」が最も多い結果となりました。
◇9月の二人以上世帯の消費支出、前年同月比実質1.6%減
総務省は、2018年9月の「家計調査報告」(速報)を公表しました。二人以上世帯の1世帯当たりの消費支出は、前年同月比実質1.6%減の27万1,273円。勤労者世帯の実収入は、1世帯当たり同1.5%減の44万7,459円。いずれも調査方法の変更の影響による変動を調整した推計値です。
◇社員の「服装の選択肢」を拡大し、柔軟な発想と充実した働き方を実現
伊藤忠テクノソリューションズは、10月から、従来のビジネスカジュアルに加え、ジーンズやスニーカーも選択できるよう「服装」の枠組みを広げたと発表しました。社員が「柔軟な発想」で新たな価値を見出し、自分らしい「充実した働き方」を選択できる仕組みとなっており、今回の服装についての施策の導入で、社員が工夫し表現できる機会を増やし、柔軟で豊かな発想を促していくとしています。
◇カゴメ、都内に保育所設立 従業員のキャリア形成を支援
カゴメは、来年4月に東京本社(中央区日本橋)の近隣に「野菜を好きになる保育園ベジ・キッズ」を開設すると発表しました。働き方改革の一環で、社員のキャリア形成を支援する目的とのことです。なお、同社が保育所を設立するのは初めてです。
◇懲戒解雇を議題とする団体交渉の申入れに応じなかったことは、不当労働行為に該当
中央労働委員会は、日本空手協会不当労働行為再審査事件について、労働組合執行委員長Aの懲戒解雇を議題とする団体交渉の申し入れに対して、協会が応じなかったことは、労働組合法第7条第2号の不当労働行為に当たるとして、初審都労委の命令を維持し、協会の再審査申立てを棄却しました。本件は、懲戒解雇を議題とする団体交渉申入れに対して協会が応じなかったことが不当労働行為であるとして救済申立てがあり、初審都労委は、不当労働行為に該当するとしたところ、協会はこれを不服として再審査を申し立てた事案です。
 
出所:労働政策研究・研修機構

30年10月中の主なトピックス

◇私傷病休暇、「正社員と有期雇用従業員に同じ制度がある」企業の割合は58.6%
人事院は、「2017年民間企業の勤務条件制度等調査結果の概要」を公表しました。有期雇用従業員の休暇制度をみると、私傷病休暇がある企業は56.6%、うち「正社員と有期雇用従業員に同じ制度がある」企業は58.6%、配偶者の出産休暇がある企業は73.0%、うち「同じ制度がある」企業は59.5%、結婚休暇がある企業は92.5%、うち「同じ制度がある」企業は56.6%となっています。
◇一般職国家公務員、男性の育休取得率18.1%で過去最高
人事院は、2017年度における一般職国家公務員の「仕事と家庭の両立支援関係制度利用状況調査」結果を公表しました。育児休業取得率は、女性99.7%、男性18.1%となりました。男性の取得率は前年度比3.6ポイント上昇し、過去最高。配偶者出産休暇の取得率86.2%(前年度82.2%)及び育児参加のための休暇の取得率77.6%(同66.0%)もともに過去最高。
◇2017年の年間平均給与432.2万円、前年比2.5%増
国税庁は、2017年分「民間給与実態統計調査」結果を発表しました。年間平均給与は432.2万円で前年比2.5%増。正規・非正規別にみると、正規は493.7万円(同1.4%増)、非正規は175.1万円(同1.7%増)となりました。
◇新規高卒就職者の約4割、新規大卒就職者の約3割が、就職後3年以内に離職
厚生労働省は、2015年3月卒業の新規学卒者の離職状況を公表しました。卒業後3年以内の離職率は、大学31.8%(前年比0.4ポイント減)、高校39.3%(同1.5ポイント減)、中学64.1%(同3.6ポイント減)。同省では、求職者に対応するため、平日の夜間と土日に電話とメールで利用できる無料相談窓口「おしごとアドバイザー」を通じて、引き続き支援を行っていくとしています。
◇10月より月曜日の午前中に「営業休」を導入
株式会社オウケイウェイヴは、10月より月曜日の午前中に「営業休」を導入すると発表しました。「休み明けの最初の出勤日の午前中の生産性の低さ」等のいわゆる「ブルーマンデー症候群」に関する指摘に目を向け、ワークライフバランスを考えることにより、一層の業務効率化や生産性向上、仕事へのモチベーションの向上、心身両面の健康管理に資するとして、導入を決めたということです。今回の制度導入で従業員へは待遇上の不利益は一切生じない運用をするとしています。
◇年次有給休暇の取得促進
厚生労働省は、年次有給休暇を取得しやすい環境整備推進のため、10月を「年次有給休暇取得促進期間」に設定しています。労働基準法が改正され、2019年4月より、使用者は、年10日以上の年次有給休暇が付与される全ての労働者に対し、毎年5日間について、時季を指定して年次有給休暇を与えることが必要となりました。この制度改正を契機として、計画的付与制度の一層の導入が図られるよう、周知広報に努めていくとしています。
◇要介護(要支援)認定者数651.2万人
厚生労働省は、「介護保険事業状況報告」(2018年7月暫定版)を公表しました。2018年7月末現在、要介護(要支援)認定者数は651.2万人で、うち男性204.6万人、女性446.7万人。第1号被保険者に対する65歳以上の認定者数の割合は約18.2%です。
◇2017年の年休取得日数は9.3日、取得率51.1%
厚生労働省は、2018年「就労条件総合調査」結果を公表しました。17年1年間の年次有給休暇の取得日数は9.3日(前年9.0日)で、取得率は51.1%(同49.4%)。企業規模別にみると、「1,000人以上」(58.4%)、「300~999人」(47.6%)、「100~299人」(47.6%)、「30~99人」(44.3%)。産業別では、「電気・ガス・熱供給・水道業」が72.9%と最も高く、「宿泊業、飲食サービス業」が32.5%と最も低い結果となりました。
◇「人生100年時代」に対して、半数は「ポジティブ」
アデコは、有職者を対象にした「“人生100年時代のキャリアビジョン”に関する意識調査」結果を発表しました。「人生100年時代」に対する意識は、「ポジティブ」(47.9%)、「ネガティブ」(40.8%)となりました。働きたい年齢は、「65歳位まで」(24.0%)、「年齢は問わず、元気な限り働きたい」(22.9%)、「70歳位まで」(20.1%)、「60歳位まで」(14.4%)などとなっています。セカンドキャリア(定年後や今の仕事を持ちながらの副業等)についてのビジョンは、72.8%の人が「持っていない」と回答しています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

30年9月中の主なトピックス

◇イマドキ若手社員の仕事に対する意識調査2018
日本能率協会マネジメントセンターは、「イマドキ若手社員の意識調査2018」結果を発表しました。2017年~2018年に入社した新入社員、新入社員の育成に関わる上司・先輩社員それぞれに対して行っています。新入社員の60.6%が、仕事を通した自身の成長について「一時的に業務の負荷や労働時間が増えても挑戦したい」と回答。一方、上司・先輩社員の58.5%が、新人の成長につながる仕事であっても残業をしないことを優先して、新入社員の業務を減らしていると回答しています。
◇管理職志望の女性は25% 志望する理由は「給与アップ」がトップ
エン・ジャパンは、「女性の活躍」をテーマにしたアンケート調査結果を発表しました。管理職になることに興味はあるか聞いたところ、「ある」が25%、「ない」が(42%)、「どちらとも言えない」が33%との結果となりました。興味がある理由は、「給与を上げたいから」(74%)、「仕事の幅を広げたいから」(61%)、「責任ある仕事にチャレンジしたいから」(60%)とのことです。
◇「2017年 年間集計 パートタイマーの募集時平均時給」を発表
アイデム人と仕事研究所は、2017年のパートタイマーの募集時平均時給(年間集計)を発表しました。東日本エリアの平均時給は1,002円(対前年比0.4%増)、西日本エリアは972円(同22%増)。職種別に見ると、関東エリアで最も増加したのは「配送ドライバー」の62円増、関西エリアは「看護助手」の62円増でした。
◇11時間以上の勤務間インターバル制度を導入
レオパレス21は、「勤務間インターバル制度」を9月1日より全従業員を対象に導入すると発表しました。インターバル制度が普及している欧州の基準レベルに合わせ、インターバル時間を11時間以上とするものです。同制度の導入により、更なる時間外労働時間の削減による働き方改革および健康経営を推進するとしています。
◇シャープ、単身赴任手当を来年から廃止 寮費無償化や交通費支給増を検討
シャープは、転勤により配偶者と別居する社員を対象に支給している単身赴任手当を来年1月以降、全面的に廃止することを明らかにしました。コスト低減につなげるとともに、社員ができるだけ家族と暮らせる環境づくりを進めたい考えに基づくものです。あわせて、寮費の無償化や単身帰宅交通費の支給回数増加などを検討しているということです。
◇「2018年度 地域別最低賃金」を公表 東京都985円など
厚生労働省は、2018年度地域別最低賃金を公表しました。主な都道府県の最低賃金時間額は、北海道835円(前年度810円)、宮城県798円(同772円)、東京都985円(同958円)、愛知県898円(同871円)、大阪府936円(同909円)、広島県844円(同818円)、香川県792円(同766円)、福岡県814円(同789円)などとなっています。発効年月日は10月1日以降です。
◇被保護世帯は163万6,327世帯、前年同月比で減少
厚生労働省は、生活保護法に基づく「被保護者調査」(2018年6月分概数)結果を公表しました。被保護実人員は209万8,790人で、前年同月比2万9,869人減少。被保護世帯は163万6,327世帯で、同4,192世帯減少。世帯類型別では、高齢者世帯が87万世帯(前年同月比1万7,728増)で最多(構成割合54.0)。母子世帯は8万7,026世帯(同6,206減)となっています。
◇7月の二人以上世帯の消費支出、前年同月比実質0.1%増
総務省は、2018年7月の「家計調査報告」(速報)を公表しました。二人以上世帯の1世帯当たりの消費支出は、前年同月比実質0.1%増の28万3,387円。勤労者世帯の実収入は、1世帯当たり同1.6%減の60万5,746円。いずれも調査方法の変更の影響による変動を調整した推計値です。
◇旧姓使用を認めている企業は67.5%
労務行政研究所は、人事労務諸制度の実施状況調査の結果を発表しました。社員の旧姓使用を認めている企業は67.5%で、2001年調査(30.6%)から2倍以上に増加。セクハラ防止規程を定めている企業は69.3%で、2013年の前回調査(49.5%)から約20ポイント増加しています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

30年8月中の主なトピックス

◇2018年4~6月期、99事業所の「再就職援助計画」を認定
厚生労働省は、「再就職援助計画」の2018年度第1四半期(4~6月)分認定状況(速報値)を公表しました。認定事業所数は99事業所で、前年同期比8事業所減少、離職者数は5,116人で同640人の増加となりました。事業規模の縮小等により1カ月間に30人以上の従業員が離職を余儀なくされる場合に、事業主は、同計画を公共職業安定所長へ事前に提出し、認定を受けることが義務付けられています。
◇管理職に占める女性の割合は部長、課長、係長相当職で上昇
厚生労働省は、2017年度「雇用均等基本調査(確報版)」の結果を公表しました。管理職に占める女性の割合は、部長相当職では6.6%(前年度6.5%)、課長相当職では9.3%(同8.9%)、係長相当職では15.2%(同14.7%)でした。また、育児休業制度の規定がある事業所の割合は、事業所規模5人以上では75.0%(同76.6%)、事業所規模30人以上では93.2%(同95.3%)となっています。
◇労働生産性が高い企業群では、顧客満足度が高いと労働生産性も高くなる
日本生産性本部は、顧客満足度と労働生産性の関連についての分析結果を発表しました。労働生産性が高い企業群では、顧客満足度が高いと労働生産性も高くなる傾向が見られました。業種別にみると、こうした傾向は、運輸業や飲食サービス、小売業で見られるとしています。「顧客満足度」の向上は付加価値拡大を通じた生産性向上に重要な役割を果たしうるとの観点から、両者の関係性について初めて分析が試みられました。
◇5割のミドルが「家族に転職を反対され内定辞退したことがある」
エン・ジャパンは、ミドルに聞く「家族の転職反対」調査結果を発表しました。35歳以上を対象にして、家族に転職を反対された経験について尋ねたところ、46%が「はい」と回答。そのうち51%が「内定を辞退したことがある」と回答。転職を反対した家族は「妻」(76%)、「親」(28%)で、転職を反対した理由は「年収が下がる」(50%)、「勤務地が遠い」(20%)などが多くを占めています。
◇「仕事が中心」の生活を理想とする人は1割未満
リクルートキャリアは、仕事とプライベートに関する調査結果を発表しました。仕事とプライベートのバランスについて理想の考えを尋ねたところ、「仕事とプライベートのバランスをとりたい」(71.6%)、「プライベートが中心」(18.8%)、「仕事が中心」(9.6%)との結果となりました。
◇2017年の労働争議358件、8年連続の減少
厚生労働省は、2017年「労働争議統計調査」の結果を公表しました。労働争議の総件数は、前年より33件減の358件で、8年連続の減少。比較可能な1957年以降、最も少なくなりました。争議の主な要求事項(複数回答)は、「賃金」に関するものが181件(前年167件)と最も多く、次いで「経営・雇用・人事」に関するもの122件(同160件)、「組合保障及び労働協約」に関するもの117件(同99件)などとなっています。
◇大企業の夏季賞与、前年比8.62%増の95万3,905円
経団連は、大手企業の2018年夏季賞与・一時金(ボーナス)の業種別妥結結果(最終集計)を発表しました。調査対象の70.5%にあたる177社で妥結、このうち平均額不明などの31社を除く146社の平均妥結額(加重平均)は前年比8.62%増の95万3,905円です。
◇女性役員ゼロが1,563社、全体の65.8%
東京商工リサーチは、「女性役員比率」の調査結果を発表しました。2018年3月期決算の上場企業2,375社の役員総数は2万7,526人(前年2万7,843人)、うち女性役員は1,049人(同933人)で、役員全体の3.8%(同3.3%)。女性役員が1人もいない企業は1,563社(構成比65.8%)で、前年の1,646社(同69.3%)から社数は83社減少し、女性の役員登用に向けた動きは緩やかながら進んでいるとしています。
◇派遣の求人状況が「以前より良くなっている」33%
エン・ジャパンは、「派遣の求人状況」実態調査結果を発表しました。最近の求人状況をどのように感じているか尋ねたところ、「以前より良くなっている」が33%で、調査開始以来初めての減少。「以前より厳しくなっている」は15%。求人状況が良くなっていると感じる理由は、「求人数の増加」(78%)、「時給アップ」(51%)、「勤務曜日や時間の多様性」(48%)。
 
出所:労働政策研究・研修機構

30年7月中の主なトピックス

◇会社員の54.6%が、自分が勤める会社を「昭和的」と評価
ワークスモバイルジャパンは、「昭和的働き方」についての意識調査結果を発表しました。自分が勤める会社や働き方について、54.6%が「昭和的」だと回答。昭和的な働き方のイメージは、「休暇が取りづらい」(56.3%)、「働く時間が長い」(47.9%)、「残業が評価される」(43.3%)など。一方、イマドキな働き方のイメージは、「休暇が取りやすい」(54.3%)、「仕事が終わればすぐに帰っても良い雰囲気がある」(45.5%)「残業時間と評価は関係ない」(43.3%)などとなっています。
◇「無期労働契約への転換」の内容を知らない有期契約労働者は68%
連合は、「有期契約労働者に関する調査2018」結果を発表しました。2013年4月施行の改正労働契約法について、「無期労働契約への転換」の内容を知らない有期契約労働者は68%、無期転換申込権対象者のうち4人に1人が「無期転換を申し込んだ」と回答しています。
◇定年前正社員の8割が、定年後も働くことを希望
明治安田生活福祉研究所は、「50代・60代の働き方に関する意識と実態」調査結果を発表しました。現在の勤務先に限らず定年後も働きたいか尋ねたところ、定年前正社員の8割が、定年後も働くことを希望。定年後も働いていたい由のトップは、60代前半は「日々の生計維持のため」、60代後半は「生活のハリ・生きがいを持つため」ということです。
◇ミドルの3割が「現在、副業をしている」
エン・ジャパンは、ミドルに聞く「副業(パラレルキャリア)」実態調査結果を発表しました。35歳以上の転職経験者に対して、副業について尋ねたところ、3割が「現在、副業をしている」と回答しました。副業をしている理由は、年収1,000万円以上では「知見・視野が広がる」67%、「新しい人間関係を構築できる」50%など。年収1,000万円未満では、「報酬が得られる」60%、「本業の収入だけでは充足していない」42%、「知見・視野が広がる」42%などとなっています。
◇特別転進支援施策(希望退職の募集)を実施
日本電気は、特別転進支援施策(希望退職の募集)を含む人財活用施策について、6月28日に労使合意に至ったと発表しました。社外で自らの力を発揮することを希望する従業員に対して、通常の退職金に加え、特別転進支援加算金の支給および再就職支援会社を通じた再就職支援サービスを提供、募集人数は定めないとしています。
◇希望踏まえ他社へ「留職」社内改革で導入
パナソニックは、社内の組織風土改革の一環として、社員が他社で一定期間働く「社外留職」制度を導入したと発表しました。社員自身が伸ばしたいと考える能力やスキル、学びたい内容などの希望を踏まえ、1月~1年間、社員を派遣します。
◇「シニア正社員制度」を導入
SCSK株式会社は、7月1日から新たに「シニア正社員制度」を導入すると発表しました。60歳以降の雇用を希望する正社員および専門型正社員を、60歳以降「シニア正社員」と位置づけて、定年を65歳とします。フルタイム勤務が原則、必要に応じて個別契約として短時間勤務とする場合もあるとしています。
◇精神障害の労災請求件数1,732件、前年度比146件増
厚生労働省は、2017年度「過労死等の労災補償状況」を公表しました。精神障害に関する請求件数は1,731件で、前年度比146件増。支給決定件数は506件(うち、未遂を含む自殺98件)で、同8件増となっています。
◇若手社会人の意識調査、上司を尊敬7割超え
レジェンダ・コーポレーションは、若手社会人の意識調査結果を発表しました。新卒で入社した入社9年目までの社会人に対して、上司を尊敬しているか尋ねたところ、75.2%が尊敬できると回答。上司に求める人間力は「コミュニケーションスキル」(51.9%)、「リーダーシップ」(51.2%)などとなっています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

30年6月中の主なトピックス

◇育休取得者割合、女性83.2%、男性5.14%
厚生労働省は、2017年度の「雇用均等基本調査(速報版)」を公表しました。育児休業取得者の割合は、女性83.2%(対前年度比1.4ポイント上昇)、男性5.14%(同1.98ポイント上昇)でともに上昇しています。
◇死亡災害、死傷災害ともに前年を上回る
厚生労働省は、2017年の労働災害発生状況を公表しました。労働災害による死亡者数は978人(前年比50人、5.4%増)で、3年ぶりの増加。死亡者数が多い業種は、建設業が323人(前年比29人、9.9%増)、製造業が160人(同17人、9.6%減)、陸上貨物運送事業が137人(同38人、38.4%増)です。一方、労働災害による死傷者数(死亡・休業4日以上)は12万460人(前年比2,55人、2.2%増)となっています。
◇消費者態度指数43.8、前月差0.2ポイント上昇
内閣府は、2018年5月の「消費動向調査」結果を公表しました。「消費者態度指数(二人以上の世帯、季節調整値)」は、前月から0.2ポイント上昇して43.8。6か月ぶりに前月を上回りました。消費者マインドの基調判断は「弱含んでいる」に据置いています。
◇テレワーク導入企業、13.9%
総務省は、「2017年度通信利用動向調査」結果を公表しました。テレワークを「導入している」企業は13.9%(前年度比0.6%増)。テレワークの形態は、「モバイルワーク」の割合が56.4%と最も高く、次いで「在宅勤務」(29.9%)、「サテライトオフィス勤務」(12.1%)となりました。導入目的は、「勤務者の移動時間の短縮」が54.1% と最も高く、次いで「定型的業務の効率性(生産性)の向上」(46.4%)、「勤務者にゆとりと健康な生活の実現」(23.7%)となっています。
◇高年齢者雇用のメリットは「経験・知識の活用」
エン・ジャパンは、「企業の高齢者雇用意識調査」結果を発表しました。65歳まで雇用するための 「高年齢者雇用確保措置」を実施した企業は72%。高年齢者雇用のメリットは、「経験や知識の活用」(79%)、「スキルやノウハウの伝承」(54%)、「高年齢者雇用安定法の遵守」(49%)などとなっています。
◇仕事の目的は「自分のため」、働き方は「チームで仕事」が過半数
ディスコは、2019年3月卒業予定の大学4年生を対象に行った、「就活生の職業観とライフスタイル調査」結果を発表しました。仕事の目的は、「自分のため」(61.3%)が「世の中のため」(38.7%)を上回り、理想の働き方は、「チームで仕事」(71.8%)が「個人で仕事」(28.1%)を上回っています。
◇電機大手、人材確保に知恵 ネット企業と就活生争奪戦
人手不足や景気の回復基調を背景に、大学生の新卒採用は「売り手市場」が続く中、かつて花形だった大手電機メーカーが人材確保に知恵を絞っています。6月の面接解禁を前に、インターンシップ(就業体験)の充実やリクルーターの増員といった施策を打ち出し、企業や仕事の魅力を周知。人工知能(AI)、IoT(モノのインターネット)に対応できる人材などをめぐり、自動車メーカーや新興のネット関連企業との争奪戦を勝ち抜く考のようです。
◇外国人材の受入れについて議論
政府は、2018年第8回経済財政諮問会議を開催、新たな外国人材の受入れ及び骨太方針の原案について議論を行いました。安倍首相は議論を踏まえ、「一定の専門性・技能を有し、即戦力となる外国人材を幅広く受け入れていく仕組みを早急に構築する必要がある。本日提示した骨太方針の原案において、移民政策とは異なるものとして、新たな在留資格の創設を明記した」などと述べました。
◇2017年職場での熱中症死傷者数、544人
厚生労働省は、2017年「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」(確報)を公表しました。死傷者(死亡・休業4日以上)は544人で前年度比82人増、うち死亡者は14人(同2人増)。業種別の死亡者は建設業が最多となり、全体の約6割(8人)。厚生労働省では、5月1日から9月30日まで「STOP!熱中症クールワークキャンペーン」を実施します。
 
出所:労働政策研究・研修機構

30年5月中の主なトピックス

◇多様な選考・採用機会の拡大に向けた取組について要請
厚生労働省は、経済団体に対して、多様な選考・採用機会の拡大に関する協力を要請しました。地域限定正社員制度の導入の積極的な検討を主な内容とする指針の改正と、年齢にかかわりない転職・再就職者の受入れ促進のための指針の策定を踏まえたもので、二つの指針を周知啓発することで、多様な選考・採用機会の拡大を目指すとしています。
◇長時間勤務、管理不十分 教委職員死亡で報告書
新潟県教育委員会の40代の女性職員が勤務中倒れて死亡した問題で、県教委の第三者委員会は、当時女性が過労死認定の目安を超えて勤務しており、県教委の労働時間の管理が不十分だったと指摘する一次報告書をまとめました。
◇3月の完全失業率2.5%、前月と同率
総務省は、「労働力調査」(速報)を公表しました。3月の完全失業率(季節調整値)は2.5%で前月と同率。また、2017年度平均の完全失業率は2.7%で、前年度比0.3ポイントの低下となっています。
◇3月の求人広告掲載件数、前年同月比16.4%増
全国求人情報協会は、会員各社の2018年3月の求人広告掲載件数の集計結果を発表しました。求人メディア全体の広告掲載件数は150万2,458件で、前年同月比16.4%増加しています。
◇大手企業の賃上げ8,621円、2.54%アップ
経団連は、「2018年春季労使交渉・大手企業業種別回答状況」(第1回集計)を発表しました。調査対象である従業員500人以上の主要21業種大手252社のうち、回答が示されたのは16業種127社。うち平均金額が不明等の59社を除く68社の賃上げ妥結水準は、加重平均で8,621円(前年同期8,184円)、2.54%(同2.42%)のアップとなりました。
◇新入社員「プライベートを優先したい」、過去最高の63.2%
マイナビは、「2018年マイナビ新入社員意識調査」結果を発表しました。「プライベートを優先したい」が63.2%で、調査開始以来最高。「仕事優先」(36.7%)とは26.5ポイントの差。11年の調査開始以来減少傾向にあった「仕事への期待」では、「期待している」が74.1%で過去最高(前年比6.1ポイント増)となりました。
◇派遣社員で時給が上がった者は27%
エン・ジャパンは、「派遣のお給料(時給)」についてのアンケート調査結果を発表しました。派遣社員で時給が上がった者は27%で、2017年の結果と比べて7ポイント増。一方、時給交渉をした者は22%(3ポイント減)。時給アップのために行なっていることは、「時給の良い仕事に就く」(42%)が昨年に引き続き第1位、続いて「仕事で実績を上げる」(33%)となっています。
◇被保護世帯は163万8,384世帯、前年同月比で減少
厚生労働省は、生活保護法に基づく「被保護者調査」(2018年2月分概数)結果を公表しました。被保護実人員は211万5,368人で、前年同月比2万6,530人減少。被保護世帯は163万8,384世帯で、同568世帯減少しています。
◇2017年の労働災害発生の頻度1.66、前年比で上昇
厚生労働省は、2017年「労働災害動向調査」結果を公表しました。規模100人以上事業所では、度数率(労働災害発生の頻度)は1.66(前年1.63)、強度率は(労働災害の重さの程度)0.09(同0.10)となっています。また死傷者1人平均労働損失日数は55.0日(同60.0日)でした。
 
出所:労働政策研究・研修機構

30年4月中の主なトピックス

◇人材育成に「何らかの問題がある」事業所、75.4%
厚生労働省は、2017年度「能力開発基本調査」の結果を公表しました。人材育成に関して何らかの「問題がある」とした事業所は75.4%。問題点は、「指導する人材が不足している」54.2%、「人材育成を行う時間がない」49.5%、「人材を育成しても辞めてしまう」47.8%などとなっています。
◇2017年6月1日現在の派遣労働者数は約156万人
厚生労働省は、「労働者派遣事業報告書」(2017年6月1日現在の状況)集計結果を公表しました。派遣労働者数は約156万人(対前年比19.4%増)となっています。(旧)特定労働者派遣事業を除いた派遣労働者数は、135万5,598人(同27.8%増)です。
◇2017年末の在留外国人数は、過去最高の約256万人
法務省は、2017年末現在の在留外国人数(確定値)を公表しました。前年末と比べて17万9,026人(7.5%)増の256万1,848人となり過去最高を更新。在留資格別では、「永住者」が74万9,191人で最多。対前年末比の増加率が高い資格は、「高度専門職」105.1%増、「技能実習」20.0%増などとなっています。
◇2017年度「優良派遣事業者」認定の75社を発表
人材サービス産業協議会は、厚生労働省から受託し運営している「優良派遣事業者認定制度」において、3月30日付で認定された75社(更新60社、新規15社)を発表しました。本制度は一定の基準を満たす人材派遣事業者を審査認定機関が優良事業者として認定する制度です。今年度で4回目の認定となり、現在の優良派遣事業者は163社となっています。
◇ユニ・チャーム、副業を容認 社員の能力向上支援
ユニ・チャームは、正社員の副業を認める制度を4月から導入したと発表しました。自社とは異なる環境で新たな技能や専門性を身に付けるなど、個々の能力を高めてもらう狙いです。
◇再雇用対象者の選定基準を満たしていないことを理由に組合員を再雇用しなかったことが不当労働行為に該当
人事考課表を提出しなかった者の考課結果を二段階引き下げる旨の規定を適用した上で、再雇用対象者の選定基準を満たしていないことを理由に組合員を再雇用しなかったことが不当労働行為であるとして救済申立てがあった事案で、中央労働委員会は、二段階引下規定は、法人の組合嫌悪を反映し、組合員が法人から排除される結果をもたらすことを認識・認容して定められたものであるから、同規定を適用して組合員の再雇用を拒否することは、労組法7条1号の不利益取扱いに当たるとし、初審広島県労委の判断を維持、法人の再審査申立てを棄却しました。
◇「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会」報告書を公表
厚生労働省は、「職場のパワーハラスメント防止対策についての検討会」(座長:佐藤博樹・中央大学大学院戦略経営研究科教授)報告書を公表しました。これまでも、「職場のいじめ・嫌がらせ問題に関する円卓会議」(2011年度)の提言の周知等により企業の自主的な取り組みを促してきましたが、より実効性の高い取り組みを進めるための規定創設や施策の実施を提起しています。
◇「年齢にかかわりない転職・再就職者の受入れ促進のための指針」を策定
厚生労働省は、「年齢にかかわりない転職・再就職者の受入れ促進のための指針」を公表しました。働き方のニーズの多様化などにより、転職・再就職が不利にならない柔軟な労働市場や企業慣行の確立が求められている中で企業が転職・再就職者の受入れ促進のため取り組むことが望ましいと考えられる基本となるべき事項等を示したものです。
◇現金給与総額、前年同月比1.3%増
厚生労働省は、2018年2月の「毎月勤労統計調査」結果(速報、事業所規模5人以上)を公表しました。現金給与総額は、一般労働者が前年同月比1.2%増、パートタイム労働者が同0.2%増。 パートタイム労働者比率が0.30ポイント低下し、就業形態計では前年同月比1.3%増の26万6,466円となりました。
 
出所:労働政策研究・研修機構

30年3月中の主なトピックス

◇1月の完全失業率、2.4%
総務省は、「2018年労働力調査(基本集計)」(速報)を公表しました。完全失業率(季節調整値)は2.4%で月比0.3ポイント低下。また、就業者数(6,562万人)、雇用者数(5,880万人)はともに61か月連続の増加となりました。
◇男女間賃金格差は過去最小の73.4
厚生労働省は、2017年「賃金構造基本統計調査」結果を公表しました。一般労働者(短時間労働者以外の労働者)の月額賃金は、男女計30万4,300円(前年比0.1%増)、男性33万5,500円(同0.1%増)、女性24万6,100円(同0.6%増)です。女性の賃金は過去最高で、男女間賃金格差(男性:100)は、過去最小の73.4まで縮まりました。
◇製造業、前年同期比で売上高、経常利益、設備投資全て増加
財務省は、2017年10~12月期の「法人企業統計調査」結果を公表しました。全産業(金融業、保険業を除く)の企業動向を前年同期比でみると、売上高は製造業、非製造業ともに増収、経常利益では製造業が増益、非製造業は減益、設備投資は製造業、非製造業ともに増加との結果となっています。
◇休日のリフレッシュ法、「好きなこと(趣味)に没頭する」が最多
日本能率協会は、「第8回 ビジネスパーソン1,000人調査(休日の過ごし方編)」結果を発表し ました。職場の休日にリフレッシュするよう心がけている者は83.1%(「とても心がけている」+「やや心がけている」の計)。具体的には、「好きなこと(趣味など)に没頭する」が54.5%で最も多く、「何もせずゆっくり過ごす」(38.5%)、「美味しいものを食べる」(34.3%)と続いています。
◇9割が「リカレント教育(学び直し)」を受けたいと回答
エン・ジャパンは、35歳以上のユーザーを対象に行った「リカレント教育(学び直し)」調査結果を発表しました。リカレント教育を受けたいとの回答は90%。具体的に学びたいこととして、「英語などの語学力」が58%で最も多く、「経営・ビジネスに必要な知識や能力」(57%)、「専門的な資格の取得」(48%)と続いています。
◇中小企業の半数、4年連続で正社員の給与水準を引き上げ
日本政策金融公庫は、「中小企業の雇用・賃金に関する調査」結果を発表しました。2017年12月に正社員の給与水準を前年から「上昇」させた企業割合は54.5%で、4年連続で約半数が給与水準を引き上げています。上昇の背景は、「自社の業績が改善」(39.8%)が最も高く、「採用が困難」(22.2%)が続いています。
◇調理師の過労自殺認める 会社に賠償命令
調理師の男性(当時34歳)が自殺したのは長時間労働でうつ病を発症したからだとして、母親が勤務先の飲食店運営会社(大阪市中央区)などに約8,000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が、大阪地裁でありました。北川清裁判長は、長時間労働との因果関係を認め、会社側に計約6,900万円の支払いを命じました。
◇教職員全体の加入率34.1%、42年連続低下
文部科学省は、公立学校教職員の2017年度の「教職員団体への加入状況」に関する調査結果を公表しました(2017年10月1日現在)。教職員団体全体への加入率は34.1%(前年度35.2%)で、1976年以降42年連続の低下となっています。
◇第1子出生時に有職の母を有する第1子の割合、45.8%
厚生労働省は、「2015年度人口動態職業・産業別統計」の概況を公表しました。第1子出生時に有職の母を有する第1子の割合は45.8%で、前回調査(2010年度)の34.5%から11.3ポイント上昇。婚姻時に、夫妻ともに有職の割合は73.8%で、10年度の67.9%から5.9ポイント上昇しました。本統計は5年に一度作成されています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

30年2月中の主なトピックス

◇都道府県間移動者数及び県内移動者数、2年ぶり増加
総務省は、「住民基本台帳人口移動報告2017年結果」を公表しました。都道府県間移動者数は228万7,310人、都道府県内移動者数は260万6,271人となり、ともに2年ぶりの増加となっています。
◇死傷者・死亡者数、前年同期比増加
厚生労働省は、2017年の労働災害発生状況(2017年12月末速報)を公表しました。死傷者数は10万8,110人で、前年同期比2,340人(2.2%)増。死亡者数は872人で、同31人(3.7%)増となりました。
◇2018年の賃上げ見通し、定昇込み6,762円・2.13%
労務行政研究所は、「2018年賃上げの見通し―労使および専門家470人アンケート」調査結果を発表しました。18年の賃上げ見通しは、全回答者の平均で6,762円(2.13%)(定期昇給分を含む)。労使別では、労働側6,594円(2.08%)、経営側6,475円(2.04%)となりました。
◇社長の平均年齢59.5歳、過去最高を更新
帝国データバンクは、「全国社長年齢分析(2018年)」結果を発表しました。社長の平均年齢は59.5歳(前年比プラス0.2歳)で過去最高を更新。業種別に見ると、「不動産業」(61.5歳)が最高となり、「製造業」(60.9歳)、「卸売業」(60.5歳)が続いています。最低は「サービス業」の58.1歳です。
◇配置転換に伴い賃金を減額したこと等は、不当労働行為に当たらず
会社が、通勤災害により労災保険の障害認定を受けた組合員を配置転換し、これに伴い賃金を減額したこと等が不当労働行為であるとして申し立てがあった事案で、中央労働委員会は、本件配置転換には相応の理由があり、不自然な時期に強行したとはいえない、配置転換後の賃金額には一応の理由があり、恣意的に過剰に減額されたとは認められず、組合との協議が行われていること等から不当労働行為には当たらないとして、初審兵庫県労委の判断を維持、組合の再審査申立てを棄却しました。
◇第2回「賃金等請求権の消滅時効の在り方に関する検討会」資料を公表
厚生労働省は「第2回賃金等請求権の消滅時効の在り方に関する検討会」資料をHPで公表しました。当日の議題は「法曹関係者からのヒアリング」などです。同検討会は、民法改正によって民法の時効が一般債権の消滅時効(行使できることを知ったときから5年間、行使できるときから10年間)に一本化されたことを踏まえ、労基法の時効(賃金等2年間、退職手当5年間)について法技術的・実務的な論点整理を行うとしています。
◇1企業当たりの正社員・正職員数、最高値を更新
経済産業省は、2017年「企業活動基本調査」結果(速報)を公表しました。1企業当たりの常時従業者数は499人(前年度比0.8%減)。うち正社員・正職員数は319人(同0.6%増)で、比較できる2006年度以降で最高値を更新しました。
◇2018年度の中途採用、一層増加の見通し
リクルートワークス研究所は、「中途採用実態調査(2017年度上半期実績、2018年度見通し)」結果を発表しました。2018年度の中途採用の見通しについては、「増える」が18.6%、「減る」4.0%との結果となっています。従業員規模別に見ると、従業員規模5,000人以上において「増える」が25.5%と高い水準。また、2017年度上半期の中途採用で人員を確保できた企業が47.3%に対して、確保できなかった企業は51.5%にのぼっています。
◇2割の企業で、「新たな上限規制に抵触する労働者がいる」と回答
日本商工会議所は、全国の中小企業を対象に、働き方改革関連施策に関する中小企業の取り組みの現状や課題、要望等を把握するために行った「働き方改革関連施策に関する調査結果」を発表しました。時間外労働の上限規制が導入された場合の影響について、2割(20.5%)の企業で「新たな上限規制に抵触する労働者がいる」と回答。また、同一労働同一賃金制度については、3割強(36.0%)の企業が「対象となりそうな非正規社員がいる」と回答しています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

30年1月中の主なトピックス

◇母子家庭の母及び父子家庭の父の自立支援施策の実施状況を公表
厚生労働省は、母子家庭の母と父子家庭の父に対する就業支援などの自立支援に関する施策の2016年度実施状況を公表しました。母子家庭等就業・自立支援センターにおける就業相談の件数は7万8,848件(前年度7万9,852件)、就職件数は4,951件(同5,523件)でした。
◇「期間従業員」の無期転換に関する調査結果を公表
厚生労働省は、大手自動車メーカー10社に対して行った「“期間従業員”の無期転換に関する調査」結果を公表しました。期間従業員の有期労働契約について更新上限を設けている企業は、10社中10社。期間従業員の再雇用について再雇用まで一定期間の無契約期間が必要とされている企業は、10社中7社という結果となっています。
◇「労働基準法施行規則の一部を改正する省令案要綱」、「妥当」と答申
労働政策審議会(会長:樋口美雄・慶應義塾大学商学部教授)は、「労働基準法施行規則の一部を改正する省令案要綱」に対し、「妥当」と答申しました。厚生労働省はこの答申を踏まえ、速やかに省令の制定に向けた作業を進め、2018年4月の施行を予定しています。改正案のポイントは「准救急隊員について、労働基準法第34条第3項に定める休憩時間の自由利用の適用から除外すること」です。
◇2016年の年休取得日数は9.0日、取得率49.4%
厚生労働省は、2017年「就労条件総合調査」結果を公表しました。2016年1年間の年次有給休暇の取得日数は9.0日(前年8.8日)で、取得率は49.4%(同48.7%)となっています。企業規模別にみると、「1,000人以上」の55.3%(同54.7%)から、「30~99人」の43.8%(同43.7%)まで順次減少。調査対象は常用労働者30人以上の民営企業6,367企業で、有効回答は4,432企業です。
◇「賃金引上げ」などについてコメント
経団連の榊原定征会長は記者会見で、「賃金引上げ」について「従来より踏み込んだ処遇改善を図っていくよう会員企業に呼びかけていく」、「賃金決定は個社ごとに行うのが大原則であるが、3%の賃金引き上げという社会的期待を意識しながら、自社の収益に見合った前向きな検討を期待したい。」などとコメントしました。
◇「会社」に対する誇りや愛着があると回答した人、47.5%
アデコは、20代~60代の働く人を対象に実施した「従業員エンゲージメント」に関するアンケート調査結果を発表しました。「会社」に対する誇りや愛着があると回答した人は47.5%(「非常にそう思う」と「そう思う」の合計)。誇りを感じる理由として、「仕事に社会的な意義を感じている」が47.4%で最多、次いで、「雇用が安定している」(29.1%)、「ワークライフのバランスと柔軟性がある」(26.1%)と続いています。有効回答は1,993人です。
◇被保護実人員は212万5,317人、前年同月比で減少
厚生労働省は、生活保護法に基づく「被保護者調査」(2017年10月分概数)結果を公表しました。被保護実人員は212万5,317人で、前年同月比1万9,442人減少。被保護世帯は164万2,907世帯で、同5,041世帯増加。世帯類型別にみると、対前年同月では、高齢者世帯(特に単身世帯)の数が増加し、高齢者世帯を除く世帯の数は減少しました。
◇現在、1年後の景況感D.I.はともに改善
日本銀行は、全国の満20歳以上の個人4,000人を対象とした「生活意識に関するアンケート調査」(第72回、2017年12月)結果を公表しました。現在の景況感D.I.(「良くなった」から「悪くなった」を減じた値)は前回調査(2017年9月)から1.6ポイント改善、1年後についても2.5ポイント改善しています。有効回答者数は2,201人です。
◇「転職市場予測2018上半期」発表
転職サービス「DODA(デューダ)」は、「転職市場予測2018上半期」を発表しました。2018年上半期(1月~6月)の転職市場全体における求人数は、引き続き豊富な状況が続き、全11分野のうち、5分野が「増加」、3分野が「緩やかに増加」と見込んでいます。
 
出所:労働政策研究・研修機構

29年12月中の主なトピックス

◇1人平均賃金の改定額5,627円、前年を上回る/厚労省調査
厚生労働省は、2017年「賃金引上げ等の実態に関する調査」の結果を公表しました。2017年中に1人平均賃金の引き上げを実施・予定する企業は87.8%で、前年(86.7%)を上回っています。改定額(予定を含む)5,627円(前年5,176円)、改定率2.0%(同1.9%)でいずれも前年を上回りました。調査は8月に実施、常用労働者100人以上を雇用する企業1,606社について集計したものです。
◇製造業、前年同期比で売上高、経常利益、設備投資全て増加
財務省は、2017年7~9月期の「法人企業統計調査」結果を公表しました。全産業(金融業、保険業を除く)の企業動向を前年同期比でみると、売上高は製造業、非製造業ともに増収、経常利益をみると、製造業は増益、非製造業は減益、設備投資は製造業、非製造業ともに増加しました。
◇10月の二人以上世帯の消費支出、前年同月比実質2.0%減
総務省は、2017年10月の「家計調査報告」(速報)を公表しました。二人以上世帯の1世帯当たりの消費支出は、前年同月比実質2.0%減の28万2,872円。勤労者世帯の実収入は、1世帯当たり50万1,416円で前年同月比実質2.9%増となっています。
◇企業の後継者不在は3社に2社
帝国データバンクは、「後継者問題に対する企業の実態調査」結果を発表しました。後継者不在としている企業は全体の66.5%で、前回(2016年2月)調査時から0.4ポイント上昇しました。また、地域別では、「近畿」「中国」を除く7地域で不在率が前回を上回っています。
◇転職理由第1位は「ほかにやりたい仕事がある」
パーソルキャリアが運営する転職サービス「DODA(デューダ)」は、同社に登録している者を対象に実施した「転職理由ランキング」を発表しました。「ほかにやりたい仕事がある」(13.1%)が10回連続で1位。2位は「会社の将来性が不安」9.8%、3位「給与に不満がある」8.8%となっています。有効回答数は、38,994件です。
◇「春季労使交渉」などについてコメント
経団連の榊原定征会長は記者会見で、「春季労使交渉」について「多様な賃上げや処遇改善に向けた具体策を示し、個々の企業の労使間の議論を促していく。賃金の決定はあくまで個社の判断によるものであるが、経済の好循環、とりわけ消費の活性化に向けて、賃金引上げに前向きに対応するよう呼びかけていく。」などとコメントしています。
◇正社員の平均年収は418万円
パーソルキャリアが運営する転職サービスDODA(デューダ)は、正社員を対象とした「平均年収ランキング2017」を発表しました。2017年の平均年収は418万円。職種別のランキングは、1位「投資銀行業務」(855万円)、2位「運用(ファンドマネジャー等)」(837万円)、3位「戦略・経営コンサルタント」(722万円)となっています。
◇2016年「女性社長」は約37万人
東京商工リサーチは、第7回「全国女性社長」調査結果を発表しました。全国約297万社のうち、女性社長は2010年の調査開始以来最多の37万1,232人で、7年間で1.7倍に増加。都道府県別では同居家族が多い地域ほど女性社長率が低い傾向のようです。
◇被保護実人員は212万5,803人、前年同月比で減少
厚生労働省は、生活保護法に基づく「被保護者調査」(2017年9月分概数)結果を公表しました。被保護実人員は212万5,803人で、前年同月比1万9,311人減少。被保護世帯は164万2,273世帯で、同5,371世帯増加。世帯類型別にみると、対前年同月では、高齢者世帯(特に単身世帯)の数が増加し、高齢者世帯を除く世帯の数は減少した。
 
出所:労働政策研究・研修機構

29年11月中の主なトピックス

◇70歳以上まで働ける企業割合、22.6%
厚生労働省は、2017年の「高年齢者の雇用状況」集計結果(2017年6月1日現在)を公表しました。70歳以上まで働ける企業は3万5,276社(対前年差2,798社増)、割合は22.6%(同1.4ポイント増)となっています。集計対象は、従業員31人以上の企業15万6,113社です。
◇2017年7~9月期、145事業所の「再就職援助計画」を認定
厚生労働省は、「再就職援助計画」の2017年度第2四半期(7~9月)分認定状況(速報値)を公表しました。認定事業所数は145事業所で、前年同期比3事業所の増加となっています。離職者数は6,338人で同844人の増加。事業規模の縮小等により1カ月間に30人以上の従業員が離職を余儀なくされる場合に、事業主は、同計画を公共職業安定所長へ事前に提出し、認定を受けることが義務付けられています。
◇9月の有効求人倍率1.52倍、前月と同水準
厚生労働省は、2017年9月の「一般職業紹介状況」を公表しました。有効求人倍率(季節調整値)は1.52倍で、前月と同水準。正社員有効求人倍率(季節調整値)は1.02倍となり、前月比0.01ポイント上昇しています。
◇9月の二人以上世帯の消費支出、前年同月比実質0.3%減
総務省は、2017年9月の「家計調査報告」(速報)を公表しました。二人以上世帯の1世帯当たりの消費支出は、前年同月比実質0.3%減の26万8,802円で、勤労者世帯の実収入は、1世帯当たり43万7,497円となり前年同月比実質2.1%増加しました。
◇新卒初任給を引き上げた企業47.8%
経団連と東京経営者協会は、2017年3月卒の「新規学卒者決定初任給調査」結果を発表しまし た。「前年の初任給を据え置いた」企業の割合は51.7%(前年48.5%)、「前年の初任給から引 き上げた」企業の割合は47.8%(同51.1%)となっています。
◇「セクハラ・パワハラ等」に関する相談が最多
連合は、「なんでも労働相談ダイヤル」2017年9月分集計結果を発表しました。受付件数は1,017件で、前年同月比25件減。主な相談内容は、「セクハラ・パワハラ・嫌がらせ」が14.5%となり7ヵ月連続で最多です。次いで、「解雇・退職強要・契約打切」9.6%、「雇用契約・就業規則」8.4%等となっています。
◇採用選考活動、6月前開始企業が約6割
文部科学省は、就職問題懇談会がとりまとめた2017年度「就職・採用活動に関する調査」(大学等調査及び企業調査)」結果の速報版を公表しました。企業調査の結果によると、採用選考活動開始時期で、最も多かったのは、大企業は6月(40.7%)、中小企業が4月(27.6%)。6月より前に開始したのは、大企業56.4%、中小企業62.1%となっています。
◇非正規割合37.4%、2期ぶりの低下/労働力調査・詳細集計7~9月期平均
総務省は、「労働力調査(詳細集計)」速報結果を公表しました。2017年7~9月期平均の役員を除く雇用者は5,486万人。うち、正規の職員・従業員は、前年同期比64万人増の3,435万人、非正規の職員・従業員は、同17万人増の2,050万人。雇用者に占める非正規割合は37.4%と、2期ぶりに低下しました。
◇大手企業の冬のボーナス、前年比1.19%減
経団連は、大手企業の2017年年末賞与・一時金(冬のボーナス)の妥結状況(第1回集計、74社)を発表しました。平均額(加重平均)は、前年比1.19%減の91万6,396円。業種別では、「食品」4.40%増、「非鉄・金属」3.72%増、「自動車」1.94%減、「紙・パルプ」1.52%減などとなっています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

29年10月中の主なトピックス

◇10月を「年次有給休暇取得促進期間」に設定
厚生労働省は、年次有給休暇を取得しやすい環境整備推進のため、10月を「年次有給休暇取得促進期間」に設定しています。労働時間等見直しガイドラインが改正され、2017年10月1日から適用されていることを受け、労使において検討が進むよう周知に努めていくこととしています
◇新国立建設37社に是正勧告 違法残業、月80時間超も18社
東京五輪・パラリンピックのメイン会場となる新国立競技場の建設工事をめぐり、東京労働局は工事現場に出入りする全762社の労働時間を調べた結果、37社で違法な残業が確認され、労働基準法違反で是正勧告したと発表しました。
◇一般職国家公務員、男性の育休取得率14.5%で過去最高
人事院は、2016年度における一般職国家公務員の「仕事と家庭の両立支援関係制度利用状況調査」結果を公表しました。育児休業取得率は、女性99.2%、男性14.5%。男性の取得率は前年度比5.0ポイント上昇し、過去最高となりました。
◇大企業製造業の業況判断DI、5ポイント増のプラス22
日本銀行は、9月の「全国企業短期経済観測調査」(短観)結果を公表しました。大企業製造業の業況判断DI(「良い」と答えた企業から「悪い」とした企業の割合を引いた値)はプラス22で、前回調査(6月)を5ポイント上回っています。
◇受付件数、7ヵ月ぶりに900件を下回る
連合は、「なんでも労働相談ダイヤル」2017年8月分集計結果を発表しました。受付件数は880件で、7ヵ月ぶりに900件を下回った模様です。主な相談内容は、「セクハラ・パワハラ・嫌がらせ」が16.9%となり6ヵ月連続で最多。次いで、「雇用契約・就業規則」9.6%、「退職金・退職手続」8.8%などとなっています。
◇20代が仕事に求めること、第1位は「プライベートを大切に」
エン・ジャパンは、「仕事の価値観」に関する調査を実施し、20代の回答のみ抜粋した結果を発表しました。「仕事に求めること」の問いに「プライベートを大切に働けること」と回答が59%で最高となっています。次いで、「人間関係の良い職場環境で働くこと」(55%)、「自分らしい生活ができること」(40%)と続きました。有効回答数は2,287名です。
◇空自隊員自殺で和解 国が7,400万円支払い
2006年に航空自衛隊奈良基地(奈良市)に勤務していた男性隊員(当時49)が自殺したのは長時間勤務が原因だとして、滋賀県内に住む遺族が国に損害賠償を求めた訴訟があり、国が7,400万円を支払う内容の和解が大津地裁で成立したことが、分かりました。和解は12日付です。
◇在宅勤務制度を導入
三菱UFJモルガン・スタンレー証券は、本社部署所属の全社員を対象とした在宅勤務制度を10月1日から導入することを発表した。同社では、柔軟な働き方推進の一環として、すでに時差勤務・フレックスタイム制や裁量労働制を導入しています。
◇海外で働きたいとは思わない、60.4%
産業能率大学は5日、「第7回新入社員のグローバル意識調査」結果を発表しました。「海外で働きたいとは思わない」が60.4%で、前回比3.3ポイント減。理由の1位は、「自分の語学力に自信がないから」63.6%となっています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

29年9月中の主なトピックス

◇「セクハラ・パワハラ等」に関する相談が最多
連合は、「なんでも労働相談ダイヤル」2017年7月分集計結果を発表しました。受付件数は1,047件で、前年同月比102件減。主な相談内容は、「セクハラ・パワハラ・嫌がらせ」が12.4%となり5ヵ月連続で最多。次いで「解雇・退職強要・契約打切」9.3%、「雇用契約・就業規則」7.6%などとなっています。
◇コンビニ配送で過労死 長野の43歳、残業100時間超
コンビニに商品を配送する途中に死亡した長野市の男性運転手(43)について、長野労働基準監督署が直前に月100時間超の残業があったとして、労災認定したことが分かりました。認定は24日付です。
◇2018年卒予定大学生、8月1日時点の就職内定率84.2%
リクルートキャリアの研究機関・就職みらい研究所は、「就職プロセス調査」結果(確報版)を発表しました。8月1日時点での2018年卒予定大学生の就職内定率は84.2%。前年同月の79.3%と比べ4.9ポイント高い結果となっています。また、同時点の内定取得者のうち、2社以上の内定取得率は64.2%と2013年卒以降の調査で最高を記録しました。
◇現金給与総額、前年同月比0.3%減
厚生労働省が公表した2017年7月の「毎月勤労統計調査」結果(速報、事業所規模5人以上)によると、現金給与総額は、就業形態計で前年同月比0.3%減の37万1,808円でした。
◇「日本の社会と労働組合に関する調査2017」を発表
連合は、「日本の社会と労働組合に関する調査2017」を発表しました。「日本が安定的に成長や発展をしていくために重要だと思うこと」の問いに、「安定した雇用」が最も多く69.5%、次いで「労働環境の改善」が52.3%、「医療や介護制度の充実」が 41.3%と続いています。回答者数は1,036名です。
◇2017年8月の景気DI、3カ月連続で改善
帝国データバンクは、「TDB 景気動向調査(全国)」(8月調査)を発表しました。8月の景気DIは前月比0.1ポイント増の47.7で、3カ月連続で改善。規模別では、全規模で2014年4月以降の最高を更新しましたが、地域別では、「東海」「中国」など10地域中5地域が改善、「東北」など3地域が悪化、「南関東」など2地域が横ばいとなっています。
◇最低賃金の引上げを検討する委員会の設立(ミャンマー)
ミャンマーには最低賃金を定める法律(1949年最低賃金法)があったものの、50年以上の間、実質的な効力がない状態でした。そのため軍事政権から民政移管後の2013年に実効性をもたせる目的から新たな法律が制定され、2015年9月から全国一律で日給3,600チャットとして施行されています。法律は2年に一度の最賃額の見直しを定めており、2017年2月、引き上げを検討する委員会が設立されました。
◇2016年「労働安全衛生調査」結果を公表
厚生労働省は、2016年「労働安全衛生調査(実態調査)」の結果を公表しました。事業所における労働災害防止活動等の実施状況等の実態と、そこで働く労働者の意識を調査しています。それによると、メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所割合は56.6%(2015年調査59.7%)、現在の仕事や職業生活に関して強い不安、ストレス等になっている事柄がある労働者は59.5%(同55.7%)と増加傾向を辿っています。有効回答は9,564事業所、10,109人です。
◇8月の転職求人倍率は1.90倍
リクルートキャリアが発表した、転職支援サービス「リクルートエージェント」における2017年8月末日時点の転職求人倍率は1.90倍で、前年同月比0.11ポイント増となりました。職種別にみると、前月に引き続きインターネット専門職(5.99倍)、建設エンジニア(4.74倍)等が高い数値となっています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

29年8月中の主なトピックス

◇管理職に占める女性の割合は着実に上昇
厚生労働省は、2016年度「雇用均等基本調査(確報版)」の結果を公表しました。管理職に占める女性の割合は、課長相当職以上(役員含む)で12.1%(前年度11.9%)。また、育児休業を取得した人の割合は女性81.8%(同81.5%)、男性3.16%(同2.65%)で、男性の割合は、1996年度の初回調査以来過去最高となりました。
◇被保護実人員は213万482人、前年同月比で減少
厚生労働省は、生活保護法に基づく「被保護者調査」(2017年5月分概数)結果を公表しました。被保護実人員は213万482人で、前年同月比1万7,800人減少。被保護世帯は163万9,558世帯で、同6,157世帯増加。世帯類型別にみると、対前年同月では、高齢者世帯(特に単身世帯)の数が増加し、高齢者世帯を除く世帯の数は減少しています。
◇介護サービス受給者414万9,500人
厚生労働省は、「介護給付費等実態調査月報」(2017年5月審査分)を公表しました。受給者総数は、介護予防サービス92万6,900人、介護サービス414万9,500人。受給者1人当たり費用額は、介護予防サービスが3万3,300円、介護サービスは18万6,900円でした。
◇技能実習期間に学んだことが「役に立った」、95.7%
厚生労働省は、帰国後の技能実習生の状況を把握するために実施した2016年度「帰国技能実習生フォローアップ調査」結果を公表しました。技能実習期間を通じて学んだことが「役に立った」と答えた人は95.7%でした。具体的な内容は、「修得した技能」69.8%、「日本で貯めたお金」62.2%、「日本語能力の修得」60.1%などとなっています。
◇今春大卒者の就職者割合76.1%、前年度比1.4ポイント上昇
文部科学省が公表した2017年度「学校基本調査」(速報値)によると、今春の大学卒業者の就職 者割合は76.1%で、前年度より1.4ポイント上昇しました。このうち、正規雇用者の割合は72.9%で、同1.6ポイントの上昇となっています。
◇大企業の夏季賞与、前年比2.98%減の87万8,172円
経団連は、大手企業の2017年夏季賞与・一時金(ボーナス)の業種別妥結結果(最終集計)を発表しました。調査対象の76.9%にあたる193社で妥結、このうち平均額不明などの43社を除く150社の平均妥結額(加重平均)は前年比2.98%減の87万8,172円でした。
◇外国人就労者を三区分で管理(中国)
国家外国専門家局は2016年9月に「外国人就労許可制度」の見直しに関する通知を発表しました。これは、二つに分かれていた制度を一本化したうえで、外国人労働者をA類(ハイレベル)、B類(専門)、C類(一般)に三区分し、それぞれ必要とされる条件を満たす者に就労の許可を与えるというものです。非常に高い能力をもつ人材の入国を奨励する一方で、国内の雇用を確保するため、一般的な労働者の就労を管理、抑制する狙いがあるようです。北京市、上海市、広東省などの地域で試行され、2017年4月1日から全国での施行が始まりました。
◇自家用車通勤手当制度の実施は不当労働行為に当たらず
事業統合に伴い、自動車通勤手当制度を組合との合意を経ることなく実施したことが不当労働行為であるとして、申し立てがあった事案で、中央労働委員会は、同制度は、結果として組合との合意を経ることなく実施されたが、誠実に団体交渉を重ねたものの行き詰まりの状態となるに至った後にされたのであり、組合を他の労働組合と比して殊更に差別的に取り扱ったとはいえず、不当労働行為には当たらないとして、初審東京都労委の判断を維持、組合の再審査申立てを棄却しました。
◇非正規割合37.1%、前年同期と同率
総務省が公表した「労働力調査(詳細集計)」速報結果によると、2017年4~6月期平均の役員を除く雇用者は5,441万人。うち、正規の職員・従業員は、前年同期比44万人増の3,422万人、非正規の職員・従業員は、同21万人増の2,018万人。非正規割合は、前年同期と同率の37.1%となっています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

29年7月中の主なトピックス

◇精神障害の労災請求件数1,586件、前年度比71件増
厚生労働省が公表した2016年度「過労死等の労災補償状況」によると、精神障害に関する請求件数は1,586件で、前年度比71件増となりました。その内、支給決定件数は498件(うち、未遂を含む自殺84件)で、26件増加しています。
◇2016年度「財形制度」の実施状況を公表
厚生労働省は、2016年度「勤労者財産形成促進制度」(財形制度)の実施状況を公表しました。2016年度の財形貯蓄の契約件数は803万件(対前年度比97.6%)、残高は15兆9,400億円(同99.7%)となっています。また、財形持家融資の貸付決定件数は696件(対前年度比93.3%)、貸付決定金額は128億円(同99.7%)で、いずれも前年度に比べ減少しました。
◇大企業製造業の業況判断DI、5ポイント増のプラス17
日本銀行が公表した6月の「全国企業短期経済観測調査」(短観)結果によると、大企業製造業の業況判断DI(「良い」と答えた企業から「悪い」とした企業の割合を引いた値)はプラス17で、前回調査(3月)を5ポイント上回りました。
◇消費者態度指数は、前月差0.3ポイント低下
内閣府は、2017年6月の「消費動向調査」結果を公表しました。「消費者態度指数(二人以上の世帯、季節調整値)」は、前月差0.3ポイント低下し43.3となりました。消費者態度指数を構成する意識指標のうち「雇用環境」は0.3ポイント上昇し48.1です。
◇「人手不足」企業は60.6%、前年比約5ポイント上昇
日本商工会議所が発表した「人手不足等への対応に関する調査」集計結果によると、「人手が不足している」企業は60.6%で、昨年調査の55.6%から5.0ポイント上昇しました。業種別では、「宿泊・飲食業」83.8%、「運輸業」74.1%などで人手不足感が強い結果となっています。有効回答数は2,776社です。
◇「転職市場予測2017下半期」発表
転職サービス「DODA(デューダ)」は、「転職市場予測2017下半期」を発表しました。2017年下半期(7月~12月)の転職市場全体における求人数は、上半期に引き続き増加傾向にあり、全11分野のうち、7分野が増加と見込んでいます。
◇ユースエール認定企業、全国で209社
厚生労働省は、「青少年の雇用の促進等に関する法律」(2015年10月1日施行)に基づき、6月30日時点で209社の企業に対しユースエール認定をしたと公表しました。若者の採用・育成に積極的で、雇用管理状況などが優良な中小企業を認定するものです。
◇県立がんセンターに是正勧告 時間外労働で労基署
新潟県は、県立がんセンター新潟病院(新潟市)が医師らに労使協定の範囲を超える時間外労働をさせたなどとして、新潟労働基準監督署から是正勧告を受けたと発表しました。勧告は3日付です。
◇2016年度下半期の中途採用、人員を「確保できなかった」企業44.3%
リクルートワークス研究所は、「中途採用実態調査(2016年度実績)」結果を発表しました。2016年度下半期の中途採用(正規社員)で、人員を「確保できなかった」企業は44.3%。過去4年の同時期と比べて最も高く、業種別では、「建設業」(59.7%)、「医療・福祉」(53.1%)、「運輸業」(52.2%)などが高くなっています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

29年6月中の主なトピックス

◇2016年職場での熱中症死傷者数、462人
厚生労働省は、2016年「職場における熱中症による死傷災害の発生状況」(確報)を公表しました。死傷者(死亡・休業4日以上)は462人で前年度比2人減、うち死亡者は12人(同17人減)。業種別の死亡者は建設業が最多となり、全体の約6割(7人)を占めています。厚生労働省では、5月1日から9月30日まで「STOP!熱中症クールワークキャンペーン」を実施しています。
◇研修医自殺を労災認定 新潟市民病院で長時間労働
新潟市民病院(新潟市)に研修医として勤務していた木元文さん(当時37歳)が昨年1月に自殺したのは、長時間の時間外労働が原因だとして、新潟労働基準監督署が労災認定していたことが、分かりました。遺族の代理人弁護士が記者会見し明らかにしたものです。
◇トラックドライバーの荷待ち時間等の記録を義務付け
国土交通省は、トラックドライバーの業務の実態を把握し、長時間労働等の改善を図るため、荷主の都合により待機した場合、待機場所、到着・出発や荷積み・荷卸しの時間等を乗務記録の記載対象として追加する「貨物自動車運送事業輸送安全規則の一部を改正する省令」を公布しました。施行日は2017年7月1日です。
◇2016年6月1日時点の従業者数、約5,744万人
経済産業省と総務省は、2016年「経済センサス-活動調査」(速報)を公表しました。2016年6月1日時点の事業所数は562万2,238事業所、従業者数は5,743万9,652人。従業者数の内訳は、「卸売業、小売業」が全産業の20.9%で最も多く、次いで「製造業」15.5%、「医療、福祉」12.9%などとなっています。また、第三次産業で全産業の77.3%を占めています。
◇全産業、前年同期比で売上高、経常利益、設備投資全て増加
財務省は、2017年1~3月期の「法人企業統計調査」結果を公表しました。全産業(金融業、保 険業を除く)の企業動向を前年同期比でみると、売上高は製造業、非製造業ともに増収、経常利益は製造業、非製造業ともに増益、設備投資は製造業、非製造業ともに増加となっています。
◇「月例賃金の引き上げ」にこだわった結果、賃上げの流れが継続
連合(神津里季生会長、約675万3,000人)は、熊本県熊本市で中央委員会を開き、「2017春季生活闘争 中間まとめ」を確認しました。中間まとめは、現時点までの結果について、「2014春季生活闘争以降4年間継続して「月例賃金の引き上げ」にこだわる方針を打ち出し続けた結果、賃上げの流れは継続しているなどと評価しています。
◇ヤフー、同性パートナーに福利厚生 配偶者と同様の待遇
ヤフーは、社員の同性パートナーや婚姻関係のない内縁のパートナーに対し、配偶者と同様の福利厚生制度を適用すると発表、同日から実施するということです。社員が自治体発行のパートナーシップ証明書などを提出すれば、結婚休暇や育児・介護休暇、結婚時の祝い金など、社内のほぼ全ての福利厚生サービスを提供します。
◇会社が、組合加入通知後、組合員の就労日数を減少させたのは不当労働行為
会社が、組合加入通知直後から組合員の就労日数を減少させたこと等が、不当労働行為にあたるとして救済が申し立てられた事件で、中央労働委員会は、当該就労日数の減少は組合加入を理由になされたものと推認せざるを得ず、組合員であるが故に行われた不利益取扱いに該当すると認めるのが相当であり、さらにそのような行為は組合活動を萎縮させ得るものとして支配介入にも該当する等として、初審大阪府労委の判断を支持する内容の命令書を交付しました。
◇ハローワークを通じた障害者の就職件数、8年連続で増加
厚生労働省は、2016年度の「障害者の職業紹介状況等」を公表しました。ハローワークを通じた障害者の就職件数は9万3,229件(対前年度比3.4%増)となり、8年連続で増加。また就職率は48.6%で同0.4ポイント上昇しています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

29年5月中の主なトピックス

◇非正規割合37.3%、2期連続の低下
総務省が公表した「労働力調査・詳細集計(速報)」によると、2017年1~3月期平均の役員を除く雇用者は5,402万人。うち正規の職員・従業員は3,385万人で前年同期比47万人増加、非正規は2,017万人で同4万人増加。役員を除く雇用者に占める非正規の職員・従業員の割合は37.3%で2期連続低下しました。
◇4月の街角景況感、前月差0.7ポイント上昇
内閣府は、タクシー運転手やコンビニ店長らに街角の景況感をたずねた2017年4月の「景気ウォッチャー調査」の結果を公表しました。現状判断DI(季節調整値)は、前月差0.7ポイント上昇の48.1。5カ月ぶりの増加です。
◇被保護世帯は163万8,944世帯、前年同月比で増加
厚生労働書は、生活保護法に基づく「被保護者調査」(2017年2月分概数)結果を公表しました。被保護実人員は214万1,881人で、前年同月比1万9,426人減少。被保護世帯は163万8,944世帯で、同5,998世帯増加。世帯類型別では、対前月・対前年同月とも、高齢者世帯(特に単身世帯)数は増加、高齢者世帯を除く世帯数は減少しています。
◇東証1部上場企業の夏季ボーナス妥結水準、対前年同期比横ばい
労務行政研究所が発表した「東証第1部上場企業の2017年夏季賞与・一時金の妥結水準調査」結果によると、今夏のボーナスは、全産業127社の平均で72万8,662円、対前年同期比0.0%で横ばいとなりました。
◇小中学校教員、いずれの職種でも学内勤務時間が増加
文部科学省は、「教員勤務実態調査(2016年度)の集計(速報値)」を公表しました。教員の1日 当たりの学内勤務時間は、前回調査(2006年度)との比較で平日・土日ともに、いずれの職種でも増加。教諭については1日当たり、小学校は平日43分・土日49分、中学校は平日32分・土日1時間49分の増加となっています。
◇現金給与総額、前年同月比0.4%減
厚生労働省が公表した2017年3月の「毎月勤労統計調査」結果(速報、事業所規模5人以上)によると、現金給与総額は、就業形態計で前年同月比0.4%減の27万7,512円です。
◇ヤマト、1万人規模で採用 ドライバーらの負担軽減
宅配便最大手のヤマト運輸を傘下に持つヤマトホールディングスは、2017年度中に1万人規模で従業員を採用する方針を明らかにしました。インターネット通販の普及に伴い宅配便取扱量は急増している。長時間労働が続くドライバーらの負担を減らし、労働環境を改善するのが狙いです。
◇二人以上世帯の1カ月平均消費支出、前年同期比実質2.0%減少
総務省が公表した「家計調査報告(家計収支編)2017年1~3月期平均速報」結果によると、1世帯当たり1カ月平均消費支出(二人以上世帯)は27万9,278円で、前年同期比実質2.0%減少。勤労者世帯1世帯当たりの1カ月平均実収入(同)は45万6,903円で、同実質0.1%増 加しています。
◇二人以上世帯の貯蓄高1,820万円、4年連続増加
総務省が公表した「家計調査報告(貯蓄・負債編)」(2016年平均結果速報)によると、二人以上世帯の1世帯当たり貯蓄現在高は1,820万円で、前年比15万円、0.8%増。増加は4年連続。うち勤労者世帯は1,299万円で、同10万円、0.8%減となりました。
 
出所:労働政策研究・研修機構

29年4月中の主なトピックス

◇新規求職申込件数、約1,344万件
厚生労働省が公表した2015年度「職業紹介事業報告書」集計結果によると、民営職業紹介事業所の新規求職申込件数は約1,344万件(対前年度比15.1%減)、求人数(常用求人)は約557万件(同8.7%増)でした。
◇2016年6月1日現在の派遣労働者数は約131万人
厚生労働省が公表した「労働者派遣事業報告書」(2016年6月1日現在の状況)集計結果によると、16年6月1日現在の派遣労働者数は約131万人(対前年比2.5%減)です。
◇人材育成に「何らかの問題がある」事業所、72.9%/能力開発基本調査
厚生労働省は、2016年度「能力開発基本調査」の結果を公表しました。人材育成に関して何らかの「問題がある」とした事業所は72.9%。問題点は、「指導人材の不足」53.4%、「人材育成を行う時間がない」49.7%、「人材を育成しても辞めてしまう」43.8%などとなっています。
◇給与等引上げ以外の処遇改善、「非正規から正規へ転換」73.5%
厚生労働省が公表した2016年度「障害福祉サービス等従事者処遇状況等調査」結果によると、給与等の引上げ以外の処遇改善状況については、「非正規職員から正規職員への転換」73.5%、「介護福祉士等の資格取得を目指す者に対する受講支援」77.6%、「ミーティング等による職場内コミュニケーションの円滑化による勤務環境や支援内容の改善」86.3%などでした。
◇大企業製造業の業況判断DI、2ポイント増のプラス12
日本銀行が公表した3月の「全国企業短期経済観測調査」(短観)結果によると、大企業製造業の業況判断DI(「良い」と答えた企業から「悪い」とした企業の割合を引いた値)はプラス12で、前回調査(2016年12月)を2ポイント上回りました。
◇300人未満の賃上げ水準が全体平均を上回る/連合第3回集計
連合(神津里季生会長)は、2017春季生活闘争の第3回回答集計結果(3月29日17時時点)をとりまとめ、公表しました。要求を提出した5,756組合のうち1,954組合について集計した平均賃金方式での賃金引き上げ額は定昇相当分込み6,147円、率で2.05%となっています。一方、ベースアップなど賃上げ分が明確な1,155組合の賃上げ額は、全体平均で1,326円、率は0.44%でした。
◇2016年の待機児童、10月1日時点で4万7,738人
厚生労働省は、2016年4月1日の待機児童に関する10月1日時点での状況を公表しました。4月の待機児童数は2万3,553人でしたが、年度途中に育児休業明け等により保育の申込みをしたものの入園できない数が2万4,185人増加し、10月1日時点で計4万7,738人。2015年10月と比較すると2,423人増となっています。
◇認可外保育施設、施設数・入所児童数ともに減少
厚生労働省は、2015年度「認可外保育施設」の現況とりまとめを公表しました。認可外保育施設の総数は6,923カ所(前年度比1,115か所減)、入所児童の総数は17万7,877人(同2万3,653人減)で、ともに前年度より減少。「認可外保育施設」とは、児童福祉法に基づく都道府県知事などの認可を受けていない保育施設です。
◇2年連続でパートの賃上げ率が正社員を上回る
繊維をはじめとする製造業や流通・小売業、外食産業など、幅広い業界をカバーし、組合員の半数以上をパートタイマーが占めるUAゼンセン(松浦昭彦会長、約160万人)は、3月31日時点の2017年賃金闘争の妥結状況を発表しました。2年連続で、パートの賃上げ率が正社員を上回る結果となりました。また、正社員の賃上げ額は前年水準を維持しています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

29年3月中の主なトピックス

♢2015年の年休取得日数は8.8日、取得率48.7%
厚生労働省は、2016年「就労条件総合調査」結果を公表しました。2016年1年間の年次有給休暇の取得日数は8.8日(前年8.8日)で、取得率は48.7%(同47.6%)。企業規模別にみると、「1,000人以上」の54.7%(同52.2%)から、「30~99人」の43.7%(同43.2%)まで順次減少しています。調査対象は常用労働者30人以上の民営企業6,310企業で、有効回答は4,529企業です。
◇被保護世帯は164万205世帯、前年同月比増加
厚生労働省は、生活保護の「被保護者調査」(2016年12月分概数)結果を公表しました。被保護実人員は214万5,667人で、前年同月比1万9,918人減少。被保護世帯は164万205世帯で、同6,020世帯増加。世帯類型別では、対前年同月比で、高齢者世帯(特に単身世帯)数は増加、高齢者世帯を除く世帯数は減少しました。
◇「セクハラ・パワハラ等」に関する相談が最多
連合はこのほど、「なんでも労働相談ダイヤル」2017年1月分集計結果を発表しました。受付件数は778件で、前年同月比207件減。主な相談内容は、「セクハラ・パワハラ・嫌がらせ」12.7%、「解雇・退職強要・契約打切」9.6%、「退職金・退職手続」7.1%となっています。
◇全社員にテレワーク 社外で仕事、4月から
富士通は、自宅や外出先など会社以外で仕事をする「テレワーク」制度を4月に導入すると発表しました。全社員約3万5,000人が対象。職場に縛られない柔軟な働き方を促し、仕事と育児や介護の両立が可能となる環境を整えるのが狙いで、多様な人材の確保につなげるためとしています。
◇団交の期日設定や社長の発言等、会社側の対応は不当労働行為
会社側の団交に係る期日設定や、組合員に対する社長の発言等が不当労働行為に当たるとして救済が申し立てられた事件で、中央労働委員会は、団体交渉時の会社の対応は不誠実といわざるを得ず、また社長の発言は組合からの脱退勧奨といわざるを得ないこと等から、労働組合法第7条第2号及び第3号の不当労働行為に当たるとして、会社側の再審査申立を棄却しました。
◇1月の完全失業率、3.0%
総務省が公表した「労働力調査(基本集計)」(速報)によると、2017年1月の完全失業率(季節調整値)は3.0%、前月比0.1ポイント低下。男性は3.1%で前月比0.1ポイント低下、女性は2.7%で前月と同率という結果となっています。
◇1月の二人以上世帯の消費支出、 前年同月比実質1.2%減少
総務省が公表した「家計調査報告」(速報)によると、2017年1月の二人以上世帯の1世帯当たりの消費支出は、 前年同月比実質1.2%減の27万9,249円。勤労者世帯の1世帯当たりの実収入は、 同実質1.0%増の44万1,064円となりました。
◇平均寿命、男性80.75年、女性86.99年
厚生労働省が公表した「第22回生命表(完全生命表)」によると、日本人の平均寿命(0歳の平均余命)は、男性80.75年、女性86.99年です。前回(第21回・2010年)と比べ、男性は1.20年、女性は0.69年上回りました。国勢調査による人口(確定数)と人口動態統計(確定数)による死亡数、出生数を基に5年に1度作成したものです。
◇全産業の人件費、前年同期比2.0%増
財務省が公表した2016年10~12月期の「法人企業統計調査」結果によると、金融業、保険業を含む全産業の人件費は47兆189億円で、対前年同期比2.0%増加しています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

29年2月中の主なトピックス

♢外国人労働者約108万人、届出義務化以来最高
厚生労働省は、外国人雇用についての事業主からの届出状況を公表しました。2016年10月末現在108万3,769人で、前年同期比17万5,873人(19.4%)増加。2007年に届出が義務化されて以来、過去最高を更新。国籍別では、中国が最多で34万4,658人(全体の31.8%)、ベトナム17万2,018人(同15.9%)、フィリピン12万7,518人(同11.8%)などとなっています。
◇2016年10~12月期、152事業所の「再就職援助計画」を認定
厚生労働省は、「再就職援助計画」の2016年度第3四半期の認定状況(速報値)を公表しました。認定事業所数は152事業所で、前年同期比62事業所の減少。離職者数は4,889人で同2,509人の減少。経済的な事情により1カ月間に30人以上の従業員を退職させざるを得ない場合に、事業主は、計画を公共職業安定所長へ事前に提出することが義務づけられています。
◇HIS社長らを聴取 従業員残業、上限100時間超か
大手旅行会社エイチ・アイ・エスが従業員に違法な長時間労働をさせたとされる労働基準法違反事件で、東京労働局が沢田秀雄会長兼社長ら同社幹部を複数回にわたって事情聴取していたことが同社への取材で分かりました。
◇2016年12月の完全失業率、3.1%
総務省が公表した「労働力調査(基本集計)」(速報)によると、2016年12月の完全失業率(季節調整値)は3.1%で前月と同率。男性は3.4%で前月比0.2ポイント上昇、女性は2.7%で同0.2ポイント低下。同時に公表された16年平均の完全失業率(速報)は3.1%で、前年比0.3ポイント低下しています。
◇臨時、非常勤の処遇改善進める
地方自治体の職員などを組織する自治労は1月、都内で中央委員会を開催し、「2017自治労春闘方針」を決定しました。公務員賃金について、給与制度見直しによって過去に引き下げられた賃金水準の引き下げ分も考慮に入れ、4%程度の賃上げを目指します。自治体に勤務する臨時・非常勤等職員の雇用安定や処遇向上に取り組むことも柱としています。
◇女性社員活躍推進を明文化している企業、前年より増加
日本生産性本部が発表した第8回「コア人材としての女性社員育成に関する調査」結果によると、女性社員の活躍推進を経営方針等で明文化している企業は33.2%で、前年(23.0%)より増加。取組内容は、「行動プラン・目標の作成」42.2%、「女性社員の管理職登用に関する数値目標の設定」29.3%、「女性総合職の新卒採用に関する数値目標の設定」24.0%などとなっています。
◇派遣社員の約4割、「4年目以降は正社員雇用」を希望
日本人材派遣協会が発表した「派遣社員WEBアンケート調査」結果によると、4年目以降の働き方として「正社員雇用を希望」は37.2%。正社員希望理由は、「雇用が安定するから」85.5%、「賞与があるから」70.1%、「福利厚生が充実しているから」53.4%などで、いずれも昨年より増加しました。
◇限度時間超の時間外労働を可とする特別条項、約半数の企業が「有り」
日本商工会議所は、「時間外労働規制に関する意識調査結果」を発表しました。時間外労働を可能とする36協定を締結している企業のうち、限度時間を超えて時間外労働を可とする特別条項については、約半数(50.6%)が「有り」と回答。36協定の見直しは、「賛成」53.8%、「反対」40.7%となりました。
◇大和ハウス、プレミアムフライデー導入
大和ハウス工業は、月末金曜日の終業を早める官民一体の取り組み「プレミアムフライデー」を導入すると発表しました。偶数月の最終金曜日は、基本的に午前8時から正午までを勤務時間、正午から午後1時までを休憩、午後1時から5時までを半日有休とするとしています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

29年1月中の主なトピックス

♢被保護世帯は163万7,866世帯、前年同月比増加
厚生労働省は、生活保護の「被保護者調査」(2016年10月分概数)結果を公表しました。被保護実人員は214万4,759人で、前年同月比2万1,260人減少。被保護世帯は163万7,866世帯で、同5,545世帯増加。世帯類型別にみると、対前年同月では、高齢者世帯(特に単身世帯)数は増加、高齢者世帯を除く世帯数は減少しました。
◇消費者態度指数43.1、前月差2.2ポイント上昇
内閣府は、2016年12月の「消費動向調査」結果を公表しました。「消費者態度指数(二人以上の世帯、季節調整値)」は、前月から2.2ポイント上昇し43.1。3カ月ぶりに前月を上回りました。消費者マインドの基調判断は「持ち直しのテンポが緩やかになっている」で据置かれています。
◇「働き方・休み方改革」等についてコメント
経団連の榊原定征会長は記者会見で「働き方・休み方改革」等について、コメントしました。働き方改革は「重要な政策課題で、柱は長時間労働の是正と同一労働同一賃金の実現」とした上で、長時間労働について「残業の上限規制は必要だが、業務継続性と労働者保護の両方を勘案すべき」、また同一労働同一賃金については「政府のガイドライン案に沿って法改正に向けた議論に積極的に参加していくが、十分な時間が必要」などと述べました。
◇2016年12月の転職求人倍率、1.87倍
リクルートキャリアが発表した、転職支援サービス「リクルートエージェント」における2016年12月末日時点の転職求人倍率は1.87倍で、前月と比べ、0.06ポイント増。2014年1月以降、最も高い倍率となりました。
◇2018年卒の新卒採用、引き続き堅調に推移する見込み
リクルートワークス研究所が発表した「ワークス採用見通し調査」結果によると、2018年卒大学生等の新卒採用見通しは、「増える」13.5%、「減る」5.7%、「増える-減る」はプラス7.8ポイントで、依然堅調に推移する見込み。女性比率を前年より高める企業は17.9%。特に、従業員1,000人以上企業では28.5%にのぼっています。
◇三大都市圏アルバイト等の11月の平均時給、前年同月より21円増
リクルートジョブズの調査研究機関ジョブズリサーチセンターは、2016年11月の「アルバイ ト・パート募集時平均時給調査」結果を発表しました。三大都市圏(首都圏・東海・関西)の平均時給は前年同月より21円増の1,002円。3カ月連続で過去最高を更新。初の1,000円超となっています。
◇組合中央執行委員の出席等を理由とした団交拒否は不当労働行為
日本放送協会が、委託契約をしている地域スタッフで組織する労働組合からの団体交渉申入れに対し、組合中央執行委員の出席等を理由として応じなかったことについて救済が申し立てられた事件で、中央労働委員会は昨年12月、初審の東京都労委判断を支持、本件団交拒否は労働組合法第7条第2号の不当労働行為に当たるとしました。
◇2016年12月の街角景況感、前月比横ばい
内閣府は、タクシー運転手やコンビニ店長らに街角の景況感をたずねた2016年12月の「景気ウォッチャー調査」の結果を公表しました。現状判断DIは、前月比横ばいの51.4です。
◇ジェイエステに是正勧告 賃金未払いなど2店舗人
エステサロン「ジェイエステティック」を全国展開する「ザ・フォウルビ」(宇都宮市)の東京都内の2店舗に対し、中央、品川両労働基準監督署が昨年8月と11月、労働基準法違反で是正勧告を出していたことが分かりました。2店舗の女性従業員ら4人が厚生労働省で記者会見して明らかにしたものです。
 
出所:労働政策研究・研修機構

28年12月中の主なトピックス

♢1人平均賃金を引き上げた企業86.7%、前年を上回る
厚生労働省は、2016年「賃金引上げ等の実態に関する調査」の結果を公表しました。2016年中に1人平均賃金の引き上げを実施・予定する企業は86.7%で、前年(85.4%)を上回ります。改定額(予定を含む)は5,176円で、前年(5,282円)を下回り、改定率は1.9%で前年と同水準。調査は8月に実施、常用労働者100人以上を雇用する企業1,709 社について集計したものです。
◇建設労働需給、9月0.9%、10月1.3%の不足
国土交通省が公表した「建設労働需給調査」(2016年10月調査)結果によると、全国の8職種の過不足率は、9月は0.9%、10月は1.3%の不足で、0.4ポイント不足幅が拡大。東北地域は、9月は0.7%、10月は2.2%の不足で、1.5ポイント不足幅が拡大しています。
◇要求額は昨年と同じ定昇相当2%プラス5,600円
大手私鉄やバスなど約230の労働組合が加盟する私鉄総連(田野辺耕一委員長、11万5,000人)は、都内で第1回中央委員会を開催し、2017年春闘の職場討議案を提起しました。月例賃金の産別統一要求として、昨年同様、定昇相当分(賃金カーブ維持分)2.0%に加え生活維持分・生活回復・向上分として5,600円(2.0%相当)の引き上げを求める内容。職場討議を経て、2月2日の拡大中央委員会で正式決定する予定です。
◇派遣社員の実稼働者総数、微増傾向
日本人材派遣協会が発表した「労働者派遣事業統計調査(2016年7~9月期実績)」によると、第3四半期平均の実稼動者総数は、対前年同期比105.1%。7月から8月にかけて減少、9月は増加しました。業務別では、対前年同期比で、「機器操作」「貿易」「軽作業」は増加、「情報処理システム開発」「財務」「販売」が減少しています。
◇全国オーナー企業は7割が後継者不在
帝国データバンクが発表した、全国のオーナー企業についての分析結果によると、オーナー企業のうち7割が後継者不在で、社長が65歳以上の企業では過半数。業種別にみると、「建設業」が10万2,185社で最多となっています。
◇山元に4,800万円賠償命令 アルバイト男性の過労死で
日用家具レンタル会社「山元」(東京都中央区)のアルバイトだった男性(当時38歳)が不整脈で 死亡したのは長時間労働が原因だとして、妻らが同社に約8,200万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が25日、大阪地裁でありました。長谷部幸弥裁判長は業務と死亡との因果関係を認め、約4,800万円を支払うよう命じました。
◇被保護世帯は163万6,902世帯、前年同月比増加
厚生労働省は、生活保護法に基づく「被保護者調査」(2016年9月分概数)結果を公表しました。被保護実人員は214万5,114人で、前年同月比1万8,470人減少。被保護世帯は163万6,902世帯で、同7,304世帯増加しています。
◇合計特殊出生率1.45、前年比で上昇値
厚生労働省は、2015年「人口動態統計(確定数)の概況」を公表しました。2016年9月8日に公表した2015年「人口動態統計(確定数)」の内容に、合計特殊出生率等を追加、最終確定値を取りまとめたものです。合計特殊出生率は1.45で、前年の1.42より上昇しています。
◇要介護(要支援)認定者数は、627.8万人
厚生労働省が公表した「介護保険事業状況報告」(2016年8月暫定版)によると、要介護(要支援)認定者数は2016年8月末現在、627.8万人で、うち男性が195.0万人、女性が432.8万人となっています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

28年11月中の主なトピックス

♢70歳以上まで働ける企業割合、21.2%
厚生労働省は、2016年の「高年齢者の雇用状況」集計結果(2016年6月1日現在)を公表しました。70歳以上まで働ける企業は3万2,478社(対前年差2,527社増)、割合は21.2%(同1.1ポイント増)となりました。集計対象は、従業員31人以上の企業15万3,023社です。
◇旧姓の通称使用、「したいと思わない」62.1%
内閣府は、「男女共同参画社会に関する世論調査」結果を公表しました。結婚して戸籍上の名字姓)が変わった場合、働く際の旧姓の通称使用について、「使用したい」31.1%、「使用したいと思わない」62.1%。性・年齢別に見ると、「使用したい」は男性の18~29歳から50歳代で、「使用したいと思わない」は女性の50歳代から70歳以上で、それぞれ高くなっています。有効回収数は3,059人(回収率61.2%)です。
◇賃上げの結果で成長が決まる
連合のシンクタンクである連合総合生活開発研究所(連合総研)はこのほど、「2016~2017年度経済情勢報告」をまとめ、来年度の経済見通しを発表しました。それによると、労働生産性の伸びを反映した実質賃金の増加によって所得環境が改善した場合、停滞していた個人消費が景気拡大の推進力になるとの試算結果から、2017年度の経済は「賃上げの結果如何で成長が決まる」との見解を示しています。
◇勤め先が「ブラック企業」との認識、24.6%
連合総研は、第32回「勤労者の仕事と暮らしに関するアンケート(勤労者短観)」調査結果を発表しました。勤め先が「ブラック企業」だと「思う」人は24.6%。年代別では、30代男性33.1%、20代男性32.4%などとなっています。うち過去6カ月間に長時間労働が原因で体調を崩した経験がある割合は、ブラック企業だと「思う」正社員で33.7%、非正社員で24.4%に上っています。
◇転職先に重視する項目を伝えられた人は、9割超が契約条件に「満足」
リクルートキャリアが発表した「第31回転職世論調査」によると、自分が力を発揮する条件として重視する項目について、転職先企業に伝えることができた(「すべて」+「ある程度」)人の9割超が、契約条件に「満足」(「非常に」+「ある程度」)と回答しました。回答者数は713名です。
◇マタハラ、和解成立 元記者が業界紙訴え
育児休暇から復職する際、終業時間を遅くすることに同意しなければ退職するよう要求される「マタ ハラ」を受けたとして、日用品関係の業界紙を発行する日本商業新聞社(大阪市)東京支社の記者だった石島聡子さん(41)が同社に慰謝料などを求めて東京地裁に申し立てた労働審判で、同社が石島さんに解決金300万円を支払うことで和解が成立したと、石島さんの代理人弁護士が明らかにしました。
◇2015年の留学生の日本企業等への就職状況を公表
法務省は、2015年における留学生の日本企業等への就職状況を公表しました。留学生が日本企業等への就職を目的に行った在留資格変更許可申請に対する許可数は1万5,657人で、前年(1万2,958人)に比べ2,699人増加。国籍・地域別に見ると、中国、韓国、ベトナム、台湾などアジア諸国が全体の94.9%を占めています。
◇消費者態度指数42.3、前月差0.7ポイント低下
内閣府は、2016年10月の「消費動向調査」結果を公表しました。「消費者態度指数(二人以上の世帯、季節調整値)」は、前月差0.7ポイント低下して42.3。3カ月ぶりに前月を下回りました。消費者マインドは「持ち直しの動きがみられる」に据え置かれています。
◇小企業の従業員不足感、7年連続上昇
日本政策金融公庫がこのほど発表した「全国中小企業動向調査(小企業編)2016年7-9月期特別調査」結果によると、現在の従業員数が「不足」とする企業割合は32.9%で、前回調査(2015年7-9月期)から0.8ポイント上昇しました。上昇は7年連続です。
 
出所:労働政策研究・研修機構

28年10月中の主なトピックス

♢高齢期の一人暮らし、8割以上が「不安」
厚生労働省は、40歳以上の男女3,000人を対象とした「高齢社会に関する意識調査」の結果を公表しました。高齢期の一人暮らしについては、「不安」が8割以上(「大いに不安」39.9%と「やや不安」41.8%)。ダブルケア(育児と介護の同時負担等)については、身近な問題だと「思う」「どちらかというと思う」が合わせて 45.4%となっています。
◇要介護(要支援)認定者数625.4万人
厚生労働省が公表した「介護保険事業状況報告」(2016年6月暫定版)によると、要介護(要支援)認定者数は2016年6月末現在625.4万人で、男性が194.0万人、女性は431.3万人となっています。
◇大企業製造業の業況判断DI、プラス6で横ばい
日本銀行が公表した9月の「全国企業短期経済観測調査」(短観)結果によると、大企業製造業の業況判断DI(「良い」と答えた企業から「悪い」とした企業の割合を引いた値)はプラス6で前回調査(6月)から横ばいです。
◇2015年の年間平均給与420万円、前年比1.3%増
国税庁がこのほど公表した、2015年分「民間給与実態統計調査」結果によると、年間平均給与は420万円で前年比1.3%増。正規・非正規別にみると、正規は485万円(同1.5%増)、非正規は171万円(同0.5%増)となりました。
◇社長としての最優先経営課題、「利益率向上」「組織活性化」等
日本能率協会は、「JMAトップマネジメント研修」受講者に対して実施した「経営者に求められる資質と行動に関するアンケート」の結果を発表しました。社長としての最優先経営課題は、「利益率向上」37.2%、「組織活性化」28.6%、「新事業創造」23.4%、などとなっています。回答数は236人です。
◇パート・アルバイト従業員の時給、平均1.31%引き上げ
ワタミは、10月1日に発効された最低賃金変更を受け、UAゼンセンワタミメンバーズアライアン スとの団交において、パート・アルバイト従業員の賃金引き上げに合意したと発表しました。対象は国内ワタミグループで働く約1万人で、時給引き上げ額は10~25円(平均1.31%)です。
◇「公務員倫理に関するアンケート」結果を公表
国家公務員倫理審査会は、国民(市民)、民間企業、有識者モニターおよび一般職の国家公務員(職員)に対して実施した、2016年度の「公務員倫理に関するアンケート」結果を公表しました。国家公務員の倫理感に対する印象について、「倫理感が高い」または「全体として高いが、一部に低い者もいる」との回答割合は、「市民」アンケート54.4%(2015年度:46.9%)、「民間企業」79.2%( 同70.0%)、「有識者モニター」94.3%( 同80.9%)、「職員」86.7%( 同85.9%)で、いずれも前年度より上昇しています。
◇「第4回 ハローワーク業務改善コンクール」を開催
厚生労働省は「第4回 ハローワーク業務改善コンクール」を開催、128件の応募の中から7件の取組を表彰したことを公表しました。ハローワークの機能強化を図ることを目的に、2010年から2年に一度実施しているもので、今回は名古屋中公共職業安定所が、障害者雇用における就労移行支援機関との連携に取り組み、管内の障害者法定雇用率達成企業を増加させたことを理由として優勝に輝きました。
◇9月の街角景況感、前月比0.8ポイント低下
内閣府は、タクシー運転手やコンビニ店長らに街角の景況感をたずねた2016年9月の「景気ウォッチャー調査」の結果を公表しました。現状判断DIは、前月比0.8ポイント低下の44.8となっています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

28年9月中の主なトピックス

♢「国民生活に関する世論調査」を公表
内閣府が公表した「国民生活に関する世論調査」結果によると、「働く目的は何か」との問いについては、「お金を得るため」53.2%、「社会の一員として務めを果たすため」14.4%、「自分の才能や能力を発揮するため」8.4%、「生きがいをみつけるため」19.9%、などとなっています。
◇景況判断、2地域で引き下げ
内閣府は、8月の「地域経済動向」を公表しました。全国11地域のうち、東北と中国、2地域の景況判断を5月調査から引き下げ、東海、北陸を引き上げました。主に鉱工業生産や個人消費、雇用情勢を総合して判断しています。
◇7月の完全失業率、3.0%
総務省が公表した「労働力調査(基本集計)」(速報)によると、2016年7月の完全失業率(季節調整値)は3.0%で、前月比0.1ポイント低下。男性は3.2%で前月と同率、女性は2.7%で同0.3ポイント低下しました。
◇7月の有効求人倍率、1.37倍
厚生労働省が公表した「一般職業紹介状況」によると、2016年7月の有効求人倍率(季節調整値)は1.37倍で、前月と同水準です。
◇7月の二人以上世帯の消費支出、前年同月比実質0.5%減少
総務省が公表した「家計調査報告」(速報)によると、2016年7月の二人以上世帯の消費支出は、 前年同月比実質0.5%減の27万8,067円。勤労者世帯の実収入は、同実質1.8%減の57万4,227円となっています。
◇Y1社による従業員全員解雇やY2社が組合員を雇い入れなかったこと等、不当労働行為にはあたらず
Y1社は事業用財産をY2社に個別譲渡し、組合員を含む全従業員5名を解雇して同社を解散、Y2社は組合員3名を雇い入れなかった。これらが不当労働行為にあたるとして救済が申し立てられた事案で、中労委は、Y1社は実際に事業を廃止して解散しているから、労組法第7条第1号の不当労働行為責任を負わず、また、Y2社はY1社の雇用関係を承継していないことから、組合員を雇い入れなかったことについて同条第1号は適用されない、などとして、両社による不当労働行為は成立しないとの判断を示しました。
◇最低賃金引上げに向けた中小企業等への支援策を公表
厚生労働省は、業務改善助成金及びキャリアアップ助成金等につき、助成額等の拡充などを盛り込んだ2016年度第二次補正予算案が閣議決定されたとして、その内容を公表しました。「未来への投資を実現する経済対策」(2016年8月閣議決定)において、「最低賃金引上げの環境整備として、中小企業・小規模事業者への支援措置を推進・拡充する」とされたことを踏まえたものとなっています。
◇2016年度、中小企業の63.9%で賃上げ実施
経済産業省は、「中小企業の雇用状況に関する調査」集計結果を公表しました。2016年度にベースアップや賞与増額等で賃上げを行った企業は63.9%で、前年度比2.5%増加(前年度61.4%)。賃上げ実施の理由で最も多かったのは、「人材の採用・従業員の引き留めの必要性」47.6%、次いで「業績回復・向上」32.6%となっています。回答企業数は7,024社です。
◇「全国マタハラ未然防止対策キャラバン」を実施
厚生労働省は、9月1日から12月31日まで、全国の都道府県労働局で「全国マタハラ未然防止対策キャラバン」を実施します。事業主等を対象として、職場における妊娠・出産・育児休業等に関するハラスメント対策や改正法等についての説明会を開催。また「ハラスメント対応特別相談窓口」を開設します。
◇2015年度の介護サービス等実受給者数、605万1,100人
厚生労働省は、2015年度「介護給付費等実態調査」(2015年5月~2016年4月審査分)結果を公表しました。年間実受給者数は605万1,100人で、対前年度比16万8,100人(2.9%)増加しています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

28年8月中の主なトピックス

♢国家公務員採用総合職試験、女性合格者の割合25.5%
人事院は、2016年度国家公務員採用総合職試験(院卒者・大卒程度)の合格者を公表しました。合格者数は院卒者639人、大卒程度1,372人の計2,011人。女性合格者の割合は全体で25.5%となり過去最高となっています。なお、一般職も、合格者数7,583人のうち、女性が2,548人と昨年度比227人(9.8%)増加し、人数、割合とも過去最高です。
◇総括判断、「弱さがみられるものの、緩やかに回復」に据え置き
財務省は、7月末までの3カ月間の景気動向をまとめた「全国財務局管内経済情勢報告概要」を公表しました。2016年4月判断と比べた7月の地域経済の動向は9地域で据え置き、2地域(関東、九州)で下方修正。全局総括判断は「弱さがみられるものの、緩やかに回復している」に据え置いています。
◇被保護世帯は163万3,401世帯、前年同月比で増加
厚生労働省は、生活保護法に基づく「被保護者調査」(2016年5月分概数)結果を公表しました。被保護実人員は2154万8,282人で、前年同月比1万3,160人減少。被保護世帯は163万3,401世帯で、同1万876世帯の増加となりました。
◇全国一律最低賃金制を視野に「アクションプラン」を採択
全労連(小田川義和議長、約80万5,000人)は7月の3日間、都内で定期大会を開き、向こう2年間の運動方針を決めました。大会では、全国一律最低賃金制導入を視野に、「今すぐ最賃1,000円以上」を求める「全国最賃アクションプラン」を採択。組織拡大については、新たに今年度開始の 「組織拡大強化4ヵ年年計画」を定め、「全労連専任オルグ」を配置するなどして組織化をてこ入れするようです。
◇転職成功者の平均年齢は32.3歳、男女ともに過去最高
インテリジェンスが運営する転職サービスDODA(デューダ)が発表した「転職成功者の年齢調査」結果(2016年上半期)によると、平均年齢は32.3歳で前回調査の2015年下半期から0.2歳アップ。男性は32.9歳(前回比プラス0.2歳)、女性は29.7歳(同プラス0.1歳)で、男女ともに過去最高値を更新。
◇3月期決算上場企業の平均年間給与、622万3,000円
東京商工リサーチが発表した調査結果によると、上場2,218社の2016年3月期決算の平均年間給与は622万3,000円で、前年比7万4,000円(1.2%)増加。前年からの伸び率は3年連続で1%以上。伸び率の最高は不動産業で、前年比2.5%増、次いで建設業が同2.1%増となっています。
◇父親の育児休業取得率、34.2% 〔ドイツ〕
連邦統計局が6月に発表した資料によると、2014年生まれの子の父親が育児休業を取得した割合は34.2%でした。前年比で2.2ポイント増加しており、3人に1人以上の父親が育児休業を取得したことになります。
◇2016年度「グッドキャリア企業アワード」を実施
厚生労働省は、従業員の自律的なキャリア形成の支援に取り組む企業を公募し、優れた事例を表彰する「グッドキャリア企業アワード」を実施します。受賞企業は、ウェブサイト等で優れた事例として紹介。応募締切りは9月30日で、来年1月中旬に表彰式を予定しています。
◇今春大卒者の就職者割合74.7%、前年度比2.1ポイント上昇
文部科学省が公表した2016年度「学校基本調査」(速報値)によると、今春の大学卒業者の就職者割合は74.7%で、前年度より2.1ポイント上昇。このうち、正規雇用者の割合は71.3%で、同2.4ポイントの上昇となっています。
◇月例給0.17%、ボーナス0.1カ月の引き上げ
人事院は、2016年の国家公務員の月例給を0.17%(708円)、ボーナス(期末・勤勉手当)を0.1カ月引き上げるよう、国会と内閣に勧告しました。月例給、ボーナスとも3年連続の引き上げとなります。その他、配偶者に係る扶養手当額を他の扶養親族と同額まで減額、子に係る手当額の引き上げなどを勧告しています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

28年7月中の主なトピックス

♢志望動機は「仕事にやりがい」「公共のために」が約7割
人事院が公表した「総合職試験等からの新規採用職員に対するアンケート調査」結果によると、志望動機は「仕事にやりがい」66.8%、「公共のために」64.4%で、ここ数年同じ傾向。「将来、事務次官級まで昇進したい」は17.1%で、過去最高となりました。有効回答数は738人です。
◇5月の有効求人倍率1.36倍、前月比0.02ポイント上昇
厚生労働省が公表した「一般職業紹介状況」によると、2016年5月の有効求人倍率(季節調整値)は1.36倍で、前月に比べ0.02ポイント上昇しました。
◇大企業製造業の業況判断DI、横ばい
日本銀行が公表した、6月の「全国企業短期経済観測調査」(短観)結果によると、大企業製造業の業況判断DI(「良い」と答えた企業から「悪い」とした企業の割合を引いた値)はプラス6で、前回調査(3月)から横ばいとなっています。
◇65歳以上人口の割合26.7%、過去最高
総務省は、2015年「国勢調査(抽出速報集計)」結果を公表しました。2015年10月1日現在の総人口は、1億2,711万人。前回(2010年)調査から94万7,000人減少(0.7%減)、1920年の調査開始以来、初めての減少となりました。総人口に占める65歳以上人口の割合は26.7%(前回23.0%)で、調査開始以来最高を記録しています。
◇「人手不足」企業は55.6%、前年比約5ポイント上昇
日本商工会議所が発表した「人手不足等への対応に関する調査」集計結果によると、「人手が不足している」企業は55.6%で、昨年調査(50.3%)から5.3ポイント上昇しました。業種別では、「宿泊・飲食業」(79.8%)、「介護・看護」(77.5%)などで人手不足感が強い結果となっています。有効回答数は2,405社です。
◇8割の企業が賃上げ、上げ幅は月2,500円未満が最多
東京商工リサーチは、「2016年〔賃上げ、同一労働同一賃金〕に関するアンケート調査」結果を発表しました。2016年の賃上げ実施企業は8割、うち約5割(49.1%)は、賃上げ幅が月2,500円未満(年3万円未満)となっています。賃上げの理由は「従業員の定着・確保を図るため」が67.8%で最高。有効回答数は8,097社です。
◇2015年度「財形制度」の実施状況を公表
厚生労働省は、2015年度「勤労者財産形成促進制度」(財形制度)の実施状況を公表しました。2015年度末時点での財形貯蓄の契約件数は823万1,400件(対前年度末比97.4%)、残高は15兆9,905億円(同99.2%)。また財形持家融資の貸付決定件数は746件(対前年度比86.4%)、貸付決定金額は129億円(同88.5%)で、いずれも前年度に比べ減少しています。
◇賃上げ率は3年連続で2%台に
連合(神津里季生会長)は、2016春季生活闘争の最終集計結果となる第7回回答集計結果を公表しました。7月1日午前10時時点で集約された賃上げ回答(平均賃金方式)は、金額で5,779円、率では2.00%となり、賃上げ率は3年連続で2%台となりました。
◇2017年卒予定大学生等の6月の内々定率、65.3%
マイナビが発表した「2017年卒マイナビ大学生就職内定率調査」結果によると、大学生・大学院生の6月末時点の内々定率は前年同月比21.1ポイント増の65.3%。複数内々定を獲得している学生の割合は53.3%のようです。
◇障がい者雇用支援キャンペーンを開始
全国求人情報協会では、障がい者雇用支援キャンペーンを開始しました。会員の求人メディアが、障がい者雇用を求人企業に紹介するとともに無料で求人情報を掲載することで、障がい者雇用を支援するということです。期間は9月30日までで、厚生労働省が後援しています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

28年6月中の主なトピックス

♢ハローワークを通じた障害者の就職件数、前年度比6.6%増
厚生労働省は、2015年度の「障害者の職業紹介状況等」を公表しました。ハローワークを通じた障害者の就職件数は9万191件で、前年度比6.6%増。就職率は48.2%で、同1.0ポイント増。特に、精神障害者の就職件数が大幅に増加しました。
◇管理的地位の女性職員7.7%と公表
厚生労働省はこのほど、女性活躍推進法第17条に基づき、女性の職業選択に資する情報を公表しました。2015年度の厚生労働省の女性職員割合は、「本省総合職」29.4%、「常勤職員合計」8.1%、非常勤職員も含めた合計67.8%。2015年7月1日現在で、管理的地位の女性職員は7.7%となっています。
◇4月の完全失業率3.2%、前月と同率
総務省が公表した「労働力調査」(速報)によると、4月の完全失業率(季節調整値)は3.2%で、前月と同率。また同日公表された2015年「労働力調査年報」によると、同年平均は3.4%で、前年比0.2ポイント低下しました。低下は5年連続です。
◇4月の二人以上世帯の消費支出、 前年同月比実質0.4%減
総務省が公表した「家計調査報告」(速報)によると、2016年4月の二人以上世帯の1世帯当たり消費支出は、 前年同月比実質0.4%減の29万8,520円。勤労者世帯の実収入は、同実質1.0%増の48万98円となっています。
◇就職活動中「対応に苦慮する要求を経験」74.3%
連合は、全国の入社2~5年目の大卒男女正社員1,000名を対象に実施した「内定・入社前後のトラブルに関する調査」結果を発表しました。就職活動中「対応に苦慮する要求を経験した」人は74.3%。また入社後、賃金等の労働条件について「書面で渡された」66.0%、「口頭で説明」7.9%、「なにも説明はなかった」5.0%となっています。
◇「採用選考指針」を「基本的に遵守」した企業、44.7%
産労総合研究所が発表した「2015年度新規学卒者の採用活動・管理の実態調査」結果によると、経団連の「採用選考に関する指針」への対応について、「基本的には指針を遵守」44.7%、「遵守の方針だったが途中で変更」18.8%、「最初から指針を意識せず活動」33.0%でした。集計企業数は296社です。
◇被保護世帯は163万5,393世帯、前月比で増加
厚生労働省は1日、生活保護法に基づく「被保護者調査」(2016年3月分概数)結果を公表しました。被保護実人員は216万4,154人で、前月より2,847人増加。被保護世帯は163万5,393世帯で、前月より2,447世帯増加しています。
◇要介護(要支援)認定者数618.6万人
厚生労働省が公表した「介護保険事業状況報告」(2016年2月暫定版)によると、要介護(要支援)認定者数は2016年2月末現在618.6万人で、男性191.3万人、女性427.4万人となっています。
◇「3年連続して賃上げが実現できたことは大きな成果」/連合の中央委員会
連合(神津里季生会長、約675万人)は、都内で中央委員会を開き、2016春季生活闘争中間まとめを確認しました。中間まとめは闘争全般に対する現時点までの受け止めについて、「『月例賃金の引き上げ』にこだわる取り組みを進めた結果、3年連続して賃上げが実現できたことは大きな成果」などと評価しました。
◇中小企業の労働条件改善等のため、公取委等との通報制度の対象事案を拡充
厚生労働省は、閣議決定された「ニッポン一億総活躍プラン」で、「長時間労働の背景として、親事業者の下請代金法等違反が疑われる場合、中小企業庁や公正取引委員会に通報する制度を構築し、下請などの取引条件にも踏み込んで長時間労働を是正する仕組みを構築する」とされたことをうけ、2008年12月より実施している当該制度の対象事案を拡充しました。
 
出所:労働政策研究・研修機構

28年5月中の主なトピックス

♢2015年の労働災害発生の頻度1.61、前年より低下
厚生労働省は、2015年「労働災害動向調査(事業所調査(事業所規模100人以上)及び総合工事業調査)」結果を公表しました。規模100人以上事業所では、度数率(労働災害発生の頻度)1.61(前年1.66)、強度率(労働災害の重さの程度)0.07(同0.09)、死傷者1人平均労働損失日数41.0日(同56.4日)で、いずれも前年より減少しました。
◇2015年賃金改定額7,137円、改定率2.15%
中央労働委員会は、資本金5億円以上、労働者1,000人以上の企業を対象とした、2015年「賃金事情等総合調査」(「賃金事情調査」及び「退職金、年金及び定年制事情調査」)の結果(確報)を公表しました。2014年7月から15年6月までの1年間の労働者一人平均の賃金改定額(調査産業計)は7,137円、改定率は2.15%です。
◇要介護(要支援)認定者数618.3万人
厚生労働省が公表した「介護保険事業状況報告」(2016年1月暫定版)によると、要介護(要支援)認定者数は2016年1月末現在618.3万人で、男性191.2万人、女性427.2万人となっています。
◇新入社員の初任給、「据え置き」66.1%
労務行政研究所は、東証第1部上場企業を対象とした「2016年度新入社員の初任給調査」の速報集計を発表しました。33.9%の企業が「全学歴引き上げ」、前年度と同額に「据え置き」した企業は66.1%。初任給額は、大卒21万313円で前年度比820円(0.4%)上昇、高卒16万4,894円で同714円(0.4%)上昇となっています。回答社数は227社です。
◇「理想の上司」男性は松岡修造さん、女性は天海祐希さん
産業能率大学は、「2016年度 新入社員の理想の上司」調査結果を発表しました。男性は松岡修造さんで2年連続、女性は天海祐希さんで7年連続です。
◇「『保活』の実態に関する調査」中間とりまとめを公表
厚生労働省は、「『保活』の実態に関する調査」の結果(中間とりまとめ)を公表しました(4月11日から17日までの結果)。「希望どおりの保育施設を利用できた」人は全体の57.8%(892人)。「希望どおりでない」が、「認可保育園等を利用できた」23.7%(366人)と「認可外の 保育施設を利用できた」11.9%(184人)はあわせて35.6%(550人)。「保育施設等を利用できなかった」は4.0%(61人)でした。有効回答数は1,544人です。
◇2015年度第4四半期「再就職援助計画」認定状況を公表
厚生労働省は、「再就職援助計画」の2015年度第4四半期(1~3月)分認定状況(速報値)を公表しました。認定事業所数は381事業所で、前年同期比4カ所増。 離職者数は1万7,724人で、同519人の増加。同計画は経済的な事情により1カ月間に30人以上の従業員を退職させざるを 得ない場合に、事前の公共職業安定所長への提出が義務付けられています。
◇非正規割合37.6%、前年同期比0.1ポイント低下
総務省が公表した「労働力調査・詳細集計(速報)」によると、2016年1~3月期平均の役員を除く雇用者は5,332万人。うち正規の職員・従業員は3,325万人で、前年同期比60万人増加。また、非正規の職員・従業員は2,007万人で同28万人増加しました。役員を除く雇用者に占める非正規の職員・従業員の割合は37.6%で前年同期比0.1ポイント低下し、低下は4期ぶりです。
◇3月の完全失業率3.2%、前月比0.1ポイント低下
総務省が公表した「労働力調査」(速報)によると、3月の完全失業率(季節調整値)は3.2%で、前月比0.1ポイント低下。また、2015年度平均の完全失業率(速報)は3.3%で、前年度比0.2ポイント低下しています。
◇3月の二人以上世帯の消費支出、 前年同月比実質5.3%減
総務省が公表した「家計調査報告」(速報)によると、2016年3月の二人以上世帯の1世帯当たりの消費支出は、前年同月比実質5.3%減の30万889円。勤労者世帯の実収入は、同実質0.3%増の45万698円となっています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

28年4月中の主なトピックス

♢人材育成の課題、「指導人材の不足」53.5%/能力開発基本調査
厚生労働省は、2015年度「能力開発基本調査」の結果を公表しました。人材育成に関して何らかの「問題がある」とした事業所は71.6%。問題点は「指導する人材が不足」53.5%、「人材育成を行う時間がない」49.1%、「人材を育成しても辞めてしまう」44.5%などとなっています。
◇福祉・介護職員給与等の引上げ方法、「定期昇給」64.7%
の実施方法は「定期昇給を実施(予定)」64.7%、「各種手当を引上げまたは新設(予定)」33.3%という結果となりました。
◇日航、組織管理職の女性比率12%以上 男性に出生休暇の取得要請
日本航空は、女性活躍推進法に基づき、2018年度末までに組織管理職に占める女性の割合を12%以上とすることなどを盛り込んだ行動計画をまとめたと発表しました。有給休暇取得率を90%以上とするほか、配偶者の出産前後2週間以内に子供の出生休暇を3日間取得する男性の割合を100%にすることも明記しています。
◇HIV休職指示、違法確定 勤務病院に賠償命令
エイズウイルス(HIV)に感染した看護師が、勤務先の病院で本人の同意なく感染情報が共有され、上司から休職を指示されたのは違法として、病院を経営する福岡県の医療法人に損害賠償を求めた訴訟で、違法と認めた二審判決が確定しました。最高裁第3小法廷(山崎敏充裁判長)はで医療法人側の上告を退ける決定をしました。
◇長崎県に賠償命令 元臨時職員の雇用形態、一部違法
長崎県の臨時職員だった40代女性が、県が雇用主を短期間に繰り返し切り替えたのは違法として、県に損害賠償を求めた訴訟の判決が、長崎地裁でありました。田中俊行裁判長は女性の訴えを一部認め、県に40万円の支払いを命じました。
◇4,790事業場で違法な時間外労働を摘発
厚生労働省は、2015年4月から12月に監督指導を行った8,530事業場のうち、4,790事業場で違法な時間外労働を確認、是正・改善に向けた指導を行ったと公表しました。このうち月100時間を超える残業が認められたのは、2,860事業場でした。
◇下請等中小企業の取引条件改善に向けた調査結果を公表
中小企業庁は、「経済の好循環実現に向けた政労使会議」の合意・決定(2014年12月及び2015年4月)に基づく価格転嫁等の取組状況、取引条件の改善状況や課題についての調査結果を公表しました。「合意を知っている」大企業のうち、「取引価格を引き上げた」は67.8%。取引単価の引上げにより収益が改善した場合、「従業員の賃金を引き上げる」とした中小企業は71.6%でした。
◇「職業紹介事業が売上の全て」の事業者、17.1%
厚生労働省は、「民間人材ビジネス実態把握調査(職業紹介事業者)」の結果を公表しました。「職業紹介事業が売上の全てを占めている」事業者は17.1%。一方、「0%」は40.5%、「10%未満」30.2%となっています。
◇勤務先における環境整備が在宅勤務定着の秘訣
国土交通省は、2015年度「テレワーク人口実態調査」の結果を公表しました。「勤務先における環境整備が在宅勤務定着の秘訣」、「勤務時間のスライド等の工夫により、さらに柔軟で効果的な在宅勤務が実現」、などと分析。週1日以上終日在宅で就業する雇用型在宅型テレワーカーの全労働者に占める割合は、2.7%です。
◇現金給与総額、前年同月比0.9%増
厚生労働省が公表した2016年2月の「毎月勤労統計調査」結果(速報、事業所規模5人以上)によると、現金給与総額は、前年同月比0.9%増の26万2,558円。特別集計の2015年年末賞与は37万367円で、2014年に比べ0.3%減少しています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

28年3月中の主なトピックス

♢「妊娠等を理由とする不利益取扱い及びセクシュアルハラスメントに関する実態調査」
労働政策研究・研修機構は、「妊娠等を理由とする不利益取扱い及びセクシュアルハラスメントに関する実態調査」結果を記者発表しました。いわゆるマタハラなど妊娠等を理由とする不利益取扱い等の経験率は21.4%で、上司だけではなく同僚からも、男性だけでなく女性からも行われていることや、セクハラ経験率は28.7%で、正社員は34.7%である、ことなどが明らかになりました。
◇女性活躍推進法認定マークの愛称を決定
厚生労働省は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」に基づく認定表示(認定マーク)の愛称を「えるぼし」に決定したと公表しました。応募総数は285件。厚生労働大臣の認定を受けた企業は、認定マークを商品や広告、求人票等に使用することができます。
◇過酷な労働実態とワークルール普及に向けた取り組み
違法な時間外労働や賃金不払い残業、健康障害防止対策の未実施、職場のハラスメント。労働者に過酷な働き方を強いる、いわゆる「ブラック企業」が社会問題化しています。厚生労働省は2月、昨年11月に実施した「過重労働解消キャンペーン」の実施結果を公表。重点監督を実施した5,031事業場の7割強で、労働基準関係法令の違反があり、厚労省ではこれらの違反事業場に対し、是正に向けた指導を行いました。
◇2016年度、新入社員のタイプは「ドローン型」
日本生産性本部の「職業のあり方研究会」が発表した、2016年度新入社員の特徴・就職等に関するとりまとめ結果によると、新入社員のタイプは、「ドローン型」。強い風(就職活動日程や経済状況などのめまぐるしい変化)にあおられたが、なんとか自律飛行を保ち、目標地点に着地(希望の内定を確保)できた者が多かったと分析しています。
◇労働時間、1日20分短縮 基本給は維持
2016年春闘の労使交渉で、味の素は、所定労働時間を1日当たり20分短縮することを労働組合側に回答、妥結しました。短縮後は1日の労働時間が7時間15分となり、実質的なベースアップとなります。
◇1月の有効求人倍率1.28倍、前月比0.01ポイント上昇
厚生労働省が公表した「一般職業紹介状況」によると、2016年1月の有効求人倍率(季節調整値)は1.28倍で、前月から0.01ポイント上昇しました。
◇被保護世帯は163万4,185世帯、前月比で増加
厚生労働省は、生活保護法に基づく「被保護者調査」(2015年12月分概数結果)を公表しました。被保護実人員は216万5,585人で、前月より1,210人増加。被保護世帯は163万4,185世帯で、同1,965世帯増加しています。
◇全産業の人件費、前年同期比1.0%増
財務省が公表した2015年10~12月期の「法人企業統計調査」によると、金融業、保険業を含む全産業の人件費は46兆753億円で、前年同期と比べて1.0%増加しました。
◇金融界、ベア要求の見送り広がる マイナス金利など響く
手金融機関の労働組合の間で、2016年春闘でのベースアップ(ベア)要求を見送る動きが広がっています。世界経済の下振れ懸念や日銀によるマイナス金利政策の影響で「収益環境の先行き不透明感が高まっている」(メガバンク労組)ためで、賃上げの低迷は、政府・日銀が目指すデフレ脱却に逆風となりそうです。
◇第6回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞、決定
第6回「日本でいちばん大切にしたい会社」大賞(主催:人を大切にする経営学会、後援:厚生労働省)の受賞者が発表されました。57件の応募の中から18団体が受賞者に決定、うち、「厚生労働大臣賞」には、株式会社エイチ・エス・エー(神奈川県)が選出されました。
 
出所:労働政策研究・研修機構

28年2月中の主なトピックス

♢外国人労働者約91万人、届出義務化以来、過去最高
厚生労働省は、外国人雇用についての事業主からの届出状況を公表しました。2015年10月末現在の外国人労働者数は90万7,896人で、前年同期比12万269人(15.3%)増加し、届出が義務化されて以来、過去最高を更新しました。
◇2015年の所定内賃金、全産業平均38万9,712円
経団連が発表した「2015年6月度 定期賃金調査結果」によると、所定労働時間内賃金の平均は、全産業で38万9,712円、製造業38万607円、非製造業40万2,120円。一方、所定労働時間外賃金の平均は、全産業5万3,046円、製造業5万5,048円、非製造業5万318円。各産業をとりまく経営環境の違いなどを反映し、業種ごとにはばらつきがみられています。
◇社長の平均年齢、59.2歳で過去最高
帝国データバンクが発表した「2016年全国社長分析」によると、社長の平均年齢は、2015年は59.2歳と過去最高を更新。年商規模別では「1,000億円以上」の60.9歳が最高、次いで「1億円未満」60.0歳。規模が小さいほど70代や80歳以上の社長が多い結果となっています。
◇世界の失業者数は2016年、2017年ともに引き続き増加
国際労働機関(ILO)が発表した、「World employment and social outlook-Trends」(世界の雇用及び社会の見通し-動向編・英語)2016年版によると、2015年の失業者数は最終的に世界全体で1億9,710万人とみられ、2016年は約230万人増の1億9,940万人、2017年は110万人増の2億50万人に達すると予想されています。
◇2014年7月時点の中小企業・小規模事業者数、380.9万社
中小企業庁は、中小企業・小規模事業者の数等(2014年7月時点)の集計結果を公表しました。2014年の中小企業・小規模事業者数は380.9万社。12年から14年までの2年間で約4万社減少しましたが、09年から12年までの3年間の35万社減少と比較すると、減少ペースは緩やかになったと分析しています。
◇2016年の賃上げ見通し、定昇込み6,689円・2.12%
労務行政研究所が発表した「2016年賃上げの見通し―労使および専門家495人アンケート調査」の結果によると、16年の賃上げ見通しは、全回答者の平均で6,689円(2.12%)(定期昇給分を含む)。労使別では、労働側6,616円(2.10%)、経営側6,553円(2.08%)となっています。
◇2015年の役員報酬額、社長は3,476万円
産労総合研究所が発表した、2015年「役員報酬の実態に関する調査」によると、役員の年間報酬額は平均で、会長3,693万円、社長3,476万円、専務2,433万円。役員賞与を支給する企業は46.5%、支給方法は「利益配分」が40.3%で最多。集計企業数は155社です。
◇2015年の「休廃業・解散」、2万3,914件
帝国データバンクは、第8回『 全国「休廃業・解散」動向調査』の結果を発表しました。2015年(1~12月)の「休廃業・解散」は、2万3,914件。前年(2万4,106件)を192件(0.8%減)下回り、3年連続で前年比減少しました。
◇組合執行委員長に対する自宅待機命令等、不当労働行為と認定委
学園が、組合の執行委員長に自宅待機を命じたこと等が不当労働行為に当たるとして救済申立てがあった事件で、中央労働委員会は1月、本件自宅待機命令等は合理性を欠くとともに、団交が継続している時期に行われたもので、単組の存在、活動、及び中心的人物であった執行委員長の活動を嫌悪して行われた不利益な取扱いであり、労組法第7条第1号の不当労働行為に当たると判断、愛知県労委の初審命令を維持し、学園側の再審査申立てを棄却しました。
◇全相談件数は1万9,286件
厚生労働省は、「都道府県労働局雇用均等室における法施行状況」(2015年10~12月分)速報値を公表しました。雇用均等室に寄せられた全相談件数は1万9,286件。内訳は、均等法関連5,479件、育児・介護休業法関連1万1,968件、パート労働法関連1,839件です。
 
出所:労働政策研究・研修機構

28年1月中の主なトピックス

♢自動車運転者を使用する事業場に対する監督指導等の状況を公表
厚生労働省は、全国の労働基準監督機関が、トラック、バス等、自動車運転者を使用する事業場に対して行った監督指導や送検の2014年状況を公表しました。監督指導を行った3,907事業場のうち、労働基準関係法令違反が認められたのは3,240事業場(82.9%)にのぼり、主な違反事項は、労働時間(56.0%)、割増賃金(24.3%)等となっています。
◇母子家庭の母及び父子家庭の父の自立支援施策の実施状況を公表
厚生労働省は、母子家庭の母と父子家庭の父に対する就業支援などの自立支援に関する施策の2014年度実施状況を公表しました。母子家庭等就業・自立支援センターにおける就業相談の件数は8万8,422件(前年度9万5,760件)、就職件数は6,407件(同6,544件)です。
◇ブラック企業等に関する電話相談件数、979件
連合は、12月に実施した「全国一斉労働相談ダイヤル」の集計状況を発表しました。寄せられた相談件数は979件で、これまで実施した2日間のキャンペーンの中では過去最多となりました。業種別では「サービス業」17.2%、「卸売・小売業」14.1%、「医療・福祉」13.4%等です。
◇営業職員、初任給2万円上げ 16年度入社から
第一生命保険は、営業担当職員の初任給を月額2万円程度引き上げる方針を明らかにしました。優秀な人材を確保するのが狙いで、2016年度入社から適用します。営業職員の初任給引き上げは01年度以来15年ぶりです。
◇「残業少なく、自分の時間を持てる職場を好む」81.1%
日本生産性本部はこのほど、2015年度の入社半年後の新入社員を対象に実施したアンケート調査結果を発表しました。管理職に「なりたくない」女性新入社員は73.0%で前年から変化は見られませんでした。「残業が少なく、平日でも自分の時間を持て、趣味などに時間が使える職場」を好むとする回答は、設問設置の1998年以来最高の81.1%となっています。
◇合理的な理由のない回答引き延ばし等は不当労働行為
日幸製菓が、① 団交での組合要求に対し、具体的な回答や根拠資料を提示しなかったこと、② 年末一時金とそれ以外の事項との一括妥結に固執したこと、③ 組合の団結権を侵害する内容の社内報を発行したこと、などが不当労働行為として救済が申し立てられた事案で、中央労働委員会は咋年12月、合理的な理由のない回答引き延ばし等は不当労働行為に当たるとして、岐阜県労委の初審命令を変更し、誠実な協議、組合の組織化に影響を及ぼす文書配布等による支配介入行為の禁止等を命じました。
◇団交への理事長出席の必要性までは認めず
団体交渉の際、理事長が出席しなかったことなどが不当労働行為に当たるとして申し立てられた事案で、中央労働委員会は12月、吉備学園側が団体交渉に実質的な交渉権限を有した者を出席させなかったことは不当労働行為に当たるが、理事長の出席までを命じる必要性は認められないとし、これを求めた組合側の再審査申立てを棄却しました。
◇介護サービス受給者405万1,100人
厚生労働省は、「介護給付費等実態調査月報」(10月審査分)を公表しました。受給者総数は、介護予防サービス115万7,500人、介護サービス405万1,100人。受給者1人当たり費用額は、介護予防サービスで3万6,400円、介護サービスでは18万5,000円です。
◇経済再生へ積極経営を 賃上げ、設備投資促す
経団連、日本商工会議所、経済同友会のトップは、東京都内で年頭記者会見を開きました。榊原定征経団連会長が「企業の賃上げと設備投資の拡大がかぎとなる」と強調するなど、3氏は日本経済の再生に向け、各企業が積極的な経営を行うべきだとの認識を表明。名目GDP(国内総生産)600兆円の目標を掲げる安倍政権の経済政策に協力する考えを示しました。
◇「ワークルール教育の推進に関する法律」第1次試案を発表
日本労働弁護団はこのほど、「ワークルール教育の推進に関する法律」の第1次試案(2015年11月18日付)を、ホームページ上で発表しました。ワークルール教育は労使間の紛争防止と労働者の自立を支援する上で重要なものであり、ワークルール教育の機会が提供されることは国民の権利である としています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

27年12月中の主なトピックス

♢前年比の内定辞退者比率、「上がった」45.1%
リクルートワークス研究所は、「企業の採用動向と採用見通し調査」を発表しました。内定辞退者の比率が前年に比べて「上がった」と回答した企業は45.1%、「下がった」は10.5%。2015年卒と比べて、採用効率が「下がった」と認識している企業は59.4%と過半数。集計社数3,634社です。
◇被保護世帯は162万9,598世帯、前年同月比で増加
厚生労働省は、生活保護法に基づく「被保護者調査」の2015年9月分概数結果を公表しました。被保護実人員は216万3,584人で、前月より228人増。被保護世帯は162万9,598世帯で、同874世帯の増加となりました。
◇定年65歳に延長 自動車業界で初
ホンダは、定年を現行の60歳から65歳に延長することで労働組合の執行部と基本合意したと発表しました。同社によると自動車業界では初めてで、国内の従業員約4万人が対象。労使間では配偶者に対する扶養手当の廃止など新人事制度を協議しており、2016年度中の導入を目指しています。
◇14年度「都道府県等における障害者虐待事例への対応状況等」
厚生労働省は、2014年度「都道府県・市区町村における障害者虐待事例への対応等に関する状況」の調査結果を公表しました。それによると、虐待に当たると判断された件数は、養護者によるもの1,666件、障害者福祉施設従事者等によるもの311件、使用者によるもの299事業所となっています。
◇農業就業人口の平均年齢66.3歳
農林水産省が公表した「2015年農林業センサス」によると、販売農家の農業就業人口は209万人で、5年前に比べて51万6,000人(19.8%)減少。農業就業人口の平均年齢は66.3歳、65歳以上が占める割合は63.5%です。
◇全産業の人件費、前年同期比2.0%増
財務省が公表した2015年7~9月期の「法人企業統計調査」によると、金融業、保険業を含む全産業の人件費は44兆7,180億円で、前年同期と比べて2.0%増加しました。
◇賃上げ要求方針は「2%程度を基準、定昇相当込み4%程度」
連合(神津里季生会長)は、都内で中央委員会を開催し、2016春季生活闘争方針を決定しました。賃金の「底上げ・底支え」と「格差是正」を最重点に位置づけ、サプライチェーン全体での適正配分の取り組みを浸透させるとともに、大手追従・大手準拠などから脱却した中小労組の主体 的な闘争を展開するなどとしています。賃上げ要求水準は、「2%程度を基準とし、定期昇給相当分(賃金カーブ維持相当分)を含め4%程度とする」としています。
◇「障がい者雇用に関する経営実態調査」
野村総合研究所とNRIみらいが発表した「障がい者雇用に関する経営実態調査」によると、特例子会社を持たずに自社で障がい者を雇用しているのは上場企業の74.2%。その上場企業のうち約5割が、障がい者の採用について質・量ともに課題を抱えているようです。有効回答数は上場企業217社、特例子会社142社となっています。
◇1人平均賃金の改定額5,282円、前年を上回る
厚生労働省は、2015年「賃金引上げ等の実態に関する調査」の結果を公表しました。2015年中に1人平均賃金の引き上げを実施・予定する企業は、前年比1.8ポイント上昇の85.4%。改定額は5,282円(前年5,254円)、改定率は1.9%(同1.8%)で、いずれも前年を上回っています。調査は8月に実施、常用労働者100人以上を雇用する企業1,661社について集計したものです。
◇介護サービス受給者400万900人
厚生労働省は、「介護給付費等実態調査月報」(8月審査分)を公表しました。受給者総数は、介護予防サービス115万900人、介護サービス400万900人。受給者1人当たり費用額は、介護予防サービスで3万6,700円、介護サービスでは19万2,500円となっています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

27年11月中の主なトピックス

♢「職場の悩み」の相談相手、「公的機関」「同僚」が上位
日本産業カウンセラー協会は、連合と協力して9月に開設した第9回「働く人の電話相談室」の結果を発表しました。過去8回の結果に比べ、特に「ハラスメント」に関する相談が多く、「職場の悩み」の相談相手は、「公的機関」(22.3%)がトップ、次いで「同僚」(12.5%)となっています。 全国から受け付けた相談者数は436人です。
◇新規学卒者の卒業後3年以内の離職状況を公表
厚生労働省は、2012年3月に卒業した新規学卒者の離職状況を公表しました。新規学卒者の卒業後3年以内の離職率は、大学32.3%(前年比0.1ポイント減)、高校40.0%(同0.4ポイント増)、中学65.3%(同0.5ポイント増)となっています。
◇9月の完全失業率3.4%、前月と同率
総務省が公表した「労働力調査(基本集計)」(速報)によると、9月の完全失業率(季節調整値)は3.4%で、前月と同率。男性は3.6%で、前月比0.1ポイント上昇、女性は3.1%で、同0.1ポイント低下しました。
◇要介護(要支援)認定者数614.5万人
厚生労働省が公表した、「介護保険事業状況報告(暫定)」(2015年7月分)によると、要介護(要支援)認定者数は7月末現在、614.5万人で、うち男性190.0万人、女性424.5万人です。
◇9月の有効求人倍率1.24倍、前月比0.01ポイント上昇
厚生労働省が公表した「一般職業紹介状況」によると、9月の有効求人倍率(季節調整値)は1.24倍で、前月に比べて0.01ポイント上昇しました。
◇家族の介護の経験と介護に関する不安・知識
第一生命経済研究所は、全国の18~69歳の男女7,256人に対して実施したアンケート調査をまとめた「ライフデザイン白書2015年」の調査結果のうち、介護の分野に関するデータを発表しました。それによると、家族を介護した経験のある人は22%、介護サービスについて、「外部の人が家に入ること」への抵抗感は、公的介護保険開始年度(2000年度)以降ほぼ変化なしとなりました。
◇9月の二人以上世帯の消費支出、 前年同月比実質0.4%減
総務省が公表した「家計調査報告」(速報)によると、9月の2人以上世帯の1世帯当たりの消費支出は、前年同月比で実質0.4%減の27万4,309円。勤労者世帯の実収入は、同実質1.6%減の41万5,467円となっています。
◇「再就職援助計画」の認定事業所、238事業所
厚生労働省は、「再就職援助計画」の2015年度第2四半期(7~9月)分認定状況(速報値)を取りまとめ、公表しました。認定事業所数は238事業所で、前年同期比46カ所減少。離職者数は1万2,352人で、同1,967人増加。同計画は経済的な事情により1カ月間に30人以上の従業員を退職させざるを得ない場合に、事業主が事前に公共職業安定所長へ出すことが義務付けられています。
◇大手企業の冬のボーナス、前年比3.13%増
経団連は、大手企業の2015年年末賞与・一時金(冬のボーナス)の妥結状況(第1回集計、80 社)を発表しました。平均額(加重平均)は、前年比3.13%増の91万697円。業種別では「鉄鋼」6.14%増、「造船」5.97%増などとなっています。
◇2014年「老人福祉・介護事業者」の新設法人は3,645社
東京商工リサーチが発表した2014年「老人福祉・介護事業者」の新設法人調査結果によると、1月から12月の新設法人数は3,645社で、2010年(1,557件)の2.3倍に増加しているものの、前年より159件(4.1%減)減少、2010年以降では初めて前年を下回りました。
 
出所:労働政策研究・研修機構

27年10月中の主なトピックス

♢1,479事業場で違法な時間外労働を確認、是正・改善指導
厚生労働省は、長時間労働が疑われる事業場に対して労働基準監督署が2015年4月から6月までに実施した監督指導の結果を公表しました。対象となった2,362事業場のうち、1,479事業場(62.6%)で違法な時間外労働を確認、是正・改善に向けた指導が行われました。
◇保育受け入れ枠、2年間で約21.9万人分拡大
厚生労働省は、2015年4月1日時点での保育所等定員や待機児童の状況、及び「待機児童解消加速化プラン(加速化プラン)」に基づく自治体の取組状況等の取りまとめを公表しました。加速化プランの集計結果によると、2013、14年度の2年間で、保育受け入れ枠は約21.9万人分拡大した模様です。
◇「育休でも通園」認める決定 所沢市の処分、執行停止
第2子の出産で育児休業を取得したことを理由に、長女(3歳)を保育園から退園させたのは違法だとして、保護者が埼玉県所沢市を相手に退園の取り消しを求めた訴訟で、さいたま地裁(志田原信三裁判長)が一審判決の40日後まで通園を認める決定を出していたことを、原告側の代理人弁護士が明らかにしました。
◇月給制契約社員、無期雇用に 販売員の環境改善
三越伊勢丹は、来年4月から月給制契約社員(メイト社員)を全て無期雇用にすると発表しました。現在は3年目まで1年契約の有期雇用で、4年目から無期雇用としています。販売員の働く環境を改善し、接客の質の向上につなげるとしています。
◇働く母親のストレス、トップは「職場内でのいじめ・いやがらせ」
リクルートワークス研究所は、「働くマザーのストレス調査報告書」をホームページで公開しました。ストレス値が最も高かったのは「職場内でのいじめ・いやがらせ」で、プライベートでは「配偶者の性格や態度」がトップでした。
◇年休の取得日数8.8日、取得率47.6%でともに低下
厚生労働省は、2015年「就労条件総合調査」結果を公表しました。2014年1年間の年次有給休暇の取得日数は8.8日、取得率は47.6%で、ともに前年より低下しました。また、年次有給休暇を時間単位で取得できる制度がある企業割合は16.2%でした。
◇多かったのは「育休取得に関する相談」など
連合が実施した「マタハラに負けない!!産休・育休なんでも労働相談」に寄せられた相談件数は36件。育児休業の取得に関するもの(12件)、妊娠、出産等を理由とする不利益取扱いに関するもの(11件)が多い結果となりました。
◇仕事にやりがいがあると思っている人は、職業能力向上に意欲的
第一生命経済研究所は、18~69歳の男女7,256人に対するアンケート調査をもとにまとめた『ライフデザイン白書 2015年』の中から、正社員等の働く目的や能力開発意識等についての結果を発表しました。それによると、男女とも仕事にやりがいがあると思っている人のほうが、職業能力向上に意欲的のようです。
◇IT技術者の仕事上の不満、「給与が低い」45.2%
マイナビが発表した「ITエンジニアの転職意識調査」によると、IT技術職として働く人の「現在、仕事上で抱いている不満」は、「給与が低い」が45.2%で最多となっています。
◇アルバイト等からの相談が件数、割合ともに増加
連合は、「なんでも労働相談ダイヤル」8月分集計結果を発表しました。受付件数は896件で、前年同月(961件)より65件減。雇用形態別では、アルバイト、臨時・非常勤職員からの相談が件数、割合ともに増加しています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

27年9月中の主なトピックス

♢「女性活躍推進法」が成立
「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」が成立しました。これにより、301人以上の労働者を雇用する事業主は、2016年4月1日までに、女性の活躍推進に向けた行動計画の策定・届出などを行うことが新たに義務づけられます。
◇マタハラの認知度は93.6%
連合は、20~40代の女性654名に対して行った「第3回マタニティハラスメント(マタハラ)に関する意識調査」結果を発表しました。「マタハラ」という言葉の認知度は93.6%、2014年(62.3%)から31.3ポイント増加。被害をうけた人は正社員34.9%、非正規24.4%で正社員が10.5ポイント多いという結果になっています。
◇2015年度、中小企業の67.6%賃上げ実施
経済産業省は、「中小企業の雇用状況に関する調査」集計結果を公表しました。2015年度にベースアップや賞与増額等で賃上げを行った企業は67.6%で、前年度比3.3%増加(前年度64.3%)。賃上げを行った企業のうちベースアップを実施した企業は26.9%で、前年度比4.7%増加(前年度22.2%)。回答企業数は7,352社です。
◇均等法第30条に基づく事業所名公表、初の事案
厚生労働省は、妊娠を理由とする解雇を撤回するよう求めた厚生労働大臣による勧告に従わなかったとして、男女雇用機会均等法第30条に基づき、事業所名を公表しました。初めての公表事案です。
◇正社員の過不足状況、17期連続で「不足超過」
厚生労働省が公表した「労働経済動向調査」(四半期ごとに実施)によると、2015年8月1日現在の労働者の過不足状況は、正社員等労働者が「調査産業計」で29ポイントと17期連続、パートタイム労働者は同28ポイントと24期連続でそれぞれ不足超過となっています。今回特別項目として、既卒者の募集採用および新規学卒者採用枠での募集時期も調査に盛り込んでいます。
◇再雇用の待遇改善 工場熟練者が対象
トヨタ自動車は定年後に再雇用した工場勤務の技能系社員の待遇を改善する方針を決めました。一定の条件を満たす社員については、再雇用後も定年前の給与水準を維持する仕組みを2016年1月に設けることで9日までに労使が合意しました。少子高齢化で人手不足が見込まれる中、熟練した技能を持つシニア社員を積極活用し、生産現場での競争力の維持・強化を図るということです。
◇ハローワークで「就業継続サポートプラン」を実施
厚生労働省は、全国のハローワークで「就業継続サポートプラン」を実施しています。従業員の離職を防止し、継続した就業に対する事業主の取組を支援するため、雇用管理改善の面から積極的な支援を行うこととしています。
◇「統計からみた我が国の高齢者」を公表
総務省は、「敬老の日」(9月21日)にちなみ、人口推計等の結果から取りまとめた高齢者(65歳以上)の人口、就業、家計等を公表しました。2015年9月15日現在で、高齢者人口は3,384万人、総人口に占める割合は26.7%でともに過去最高。就業者数は、11年連続で増加し、681万人と過去最多となっています。
◇「こころほっとライン」を開設
厚生労働省は、電話相談窓口「こころほっとライン」を開設しました。メンタルヘルス不調やストレスチェック制度、過重労働による健康障害の防止対策について、全国の労働者等からの電話相談に応じます。
◇7月の求人広告掲載件数、前年同月比18.6%増
全国求人情報協会(全求協)は、会員各社の7月の求人広告掲載件数の集計結果を発表しました。求人メディア全体の広告掲載件数は103万6,800件で、前年同月比18.6%増となりました。
 
出所:労働政策研究・研修機構

27年8月中の主なトピックス

♢5月の被保護世帯数は162万2,525世帯、前年同月比で増
厚生労働省は、生活保護法に基づく「被保護者調査」の2015年5月分概数結果を公表しました。被保護実人員は216万1,442人で、前年同月に比べ1,590人増加。被保護世帯は162万2,525世帯で、前年同月比1万9,432世帯増加しました。
◇大学生等が働きたいのは、「コミュニケーションが密」な組織
リクルートキャリアの就職みらい研究所は、就職活動を行っている2016年3月卒業予定の大学生等に「働きたい組織の特徴」を尋ねた調査結果を発表しました。上位にあがったのは、「コミュニケーションが密で、一体感を求められる」「仕事と私生活のバランスを自分でコントロールできる」などとなっています。
◇仕事を楽しんでいる人の6割超、高い成果をあげていると自己評価
日本能率協会グループは、「第5回『ビジネスパーソン1,000人調査』仕事を楽しむ意識」の調査結果を発表しました。仕事を楽しんでいる人は全体の40.8%で、仕事を楽しんでいる人の6割超が高い成果をあげていると自己評価しています。 
◇2014年度の介護サービス等実受給者数、588万3,000人
厚生労働省は、2014年度「介護給付費実態調査」(2014年5月審査分~2015年4月審査分)結果を公表しました。年間実受給者数は、588万3,000人で、前年度に比べ22万2,500人(3.9%)の増加となっています。
◇要介護(要支援)認定者数は608.9万人
厚生労働省が公表した「介護保険事業状況報告(暫定)」(2015年5月分)によると、要介護(要支援)認定者数は5月末現在で608.9万人。うち男性は187.9万人、女性は421.1万人です。
◇2014年度の苦情相談件数は1,025件、前年度比159件増
人事院は、行政執行法人職員以外の各府省の一般職職員の2014年度苦情相談の概要を公表しました。相談件数は1,025件(前年度比159件増)、事案数は706件(同107件増)で、過去4年連続の減少から増加に転じました。相談内容は「パワハラ」が約4分の1で最多です。
◇就職活動終了を強要する行為、68.3%の大学等が「相談を受けた」
文部科学省は、就職問題懇談会と共同で実施した、大学および短大における学生の就職・採用活動時期の変更(後ろ倒し)に関するアンケート調査の7月1日現在の結果を公表しました。学生等の意思に反して就職活動の終了を強要する2016年3月卒業・修了予定者に対するハラスメント的な行為について、68.3%の大学等が「相談を受けた」と回答しています。
◇国家公務員総合職試験、女性合格者の割合22.9%
人事院は、2015年度国家公務員採用総合職試験(院卒者・大卒程度)の合格者を公表しました。合格者数は院卒者655人、大卒程度1,071人の計1,726人。女性合格者の割合は22.9%で、過去2番目に高い割合となっています。
◇転職成功者の平均年齢は31.8歳、5年ぶりに低下
転職サイトDODA(デューダ)を運営するインテリジェンスは、転職成功者の年齢についての調査結果を発表しました。転職成功者の平均年齢は、31.8歳で5年ぶりに低下。大きな要因は、若手女性の転職の増加です。
◇雇われて働く安定を取り戻す動き
さまざまな場面で「請負」労働が拡大するなか、スマートフォンのアプリケーションを使ったタクシー配車サービス、「ウーバー(UBER Technology Inc.)によって乗客を紹介されるタクシー運転手がウーバーと雇用関係があるかどうかという問題や、物流サービス大手のフェデックスが契約するトラック運転手と雇用関係があるかという問題をめぐる議論が過熱しています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

27年7月中の主なトピックス

♢志望動機は「仕事にやりがい」「公共のために」が約7割
人事院が公表した、総合職試験等からの新規採用職員に対するアンケート調査結果によると、志望動機は「仕事にやりがい」「公共のために」が約7割。「定年まで働きたい」が初めて5割を超えました。
◇労使関係の認識、事業所「安定的」8割、労働者「良好」5割
厚生労働省は、2014年の「労使コミュニケーション調査」結果を公表しました。それによると、労使関係が「安定的」と認識している事業所は86.9%、労使コミュニケーションが「良好」と認識している労働者は53.5%でした。本調査は5年ごとに実施しているもので有効回答数は3,195事業所、3,457人です。
◇Aランクで19円、Bランクで18円、C・Dランクで16円を答申
厚生労働省の中央最低賃金審議会は、塩崎厚労相に対し、2015年度の地域別最低賃金の改定目安について答申しました。引上げ目安は、東京、愛知、大阪など「Aランク」が19円、埼玉、京都、広島など「Bランク」が18円、北海道、石川、福岡など「Cランク」が16円、青森、沖縄など「Dランク」が16円となっています。全国加重平均は18円(昨年度は16円)と4年連続の2桁で、最低賃金が時給で決まるようになった平成14年度以降、最高となりました。
◇14年度、雇用均等室への相談は9万5,896件
厚生労働省は、2014年度の「都道府県労働局雇用均等室における法施行状況」を公表しました。雇用均等室に寄せられた全相談件数は9万5,896件(前年度8万1,141件)で、内訳は均等法関連2万4,893件、育児・介護休業法関連5万2,796件、パート労働法関連1万8,207件となっています。
◇文系:JTB、理系:トヨタ自動車が首位
マイナビが発表した2016年卒業予定大学生の「就職企業人気ランキング調査」結果によると、文系ではJTBグループが8年連続の首位、理系はトヨタ自動車が7年ぶりのトップとなりました。
◇障害のある従業員に対する理解・配慮を促すための研修等、実施は22.8%
第一生命経済研究所はこのほど、従業員数100人以上の上場企業に対して実施した、障害者雇用に関するアンケート調査の結果を発表しました。それによると、障害のある従業員に対する他の従業員の理解・配慮を促すことが重要と答えた企業は9割を超えたものの、そのための研修等を実施したことが「ある」企業は22.8%に止まっています。回答社数は243社です。
◇要介護(要支援)認定者数は607.7万人
厚生労働省が公表した「介護保険事業状況報告(暫定)」(2015年4月分)によると、要介護(要支援)認定者数は4月末現在607.7万人で、男性187.5万人、女性420.3万人となっています。
◇「セクハラ・パワハラ・嫌がらせ」の相談が3割超
連合は、6月11・12日に実施した「女性のための全国一斉労働相談」の集計結果を発表しました。相談件数は542件、雇用形態別では、正社員以外からの相談が4割強、相談内容では、「セクハラ・パワハラ・嫌がらせ」が3割超となっています。
◇2015年の民間主要企業春季賃上げ率、2.38%
厚生労働省は、2015年「民間主要企業春季賃上げ要求・妥結状況」を公表しました。平均妥結額は7,367円で、前年(6,711円)に比べ656円増。賃上げ率は2.38%で、前年(2.19%)に比べ0.19ポイント増。賃上げ率は平成10年以来17年ぶりの高水準となっています。集計対象は資本金10億円以上かつ従業員1,000人以上の労働組合のある企業のうち、妥結額(定期昇給込みの賃上げ額)などを把握できた314社です。
◇新入社員の意識、「人並みに働けば十分」が過去最高
日本生産性本部と日本経済青年協議会が発表した2015年度新入社員の「働くことの意識」調査結果によると、「人並みに働けば十分」が53.5%と過去最高(前年度52.5%)、「人並み以上に働きたい」は前年度を1.3ポイント下回り38.8%となっています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

27年6月中の主なトピックス

♢5月の大学生就職内定率は20.7%、前年同月比27.0ポイント低下
人材サービス会社リクルートキャリアが発表した「2015年5月の就職内定状況(2016年卒)」調査によると、5月1日時点での大学生の就職内定率は20.7% 、前年同月の47.7%に比べて27ポイント下がりました。また就職活動実施率は93.9%と、前年同月の72.3%と比べ、21.6ポイント上昇しています。
◇生活できる賃金を求める運動が過去最大規模で展開(米国)
236都市、参加者約6万人のファイト・フォー・フィフティーン(Fight for Fifteen)運動が4月に全米で展開されました。ターゲットとなったのは、マクドナルドをはじめとするファスト・フード店で、連邦最低賃金が7.25ドルにとどまるなか、人間らしい生活ができる最低水準となる貧困ラインを上回る賃金、15ドルを獲得することを目的としています。
◇「イクメン企業アワード2015」・「イクボスアワード2015」を実施
厚生労働省は、男性の育児休業取得を促進するプロジェクトの一環として、2015年度「イクメン企業アワード」および「イクボスアワード」を実施します。「イクメン企業アワード」は、男性の育児と仕事の両立を積極的に促進する企業を表彰。「イクボスアワード」は、部下の育児と仕事の両立を支援する管理職=「イクボス」を企業などからの推薦によって募集、表彰するとしています。
◇女子学生限定のインターンシップを実施
内閣官房内閣人事局は、参加府省と連携して、女子大学生(大学または大学院)を対象とするインターンシップを実施すると公表しました。内閣人事局と2府省を組み合わせた計13グループで実習を行う予定です。
◇財形持家融資制度、貸付金利0.2%引き下げ
厚生労働省は、所管する独立行政法人勤労者退職金共済機構が、2015年7月1日以降の新規申込み分から、財形持家融資制度の金利引下げ特例措置を実施すると公表しました。18歳以下の子などを養育する勤労者を対象に、当初5年間の金利を通常から0.2%引き下げた貸付金利で、住宅の取得やリフォームのための資金融資を行います。2016年3月31日までの時限措置となっています。
◇全産業の人件費、前年比0.8%増
財務省が公表した2015年1~3月期の「法人企業統計調査」結果によると、全産業(金融業、保険業を含まない)の人件費は40兆5,739億円で、前年同期と比べて0.8%増加しました。
◇大企業の夏季ボーナス、前年比2.43%増の91万3,106円
経団連は、大手企業の2015年夏季賞与・一時金(ボーナス)の業種別妥結状況(第1回集計)を発表しました。調査対象の36.7%にあたる90社で妥結。このうち平均額が不明などの27社を除く63社の平均妥結額(加重平均)は、前年比2.43%増の91万3,106円でした。
◇女性クオータ法、成立(ドイツ)
連邦参議院は3月、女性クオータ法を承認しました。同法の成立に伴い、大手企業108社は2016年1月から監査役会の女性比率を30%以上とすることが義務付けられます。さらに大手企業3,500社には、役員や管理職の女性比率を高めるための自主目標の設定、具体的措置、達成状況に関する報告義務が課されます。女性クオータ制は、同時に公的部門にも適用されるということです。
◇悪質な賃金未払いに厳罰化の動き(広東省) (中国)
広東省高級人民法院(裁判所)は「労働報酬未払いの刑事事件化金額基準」を本年3月3日に施行しました。これは、賃金未払いに対する罰則を強化しようとする、中国政府の一連の施策に従ったものです。
◇「パワハラ対策取組支援セミナー」を開催
厚生労働省は、人事担当者向けに「パワハラ対策取組支援セミナー」を7月上旬から全国47都道府 県で順次開催します。(参加費無料・事前申込制)セミナーは、「パワーハラスメント対策導入マニュアル」を活用した具体的なパワハラ対策の導入方法を中心に、講義とグループワーク形式で実施されます。(日程・会場は随時更新。)
 
出所:労働政策研究・研修機構

27年5月中の主なトピックス

♢死亡災害、死傷災害、重大災害、いずれも前年を上回る
厚生労働省は、2014年の労働災害発生状況を公表しました。死亡災害、死傷災害、重大災害はいずれも前年を上回りました。死亡災害は前年に比べ27人(2.6%)増、死傷災害は1,378人(1.2%)増、重大災害は48件(19.7%)増となっています。
◇過労死等の防止のための対策に関する大綱(素案)を検討
厚生労働省の過労死等防止対策推進協議会は、第4回会合を開き、「過労死等の防止のための対策に関する大綱(素案)」についての検討を行いました。この大綱は、2014年11月1日に施行された過労死等防止対策推進法の規定に基づき、定められるものです。
◇3月の完全失業率3.4%、前月比0.1ポイント低下
総務省が公表した労働力調査(速報)によると、3月の完全失業率(季節調整値)は3.4%となり、前月に比べ0.1ポイント低下しました。また、2014年度平均の完全失業率(速報)は3.5%で前年度に比べ0.4ポイント低下しました。
◇現金給与総額、前年同月比0.1%増
厚生労働省が公表した2015年3月の毎月勤労統計調査結果(速報、事業所規模5人以上)によると、現金給与総額の平均は、前年同月比の0.1%増の27万4,924円でした。
◇全国のホームレス数は6、541 人、前年比967人減
厚生労働省は、「ホームレスの実態に関する全国調査(概数調査)」結果を公表しました。確認されたホームレス数は、6,541人(男性6,040人、女性206人、不明295人)で、昨年に比べ967人(12.9%)減少したようです。本調査は、厚労省が各自治体の協力を得て行っているもので巡回による目視調査で、2015年1月に実施されました。
◇4割強が深夜勤務、3割が週20時間以上就労
「ブラック企業対策プロジェクト」は、「学生アルバイト全国調査(全体版)」を発表しました。深夜勤務がある者42.8%、週あたり20時間以上就労している者29.0%など、学生が深夜労働・長時間労働に従事している現状があるとし、バイトによる疲れから学業への支障が出ている者の割合が高くなっていると指摘しています。調査は2014年7月に実施され、有効回答数は4,702人です。
◇2014年9月度退職金・年金に関する実態調査
経団連は、「2014年9月度 退職金・年金に関する実態調査」結果を発表しました。標準者(学校卒業後直ちに入社、標準的に昇進・昇格した者)の退職金額は、「管理・事務・技術労働者」の60歳・総合職で大学卒が2,357.7万円、高校卒が2,154.9万円。経団連と東京経営者協会との共同調査で、回答企業数257社です。
◇「仕事よりもプライベート優先」が5割超
「2015年マイナビ新入社員意識調査」によると、「社会人生活への期待」が4年連続で減少、「プライベート優先」が2011年の調査開始以来初めて「仕事優先」を逆転し5割を超えました。対象は、マイナビ実施の研修へ参加した各企業の新入社員2,786名。
◇資生堂、美容部員500人を正社員採用
資生堂は、店頭で顧客応対をする美容部員「ビューティーコンサルタント(BC)」について、2016年4月入社の新卒500人を正社員採用すると発表しました。BCの正社員採用は11年ぶりです。雇用を安定させて優秀な人材を確保するとともに、顧客応対力の強化を図るとしています。の全国企業短期経済観測調査(短観)結果によると、大企業製造業の業況判断DI(「良い」と答えた企業から「悪い」とした企業の割合を引いた値)はプラス12で、昨年12月の前回調査から横ばいでした。
◇収入格差が拡大したとの認識、4割超
連合総研は、第29回「勤労者の仕事と暮らしに関するアンケート(勤労者短観)」調査結果の概要を発表しました。勤労者の景況感や物価、仕事に関する意識などの定点調査のほか、「家計の経済状況」「3年後の経済状況や5年後の自身の賃金見通し」「収入格差に関する認識と階層意識」などについて尋ねています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

27年4月中の主なトピックス

♢民営職業紹介事業所での常用求人数、前年度比19.7%増/厚労省集計
厚生労働省が公表した、2013年度の「職業紹介事業報告」の集計結果によると、民営職業紹介事業所の常用求人数は約410万人(対前年度比19.7%増)、常用就職件数は約66万件(同32.9%増)となっています。新規求職申し込み件数は約924万件(同35.0%増)です。
◇13年度の派遣労働者約252万人
厚生労働省が公表した「労働者派遣事業報告書」の集計結果によると、2013年度の派遣労働者数は約252万人で、前年度と比較して2.6%増加しています。常用換算派遣労働者数は約126万人で、同1.8%減となりました。
◇ビジネスパーソン1,000人の英語力を調査
日本能率協会が発表した第4回「ビジネスパーソン1,000人調査」(英語力)結果によると、外国人と一緒に働くには「英語でコミュニケーションをとれる」ことが重要と考える人が37.2%にのぼりました。しかし、実践できている人は12.4%にとどまっています。
◇14年の女性社長比率7.5%、24年連続で前年比上昇
帝国データバンクが発表した「2015年全国女性社長分析」結果によると、14年の女性社長比率は7.5%で、比較可能な1991年以降、24年連続で前年比上昇しています。
◇大企業の「ハッカソン」取り組みを調査
富士通総研がこのほど実施した、大企業のオープンイノベーションおよび「ハッカソン」取り組みに関する実態調査によると、オープンイノベーションの必要性を認識しながらも取り組みは従来型にとどまり、「ハッカソン」の認知度も低いことがわかりました。「ハッカソン」とは、ハック(hack)+マラソン(marathon)の造語で、個人もしくはチームで、限られた短時間のうちに既存製品の追加機能や新しいソフトウェアなどの開発に際して、そのスキルやアイデアを競うイベントです。
◇女性上司からも被害 初のマタハラ実態調査
企業が妊娠、出産した従業員に不利益な待遇をするマタニティーハラスメント(マタハラ)の被害者支援に取り組む民間団体「マタハラNet」は、初めての実態調査の結果などをまとめた「マタハラ白書」を発表しました。女性の上司や同僚からの被害も多く、「加害者は男女を問わない」と指摘しています。
◇OFF-JT費用、今後増加の見込み
厚生労働省は、2014年度の能力開発基本調査の結果を公表しました。正社員1人当たりのOFF-JT費用について、「今後3年間」の見込みと「過去3年間」の実績を比較すると、昨年に引き続き、今後3年間は「上昇傾向」とする企業割合が37.3%となっています。
◇認可外保育施設数、入所児童数ともに増加
厚生労働省は、2013年度の「認可外保育施設の現況取りまとめ」を公表しました。14年3月31日現在の施設数は、前年度から105カ所増の7,939カ所、入所児童数は、同2,476人増の20万3,197人でした。
◇大企業製造業の業況判断DI横ばい
日本銀行が公表した3月の全国企業短期経済観測調査(短観)結果によると、大企業製造業の業況判断DI(「良い」と答えた企業から「悪い」とした企業の割合を引いた値)はプラス12で、昨年12月の前回調査から横ばいでした。
◇海外生産比率、海外設備投資比率とも過去最高水準
経済産業省は、「海外事業活動基本調査」結果を公表しました。2013年度の製造業の海外生産比率は22.9%、海外設備投資比率は29.4%で、ともに過去最高水準となりました。
 
出所:労働政策研究・研修機構

27年3月中の主なトピックス

♢産休・育休後に仕事復帰する女性の約半数、復帰後も母乳育児を継続
さく乳器などの母乳育児関連製品を販売するメデラが発表した調査によると、出産後1年6カ月未満で仕事復帰した女性の約半数が、復帰後も母乳育児を継続しているそうです。しかし、約6割がトイレでさく乳しており、母乳育児と仕事を両立させるための職場環境の整備が不十分であることがわかりました。
◇今後3年間に雇用者を増やす見通しの企業が6割超
内閣府は、今後の景気や需要動向の見通しなどを企業に尋ねた「2014年度企業行動に関するアンケート調査」結果を公表しました。今後3年間(15~17年度)に雇用者を増やす見通しの企業割合は 61.1%(前年度調査54.9%)でした。
◇遺族年金、賠償金元本と相殺 支払額、少ない計算法採用
過労による精神障害が原因で死亡したとして労災認定された男性の両親が会社に求めた損害賠償について、両親に支給された遺族補償年金を賠償金の元本と遅延損害金のどちらと相殺するかが争われた訴訟の上告審判決で、最高裁大法廷(裁判長・寺田逸郎長官)は、元本と相殺すべきだとの判断を示しました。これにより、両親に支払われる賠償額がより少なくなる結果となりました。
◇三井住友信託、70歳まで成果給 バブル組離職に備え
三井住友信託銀行は、相続・贈与や不動産などの知識を持つ専門職の財務コンサルタントについて、現行65歳までの再雇用期間を原則70歳まで延長することを明らかにしました。成果に応じた給与を最長70歳まで支給する「フェロー制度」として、今夏に運用を始めます。原則70歳までの再雇用 は大手銀で初めてです。
◇正社員採用予定、7年ぶりの高水準
帝国データバンクは、2015年度の「雇用動向に関する企業の意識調査」結果を発表しました。正社員の採用予定がある企業は63.6%にのぼり、リーマン・ショック前の08年度以来7年ぶりに6割を超えました。
◇15年度の新入社員は「消せるボールペン型」
日本生産性本部は、2015年度の新入社員のタイプを「消せるボールペン」と名付けました。ありきたりの見かけだけで判断して、「変化に対応できる柔軟性」を活用しなければもったいないとしています。ただ、酷使しないよう注意も必要――などとも解説しています。
◇現金給与総額、前年同月比1.3%増
厚生労働省が公表した1月の毎月勤労統計調査結果(速報、事業所規模5人以上)によると、現金給与総額は前年同月比1.3%増の27万2,779円でした。
◇全産業の10~12月期の人件費、前年同期比0.9%増
財務省が公表した2014年10~12月期の法人企業統計によると、金融業、保険業を含む全産業の人件費は45兆6,247億円で、前年同期と比べて0.9%増加しました。
◇子育て・介護費用を融資
東京都の子育て・介護支援融資制度「すくすく・ささえ」では、受験費用や入学準備資金、介護休業中の生活費などを融資しています。特別対策期間中の3月31日までに申込むと、融資期間中の年利が1.3%になります。対象は都内に在勤・在住の中小企業従業員です。
◇今後5年間、引き続き失業者が増加、就業構造は大きく変化
国際労働機関(ILO)は、「世界の雇用と社会の展望:2015年の動向」と題する報告書を発表しました。それによると、2014年の失業者数は世界全体で2億100万人に達しており、今後2019年までに2億1,200万人に増加すると予測しています。さらに、今後5年間で就業構造が大きく変化すると見ており、対策が重要だと強調しています。
 
出所:労働政策研究・研修機構

27年2月中の主なトピックス

◇働き方・休み方改善ポータルサイト」を開設
厚生労働省は、長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進といった「働き方改革」を支援する「働き方・休み方改善ポータルサイト」を開設しました。長時間労働削減推進本部の方針のもと収集した、働き方改革に取り組んでいる企業21社の事例を紹介しています。また、「働き方・休み方改善指標」による自己診断ができます。
◇新生銀、未払いの残業代9億円支給 社長ら報酬カット
新生銀行は、行員の時間外労働管理をめぐり是正を勧告された問題で、約650人に対して未払いの残業代計約9億円を支払うと発表しました。管理体制を見直すとともに、当麻茂樹社長と中村行男副社長は1カ月分の報酬の2割をカットし、薦田貴久人事部長は同1割を自主返納する処分を決めました。
◇現金給与総額、前年同月比1.6%増
厚生労働省が公表した2014年12月の毎月勤労統計調査結果(速報、事業所規模5人以上)によると、現金給与総額は、前年同月比1.6%増の55万1,878円でした。なお、同日公表の14年分結果速報によると、同年平均の月間現金給与総額は、前年比0.8%増の31万6,694円でした。
◇都道府県間移動者数、3年連続で減少
総務省が公表した「住民基本台帳人口移動報告2014年結果」によると、都道府県間移動者数は225万9,688人で、3年連続で減少しました。一方、都道府県内移動者数は264万8,321人となり、12年以来2年ぶりに減少しました。
◇有期雇用特別措置法の施行に必要な省令・告示案、「妥当」と答申
厚生労働省の労働政策審議会は、「専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法施行規則案要綱」「特定有期雇用労働者に係る労働基準法施行規則第五条の特例を定める省令案要綱」などについて、いずれも「妥当と考える」と答申しました。「専門的知識等を有する有期雇用労働者等に関する特別措置法(有期雇用特別措置法)」が2015年4月1日に施行されることを受けたもので、厚生労働省では答申を踏まえ、速やかに省令・告示の制定を進めるとともに、施行に向け事業主などへの周知に取り組むとしています。
◇消費者態度指数が2カ月連続で上昇
内閣府は、1月の消費動向調査の結果を公表しました。今後半年間の見通しを示す一般世帯の「消費者態度指数(季節調整値)」は前月と比べて0.3ポイント上昇の39.1となり、2カ月連続で前月を上回りました。指数の動きからみた消費者マインドは「下げ止まりの動きがみられる」に据え置いています。
◇JR連合、JR総連が春闘方針を決定
JRグループの主力労組であるJR連合とJR総連はそれぞれ、2月上旬に中央委員会を開催し、2015年の春闘方針を決定しました。JR連合は、月例賃金総額6,000円以上の引き上げをめざし、そのうち3,000円については純ベア統一要求することを決めました。一方、JR総連は、定期昇給を確保した上で、「6,000円以上」を統一ベア要求します。
◇経団連、初の女性役員
経団連は会長・副会長会議で、諮問機関である審議員会の副議長に英通信大手ブリティッシュ・テレコム(BT)の日本法人、BTジャパンの吉田晴乃社長(50)を起用する人事を内定しました。女性の役員登用は1946年の旧経団連発足以来、初めて。6月の定時総会を経て正式就任
 
出所:労働政策研究・研修機構

27年1月中の主なトピックス

◇14年人口動態統計の年間推計を公表
厚生労働省は、2014年の人口動態統計の年間推計を公表しました。出生数は100万1,000人、死亡数は126万9,000人で、出生数から死亡数を減じた「自然増減数」は26万8,000人の「減」と推計しています。
◇11月の求人広告掲載件数、前年同月比19.4%増
全国求人情報協会は、会員各社の11月の求人広告掲載件数の集計結果を発表しました。求人メディア全体の掲載件数は前年同月比19.4%増の98万2,741件でした。
◇協同組合及びセメント製造・販売7社、使用者に当たらずと判断
生コン製造会社を構成員とする協同組合及びセメントの製造・販売7社が、組合らの各団交申入れに対し、労使関係にないことなどを理由として応じなかったことが不当労働行為であるとして救済申立てがあった事件の再審査で、中央労働委員会は12月、協同組合及び7社は、組合らの団体交渉に応ずべき使用者に当たらないなどとして、初審における却下決定を取り消し、事件に係る救済申立てを棄却しました。
◇景況感DIが悪化
日本銀行は、「生活意識に関するアンケート調査」(2014年12月調査:四半期ごとに実施)の結果を公表しました。現在の景況感DI(「良くなった」から「悪くなった」の回答を減じた値)はマイナス32.9で、前回調査(9月)から12.5ポイント悪化しました。
◇14年1~6月の賃上げ、額・率ともに高水準
経団連は12月、会員企業等を対象にした「昇給、ベースアップ実施状況調査結果(2014年1~6月実施分)」を発表しました。賃上げ額は6,788円、賃上げ率は2.2%で、ともに1999 年(6,733 円、2.3%)以来の高い水準となっています。
◇社長が選ぶ今年注目の会社」1位はトヨタ
産業能率大学は、従業員数10以上の企業経営者が2015年に注目している会社を尋ねた「社長が選ぶ今年注目の会社2015」を発表しました。トップは「トヨタ自動車」で、理由として好調な業績に加え、世界に先駆けて販売が開始された燃料電池車などの新製品に期待する声が多くあがっています。
◇14年円安関連企業倒産、前年の2.7倍に急増
帝国データバンクは、円安関連の企業倒産動向調査の結果を発表しました。2014年に発生した倒産は345件で前年(130件)の2.7倍に急増しました。倒産企業の従業員数は5,270人で、前年(2,788人)を大きく上回っています。
◇これからの経営者」、求められる資質は「イノベーションの気概」
日本能率協会は、経営者のコンピテンシー(能力や資質、適性)に関するアンケート調査の結果を発表しました。これによると、「これからの経営者」に求められる資質のトップは「イノベーションの気概」でした。
◇「クラス担任外し」不当労働行為と判断
生徒とトラブルとなったことを契機にクラス担任から外されたことなどが不当労働行為に当たるとして救済申立てが行われた事件の再審査で、中央労働委員会は12月、クラス担任外しは組合員を不利益に取り扱うことを意図して行われた措置などとして不当労働行為に当たると判断、組合員のクラス担任就任を命じました。
◇6,000円以上の賃上げ方針を決定
自動車総連(相原康伸会長、約76万人)は、愛知県名古屋市で中央委員会を開催し、2015春闘方針である「2015年総合生活改善の取り組み方針」を決定しました。賃金引き上げの要求基準(平均賃金)について、6年ぶりに明確な額で設定し、6,000円以上とし、また初めて、直接雇用の非正規労働者の賃金改善を設定することを要求基準に盛り込んでいます。
◇2%以上のベアに加え「1%目安」の水準回復原資を求める
化学・エネルギー関連産業の労組でつくるJEC連合(11万4,000人、永芳栄治会長)は、都中央委員会を開き、2015春季生活闘争方針を決めました。賃上げ要求基準では、「2014春季生活闘争に引き続き、すべての組合が昨年を上回る2%以上のベースアップ・賃上げに取り組み、月例賃金の引き上げをめざす」とし、さらに賃金水準の状況に応じて1%を目安に原資を引き出すことで「職場のすべての労働者の格差是正・底上げの取り組みを進める」ことを確認しました。
◇小田急百貨店、8月にも休業日
小田急百貨店は、全3店舗で今年8月17日を休業日とすると発表しました。休業日はこれまで元日のみでしたが、2015年は年2日とし、販売員の労働環境の改善などを図ります。3店舗は新宿、町田、藤沢の各店。16年以降は実施状況を踏まえて検討するとしています。
◇労働時間法制の在り方などを議論
労働政策審議会労働条件分科会は、第122回会合を開き、今後の労働時間法制の在り方について、報告書骨子案をもとに議論しました。報告書骨子案は、① 働き過ぎ防止のための法制度の整備等、② フレックスタイム制の見直し、③ 裁量労働制の見直し、④ 特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル労働制)の創設――などで構成されています。
◇「STOP!転倒災害プロジェクト2015」を開始
厚生労働省と労働災害防止団体は、休業4日以上の死傷災害で最も件数が多い「転倒災害」を減少させるため、「STOP!転倒災害プロジェクト2015」を開始しました。転倒災害の多い2月と、全国安全週間準備月間である6月を重点取り組み期間として、業界団体などに対する職場の総点検の要請など、安心して働ける職場環境の実現を目指すとしています。
 
出所:労働政策研究・研修機構